デンマークのケータリング使用の誕生日パーティは何もかもが驚きだった
2017/04/19
10年来の友人であるデンマーク人のソーレンから「兄の誕生日会があるんだけど来る?美味しい物沢山食べれるよ。」とのメール。そんなお誘いを受けたら世界のフードハンターたるもの絶対に行かねばなりません。久しぶりのデンマーク。ちょっとびっくりな誕生日会に出席してきました。
デンマーク人は北欧のラテン民族と呼ばれるほど陽気な人達
ピーターの還暦をお祝いする誕生日会に出席する為に、デンマークの首都、コペンハーゲンを訪れました。北欧の人達って一般的にシャイで大人しいイメージがありますがデンマーク人は別物です。北欧のラテン民族、とまで言われる程で、デンマークは北欧にあって本当に異質の存在なんです。
彼らが話すデンマーク語のイントネーションの楽しさも影響しているのかもしれません。スウェーデン人はデンマーク人の事を「熱々のマッシュポテトを口にしながら喋る人達」なんて呼んでいます。確かにフュッホフィッホ、ヒャッヒュフュ、みたいなサウンドの言語です。
誕生日会、しかもお家で開催、との事だったのでアットホームな感じをイメージして行ったら驚きの展開。ドアを開けたら凄い量の食べ物たちが待ち構えていました。
デンマークでは今、小規模ケータリングが流行中
ケータリングとは顧客が指定する場所に業者の人が出張し、用意した食事を配膳する事です。調理済みの料理を持ち込む、に関しては日本で言う「仕出し」や「出前」のような感じですが、ケータリングはもっと広範囲です。
会場をセッティングし、用意した食事を綺麗に並べ、会場に残り、食べ物をサーブする。補給したり温め直したりもする。会が終わったら後片付けを行う。その会の食事に関する全てを請け負う形になります。
結婚式や何かのビックイベントでケータリングサービスを利用した方もいらっしゃるかと思います。デンマークではもっと気軽に、ホームパーティ規模でもケータリングを活用しているんです。
現代社会の人達はとにかく時間がない人が多い。このようなホームパーティ規模でのケータリングは誕生日会だけに限らず、クリスマスなど以前ならお母さん達が何日もかけて用意する食事の場所にまで進出しています。共働きの多く、合理主義者の多い北欧ならではの現象なのかもしれません。
デンマークのケータリングはかなり本格的
今回の誕生日会はホームパーティと呼ぶにはデンマーク人的にも規模が大きい方でした。ピーターさん還暦のお祝いの他に、嬉しい事が幾つか重なったので、皆とそれを分かち合いたかったのだそう。招待客は30人から50人。色々な人に声をかけたので最終的に何人来るのかは分からないとの事でした。
お誕生日会でケータリング、それよりも私を驚かせたのが会場設置の本格さ加減でした。バイキング用の食卓をサロンに設置し、皆が食べる場所としてお庭に大きなテントをはってテーブル席をセッティング。テーブルの上のお花にいたるまで全てケータリング会社の仕事です。
私が住むスペインでは誕生日パーティは大抵夜です。デンマークでは余り夜御飯を大量に食べる習慣がないので週末の昼ご飯の時間にパーティを開く事が多いのだそう。今回も午前11時頃から宴が始まりました。
デンマークのお誕生日会の料理 (ケータリング編)
デンマークでお誕生日会に出席するのは初めて。しかもホームパーティサイズのケータリング。一体どんなものが食べられるのでしょうか。興味津々です。
- ハーブの香りが強い豚のハムとスライスされた野菜
- 北欧の定番スモークサーモンとアスパラガス
- 子供たちの人気をさらった皮がパリッとしたソーセージ
- 粒こしょうとハーブの香りが豊かなレバーのパテ、付け合わせはキュウリのピクルス
- チーズの盛り合わせ(デンマーク人は匂いの強い羊やヤギのチーズより牛乳ベースの軽いチーズを好むのだそう)
- スクランブルエッグ
- カリッカリに焼いたベーコン
- パン各種(北欧人が大好きな黒パンの他に白パン、シリアル入りパン、5種類位ありました。)
- 粒粒ブルベリージャムがアクセントの甘さ控えめレアチーズケーキ
- ホットケーキとジャム、生クリームとハチミツ
- 新鮮フルーツの盛り合わせ
そして子供の誕生日パーティにかかせない人形の形をした焼きパン。ペーターさんは60歳ですが何時までも子供の心を忘れないようにとの思いをこめて。
至れり尽くせりのデンマークのケータリングサービス
もう本当に、何を食べても美味しかったです。ケータリングサービスの人達は2人、片時もテーブルを離れず、足りなくなった料理を補給したり、冷たくなったソーセージなどを温め直していました。なので長丁場のお誕生日会の間中、冷たいモノは冷たく、暖かいモノは暖かいまま食べる事が出来ました。
食事後のエスプレッソコーヒーマシーンもケータリング会社が持ち込んでくれます。カフェインあり、カフェインなし、牛乳、豆乳、白砂糖、黒砂糖。ポットにはお湯、色々な種類のティーパックが可愛らしい箱の中に入っていました。至れりつくせりのサービス。
ケータリングの人達は時々テーブル席にも足を運び、食べ終わったお皿やグラスを片付けてくれます
デンマークの誕生日会は一日がかり
飲んで食べて飲む。宴は朝の11時から始まり、夜の11時頃まで続きました。夜はケータリングの残り物、そして庭で皆でバーベキュー。12時間の長耐久お誕生日会です。
北欧のラテン民族とは言え、音楽をかけて踊るという事はなく、皆さん色々な人との会話を楽しんでいました。私が住んでいるスペインなら還暦のお祝いだろうと何だろうと音楽とダンスは基本です。
個人的に面白かったのがデンマーク人の国旗好き体質。デンマーク人は事あるごとに国旗を使うのでスーパーで普通に国旗を売っています。スペインなら国旗なんてサッカーの代表チームを応援する時くらいでしょうか。
今回言われて初めて気づいたのですがデンマークの一軒家には必ず国旗を立てるポールがあるんです。通常はそこに細長いデンマークの国旗をつけますが、誕生日などのお祝い事がある場合は大きな国旗を掲げます。それに気づいた近所の人達がお祝いを言いに立ち寄ったりするので、デンマークの人達はお祝い事があると何時も予定している人数分以上の食べ物を用意するのだそう。
色々と規格外なデンマークのお誕生日会。とっても楽しかったです。来年また襲撃する事を約束してバルセロナに帰りました。ピーター、お誕生日おめでとう!