世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

スペインのタパスとは何なのか? タパスは何処で食べるのか?スペインのタパスについて

      2018/06/15

スペインの食べ物を語るのに欠かせない存在がタパス。飲み物を注文すると無料でついてくる食べ物、もしくは有料の小皿料理の事。スペイン在住18年目のフードライターが世界中を食べ尽くすの記録。今回はスペインのタパスについて。スペインの食文化だけでなく、スペインそのものを学べる場所、バル(BAR)についても解説。

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 タパスの歴史 タパスの由来 

タパスの歴史はとても古く諸説が幾つもあります

アルフォンソ13世(在位1886-1931 年)が風の強い事で有名なスペイン南部の街、カディスを訪れました。休憩したメゾンのテラス(VENTORRILLO  DEL  CHATO という名で現存します。)で一杯のシェリー酒を頼んだ時、強い風が吹きました。気を利かした給仕がワインのグラスに砂が入らないよう生ハムで蓋をしてサーブしました。それを痛く気に入ったアルフォンソ13世が2杯目も同じように蓋をしてワインをサーブするよう命じた、それがタパスの始まりとの説が一番有力です。

次に有力なのが軍事面では失格者ではあったけれど、文化、行政面に大きな功績を残し、それを讃えられ後に「賢王」と呼ばれるようになったアルフォンソ10世(在位 1252-1284年)の説。貧乏な酒飲み達が空きっ腹でワインを飲む事を防止する為にワインを食べ物無しでサーブする事を禁止した、との説。タパスは悪酔いを防ぐだけでなく、防犯の効果にもなったと言われています。

レコンキスタの拠点となったアストゥリアス王国の時代に( 718-914年)ワインには必ず豚肉を使用した生ハムやソーセージ類を付けてサーブするよう命じ、共に食卓を囲んだ同士が不浄な生き物として豚肉を食べなかったイスラム教徒で無い事を確認し合った、なんて説もあります。

語源からシンプルにタパス(TAPAS) が動詞TAPAR (覆う)の活用から成り、グラスを覆ったリ、空腹を TAPAR (覆う)ために存在する食べ物だから、とも言われています。

いずれにせよタパス(TAPAS)の歴史は古く、昔からスペイン人に慣れ親しんだ習慣です。

 

スペインのバル特有の食習慣、タパスとは?

IMG_8844レストランやカフェバーで一杯のビールを頼むと、タパス(TAPAS)と呼ばれる無料の付き出しが付きます。オリーブの実だったり、生ハムが乗った小さなトーストだったり。タパスで有名な北部や南部へ行けば、魚フライや肉料理などがたっぷり付いてきて、2杯もビールを飲めばお腹一杯になってしまいます。

残念ながら都会ではそこまで太っ腹なタパスにお目にかかる事は稀です。マドリッドのオシャレ系の バルならタパスが付かない場所も多いし、何か無料でついたとしてもピーナッツやポテトチップスだけだったり。バルセロナだったら全く何もつきません。セビリアもお金出さないとタパスはつきません。

タパスには食べる(COMER )と言う動詞をスペイン人は使いません。鳥がクチバシでつっつく、を意味する PICARを使います。胃袋の小さい日本人にとっては結構な量ですが、スペイン人にしてみればあくまでもアペリティフ、食事前に食欲を増進させる食前酒のようなもの。

食事前にカウンターで1~2杯ひっかけてから席について本格的な食事をします。タパスの意義は食欲を増進させること。でもタパス文化が盛んな南部ではメイン料理を食べずにタパスだけですませてしまう人も多いです。

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スペインのバル(BAR)はスペインの食文化の一部

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スペインの有名な歌手、ホアキン・サビーナはアントン・マルティン(マドリッドの地下鉄駅)界隈だけでノルウェー全土よりも多くの バー(BAR)があると歌いました。全くもってその通りでスペインにはやたらめったらBARがあります。ちなみにBARはスペン語だとバーではなくバルと読みます。

バーと言っても日本のような、綺麗なお姉さん達がいる薄暗い場所を想像してはいけません。カウンターとテーブル席が数個置かれた、子供からお年寄りまでが共存する空間、それがスペインの バー、バルです。

スペイン人にとってBAR は生活の一部。一日に何度でも立ち寄る場所。田舎に住むお年寄りなどは一日の大半をバルで過ごしています。

テレビのサッカー中継に一喜一憂してる人、一人黙々と新聞を読む老紳士、ドミノで遊ぶおっさん達、まったりした若者達の輪、買い物帰りの奥様群の笑い声、ざわめきの間に聞こえるスロットマシーンの音、椅子の下で眠る犬、その犬にちょっかい出す子供達、人が通る度に移動されるベビーカー。

スペインとは何か、そしてスペイン人を知りたかったら絶対バルへ立ち寄るべきです。バルにはスペインの全てが凝縮されているのですから。

バルはスペイン人観察にもってこいの場所。スペイン料理を知るためにも絶対訪れたい場所。スペイン料理はレストランなんかで食べるよりバルで食べた方がより深くスペインを感じる事が出来ます。バルにはイス席もありますが、よりスペインらしい雰囲気を盛り上げたいならカウンターがおすすめ。それにタパスで有名なバルにはイス席が無い場合も多いです。

スペイン人もタパスを食べるのには、 老いも若きも立ち食いが基本。皆でワイワイでもいいけど、一人だってスペインのバルは怖くない。人間観察をしながら、サッカー中継を見ながら、グラス片手にタパスを楽しんで下さい。

 

美味しいタパスが食べられるお勧めの場所とは

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美味しさで行ったらバスク地方のタパスが一番凄いです。ただお値段は別会計で結構高い。でも高いだけあり色々と手の凝ったタパス料理を楽しむことができます。

無料で美味しい、それだとアンダルシア地方。大学があり、学生の街として有名な場所もタパスを食べるにはお勧め。アンダルシア以外だとサラマンカ大学、レオン大学で有名な両都市がタパスで有名です。

スペインと言えばタパス。でもタパスを食べない地方、無料のタパスが付かず別会計な地方、色々とあるので注意が必要です。例えばアンダルシアはタパスで有名ですが拠点となるセビリアの街は別会計になるバルが多いです。

ところでスペインのBAR では煙草の吸殻、爪楊枝、オリーブの種、ナプキン、何でもかんでも床に投げ捨てます。最初は何てお行儀の悪い国だろう、なんて思ったりもしましたが床が汚ければ汚い程美味しいバルだと評価されます。皆さんも郷に入れば郷に従え。スペインのバルに立ち寄った際には思いっきりポイ捨てしながら食事を楽しんで下さい。

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