世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

アルゼンチンタンゴの全て。タンゴの歴史、音楽、ダンス、おすすめのタンゲリア

   

アルゼンチンと言えば一番に思い浮かべるのがタンゴではないでしょうか。タンゴとは一体何なのか。音楽としてのタンゴ、ダンスとしてのタンゴ、タンゴの歴史、そしてタンゴは何処で見れば良いのか、タンゴの全てをまとめてみました。ブエノスアイレスでお勧めのタンゲリアの情報もあります。

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タンゴとは何なのか:タンゴが生まれた背景

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タンゴは18世紀頃アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスの港町で生まれました。広大なパンパと呼ばれる平原を持ち、穀物や牛肉を大量に輸出していたアルゼンチンは大変景気が良く、ブエノスアイレスにはヨーロッパから沢山の人達が移り住みました。ヨーロッパの人達だけではありません。アフリカからは黒人達が奴隷として連れてこられ、中南米からは出稼ぎ者、そしてインディオ達や地方の若者達も大量にブエノスアイレスへと流れ込みました。

当時のブエノスアイレスはまさに人種のるつぼ、若々しい活気で溢れていたのです。栄華を極めた人達はヨーロッパ風のオシャレをして、華やかなカフェが立ち並ぶ繁華街で人生を謳歌しました。「南米のパリ」と呼ばれるほど美しく発展したブエノスアイレスの街。その裏では貧富の差がどんどん広がっていました。富を得たのは一部の人達だけで、貧しさから逃れようと遥か遠くのヨーロッパから大志を頂いてやってきた若者達の多くは貧しいままだったのです。

移民が多く住む港町では廃退した雰囲気が色濃く出るようになりました。新天地でも向上しない生活を憂い、毎晩のように酒場で飲んだくれる若者達。そこに娼婦たちが加わり、歌い、一緒に踊るようになりました。そうしてタンゴが生まれたのです。

 

音楽としてのタンゴ:タンゴを代表する楽器バンドネオン

タンゴの音楽はヨーロッパの移民たちがもたらしたワルツやポルカ、アフリカの奴隷たちが持ち込んだカンドンベ、キューバのハバネラや現地インディオ達の音楽、それらにアルゼンチンの民族音楽ミロンガが交わったものです。更には貧しい移民たちの憂いと遠い故郷を思う郷愁が加わって、哀愁あるタンゴの旋律が生まれました。

アルゼンチンタンゴの大きな特徴はバンドネオンの音色です。アコーディオンに似た小ぶりの蛇腹楽器で、鍵盤がピアノのような形ではなく丸いボタンの形をしています。ドイツ発祥の楽器で、このボタン型の鍵盤が蛇腹を挟んで両側についています。元々のタンゴはバイオリン、ギター、フルートで演奏される短いスタッカートを多用したテンポの速い音楽でした。

このバンドネオンが19世紀末にアルゼンチンへ持ち込まれ、タンゴの主要楽器として使用されるようになるとタンゴのテンポが遅くなり、現在のタンゴのリズムが確立されました。バンドネオン、とても難しい楽器なので速く演奏する事が出来なかったからだそうです。

 

ダンスとしてのタンゴ:タンゴを踊る為の場所、ミロンガのルール

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踊りとしてのタンゴはどのようなものなのでしょうか。男女がペアを組み、男性がリードし、女性がそれに従いながら2人で即興で作り出す踊りがタンゴです。決まった動きがある訳ではありません。男と女が対峙して、会話するように踊るのです。

ブエノスアイレスで生まれたこの煽情的な踊りはパリへと輸出されました。当時ヨーロッパでは男女が向かい合うのではなく、腕を組んで踊っていました。愛の都パリでアルゼンチンからやってきたセンセーショナルな男女の踊りは大人気となりました。一時期廃れていたタンゴはパリから逆輸入され、それまでは下層階級の、娼婦の踊りとまで言われていたタンゴが市民権を得て、上流階級にまでも浸透していきました。

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かつてのアルゼンチンにはタンゴ好きな人達が集まってダンスを楽しむ「ミロンガ」と呼ばれる社交場が沢山ありました。男性が女性にアイコンタクトを送り、女性が目を逸らせば交渉決裂。目をじっと見つめ返されたら男性は女性の前まで行き、手を引いてダンスフロアへとエスコートして踊ります。フロアを反時計回りに進み、全体の流れを壊さないように踊るのがミロンガのルールです。

現在はそのような社交場の数が少なくなりました。タンゴを踊る人達も減っています。タンゴを踊る事は出来ないけど、せっかくアルゼンチンへ来たのだからタンゴを見てみたい。そんな観光客は何処へ行けばよいのでしょうか。

 

アルゼンチンでタンゴを見るには何処へ行けば良いか

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ブエノスアイレスには沢山のタンゲリアがあります。タンゲリアとはお酒や食事をしながらタンゴの生演奏やプロのダンサー達の踊りを楽しむ場所です。アルゼンチンで本場のタンゴを鑑賞するならタンゲリアへ行くのが一番でしょう。

タンゴだけを出来るだけ安く見たい、なんて方はタンゴ・ポルテーニョTango Porteño)をお勧めします。ショーだけなら 3千円代でチケットを購入できるので一番安いかなと思います。タンゴ・ポルテーニョはブエノスアイレスのシンボルでもあるオベリスコの近く、劇場通りにあります。

この辺りは数百件ものショー会場や劇場が並んでいる地区です。劇場通りならタンゴ・ポルテーニョの他にも色々なタンゴショーが見れるかと思います。タンゴ・ポルテーニョは本当に大きな会場で、ディナーも一緒に楽しめますがどちらかと言うと劇場の雰囲気。情緒のあるタンゲリアの雰囲気は余りありません。

昔ながらの雰囲気を求めるならブエノスアイレスのサン・テルモ(San Telmo) 地区がお勧めです。古き良き時代を彷彿させる雰囲気の良い下町で、本場の本当のブエノスアイレスを知りたかったらサン・テルモへ行けと言われるほど有名な地区。この近辺には雰囲気のあるタンゲリアが多いです。

その中で一番お勧めなのがエル・ビエホ・アルマセン(El viejo Almacen)。ステージがとても近いので迫力満点のタンゴを見る事が出来ます。それにお店の雰囲気が最高なんです。この劇場に関しては次回に料理も含めて詳しく書きたいと思っています。

サン・テルモ地区は本当に絵になる場所が多いので、ブラブラとお散歩しながら行くと良いと思います。ただ夜の治安は悪いので、ショーが終わったらタクシーで直帰しましょう。アルゼンチンの治安は残念ながら良くはありません。

タンゲリア

タンゴ・ポルテーニョ Tango Porteno
Cerrito 570 C.A.B.A Argentina

エル・ビエホ・アルマセン(El viejo Almacen)
レストラン
Balcarce 793 e Independencia – San Telmo
タンゴショー
Balcarce 799 e Independencia – San Telmo

 - アルゼンチン, 中南米, 各国の観光、文化、雑学のまとめ