日本を代表する春の祭り:日本の三大春祭りから幻想的な火祭りまで

日本の春は、桜だけではありません。暖かな陽光とともに、日本各地が色鮮やかな花々に包まれる一番美しい季節。今回は、観光ガイドが厳選する春の祭を紹介します。

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江戸っ子の熱気が爆発する「浅草・三社祭(さんじゃまつり)」

Yoshikazu TAKADA from Tokyo, Japan, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

東京の初夏を告げるお祭りとして、日本で最も活気があると言っても過言ではないのが、浅草神社の例大祭「三社祭」。例年5月の第3金・土・日に行われ、2026年は5月15日(金)から17日(日)の開催が予定されています。

最終日の「本社神輿(ほんしゃみこし)各町渡御」では、巨大な神輿が浅草の町を埋め尽くす担ぎ手たちの熱気とともに練り歩き、その迫力は見る者を圧倒します。

2026年・三社祭のスケジュール

5月15日(金): 名物「大行列」が仲見世を練り歩き、お囃子の音が響き渡ります。

5月16日(土): 「例大祭式典」および、約100基の町内神輿が浅草寺境内に集結する連合渡御が行われます。

5月17日(日): 最大の見どころ、三基の本社神輿が宮出しされ、夜まで町中を巡行します。

浅草・下町の伝統食

三社祭の喧騒の中で味わいたいのが、浅草名物「駒形どぜう」の丸煮や、仲見世通りの「あげまんじゅう」です。特にあげまんじゅうは、揚げたての外側はカリッと、中はしっとりとした餡の甘さが、歩き疲れた体に染み渡ります。

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豪華絢爛な動く工芸品「春の高山祭(山王祭)」

Chme82, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

岐阜県高山市で毎年4月14日・15日に開催される「春の高山祭」は、旧高山城下町の南半分(上町)の氏神様である日枝神社(山王様)の例祭です。2026年も例年通り、4月14日(火)と15日(水)の2日間にわたって開催が予定されています。

春の高山祭の見所

最大の見どころは、国の重要有形民俗文化財にも指定されている「祭屋台(まつりやたい)」です。精巧な彫刻、金箔、鮮やかな刺繍が施された屋台は、まさに「動く陽明門」と称されるほどの美しさ。特に14日の夜に行われる「夜祭(よまつり)」では、100個もの提灯を灯した屋台が町を巡り、幻想的な雰囲気に包まれます。

ここでしか食べられない!飛騨高山の名物グルメ

高山祭を訪れたら絶対に外せないのが「飛騨牛の握り寿司」です。口の中でとろける最高級の飛騨牛を、手軽に食べ歩きスタイルで楽しめます。また、春の訪れを告げる「山菜の天ぷら」や、香ばしい醤油の香りがたまらない「みだらしだんご」も絶品です。

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平安貴族の雅を今に伝える「京都・葵祭(あおいまつり)」

Japanexperterna, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

京都三大祭りのトップバッターを飾るのが、5月15日に行われる「葵祭」です。歴史は古く、約1500年前の欽明天皇の時代に始まったとされています。

葵祭の見所

最大の見どころは、約500名もの人々が平安貴族の姿で京都御所から下鴨神社、そして上賀茂神社へと練り歩く「路頭の儀(ろとうのぎ)」です。装束の鮮やかさは、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚えさせます。

ルート: 京都御所(10:30出発)→ 下鴨神社 → 上賀茂神社(15:30到着)

京都・春の味覚

葵祭の時期に京都を訪れるなら、「申餅(さるもち)」はいかがでしょうか。下鴨神社ゆかりの和菓子で、小豆の煮汁で色付けされた、はねず色(薄い赤色)の餅は、無病息災を願う縁起物として親しまれています。

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古代神話の再現!幻想的な夜を彩る「さきたま火祭り」

京浜にけ, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

埼玉県行田市の「さきたま古墳公園」で毎年5月4日(みどりの日)に開催されるのが、「さきたま火祭り」。この祭りのテーマは、古事記に記された「天孫降臨」の神話です。瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)の妻である木花養耶姫(コノハナサクヤヒメ)が、自らの身の潔白を証明するために、火を放った産屋の中で出産したという伝説を再現しています。

さきたま祭りの見所

夜の帳が下りる頃、松明を持った約300人の人々が古墳の頂上から降りてくる「松明行列」は圧巻です。丸墓山古墳と稲荷山古墳の間を火の列が動く様は、まるで古代にタイムスリップしたかのような錯覚を覚えます。

行田でしか食べられない!B級グルメの王道「ゼリーフライ」

行田に来たら絶対に食べていただきたいのが、「ゼリーフライ」です。ゼリーと言ってもお菓子のゼリーではなく、おからとジャガイモを混ぜて素揚げした「おからのコロッケ」のようなもの。その名は、小判の形をしていることから「銭(ぜに)フライ」が訛ったと言われています。素朴で懐かしい味わいは、お祭り散策のお供に最適です。

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山車とからくり、そして桜の共演「犬山祭(愛知県)」

Bariston, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

4月の第1土曜・日曜(2026年は4月4日・5日)に開催される愛知県犬山市の「犬山祭」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている非常に格調高いお祭りです。

江戸時代から続くこの祭りの主役は、3層構造の豪華な「車山(やま)」。全ての車山には「からくり人形」が備え付けられており、笛や太鼓の音色に合わせて見事な演技を披露します。

犬山祭の見どころ

なんと言っても、国宝・犬山城を背景に、満開の桜の下を車山が練り歩く姿です。夜には365個もの提灯が灯され、川面に映る光の筋は言葉を失うほどの美しさです。

犬山の名物「田楽」を味わう

犬山城下町で親しまれているのが「豆腐田楽」。甘辛い味噌を塗って香ばしく焼かれた豆腐は、お酒のつまみにも、お子様のおやつにもぴったり。江戸時代の旅人気分で、城下町の食べ歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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戦国絵巻が蘇る!米沢「上杉まつり(山形県)」

東北の春を締めくくるのが、4月29日から5月3日にかけて開催される「米沢上杉まつり」。2026年も、ゴールデンウィークの真っ只中に、熱い戦国ドラマが展開されます。

川中島の合戦をリアルに再現

最終日の5月3日(日・祝)に行われる「川中島の合戦」の再現は必見です。上杉軍、武田軍合わせて約700人の武者が河川敷で激突するシーンは、日本最大級の戦国イベント。特に「上杉謙信の車懸りの戦法」や「武田信玄の鶴翼の陣」が目の前で繰り広げられる様子は、歴史ファンならずとも興奮を禁じ得ません。

山形が誇る至高のブランド「米沢牛」

米沢を訪れたなら、これを食べずに帰るわけにはいきません。「米沢牛」のステーキや牛丼は、きめ細やかな霜降りと、とろけるような甘い脂が特徴です。祭りの熱気とともに、日本最高峰の味覚を堪能してください。

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子供たちが演じる魂の歌舞伎「長浜曳山まつり(滋賀県)」

滋賀県長浜市で毎年4月に開催される「長浜曳山(ひきやま)まつり」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、日本三大山車祭りの一つです。最大の見どころは、豪華絢爛な山車の上で演じられる「子ども歌舞伎」です。

長浜曳山の歴史と背景

豊臣秀吉が長浜城主だった頃、長男の誕生を祝って町民に砂金を振る舞い、町民がそれを元手に山車を作ったのが始まりとされています。5歳から12歳くらいの男の子が、大人顔負けの本格的な歌舞伎を演じます。

また、曳山(山車)を飾る装飾品の中には、16世紀のベルギー製タペストリーなど、重要文化財級の逸品が含まれています。これは、北前船の寄港地に近い長浜が、かつて商業でいかに栄えていたかを物語る証拠です。

長浜の名物グルメ:焼き鯖そうめん

長浜を訪れたら必ず食べていただきたいのが「焼き鯖そうめん」です。甘辛く煮た焼き鯖と、その煮汁で味付けしたそうめんの組み合わせは、湖北地方の伝統的な家庭料理。祭りの時期には欠かせない、滋賀を代表する逸品です。

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能登の再生を願う巨大山車「青柏祭(石川県)」

User: (WT-shared) Craigeditswiki at wts wikivoyage, Public domain, via Wikimedia Commons

石川県七尾市でゴールデンウィーク期間中に開催される「青柏祭(せいはくさい)」は、能登地方最大の祭礼です。高さ約12メートル、重さ約20トンという、日本最大級の曳山「でか山」3基が、狭い町並みをギリギリで通り抜ける様子が圧巻です。

旅のコツ:祭りに参加する喜び

青柏祭は、一般の観光客でも山車を引く体験ができる「参加型」の祭りです。長い綱を皆で力を合わせて引く一体感は、忘れられない思い出になります。

七尾の海の幸と「能登丼」

七尾湾の新鮮な魚介をふんだんに使った「能登丼」や、能登牛の炙り丼など、この土地ならではの味覚が豊富です。

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世界が注目するユニークな祈り「かなまら祭り(神奈川県)」

川崎市の大師河原にある金山神社で4月の第1日曜日に開催される「かなまら祭り」は、今や世界中から観光客が押し寄せる国際的なお祭りです。

子孫繁栄、安産、商売繁盛、そしてエイズ除けなど「性の健康」を祈願するお祭。「かなまら大神輿」などが町を練り歩く光景は非常にユニークですが、その歴史は江戸時代に遡る真面目な信仰に基づいています。

川崎大師名物:久寿餅(くずもち)

神社のすぐ近く、川崎大師の名物といえば「久寿餅」です。独特の弾力と、たっぷりの黒蜜ときな粉。江戸時代から続くこの甘味は、お祭り見学の合間に一息つくのに最適です。

著者プロフィール

ヨーロッパ在住の旅と食のプロガイド

主にスペインに拠点を置いて30年。プロの観光ガイドとして、これまで数多くの日本人旅行者の皆様を世界各地でご案内してきました。また、日本国内ではスペイン語圏からの観光客をお迎えするガイドとしても活動。

ガイド業の傍ら、その土地ならではの「食」と「旅」の魅力を伝えるライターとして、雑誌や専門メディアにて、現地発েরリアルな情報を多数掲載しています。「ガイドの視点」と「食へのこだわり」で、皆様の旅がより豊かなものになるよう、最新の情報をお伝えします。

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