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北欧とは何なのか?ノルウェーとスウェーデンとデンマークとフィンランドの違いとは?

      2021/05/04

ノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、北欧4か国の人達と食事をする機会があったので、私の北欧論を聞いてもらいました。すごく的を得ているよ、と皆に褒めて頂いたので公開したいと思います。幾つかの箇所は修正補強してもらったので、より深く北欧像に近づけたと思います。北欧とはどんな国で、北欧の人達とはどんな人種なのかに迫ります。

北欧出身のノマドワーカー達との出会い

最近はインターネットさえあれば働く事が出来るので、ノマドワーカーが増えています。ノマドワーカーとは特定の職場を持たず、移動しながら仕事を続ける人達の事。ネット環境にストレスが無く、物価が安く、居心地が良くて、色々な意味で選択肢の多い大き目の都市には、世界中のノマドワーカーが終結します。

今の所その条件を一番満たしているのがウクライナのキエフ。何処の宿にも長期滞在しているノマドワーカーが沢山居ました。ある日珍しく、北欧4か国のノマドワーカー達が同じ宿に勢ぞろいしていたので、北欧が大好きで通い続けている私がまとめた北欧論を校正してもらい、ついに完成となりました。

北欧とスカンジナビア諸国の違いとは何なのか?

デンマーク、ノルウェー、スウェーデン。この3カ国をスカンジナビア諸国と呼びます。この3か国は国旗、言葉、通貨、食べ物、人々の性格だって良く似ていますが、微妙に異なる国々です。

スカンジナビア諸国にフィンランド、アイスランドを加えた5カ国を北欧と呼びます。アイスランドは地理的に遠く、歴史的にも関係が薄いので、同じ北欧の枠組みの中にあっても別物と認識されています。

フィンランドはアイスランドに比べたらスカンジナビア諸国にかなり近いのですが、それでもやはり別枠な感じで捉えられています。同じように別枠扱いされているのがラップランド地方。

ラップランドはノルウェー、スウェーデン、フィンランドの3つの国にまたがる北部一帯を指します。人よりもシカの方が多いとされる地域なので、ジュラシックワールド的な、別国と言うよりが異世界扱いです。

フィンランドの異質さ

当事者以外の国々の人達は、フィンランドをスカンジナビア諸国の一部、または限りなく近い国だと考える人が多いです。地理的には近くても、フィンランドはスカンジナビア3カ国とは全く別のカテゴリーの国。一番大きな違いは言語です。

フィンランドはヨーロッパと隣接しているのに、語学体系が他のヨーロッパ語とは全く異なります。とても独特で、更には世界で一番難しい言語とされています。文化や習慣もフィンランドはスカンジナビア諸国とは全く異なります。

スカンジナビア人達にとってロシアは未知の国。そしてフィンランドを「ほぼロシア」と捉えています。フィンランド人は性格もスカンジナビア諸国の人とは異なります。フィンランドはロシアと国境を接しているので、昔から何かと問題がありました。

フィンランド人って、とっても苦労人なんです。スカンジナビアの人達はかなり楽観的です。戦争が少なかったからでしょうか。スカンジナビア諸島の国々にとって脅威は常にロシアでした。ロシアとは何回か戦争をしていますが、常に戦地となったのは国境を接しているフィンランドでした。

何時もフィンランドが分厚い壁となり、スカンジナビア諸国を守ってきた歴史があります。戦地となる事が少なかったからかスカンジナビア諸国、特にスウェーデンの人達は理想主義者の人達が多いです。難民の受け入れ方など、色々な事にフィンランドとは全く異なった対処法をしています。

苦労人の多いフィンランドは、何事も現実的。そんな違いはあるけれど、それでもフィンランドはやっぱりロシアよりスカンジナビア諸国に似ています。歴史的にも650年の長きに渡ってスウェーデンに支配されていました。

例えスカンジナビア諸国の人々からロシア扱いされ、仲間外れにされたとしてもフィンランドはやっぱりロシアじゃなくてスカンジナビア寄りなのだと思います。スカンジナビアの人達もフィンランドを自分達とは少し違うとは感じていても、身内だとは思っています。

スカンジナビア諸国の特徴

スウェーデンとノルウェーは、違いを見つけるのがかなり困難です。ほぼほぼ同じ国と言っても差しさわりがなく、両国の人達も同じ国と受け取められてもしょうがない、と思っています。ただデンマークに関しては明らかに違う感があります。しかしその違いを他国の人達が感知するのは難しいです。

特に国境付近はかなり溶け合い、どちらとも言えないミックスゾーンとなります。スカンジナビアの国々は似通ってはいるけれど微妙に違うのが特徴なのですが、その微妙さが国境付近で微妙過ぎる感じになってほぼ同化します。

言語的に見た北欧の区分け

スカンジナビア諸島の言語、デンマーク語、ノルウェー語、スウェーデン語はある程度似ています。特にノルウェー人とスウェーデン人はお互いが母国語を喋って意思の疎通が可能です。

デンマーク人はコペンハーゲン出身だとスウェーデン語が何となく分かります。でもノルウェー人とスウェーデン人はデンマーク語を理解出来ません。これはスペインとポルトガルの関係にも似ています。スペイン人はポルトガル語が分からないけれどポルトガル人はスペイン語を理解出来ます。

スペイン人はこの事実を頭の差ではなく、ポルトガル人はモショモショ喋るからだとしています。同様にノルウェー人とスウェーデン人も「デンマーク人はフュフョフュフョ喋るから分からない」と言います。

よくデンマーク人の事をスウェーデン人は「熱いジャガイモを口の中に入れて、火傷しそうになってフュッフョフュってなってるような喋り方をする人」と表現します。確かにデンマーク語ってそんな響きです。

北欧の人達の性格の違い

スウェーデンは「苦労知らずの貴族」みたいな性格の人が多いです。デンマーク人はよく「北欧のラテン民族」と呼ばれます。デンマークには平地しかありません。見晴らしが良すぎるから隠し事が出来ないのでしょうか。もう本当にオープンな人が多いです。

フィンランド人は「サウナでしか喋らない人達」とされています。ラテン気質なデンマーク人に比べたら、確かにフィンランド人は寡黙な方かもしれません。そしてサウナでは本当に良く喋ります。

暖かい所だと口も良くまわるんでしょうか。もー止まらない。お酒が入ってる訳でもないのに皆で歌い出したり。フィンランドに行ったらサウナは絶対に行って下さい。素のフィンランド人の顔が見れます。

寡黙と言えばノルウェーの北部の人達が凄いです。本当に喋らない。どうしようってぐらい喋らない。でも別に不機嫌な訳ではありません。ただただ喋らないだけ。特にラップランドの北の方の人達が尋常でなく寡黙です。

ラップランドは人が余り存在しない地域なので、シカとすれ違う事の方が多いです。だからよく「久しぶりに人と話をした」とか言われます。ラップランドの人達はとにかく喋らないけど優しいです。寡黙さの陰に見え隠れする大いなる善良さが大好きです。

ラップランドは景色も素晴らしいので是非訪れてほしいお勧めの地域。ラップランドではないのですが、北欧でのホームスティ体験を別記事にまとめてあります。北欧の人達の人柄が良く理解出来るかと思います。

北欧の人達の考え方

北欧が大好きなので良く通っているのですが、天候だけは苦手です。年間300日以上が晴れとされる天候の良いスペイン南部に住んでいるので猶更そう感じます。だからよく北欧が天気良かったら最高なのにって話をすると皆にこう正されます。

「北欧は天気が悪い訳じゃないよ。君の選んだ服のチョイスが間違ってただけだよ。」本当に目から鱗の言葉でした。雨が降る事の方が珍しいスペイン南部では、雨が降ると予定をキャンセルする事が多いです。

北欧の人達は雨の日でもカッパを着て散歩したり、極寒の冬でも楽しそうにスキーしたりして遊んでいます。天候に合った服装さえしていれば天気の良し悪しなんて存在しないんです。一度北欧の人達が使ってる暖かいコートやブーツを借りてお散歩してみたら、全然苦ではありませんでした。

北欧の人達と食べ物

北欧は人が良く、景色が美しく、自然が豊富な魅力多き土地です。そんな中で北欧料理だけはずっと蔑ろにされてきました。ところが最近、メキメキと力を上げてきています。新北欧料理と呼ばれるジャンルは、今ではグルメ界の一大勢力。

北欧の人達って本当にびっくりするほど食に無頓着でした。お腹が満たすために食べる。それだけだったんです。私が北欧に通い始めた20年前は、北欧のグルメが話題になるなんて夢にも思わなかった。グルメに疎かった北欧に終に食の楽しみが加わって鬼に金棒、まさに最強の地となりました。

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