世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

ワイン発祥の地キプロス島の世界最古のワイン、コマンダリア

      2017/04/17

トルコ南方の地中海に浮かぶ小さな島キプロス島はワイン発祥の地と言われています。世界3大ワインの一つ、コマンダリアの生まれ故郷でもあり、ワイン好きなら絶対訪れたいヨーロッパの穴場です。ヨーロッパ在住18年目のフードライターが素敵な人達に出会いながら世界中を食べ尽くすの記録。今回は超マイナーだけど魅力がたくさんのキプロス諸島について。

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ワイン発祥の地、キプロス島のオモドス村を訪れる

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今回訪れたのはキプロス南部にある世界で最も古いワイン園で有名なオモドスの村。海抜800メートルぐらいの山の上にあり、空気が凛と澄んだ気持ちの良い村です。ヨーロッパ的な白い家が立ち並び、村の周辺にはブドウ畑が広がります。

オモドスの村周辺一帯がワイン発祥の地だと言われ、その歴史はなんと紀元前2000年前以上に遡るのだそう。大古からワインが造られてきた土地で、地の利を生かして国外へのワイン貿易も盛んでした。

赤、白、ロゼ。どのワインもエレガントな美味しさなのですが、オモドス村、そしてキプロスの名を世界的に有名にしているのはコマンダリアと呼ばれる甘口のデザートワインです。「コマンダリア」の名を語れるのはオモドス村を中心としたトロードス山麓にある14の村で製造された甘口ワインだけ。

更にはキプロス島固有のブドウであるジニステリ種、マブロ種のみを使用する事。摘み取ったブドウは藁の上に並べ、天日で干して糖度を出す事。自然発酵で醸造する事。発酵が終了したら最低4年間はオークの樽で熟成させる事。これらの条件全てを揃えない限り「コマンダリア」を名乗れないのです。とても基準が厳しいので、ムラの無い安定した上質ワインを常に醸造しています。

 

世界3大ワインの一つ、コマンダリアのあらがえない魅力とは

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コマンダリアの特徴は蜜のような甘さです。糖度が高いためアルコール度数も15度以上あります。暑くて乾燥した気候が生み出す芸術品、コマンダリアの作り方は紀元前8世紀頃の古文献に既に登場していました。12世紀の十字軍の時代には正式にコマンダリアの名が付き、その地位を確かなものとしました。

コマンダリアのようなブドウを干して作る甘いデザートワインはキプロスだけでなくイタリア、フランス、スペインなどにも存在します。でもコマンダリア程長い歴史を持ち、色々なエピソードに彩られたワインは存在しません。

ローマの軍人アントニウスは「まるでキプロスの葡萄酒のように甘く優雅なそなたよ」とクレオパトラに告白し、コマンダリアのみならず、キプロス島そのものをプレゼントした事で有名です。

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12世紀、十字軍の英国王リチャード1世はキプロスで結婚披露宴を行い、その時に献上されたコマンダリアを大変気に入り後々まで「王のワイン、ワインの王」と呼び誉め称えました。

ドイツの鉄血宰相ビスマルクもコマンダリア・ファンの一人。生涯コマンダリアを購入する契約を業者と交わしていました。

13世紀頃、フランス王フィリップ2世は世界で初めてワインティスティングの大会を開きました。ヨーロッパ各国のワインが一堂に揃い、何日もかけて味わって厳選したワインは3本。イタリア、ベニスのワインとフランスのワイン、そしてコマンダリアでした。

オスマントルコがキプロスを侵略した一番大きな理由もコマンダリアが目当てだったと言われています。

キプロス島特有のお菓子はワインのお供に最高

オモドス村にはコマンダリアをはじめ、素晴らしいワインを醸造するワインセラーが何件かあります。どこのワイナリーも試飲して自分の好きなワインを購入できるようになっているのですが、その際に出されたおつまみが変わっていて面白かったです。ブドウの果汁を煮詰め、コンスターチと蜂蜜を加えて作るモチモチした感触の練り菓子なんです。中にアーモンドが埋め込んであって、甘さは控え目。何だかとっても優しい味でワインにも良く合います。こちらも購入出来るのでワインのお供に是非。

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ワイン好きの聖地、オモドス村

オモドス村はとても風情のある村です。小さいけれど素敵なカフェ、レストラン、お土産屋さんが揃っていて、散策するのがとても楽しい。

そしてこの村には収穫したブドウを圧搾する、古いワインプレス機が一つ残っています。昔からワイン作りが盛んな村なので、住民達が自由に使えるワインプレス機を役所が何個か設置していたのだそう。

自分達の土地で収穫したぶどうを持ち込み、取っ手をひねってブドウを圧搾するのですがその際に種を一緒に潰してしまうと味にアクが出るので気をつけなければなりません。一回目の圧搾で収集した果汁はワインに使い、二回目の果汁は蒸発させてアルコール度を上げ、透明なリキュールを作りました。アルコール度数は50度近くあります。

キプロス共和国はまだまだ余り知られていませんが、これからどんどんメジャーになっていくかと思います。皆さんも是非、機会があったらキプロス島を訪れてみて下さい。絶対気に入ると思います!

 - キプロス共和国, ヨーロッパ