世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

スペインで一番有名なチーズ マンチェゴのチーズの工場見学

   

世界中の人々から愛させるチーズ。本場はやっぱりヨーロッパです。世界で名だたるチーズの名産地の中でスペインは少し陰の薄い存在ではあります。でもスペインのチーズだって他の国に負けないくらい美味しいです。今回はスペインで一番有名なマンチェゴチーズの工場見学レポです。

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世界で一番のヨーロッパのチーズ

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ヨーロッパと言えばチーズです。世界で一番の生産量を誇るのがイギリス産のチェダーチーズ。世界で一番流通されているのがオランダのゴーダチーズ。オランダではゴーダチーズを年間70万トン生産して50万トンを輸出しています。
一人あたりのチーズ年間消費量が世界一なのはフランス。日本人が年間に食べる量の18倍ものチーズを消費しているんです。

そんなフランスを代表するロックフォール・チーズは世界で最も古い歴史を持つ事でも有名です。直径約80センチ、厚さ25センチ、重量にいたっては100キロ近くにもなる世界で一番大きいチーズはスイスのエメンタール。チーズフォンデュにも使われる、よくマンガでネズミと一緒に描かれる穴の開いたチーズです。

イタリアだってチーズを代表する国です。パスタにかかせないパルメザン・チーズ、ピザにはモッツァレラ・チーズ、世界三大ブルーチーズの一つであるゴルゴンゾーラ・チーズだってあります。

 

スペインのチーズを代表するマンチェゴチーズ

そんな名だたるヨーロッパのチーズの世界の中では、スペインのチーズは知名度が全くありません。マーケティングが悪いのか、スペインのチーズを日本で見かけることも余りないかと思います。だからと言ってスペイン人がチーズを食べないと言う訳ではありません。

スペイン人もやっぱりチーズが大好き。フランス産やオランダ産のチーズもスーパーで売られていますが、スペイン人が好んで食べるのは何時だってスペイン産のチーズ。特にラ・マンチャ地方で生産されるマンチェゴと呼ばれるチーズです。

雨が多く山岳地帯が多いスペインでは、古くから代表的な家畜は牛ではなく羊でした。だから今でもスペインのチーズは牛ではなく羊や山羊が主流です。

羊の乳で作るチーズは本当に個性的で、香りが強く、舌にのせると少しピリッツとくる辛さがあります。その後、ねっとりとして力強い美味しさが口の中に広がり、一度食べたら忘れられない大変インパクトのある味。

今回はそんな個性的なチーズ、マンチェゴを生産する工場を訪れました。お父さんとお母さん、兄弟とその兄弟の奥さん達で経営する小さな工場です。このような小規模生産者が多いこと、そして生産されるチーズの殆どがスペイン国内で消費されることも、日本にまでマンチェゴ・チーズが浸透しない理由の一つなのではないでしょうか。

 

マンチェゴチーズの作り方

乳を搾る

まずはチーズの原料となる羊達を見学。ちょうど子供達が生まれたばかりの季節で、小さな子羊達が沢山遊んでいました。普段は工場の裏山で放牧されていますが、時間になるとこの羊小屋に集められます。

集められた羊達は羊小屋の隣にある乳を搾る機械のある部屋に通されます。羊は本当に従順な生き物で、列を作って大人しく順番を待ち、誘導されるがまま乳を搾る機械に入っていきます。

装置を羊の乳にあてがい毎回定量の乳を搾ります。

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加熱殺菌する

搾られた乳はタンクに集められます。その際、汚染をまねいて品質低下の元となる異物をフィルターにかけて除去。このタンクで4℃になるまで乳を一時冷却します。

一度冷やした乳を加熱し殺菌します。低温で長時間殺菌するのが乳の栄養分を損なわない最もチーズ作りに適した殺菌法です。

 

酵素を投入

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殺菌した乳を30℃になるまで暖めます。決して30℃以上にならないよう厳重に管理しながら45分間暖め続け、酵素を投入。すると乳に酵素が作用しタンパク質が固まり、ヨーグルト状になります。それを細かく機械でカットして固形物と水分に分けていきます。

更に温度を37℃にまで上げ、固まる乳をかき混ぜながら切っていきます。米粒より少し大きい位の粒になるまで切った後は水分を排出させ、固形物だけを取り出します。

 

成形

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水分を除去し、米粒状に固まった乳だけを丸い型に詰めていきます。容積や重量の均一さがその後の工程に影響するので、簡単なように見えて実は熟練の技が必要。

型の底にはシリアルナンバーを付けます。一つ一つのチーズを徹底的に管理する為です。

 

余分な水分を出す

チーズを作る際に固形物と分離された副産物として大量に作られる水分をホエイと呼びます。ほぼ透明な液体で微量の乳性分を含みます。ヨーグルトを放置しておくと上部に液体が溜まりますね。それがホエイです。

このホエイを充分に抜く事がマンチェゴ・チーズのような硬いチーズを作る秘訣。まずは人の手で充分に水分を抜いてから機械で圧力をかけていきます。

 

味付け

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圧力をかけ余分な水分を抜き取ったチーズを型から取り出し、24時間から48時間の間20%の食塩水に浸します。チーズに味を付ける意味の他に、雑菌の繁殖を抑え、熟成中にカビの進入を防ぐ役割があります。

 

熟成

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暗さと湿度が徹底的に管理された場所にチーズを並べ熟成させます。マンチェゴ・チーズは最低でも30日間の熟成が必要。この過程でタンパク質が分解してアミノ酸になり、香りと旨みが作られます。

チーズもワインと同じで、熟成すればするほど味に深みが出ます。肌寒い程の地下室で更に一年以上寝かせ、最上級品に育て上げます。

 

スペインのマンチェゴチーズのすすめ

牛の乳で作るチーズに慣れている日本人にとって、スペインの羊の乳で作るチーズは癖があり最初は食べにくいかも知れません。でも一度食べると病みつきになってしまうのがマンチェゴ・チーズ。

皆さん是非、スペイン産のマンチェゴ・チーズを見かけたら試してみて下さい。力強くインパクトのある、とてもスペインらしいチーズです。

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