世界食べ尽くしの旅 Españoleando

スペイン在住のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を遊んで食べ尽くすの記録

バルト3国のエストニアで出会った女性起業家の生き様

      2017/04/18

エストニア共和国。元大相撲力士、把瑠都 凱斗(ばると かいとの活躍で日本在住の皆様にも馴染みのある国なのではないでしょうか。私は全くこの力士の事を知らなかったので、多くのエストニア人から相撲の話を持ちかけられて本当にびっくりしました。ヨーロッパ在住18年目のフードライターが、素敵な人達に出会いながら世界中を食べ尽くすの記録。今回はそんな相撲がすっかりメジャーなスポーツとなったエストニアの、学生街としても有名で二番目に人口の多いタルトゥの街に住むガッツのある女性起業家のお話です。

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エストニアで二番目に大きい都市、タルトゥから届いた招待状

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タルトゥはエストニアの中で最もエストニアらしい街と言われています。首都のタリンが政治、商業の中心であるなら、エストニア最古の大学があるタルトゥは学問、そして文化の中心地。首都タリンから南へ180キロ、学生の多いとても活気のある街です。

コンサートやイベント、芸術や文化に関する催し物が多く、安くて美味しいレストランも多いのでこの街に住むのは楽しいかと思います。でも観光地としては少し弱い。見るものがあまりないかもしれません。だからなのか余り観光客を見かけません。

そんなタルトゥの街を急遽訪れる事になったのはリナ(LINA VIROLAINEN)さんとライネル(RAINER)さんからメールを貰ったから。「私達は二年前からカラスクと呼ばれるエストニアの伝統的なパンを作って販売しています。今回初めてお店を持つ事になりました。取材しに来ませんか。」こんな形で全く訪れる予定の無かった街に立ち寄るのはなかなか楽しい事です。

 

若い世代が再発掘したおばあちゃんの味。そしてそれを受け入れたのも若い世代。

タクシードライバーとして働いていたリナさん。二年前に自分の商売を持ちたいとカラスクに目をつけました。カラスクとはリナさんのお婆ちゃんの時代にエストニアで良く食べられていた伝統的なパンです。パンと言うかケーキに近いのかもしれません。

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時代の移り変わりと共にエストニア人はシンプルで古臭いイメージのあるカラスクを忘れてしまいました。骨董品集めが趣味のリナさん、古いクッキングブックの中でカラスクのレシピを見つけ、自分で作ってみたのです。それが本当に美味しくて、それだけでなくヘルシーでもある事を知りカラスクを作って販売したいと考え始めました。

でも周りの人達、両親、親友でさえもが「やめときなよ」と反対したそうです。どうせ商売を始めるのなら、もっと今時のカップケーキなんかを作った方がいいんじゃないかとアドバイスされたそうです。

古い物が大好きなリナさん、頑なに自身の考えを貫きました。友人から500ユーロを借金して食材を購入しカラスクを作り、自分の車の荷台に積んで地元の食のフェアで販売してみたのです。お婆ちゃんの時代の、シンプルで貧乏くさい食べ物。そんな風に認識されていたカラスク。実際に販売をしてみたら特に若者達からのウケが良かった。リナさんは成功を確信しました。

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エストニアで企業するのは結構簡単。ただやる気と根性は絶対必要。

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エストニアでは週末になると沢山のフェアが国のいたる所で開催されます。多い時で一日に51のフェアがあったのだそう。このような催し物では開催者に登録料を支払えば誰でもお店を開く事が出来ます。

登録料はフェアの規模によって違います。小さいものなら30ユーロぐらい。人口の少ないエストニアで5万人も集客した大規模なフェアでは最高額の860ユーロを支払いました。

リナさんは当初、平日はタクシードライバー、休日はフェアでカラスクの販売をしていました。カラスクが起動にのってきた1年程前からタクシードライバーのお仕事はお休みしています。

今までで一番売り上げが多かったのは週末の三日間で6種類、1000個のカラスクを販売した時。この時は家族友人総出でカラスクを作りまくったのだそう。通常は2~300個のカラスクを作り販売していました。

リナさんのカラスクは順調に売り上げを伸ばし、とうとうカラスク専門のパン屋さんを持つまでになりました。現在はまだ一店舗ですが、今後はもっと支店を増やすのが新たな夢なのだそう。どこの国でも女性起業家ってバイタリティが凄いです。次回は支店を取材しに行きたいなと私も楽しみにしています。

 

 - エストニア, ヨーロッパ