世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

夏にフィンランドを訪れたら森へ行ってベリーをつもう 北欧の短い夏の楽しみ方

   

フィンランドの森にブルーベリーを見かけるようになると、長く厳しい冬が終わりを告げ、つかのまの美しい夏がやってきたのだと嬉しい気持ちになります。フィンランドではスーパーでブルーベリーを買う人はいません。この国ではそこら中にブルーベリーが生えているからです。

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ブルーベリー摘みの秘訣と注意事項

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フィンランドには森の中は勿論のこと、家の周り、学校のグラウンド、高速道路の脇、何処にだってブルーベリーの茂みがあります。

フィンランド人にとってブルーベリー摘みは短い夏を彩る大切な行事。もちろん排気ガスの届かない森の中のブルーベリーが一番美味しいので、夏の週末ともなれば皆でこぞって森へ行き、ブルーベリー摘みにいそしみます。

森を散策していたら、ブルーベリーを摘んでいるアヌさんに出会いました。とても気さくな方でブルーベリー摘みの極意を色々と教えてくれました。一番大切な事は服装で、長袖長ズボンが基本なのだそう。

フィンランドの森には沢山の蚊がいます。そして何よりも恐ろしいのがマダニ。森の中の茂みや草むらに住んでいるクモのような虫で、咬まれると最悪の場合死んでしまう感染症をひきおこす可能性があるのです。

長袖長ズボンなら触れると痛みや痒みが発生するギザギザした葉からも身を守る事も出来ます。そして長靴。フィンランドは森と湖の国です。ぬかっている地面が多く、滅多にお目にかかる事はありませんが毒ヘビも存在するので長靴が安心です。

 

北欧の秘密兵器 ブルーベリーを摘むための機械

森の中で1時間も頑張ればバケツ一杯分のブルーベリーが採集できます。しゃがみっぱなしは少し辛いのですが、フィンランドの美しい森と夏を満喫するには最高のアクティビティです。

それにフィンランドにはブルーベリーを摘む為の秘密兵器だって売っているのです。見かけは「塵取り」にしか見えませんが、立派なブルーベリー摘み機。これでベリーの生っている茂みをすくうようにして動かすと、櫛の部分が余分な枝や葉を取り除き、実だけが機械に残る仕組みとなっています。

小さな子供たちがせっかく摘んだブルーベリーをこぼさないよう、ストッパー付きの機械も売っています。

でもアヌさんは機械を使わない手摘み派の人です。その方がブルーベリーを傷つける事なく収穫出来るからだと言います。夏になると毎週末のようにブルーベリーを摘んで冷凍保存し、次の夏まで少しずつ解凍して楽しむのだそう。傷の少ないブルーベリーの方が味の持ちが断然良いとのことです。

ただブルーベリーの汁はとてもやっかいで、手摘みだと手先が直ぐに真っ黒になって、洗ってもなかなか色が落ちません。服なんかに付いたらシミになるので注意が必要です。

ヨーロッパの歯医者では子供がきちんと歯磨き出来たかを確認する為にブルーベリーの汁を使う程染色力が強いのだそう。

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いかにもフィンランドらしい法律「自然環境享受権」とその問題点

フィンランドに限らず北欧の国々では個人庭園や自然保護区以外の場所なら、誰でも何処でも自然の恵みであるキノコやベリーを採集する権利を持ちます。

これは自然環境享受権と呼ばれ、例えそこが私有地であったとしても土地の所有者に損害を与えない限り、他人の土地を含む全ての土地への立ち入りと自然の恵みの採集を認めるものです。

何とも北欧らしい寛容な法律で、自然を慈しみ、自然と共に生きる北欧ならではの素敵な法律とも言えるでしょう。ところが悪い人達がこれを悪用し、北欧の人達から短くも素敵な夏を彩るささやかな楽しみを奪おうとしています。

ブルーベリーの季節となると何処からともなく不法移民者を大量にのせたトラックがやってきて、人海戦術で森中のベリーを根こそぎ採集してしまうようになったのです。

「ここにはまだトラックが来てないの。道路から随分と外れた場所だからかしら。私の夏の楽しみが奪われないよう祈ってる。でも今後の事を考えたら何だか気分が滅入ってしまうわ。今日はもうこんなにビルベリーが摘めたから、もうお終いにしようと思うの。あなた私の家に来てコーヒーでも飲みなさいよ。先週末に摘んだビルベリーでタルトを作ったの。とても美味しいから試してみて。」

 

フィンランド風ブルーベリーの調理の仕方

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そんな素敵な招待を受けたので、アヌさんの家でビルベリータルトとコーヒーをご馳走になりました。ブルーベリーの季節にフィンランドを訪れると、ブルーベリーをふんだんに使った色々な物が振る舞われます。ケーキ、タルト、菓子パン、アイスクリーム、ジャム。何を食べても本当に美味しいです。

皆さんとても上手に、しかも独自のアレンジを効かせて作るので、同じタルトだとしてもバリエーションが凄いんです。アヌさんのビルベリータルトは生地に特徴があります。スパイスのカルダモンが隠し味で入っているのです。

フィンランド人はカルダモンの味が大好き。シナモンロールやお菓子系には結構な高確率でカルダモンを使用しています。甘酸っぱいビルベリーの具とスパイスの効いたタルト生地が完璧にフィットして最高に美味しい組み合わせでした。

ブルーベリー摘みはアヌさんの大切な夏の行事です。毎週末夏の美しさを愛でながらお散歩して、帰り道にバケツ一杯のビルベリーを摘む。ジャムを作りケーキを焼いて友達を招待し、一緒に夏を楽しむ。アヌさんだけではありません。ビルベリー摘みはフィンランド人にとってとても大切な事。今まで通り、フィンランドの森が皆のものであり続けるよう、私も心からお祈りしたいと思います。

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