信州・長野を巡る旅:歴史と絶景、究極の美食ガイド

日本の中央に位置し、雄大なアルプスの山々に抱かれた長野県。2026年現在、北陸新幹線の延伸により、その魅力はさらに増し、日本だけでなく世界中の観光客から注目を集めています。

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松本城:黒漆が語る武士の美学

Hiroaki Kikuchi, CC0, via Wikimedia Commons

江戸時代以前に建設され、現在に残る天守は12カ所。その中でも松本城は「国宝五城」のひとつに数えられています。織田信長や豊臣秀吉は天守の外壁に黒漆を塗っていましたが、高価なうえこまめな手入れが必要なため普及しませんでした。松本城は現存する唯一の黒漆塗りの城で、今でも年に一度塗り替えられています。

松本城が「黒い」のには、戦略的な理由もあります。当時の最新兵器であった鉄砲の火薬を湿気から守るため、防水性の高い漆が使用されたのです。また、平和な時代になってから増築された「月見櫓(つきみやぐら)」が隣接しており、戦いのための「黒」と、風流を楽しむための「朱塗りの高欄」が共存する、世界でも珍しい城郭構造をしています。また、城下町にある「縄手通り」でのカエル探しも楽しいです。

ポイント:2026年からは、最新のAR(拡張現実)技術を用いたガイドツアーが本格稼働しており、スマートフォンをかざすと、かつての城郭の全貌や合戦の様子が立体的に表示されます。歴史ファンならずとも、その没入感には驚かされるはずです。

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雲上の高山植物園「千畳敷カール」:2万年の時が創った芸術

Hiroaki Kikuchi, CC0, via Wikimedia Commons

高山植物の宝庫として有名な千畳敷カール。2万年前にできたお椀型の氷河地形に、夏になると可憐な高山植物が咲き乱れます。

標高2,612mまで一気にロープウェイで上がれるため、本格的な登山装備がなくても「日本離れした絶景」に出会えるのが最大の魅力。絶対に見逃せないのが秋の紅葉です。山頂から麓へと色が移り変わる「三段紅葉」は、日本屈指の美しさを誇ります。

ポイント:駒ヶ岳ロープウェイの往復運賃とバス代を合わせた料金は大人約5,000円ほど。また、マイカー規制のため、菅の台バスセンターから専用バスへの乗り換えが必須です。

名物・名産

高地では気圧が低いため、ティーラウンジで提供されるコーヒーの沸点が異なり、ひと味違った味わいを楽しめます。

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「一生に一度は」の願いを叶える、信州の精神的支柱「善光寺」

くろふね, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons

百済(くだら)の国からもたらされた日本最古の仏像を祀る善光寺。一度お参りするだけで極楽往生が叶うとされ、江戸時代から「遠くとも一度は参れ善光寺」と語り継がれています。ただし、この仏像は絶対秘仏であり、お目にかかることはできません。

善光寺の興味深い点は、「無宗派」であること。日本の多くの寺院が特定の宗派に属するなか、善光寺はすべての人に門戸を開いてきました。この寛容な姿勢が、江戸時代に女性の参拝が制限されていた時期でも「善光寺参り」を国民的人気にした理由の一つです。

ポイント:秘仏を直接拝むことはできませんが、本堂床下の暗闇を歩く「お戒壇巡り」にて、御本尊の真下にある「極楽のお錠前」に触れることで、仏様と縁を結ぶことができます。2026年現在はデジタルチケットでの事前決済も導入されており、混雑緩和が進んでいます。

名物・名産

参道にある「八幡屋礒五郎」の七味唐辛子は、善光寺の歴史と共に歩んできた名産品。2026年には期間限定の「2026年信州デザイン缶」も登場しており、お土産に最適です。

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世界が憧れるスノーリゾート:進化する「#JAPOW」の聖地

MaedaAkihiko, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

日本で一番スキー場が多い長野県。2位の北海道を大幅に上回る80カ所以上のスキー場があります。近年、冬になるとSNS上で「#japow」というハッシュタグが飛び交うようになりました。「Japan」と「Powder Snow」を掛け合わせた「日本のパウダースノー」を意味する造語で、日本のスキー場が世界中のスノースポーツ愛好家の憧れの地となっているのです。中でも長野県は志賀高原スキー場、斑尾高原スキー場、野沢温泉スキー場をはじめパウダースノーで有名なスキー場を数多く抱えています。

長野県の雪質がなぜこれほどまでに絶賛されるのか、その理由は「内陸性気候」にあります。海から離れているため、雪の水分量が極めて少なく、サラサラとした「アスピリンスノー」が降り積もります。

ポイント:2026年のトレンドは、単なるスキーだけでなく、雪山でのラグジュアリーな「スノー・グランピング」や、サステナブルなリゾート運営に注目が集まっています。特に白馬エリアでは、100%再生可能エネルギーで稼働するリフトが登場し、欧米の富裕層からも高く評価されています。

名物・名産

スキーの後は山麓の「ジビエ料理」を楽しむのが2026年の定番。信州産の鹿肉(ベニソン)は低脂肪・高タンパクで、スキー後のリカバリーフードとして人気を博しています。

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レトロな情緒に包まれる「渋温泉」:九湯巡りで苦労を流す

User: (WT-shared) NY066 at wts wikivoyage, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

老舗旅館が集まる渋温泉はレトロな雰囲気をまとった温泉です。源泉数の数が大分県の別府温泉に次いで多いことから、全ての旅館と外湯で源泉かけ流しを楽しむことができます。また、渋温泉の宿泊客には効能の異なる9つの外湯の鍵が貸し出され、全てに入ると「苦(九)労を流す」ご利益があるといいます。

渋温泉の石畳の道は、夜になるとさらに幻想的になります。2026年は、地域の伝統工芸である「信州中野土人形」をモチーフにしたライトアップイベントが定期開催されます。

ポイント:渋温泉を訪れるなら、隣接する「地獄谷野猿公苑」をセットで訪れるのが不動の人気コースです。有名なスノーモンキー(温泉に入る猿)は冬季限定の光景と思われがちですが、春の赤ちゃん猿や夏の新緑の中の姿も非常に愛らしく、通好みの楽しみ方です。

名物・名産

このエリアの名物は「うずまきパン」。昔ながらの素朴な味わいで、温泉街を浴衣で散策しながら食べ歩くのが粋なスタイルです。

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東山魁夷が愛した幻想の風景「御射鹿池(みしゃかいけ)」

TAKAO_Tsushima, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons

水面に風景を反射させる鏡張りの絶景を楽しめる御射鹿池は、日本を代表する画家、東山魁夷の「緑響く」のモチーフになったことで有名です。ちなみに自然の湖ではなく、昭和の初めにつくられた農業用のため池です。

なぜこの池が、これほどまでに澄んだ鏡面になるのか。その秘密は「酸性度」にあります。池の水が強い酸性であるため、魚や微生物が棲息できず、水の透明度が極めて高くなっているのです。この科学的理由が、結果として東山魁夷が描いたような神秘的な静寂を生み出しています。

ポイント:景観保護のため、池の周囲はフェンスで囲われており、中に入ることはできません。また、2026年現在、オーバーツーリズム対策として大型バスの規制や駐車場の完全予約制が導入される時期があるため、訪問前に茅野市観光協会のサイトを確認することをお勧めします。

近辺の見所

近くにある「奥蓼科温泉郷」は、武田信玄の隠し湯とも伝えられる名湯で、立ち寄り湯としても最適です。

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安曇野の清流が育む「大王わさび農園」と究極のわさびグルメ

松岡明芳, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

北アルプスの雪解け水が湧き出る安曇野市では、大正時代からわさびの栽培が盛んに行われるようになりました。現在、わさびの90%が安曇野市産で、数あるわさび田の中で最大規模を誇る大王わさび農園が一般公開されています。

安曇野のわさび栽培に欠かせない「湧水」は、1日約12万トンと言われています。この清流を守るため、農園内には黒澤明監督の映画『夢』の舞台となった水車小屋が今も大切に保存されています。

ポイント:大王わさび農園には土産物屋やレストランが併設され、わさびソフトクリームやわさびコロッケが人気となっています。グルメな大人の方には、農園内にあるプレミアムレストランでの「本わさび丼」を強くお勧めします。自分ですりおろしたばかりのわさびの香りは、市販のチューブとは別次元の爽快感です。

周辺の見所

安曇野は「美術館の街」でもあり、わさび農園から車で数分の距離に、絵本画家いわさきちひろの美術館などがあり、文化的な散策も楽しめます。

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七年に一度の熱狂、日本最大の奇祭「御柱祭(おんばしらさい)」

C1815, Public domain, via Wikimedia Commons

「天下の大祭」と称される御柱祭は「日本三大奇祭」のひとつです。7年に一度、諏訪大社の社殿の御柱を建て替えるため、山から巨木を切り出して運びます。その際に巨木の上に人を乗せ、急斜面を滑り落とすことから、死傷者も出る大変危険な祭となっています。

諏訪大社は、国内最古級の神社の一つで、実は「本殿」を持たない珍しい形式(諏訪造り)です。自然そのものを御神体として仰ぐ古神道の形態を残しており、4つの社(上社本宮・前宮、下社秋宮・春宮)を巡る「四社参り」を行うのが正式な参拝とされています。現在は四社を繋ぐサイクリングロードも整備され、諏訪湖を眺めながらのサイクリング参拝が人気です。

ポイント:「7年に一度」と言われますが、数え年で計算するため、実際には6年おきの開催となります。前回の開催は2022年だったので、次回の式年造営御柱大祭は2028年に予定されています。2026年は、次なる祭りに向けた準備や氏子たちの結束が固まる時期です。

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 信州のグルメ

そば

長野県の気候や土壌はそばの栽培に適しています。そばを楽しむなら、近年は「信州そば認証制度」がさらに厳格化されており、100%県産そば粉を使用した「信州そば切」の認証店を巡るのが間違いのない選択です。

また、戸隠エリアの「ぼっち盛り」という独特の盛り付けは、神様への献上を意味する伝統のスタイル。そばをつゆではなく、アルプスの水だけにつけて食べる「水そば」は、そば本来の繊細な香りと風味を味わうことができると人気です。

五平餅

Kunmap, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

江戸時代から食されていた「五平餅」。炊いたうるち米を潰して串に練り付け、タレをつけて焼いたもの。タレは中山道より北は醤油味、南は味噌味が多いといいます。

おやき

さらに長野県を代表する郷土料理といえば「おやき」です。調理した野菜などの具を小麦粉やそば粉の皮でくるんで焼きます。歴史の古い食べ物で、縄文時代から食されていたといいます。近年はチーズなどの変わり種おやきも増えていて、焼くだけでなく蒸したり揚げたりもします。

おやきの起源が「縄文時代」と言われるのは、長野県内(特に北信地方)の遺跡から、雑穀を練って焼いたような炭化物が発見されているから。まさに日本人のソウルフードと言えるでしょう。

信州ワイン牛

新たな名物は信州ワイン牛。ワインを製造する過程で出るブドウ粕を食べて育つブランド牛です。とろける脂と柔らかな肉質が魅力。もちろん、地元のワインとのペアリングを楽しんで下さい。

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