スペインのアンダルシア地方でおすすめの白い村15選
2019/05/15
スペインがよりスペインらしい場所はアンダルシア地方。特に白い村めぐりは観光客の人達から人気があります。スペイン在住18年。大好きなスペインを皆さまと分かち合いたい。今回はおすすめのアンダルシアの白い村を厳選してみました。
ロンダ (Ronda)
スペイン、アンダルシア地方の白い村々を巡る旅で、拠点としておすすめしたいのがロンダの街。でもロンダはただの「白い村」ではありません。アンダルシア地方で絶対訪れるべき、沢山の魅力を持った街。
海抜739mの断崖の上に作られた空中の街で、旧市街には白壁の美しい家々、石畳、教会、城壁などが中世そのままの形で凍結されています。
ロンダの近くで洞窟壁画が見つかったことから、新石器時代から人が定住していたとされている。そんな古い歴史のあるロンダには魅力がギュウギュウつまっています。
闘牛が生まれた町としても有名。小ぶりながらもスペインで一番美しいとされています。ついでに山賊の町としても有名で、ついこの間まで山賊の最後の子孫が生きていました。
ロンダは食べ物が美味しい事でも有名です。どのレストランも質が良く安価。安宿も多いので、ロンダを拠点にして周辺に散らばる白い村を訪れるのが一番ベストな形。
時間の関係で一個しか白い村を訪れる事が出来ないなら、ロンダだけでも充分満足するかと思います。ただ村っていうには大きすぎるかも。
交通の便が良い事もロンダの魅力のひとつ。電車、バスなどの公共の交通が使えるのでレンタカーがなくても大丈夫。本数も多いです。
レンタカーで行く場合は海沿いから行くより、マラガから内陸部の高速で行きましょう。海からロンダへ続く道はヘアピンカーブの連続。しかも断崖絶壁なのでかなりスリリングです。
ミハス (Mijas)
小さな村は常に日本人と中国人の観光客で溢れています。中国ではドラマの撮影、日本では車のCMに使われた事から「白い村と言ったらミハス」のような風潮が生まれました。
ロバのタクシーでも有名。観光客の為だけにある、観光でしか食べていけない村。日本人が思う通りの白い村だけれど、村の素朴さは皆無。
マラガから1時間ほどの場所にあり、公共の交通で簡単に行ける手軽さはあります。反対に駐車場は直ぐ満車になるので、レンタカーじゃなくバスで行った方がいいです。
セテニル・デ・ラス・ボデガス (Setenil de las Bodegas)
アンダルシアに数ある「白い村」の中で、異質の魅力を放つのがセテニル・デ・ラス・ボデガス。「美しい白い村」ってだけでなく、「洞窟の中の村」として有名。
浸食された岩の下に多くの白い家が建てられています。このような洞窟住宅は夏は涼しく、冬は暖かで快適なのだそう。
珍しさもプラスしてアンダルシア地方の隠れた宝石だと思います。それほど観光化もされておらず、村の人達の生活を見る事も出来ます。レストランにも地元の人達がいっぱい。
ただレンタカーは絶対必要です。周辺は全て魅力ある白い村々です。ゆっくり車を走らせて、自分好みの白い村を見つけるのが楽しい地域です。
オルベラ(Olvera)
カディス県には沢山の白い村があります。ってか全部が全部白い村。中でも飛びぬけて美しい気品を放つのがオルベラの街。小高い山の上にあり、遠くからも良く見える、教会の美しい二つの鐘の塔が目印です。
白い村も素敵だけれど、小高い山の上から見下ろす、広大で荒涼としたアンダルシアの大地も愛でて欲しい。
オルベラの町を散歩する時は教会と絡めながら街並みを楽しみましょう。白壁、窓枠の黄色、鉄格子の黒、石畳、狭い小道の向こうに見える教会。何とも絵になります。
カルモナ(Carmona)
スペインの歴史ドラマや映画の撮影地となる事が多く、確かに中世感が素晴らしい。セビリヤから30キロの場所にあり、南部特有の明るさに加えて、多くの貴族が住んでいた高貴さが至る所に漂います。
この村には是非とも夏に訪れて頂きたい。村の周りにヒマワリがぶわーーっと植えられていて、地平線までひろがる黄色の絨毯に圧巻。夏にアンダルシアを訪れたなら絶対訪れたい場所。
カルモナのもう一つの目玉はパラドール(Parador)。パラドールとは歴史ある本物の城や修道院を改装した国営ホテルのこと。カルモナのは14世紀の王、ペドロ1世の城でした。
青池保子さんの漫画「王城アルカサル」のファンには聖地。ちなみにこの城に初めて宿泊した日本人は天正遣欧少年使節なんだとか。高台にあるので景色も抜群。宿泊が無理なら食事かお茶だけでも是非!
セビージャからバスが一時間おきに出てるのでレンタカーなくても大丈夫。
サーラ・デ・ラ・シエラ (Zahara de la Sierra)
エメラルドに輝く湖のほとり、小高い丘のてっぺんに城、その下には雪崩のように白い家々が広がっている。サーラの村は湖を挟んで遠くから眺めるのが一番素敵です。
湖は人口のダムで、時々凄い勢いで放水されています。村はもう本当に白い村ってだけで他には何も見るものがないので、遠くから眺めるだけで充分かも。
ベヘール・デ・ラ・フロンテーラ (Vejer de la Frontera)
大西洋にほど近い場所にあるこの白い村には、スペインで一番美しい砂浜を持つカディス周辺のビーチを堪能した後に訪れたい。山間にある白い村の方が風情があるけど、海岸近くにある白い村々には何だか明るい解放感があります。
レンタカーで旅する楽しさは、公共の交通網では行けない場所に行けること。カディス周辺には人の手が全く入っていない素晴らしい自然のビーチが沢山あります。魚介類も安くて美味しいので、ビーチと白い村を組み合わせて廻ってもいいと思います。
アンテケーラ (Antequera)
マラガから50km、アンダルシア地方の交通の要。多くの人が車で通るのに、誰も立ち止まらない。それでは勿体なさすぎる居心地の良い村です。でも村ってサイズじゃなくて町かも。世界遺産にもなっている考古学遺跡、ドルメンがある事でも有名。
アンテケーラはお菓子の街とも呼ばれ、スペインの定番クリスマスの焼き菓子、マンテカードス(Mantecados)の産地。他にもアンテケーラのパンと言えばアンダルシアの朝食に欠かせません。
全く観光地化されていないのに、何だか観光地のように整っていて居心地が良い。過小評価され過ぎているアンテケーラを白い村めぐりの拠点としてもいいと思います。
グラサラレマ (Grazalema)
一つの村を1時間ほど散策して次の村に移る、それが「白い村巡り」の正しい形なのだろうけどグラサレマだけは何泊かゆっくりしてもらいたい。この村は「白い村」のカテゴリー以上に「トレッキングの村」として有名。アンダルシで一番の素晴らしい大自然に囲まれています。
アンダルシア地方は月のような岩肌と万年の水不足で乾いた土地が有名。でもグラサレマ山脈自然公園は全く違います。スペインで一番降水量が多い地域は、スペイン人ですら驚いてしまうけど、アンダルシア地方にあるこのグラサレマ周辺。緑溢れる月、みたいな不思議で素敵な光景を堪能できます。
自然だけでなく村自体も素朴でとっても可愛らしい。手作りお菓子屋さん、美味しいレストランもあります。アンダルシアで一番おすすめの村かも!
フリヒリアーナ (Frigiliana)
「スペインで一番美しい白い村」なんて選手権があると、フリヒリアーナが選ばれる事が多いのですが、私的には「意義あり」。でも一番ってのがひっかかるだけで、美しい白い村である事は否定しません。
ネルハ県はアンダルシア地方の穴場。マラガ程ひらけてないけどアルメニアほど田舎でもない。物価が安く、観光地化もそれほど酷くはない。地中海は美しく、ほどほどのリゾート感があります。ゆっくりするには最適な土地。
それにネルハにはアンダルシアを代表する観光地、ネルハの洞窟があります。二万年前の新人類、クロマニョン人が住んでいたとされる洞窟で、ヨーロッパ最大級の規模。全長800m、高さ60メートルの滝がある空間には舞台が作られ、国際武道音楽祭なども開催されます。それはもう圧巻の一言。
カサレス (Casares)
何処から見ても絵になる村。これぞ「白い村」の代表格。ほどほどに観光地化されているのも便利でいい。
モンテフリオ (Montefrio)
グラナダ県を代表する白い村。そそり立つ崖の上に立つ教会、その下に、まるでスカートの裾のように白い家々がまとわりつく。
多くのCMの舞台となった美しい村です。交通の便は悪いので、レンタカーするなら絶対に訪れたいアンダルシアを代表する白い村。
そしてアンダルシア観光でグラナダは絶対に外せない場所です。グラナダを拠点にして周辺の白い村を訪れるのもいいかもしれません。
モハカール (Mojacar)
モハカールの魅力は、村から海と山が見渡せること。小高い丘の表面全てに張り付いた、何とも不思議な迫力のある白い村は絶対遠くからその全景をカメラに収めたい。
アルメリア県は観光地化され過ぎた他のアンダルシア地方の海岸線の中で、今なお昔ながらのアンダルシアそのままで生きてる地域。多くの西部劇が撮影されるほど荒涼とした景色も有名です。素朴な迫力がある土地なのでレンタカーがあるなら是非。
ウベダ (Ubeda)
ハエン地方を代表する白い村ウベダ。ハエン県はオリーブの産地で、世界最高峰のオリーブオイルが生み出される場所です。ハエンのオリーブオイルは王室御用達。その関係なのか、何だか高貴な香りが漂う村が多いです。
ただ白い村は白い村だけど、純粋な白い村って訳じゃなくて、スペイン中央部の雰囲気もあります。
ウベダの村は2003年に世界遺産にも登録されました。白い村に加えて、スペインを代表するルネッサンス建築様式も見れる場所。白い村が売りと言うよりか、高貴な人の忘れ形見、みたいな気品漂うのが特徴です。
フスカール (Juzcar)
番外編。白い村ではなく、青い村。スマーフの村として有名だった。スマーフとはアニメのキャラクターで、ヨーロッパのどこかの森の中に住んでいる青い肌をした小人のこと。日本ではチーズのキャラクターとして有名。
そんなスマーフのイメージ通りに村中が青く塗られ、スマーフが街の至る所でお出迎え、な村だったが経済的な理由で2017年からスマーフを語れなくなった。現在スマーフはいないけど、まだ青い事は青いので、話のネタで行くにはいいけど、まぁ、無理していく事はない。