世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

東欧ワインで一番有名なハンガリーワインとは?あなたはワインの補糖をどう思いますか?

      2017/04/27

東欧のワインは最近世界中から注目を浴びています。そんな東欧ワインブームの立役者となったハンガリーは革命児とも呼ばれているほど。ハンガリーワインとはどんなワインなのでしょうか?ヨーロッパ在住18年目のフードライターが、世界中で素敵な人達に出会いながら世界中を食べ尽くすの記録。今回はハンガリーワイン、そして東欧ワインの問題点でもある補糖と、今後のヨーロッパワインの行方についてです。

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昔から有名だったハンガリーのワイン

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ハンガリーは東欧の食の都です。でも食だけでなく、ハンガリーはワインだって素晴らしいんです。 世界3大貴腐ワインの一つと称されるトカイワイン。独特の濃厚な香りと甘さが特徴で、その美味しさと希少価値から「女性を落とすのに一番のワイン」と古くから有名です。

トカイワインに限らずハンガリーのワインは最近勢いが凄いです。大きな資本を投資して先進設備を整え、大幅な品質の改良に成功しました。今では「東欧ワインのルネッサンス」とまで呼ばれるハンガリーワインの今後に注目が集まっています。  

 

ハンガリーでは今でも自家製ワイン作りが盛ん

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海の無いハンガリーで「ハンガリーの海」と呼ばれ親しまれるバラトン湖。この湖の周辺はワイン栽培に大変適しているとされ多くのワイナリーがあります。

勢いのあるハンガリーワインの今を取材しにバラトン湖を訪れたのですが、ハンガリーで私を一番驚かしたのはそんな「東欧のルネッサンス」ではなく一般家庭のホームワインでした。

ハンガリー全土でホームワインは作られていますが特にバラトン湖周辺が盛んです。広大な土地を持った大きな家が多く、皆さん自家製ワインを楽しんでいます。  

 

寒い国で習慣化しているワインの補糖とは何なのか

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ハンガリーではブドウの収穫をギリギリまで待つ家庭が多いです。寒い国なので少しでも長くブドウに太陽をあてて甘さを強くしたいからです。

それでもやっぱり年によってはブドウの甘さが足りない場合があります。そんな時はブドウの糖分を計り、補糖するかどうかを決めます。

皆さんは「補糖」という言葉をご存知ですか?ワインを発酵させる前の段階のブドウの果汁に砂糖を加える事を「補糖」と言います。 これはワインを甘くする為ではなく、砂糖を加える事によってアルコールの発酵を補強し、ワインのアルコール度を高める為に行われます。

ブドウの糖分をワイン酵母で発酵させるとアルコールになります。だから原料であるブドウ自体の糖分が低いと、その低い糖分に見合った濃度の低いアルコールしか得られません。

アルコール分が高いワインはまろやかで厚みがあり、風味豊かなワインになります。だからブドウの糖度が低い場合は人工的に糖分を足して、高いアルコール分をだす習慣があります。

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補糖をしてもワインが甘くなる訳ではないとされていますが、ハンガリーで振舞われた手作りワインはどれも少し甘かったです。これは多分現在EUが規定している分量以上の糖分を加えているからなのかなと思います。

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補糖をめぐる各国の諸事情。EUが出した決断。

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「補糖」の是非については長年ヨーロッパで激しい議論が交わされてきました。気候に恵まれた南欧のワイン業者は勿論絶対反対です。太陽に恵まれた南部では砂糖を加えなくてもブドウは充分な糖分を得る事が出来るからです。

でもフランス南部以降の冷涼な地域では、年によってブドウの成熟度が不足することが多々あります。そんな年は補糖する事がやむをえない場合もあるのです。

補糖する事によってアルコール不足はカバーする事が出来ますがワインはアルコール分だけが重要なのではありません。フェノール等のブドウが十分に熟す事から得られる様々な物質が良質のワインを作り出すからです。

それを理由に補糖を一番強く反対していた国はイタリア。最近ワインの輸出低迷が問題となっているフランスワイン業界が一番強く補糖を求め続けていました。

フランスに限らずヨーロッパで補糖の習慣がある国はドイツ、スイス、イギリス。こららの影響力の高い国の強い要望が叶い、2008年のEU会議から補糖は合意され、許可されています。  

 

ヨーロッパのワインは今後どうなっていくのか?

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人工的に補糖すれば安定して高いアルコール分を得る事が出来ます。各国の経済を考えればそれもありなのかと思います。 それに補糖が必要のない暖かい国では、今度は酸味が足りなくて、それを後から加えたりもするのです。補糖がダメで補酸はOKなのが納得いかない。この主張はもっともだと思います。

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色々な諸事情があるので補糖の必要性を語るのは難しいです。でも個人の意見として、私はやっぱり素材の力が一番大事なのではないかなと思っています。

暖かい国では太陽の香がするほんのり甘いワイン。寒い国ではピシッとしたスッキリ酸味のあるワイン。各国に風土にあったワインを楽しめるのが一番なのではないでしょうか。

完璧なワインなんていらない。その国の特徴のあるワインがいい。ハンガリーのほんのり甘いワインを飲みながら、ヨーロッパの今後のワインに思いをはせるのでした。

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