ハンガリー料理38選 有名で美味しいハンガリーのグルメ
2019/12/31
ハンガリー料理とはどんな食べ物なのでしょうか?ハンガリーは海に面していないのでハンガリー料理の基本は肉。でもハンガリーの海と呼ばれる大きな湖があるので、コイなどの淡水魚はよく食べます。ヨーロッパ在住18年目のフードライターが世界を食べ尽くすの旅。今回は東欧一のグルメな国、ハンガリーを訪れたら、絶対食べるべき、おすすめのハンガリーの食べ物まとめ。
ハンガリー料理 スープ編
寒い国、そして貧乏を経験した国はスープ料理が得意です。他の東欧の国同様、ハンガリーにも沢山の種類の美味しいスープがあります。料理の名前がレヴェシュ(LEVES)で終わるのならスープ系だと理解して下さい。
グヤ―シュ レヴェーシュ (Gulyasleves)
ハンガリーに限らず、ドイツや東欧一帯で食べられている野菜たっぷりの肉スープ。起源はハンガリーなので、本場の味を絶対に食べるべし。それに作る国によって味が全く違います。他の国のグヤーシュは、小麦粉やサワークリームでとろみをつけてビーフシチューみたいな料理。でもハンガリーのグヤーシュはサラサラ。
ハンガリーはヨーロッパで一番辛い国です。よってグヤーシュも赤唐辛子の辛さが特徴。他の国にはないスパイシーさ。グヤーシュはハンガリー全土、何処ででも食べる事が出来ます。
ハラースレー (Halászlé)
コイやナマズなどの川魚を使ったスパイシーなスープ。伝統的には屋外でボクラーチと呼ばれる釜を使い、たき火で調理します。魚を使った辛いスープは全てハラースレーと呼びます。なので地方によって全く異なったハラースレーが登場するので食べ比べてみて!
フ―シュレヴェシュ (Húsleves)
ハンガリーは基本的にスパイシーな味付けが多いのですが、フーシュレヴェシュは別。素朴な優しさが特徴です。透明な肉入りのスープで野菜やショートパスタなどが入ります。可もなく不可もなしって感じ。
ヨーカイ・バブレヴェシュ (Jókai bableves)
何故だか作家のヨーカイ・モールの名がついた豆のスープ。グヤーシュに豆が入った版みたいな感じで、普通に美味しい。サワークリームを混ぜて食べるのが本場風。
Főzelék
キャベツ、ポテト、パプリカ、インゲン豆、ニンジン、レンズマメ、ホウレンソウなどで作る野菜のシチュー。ハンガリーを代表する家庭料理です。ハンガリー料理にはサワークリームが欠かせません。スープ類には必ず入れましょう。
Hideg gyümölcsleves
ハンガリー料理の夏の名物。冷たい果実のスープです。サクランボ、桃、プラム、イチゴ、色々な種類があります。
ヒメグ メッジュレヴェシュ (Hideg meggyleves)
冷たい果物のスープの中で一番のお気に入りは、酸っぱいサクランボで作るヒメグ・メジュレヴィシュ。この全然甘くないサクランボ、日本語ではスミミザクラと呼びます。日本ではまず味わえないので是非試してみて下さい。
桃のスープ
サクランボの他に、黄桃を使ったスープも定番中の定番。桃の場合は生クリームを添えて思いっきりデザートっぽくなる事が多いのですが、前菜の扱い。東欧ではデザートではなく、前菜やメインとして甘い料理を食べる事が多々あります。
フォアグラ
ハンガリーと言えば、やっぱりフォアグラ。とても安い事で有名です。市場へ行くと、フォアグラがキロ単位で売ってます。個人的にフォアグラの作り方は残酷なので、あまりお勧めしたくない食材なのですが、美味しいものはしょうがない。せっかくハンガリーまで来たからには絶対食べなきゃ損。
マンガリッツア (Mangalica)
ハンガリー固有の希少種の豚を意味します。激減していたのですが、国を挙げての保護策で絶滅の危機を免れました。2004年にはハンガリーの国宝に指定され、更に有難味が増してます。
羊のように長い毛で覆われているので、マイナス30度にも達するハンガリーの厳しい冬でも元気に動き回ります。どんぐりなどの自然なものだけを食べ、広大な土地でのびのび自然に育てられた、食べる事の出来る国宝。
霜降り率が多くて、豚版の神戸牛のような感じ。豚肉とは全く別物。濃厚な赤身の肉と低温で溶ける脂、美味しいだけでなく飽和脂肪酸の量が少ないのでヘルシーで消化にも良いです。
よくスペインのイベリコ豚と比べられるのですが希少価値が全く違う。高級食材となりますがハンガリーのマンガリッツア、機会に恵まれたら絶対食べておきたい。
パプリカーシュ チルケ (Paprikás Csirke)
鶏肉をパプリカとサワークリームで煮込んだ料理。ハンガリーの人達に好きな料理は何かと問えば、殆んどの人がパプリカーシュ・チルケと答えるはず。世界的な知名度で言ったらグヤーシュの方が有名ですが、ハンガリー人が愛して止まない料理と言ったら絶対にパプリカ―シュ・チルケ。
何が何でも絶対食べるべき料理で、もしハンガリーで一品しか食べれない、と言われたら迷わずコレを選ぶべき。それぐらい美味しくて、他の国では食べれない、しかも何処で食べてもハズレのない味です。
シルバーシュゴンボーツ (Szilvásgombóc)
ジャガイモをベースにした生地でプラムと砂糖を包んで茹でたもの。プラムの木はハンガリー人にとって富の象徴。どの家にも必ず植えてあります。夏に大量の実をつけるので色々な料理に使われる。ハンガリーで一番愛されているプラム料理。
ハンガリー人は常にこの料理と共におばあちゃんを思い出す。素朴でとても優しい味。もちもちしたジャガイモ団子の中に甘いプラム、デザートと思いきや主食扱い。東欧ではこれがスタンダード。
ポピーシードのパスタ
ケシの実(ポピーシード)と砂糖をハンガリー風マカロニにかけて食べる。普通に言えばデザート的なもの。でも東欧なので主食扱い。ポピーシードは東欧ならではの食材。是非食べておきたい。
テルテット・カーポスタ (Töltött Káposzta)
旧ロシア圏で広く食べられているロールキャベツ。日本のロールキャベツとの差は具の肉に米が入ってる事。家庭の経済状態が悪いと米の量が増える。ハンガリーはそこまで悪くはないので肉の量が米より多い。サワークリームをかけて食べる。
テルテット・パプリカ (Töltött Káposzta)
前述のロールキャベツと同じ肉詰め料理で、キャベツの代わりにパプリカを使う。個人的にはキャベツよりこっちの方が美味しいと思う。
Rakott Krumpli ラコット・クルンプリ
ハンガリー風のポテトグラタンみたいな料理。めちゃうま。ポテトと茹で卵、サワークリーム、スパイシーなソーセージを層にして焼き上げる。そりゃ美味しいでしょ、の組み合わせなので驚きはないけど最高に美味しい。
ショレット (Sólet)
伝統的なハンガリーのシチュー。具沢山。インゲン豆、大麦、パプリカ、牛肉、ガチョウ、卵などを煮込む。ハンガリーの他にユダヤ教徒達の間で良く食べられている料理。安息日の始まる金曜日の日没からコトコトじっくり調理しはじめ土曜日に食べていた。
リプタウアー (Liptói túrók)
Körözöttとも呼ばれるチーズ。パプリカ、玉ねぎ、アサツキなどを細かく切って混ぜ、パンなどに付けて食べる。
Palacsinta パラチンタ
ハンガリー風のクレープ。甘いのも辛いのもあって種類が豊富。フランスなどのクレープより厚めの生地。
ホルトバージ・パラチンタ (Hortobágyi palacsinta)
子牛肉のシチューをパラチンタで巻いたもの。辛い系のクレープ料理の代表格。
ラコット パラチンタ (Rakott palacsinta)
カッテージチーズ、レーズン、ジャム、クルミなどを挟んでミルフィーユみたいに層にした料理。
グンデル パラチンタ (Gundel palacsinta)
甘い系のクレープ代表格。クルミを細かくコーヒーミルで挽きラム酒でフランベした後にチョコレートソースをかけて食べる。めちゃ美味しい。
パプリカ、キュウリなどの酢の物
ハンガリーは酢の物が大変豊富。色々な野菜で作ります。特にパプリカは何種類もあって楽しい。
Lángos ラーンゴッシュ
ハンガリーのB級料理の定番。ハンガリー風揚げパン。休日の朝ごはん、または小腹が空いた時はラーンゴッシュで決まりです。屋台で売られている事が多く、街中で行列を見つけたら美味しいラーンゴッシュが売ってる確率が大なので並びましょう。
かなりの大きさで色々なトッピングを選ぶ事が出来ます。定番はサワークリームを塗ってから上にチーズをふりかける食べ方。ガーリック味も人気です。カリカリにフライしたベーコンなどをトッピングしたりもします。
ガルシュカ (Galuska)
ハンガリー風手作りパスタ。すりおろし器に生地をのせ、しゃもじでこすって沸騰したお湯に落とします。素朴なパスタみたいな味で、パプリカ―シュ・チルケのような濃厚なソースの料理の付け合わせとなります。
Túrós csusza
伝統的なハンガリー料理。手作りパスタとクワルクと呼ばれるフレッシュチーズ、ベーコンを混ぜた料理。
テリーサラミ (Téliszalámi)
ハンガリー人の家庭に必ずあるもの、それはテリーサラミ。ピリッとしたスパイシーさが特徴のサラミです。香辛料がたっぷり入った腸詰を冷燻して乾燥、熟成させて作ります。サンドウィッチの具はこれが定番。一番有名な銘柄はピックセゲド。
ポガーチャ (Pogača)
チーズ味のスコーンみたいなビスケット。素朴な味で美味しい。焼き立てだと更に美味しい。夕食に一緒に出てくる事が多いのだけど、メインディッシュと一緒に食べると言うより箸休め的な感じ。
Bundas kenyer ブンダ―シュ・ケニェール
ハンガリー人の朝食の定番。ハンガリー風フレンチトースト。甘くないのが特徴。なのでホウレン草などの野菜と一緒に食べたりもする。
ハンガリー料理のまとめ スィーツ編
Rétes レーテシュ
リンゴ、チェリーなどの具が沢山入ったパイ。日本ではシュトゥルーデルの名でオーストリア料理として知られている。昔はオーストリア・ハンガリー帝国と呼ばれ同じ国だったので共通点が多い。18世紀のパプスブルク君主国で大ブームとなった由緒正しきお菓子。ハンガリーに限らず東欧で一番人気の具はポピーシード。日本ではアンパンの上にトッピングされてる種。つぶつぶ感が最高に美味しいので絶対試してみて。
ドボシュ トルタ (Dobos torta)
ハンガリーが起源の世界的に有名なケーキ。薄いスポンジ、モカチョコレートクリームを何層にも重ねて作る。一番上はキャラメルソース。まー甘い。
ベイグリ (Bejgli)
ハンガリー人のクリスマスや復活祭の食卓に必ず登場するお菓子。パイ生地で具を巻いてロール状にしたお菓子。中の具はクルミ、ジャム、色々あるけれどやっぱり一番人気はポピーシード。
キュルティーシュカラーチ (Kürtőskalács)
生地を棒に巻き付けて回転させながら焼くお菓子。ハンガリーで一番古くからある焼き菓子。広場やお祭りの会場によく登場する。トランシルヴァニア地方の名物。かつては野外の焚火で焼いた。
マコーシュ グバ (Mákos Guba)
ケシの実とパンで作るプディング。
ハンガリー料理のまとめ ワイン編
ハンガリーは余り知名度はないけれど有名なワインの産地。歴史も古くローマ帝国の時代から作られている。大きな庭があるおウチは大抵ブドウの木を植えて自家製ワインを作っている。
Tokaj トカイ
トカイ地方のワインは白の甘いデザートワインが主流。中でも蜂蜜のような濃厚な甘さがあり、世界的に有名なのがAszú Eszenciaという銘柄。
ヴィラーニ
バラニャ県周辺で製造される赤ワイン
エグリ・ビカヴェール
エゲル地方のワイン。エゲルの牡牛の血の名の通り濃い血の色をしている。
パーリンカ
ハンガリー人のお宅にお邪魔すると必ず飲まされるお酒。かなり、ってかメチャクチャにアルコール度数が高い。でもハンガリー人は平気にパーリンカをショットで一気飲みする。