一生に一度は行きたい日本屈指の名湯・秘湯15選:究極の温泉旅ガイド

日本各地にあまたある温泉地の中から、情緒あふれる町並みの15の温泉エリアを厳選しました。温泉のトリビアや現地でしか味わえない美食まで、観光ガイドの私が徹底的に紹介します。次の休暇、あなたの心を満たすのはどの名湯でしょうか?

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【山形】銀山温泉:大正ロマンの香りが漂うノスタルジックな景色

Eiji Kikuta (AG2016) from Sendai, Japan, CC0, via Wikimedia Commons

1689年に銀山が閉山した後も湯治場として賑わいを残していたものの、1913年の大洪水で破滅的な被害を受けました。しかし見事に復興を果たし、川の両側に趣のある木造の旅館が数多く建てられました。

銀山温泉は、NHKの『おしん』の舞台となったことで一躍脚光を浴びた場所です。いまだおしん人気が高いアジアからのお客様や、古き良き日本を求める欧米のお客様を案内すると、とても喜ばれる場所です。

銀山温泉の復興と「建築美」の秘密

銀山温泉が現在の「大正ロマン」溢れる姿になったのは、昭和初期の改築ラッシュがきっかけです。当時の旅館経営者たちは、洋風の要素を取り入れた3層、4層の木造建築を競って建てました。夜にガス灯が灯ると、そこはまるで「千と千尋の神隠し」の世界です。

見逃せないポイント

銀山温泉の旅館の壁に見られる鮮やかな絵は「鏝絵(こてえ)」です。漆喰を盛り上げ、立体的な絵を描く伝統技能で、江戸時代に大流行しました。各旅館の屋号や縁起物が描かれており、これほど集中して鏝絵を見ることが出来る場所は他にないかと思います。

名物・名産

カリッとした食感がたまらない「焼きココア」や、銀山温泉名物の「立ち食い豆腐」は外せません。特に「伊豆の華」で提供される、揚げ茄子がのった「おしんそば」は、地元の山形県産そば粉を使用しており絶品です。

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【群馬】草津温泉:日本三名湯の筆頭!「湯もみ」と活気あふれる湯畑巡り

くろふね, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

「天下の名湯」、「日本三名湯」と称される草津温泉は、歴史ある街並みを含め見どころが盛りだくさん。「恋の病以外なら何でも治る」と言われるほどの名湯で、中心部にある「湯畑」からは、毎分4,000リットルもの温泉が湧き出しています。

また、独特の「湯もみ」文化でも有名。湯もみとは、草津節に合わせて六尺板で湯をかき混ぜ、温泉の効能を薄めずに湯を冷まして適温にすること。ただ単にお湯の温度を下げるためだけではありません。お湯を力強くかき混ぜることで温泉成分を均一にし、お湯を柔らかくする(肌当たりを良くする)効果があります。現在は「熱乃湯」でのみ、湯もみを見学することができます。

進化する草津:新エリア「裏草津」と地熱の力

近年、湯畑から少し離れた場所に「裏草津 地蔵」エリアが整備され、話題を呼んでいます。草津温泉に縁のある漫画家作品など約1万冊を所蔵した「漫画堂」や足湯、顔湯などがあり、湯畑周辺とは異なる趣の時間を過ごすことができます。

また、草津の湯は強酸性(pH2.1前後)で、強力な殺菌力を持ちます。その成分を活用した美容・健康プログラムがこのエリアの宿泊施設で数多く展開されています。

旅のヒント

湯畑周辺のライトアップは24時まで実施しているので、夜の散歩は必須です。また「西の河原公園」の露天風呂は、圧倒的な開放感があり、星空を眺めながらの入浴が最高です。

名物・名産

温泉成分でじっくり蒸し上げた「温泉まんじゅう」や、上州名物の「おきりこみ」がおすすめ。また、最近では地元の牛乳を使った「草津プリン」も人気のお土産となっています。

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【愛媛】道後温泉:3000年の歴史を誇る日本最古の湯と文学の香り

z tanuki, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons

道後温泉は日本三大古湯のひとつで、3000年以上の歴史を誇ります。古き良き日本の温泉情緒が楽しめる場所で、夏目漱石、正岡子規をはじめ、多くの文豪たちに愛されたことから「明治文学ゆかりの地」としても知られています。

道後温泉の泉質はアルカリ性単純温泉。肌に優しく、「なめらかな湯」として知られています。源泉をそのままかけ流す「源泉100%」へのこだわりは、日本最古の温泉地としての誇りそのもの。

長らく保存修理工事が行われていた道後温泉本館ですが、現在は完全に整った姿でゲストを迎えています。特に、皇室専用の浴槽である「又新殿(ゆうしんでん)」の観覧予約は、歴史ファンならずとも必見です。

旅のヒント

「坊っちゃんカラクリ時計」は1時間ごとに動くので、足湯に浸かりながら待つのが通の楽しみ方です。夜のライトアップされた本館周辺を、色鮮やかな湯上がり着(浴衣)で散策するのも道後ならではの醍醐味です。

名物・名産

夏目漱石の小説にちなんだ「坊っちゃん団子」や、瀬戸内の新鮮な「鯛めし」が絶品です。愛媛県ならではの「みかんジュースが出る蛇口」体験も、空港や商店街で楽しめます。

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【群馬】四万温泉:美肌の湯と「千と千尋」の世界観に浸る

pentaboxes, CC BY-SA 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0>, via Wikimedia Commons

奈良時代の終わり頃に開湯した歴史ある四万温泉。日本最古の木造湯宿で、アニメ映画『千と千尋の神隠し』のモデルのひとつとされている積善館をはじめ、情緒ある建物が沢山あります。昔から「四万の病を癒す霊泉」と称される温泉は、飲めば胃腸機能の低下に効き、入浴すればつややかな美肌になるのだそう。

知る人ぞ知る「四万ブルー」:温泉だけではない青の絶景

四万温泉を訪れるなら、温泉街の奥にある「奥四万湖」は外せません。その湖面は、季節や天候によって「四万ブルー」と呼ばれる不思議なコバルトブルーに輝きます。暖かい季節はこの湖でのカヌーやサップ体験が、心身を整える「リトリート旅」として高い評価を得ています。

名物・名産

四万の清流で育った「イワナの塩焼き」や、地元の小麦を使った焼きまんじゅうの名店「島村」で一休みするのがおすすめ。また、温泉水を使った地ビール「四万温泉エール」は、お風呂上がりの一杯に最適です。

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【神奈川】箱根温泉:アートと自然が融合する「温泉のデパート」

TLV and more, CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

奈良時代に開湯し、江戸時代には「箱根七湯」として親しまれていました。現在は「箱根二十湯」にまで広がり、多彩な泉質を楽しむことができます。標高によって泉質が異なるため「温泉のデパート」とも呼ばれています。

箱根の温泉がこれほど発展したのは、江戸時代の参勤交代が理由のひとつ。東海道の難所であった箱根峠を越える前に、大名たちが疲れを癒やすために立ち寄ったことが、現在の隆盛につながっています。

2026年版デジタル化が進む箱根の歩き方

箱根は「スマート・観光・リゾート」として進化を遂げています。混雑状況がリアルタイムでわかるアプリを活用すれば、人気の温泉施設や美術館をストレスなく巡ることができます。また、環境に配慮したEVバスの導入も進んでいます。

旅のポイント

絶対に見逃せないのは大涌谷。ロープウェイに乗れば、切り立った山肌に噴煙が立ち上る大涌谷を見渡すことができます。箱根温泉では風情ある温泉街はもちろん、彫刻の森美術館をはじめとしたギャラリーで美術鑑賞を楽しめます。温泉で身体を、アートで感性を癒やすのが「箱根スタイル」です。

名物・名産

大涌谷の「黒たまご」や、箱根伝統工芸の「寄木細工」はお土産に最適。特に寄木細工の秘密箱は、職人の技術が詰まった逸品として、海外からのゲストにも大人気です。

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【群馬】伊香保温泉:365段の石段に刻まれた歴史と子宝の湯

NMaia, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

万葉集や古今集にも登場する歴史の古い伊香保温泉。刺激の少ない柔らかな湯は昔から「子宝の湯」として有名です。独特の茶褐色をした「黄金の湯」と、近年湧出した透明な「白銀の湯」の2種類が楽しめます。

400年の歴史をもつ温泉街は石段を中心に作られました。1年を通して賑わうようにと願いを込めた365段の階段です。石段沿いにはカフェやモダンな土産物店が増え、歴史とトレンドが融合した散策を楽しめます。

江戸時代の「ハイテク」を感じる:源泉分配システムと石段の役割

石段の下には現在も「木樋(もくひ)」が通っており、温泉が各旅館に送られています。これは戦国時代末期に真田昌幸(真田幸村の父)によって整備されたといわれる歴史的なインフラ。石段街の途中にある「小満口(こまぐち)」という小さなのぞき窓から、石段の下を流れる源泉の様子を見ることができます。

旅のポイント

石段街の頂上にある伊香保神社の御朱印は、季節限定のデザインが登場し人気を集めています。階段を登りきった後の爽快感と、そこからの景色は格別です。

名物・名産

温泉まんじゅう発祥の地と言われる「勝月堂」の湯乃花まんじゅうは絶対に外せません。また、水沢うどんは日本三大うどんの一つとして知られ、強いコシが特徴です。

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【長野】渋温泉:九湯めぐりで願いを叶えるレトロな湯治場

NMaia, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

レトロな町並みで有名な渋温泉には「地面を掘ればお湯が出てくる」とされるほど多くの源泉があります。宿泊者には9カ所の共同浴場が無料で開放され、湯をめぐりながら手ぬぐいにスタンプを押し、それを持って高薬師で願掛けをすると願いが叶うとされています。また、9番目の「大湯」は、武田信玄の隠し湯と伝えられています。

温泉街の連帯が生んだ「外湯文化」

渋温泉の特徴は、住民が自分たちの手で温泉を守り、清掃している点にあります。2026年現在も、この「自律的な管理」が受け継がれており、宿泊客を「家族」として迎える温かい文化が根付いています。また、石畳の道を下駄で歩くカランコロンという音は、渋温泉のサウンドロゴとも言える風情です。

絶対に見逃せない場所

近隣にある「地獄谷野猿公苑」の温泉に入浴する猿は、スノーモンキーと呼ばれ外国人観光客に非常に人気です。見学する際はとても混雑するので、冬期はシャトルバスの予約をお忘れなく。

名物・名産

地元の信州リンゴを使ったスイーツや、信州そば。特に、温泉の熱を利用して蒸し上げる「うずまきパン」も隠れた人気メニューです。

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【石川】加賀温泉郷:北大路魯山人も愛した加賀文化の拠点

Asturio Cantabrio, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

山代、山中、片山津の3つの温泉地からなり、それぞれ異なる趣を持ちます。そのうちの「山代温泉」は1300年以上の歴史をもつ北陸の名湯。古くからある旅館や商店が並び、昔と変わらない景色を楽しめます。

明治時代の共同浴場を復元した「古総湯」では、当時の入浴スタイルを体験できます。北大路魯山人が逗留した別荘「魯山人寓居跡いろは草庵」では、彼の美意識を今に伝える展示が楽しめます。

北陸新幹線延伸後の新展開:文化・芸術のハブとしての加賀

2024年の北陸新幹線・敦賀延伸により、加賀温泉駅は交通の要所となりました。2026年は、駅周辺の再開発も完了し、現代的なアートギャラリーと伝統的な工芸体験がシームレスにつながる観光ルートが人気となっています。

旅のポイント

山代温泉には「総湯(共同浴場)」を中心に宿が立ち並ぶ「湯の曲輪(ゆのがわ)」という江戸時代からの町並みが残っています。これは中世の寺内町がルーツとなっており、日本の温泉街の原風景です。

名物・名産

九谷焼の器でいただく加賀料理や、日本海直送の「ズワイガニ」。九谷焼の体験工房が多く、オリジナルの器作りが楽しめます。特に山中温泉の山中漆器は、その高い技術力から海外の高級レストランでも採用されています。

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【兵庫】有馬温泉:秀吉が愛した日本最古の「金泉・銀泉」

663highland, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

日本最古の名湯で、三大名泉に選ばれています。療養泉として指定されている9つの主成分のうち、7つが含まれる世界的にも珍しい温泉で、豊臣秀吉が入湯したことでも有名です。鉄分と塩分を豊富に含む「金泉」と、無色透明の「銀泉」の2種類が楽しめます。

科学で紐解く有馬の謎:600万年前の海水が湧き出る神秘

有馬温泉は、火山の近くにないにもかかわらず高温の湯が湧き出します。最新の地質調査でも注目されている通り、これはフィリピン海プレートが地下深く(約60km)へ沈み込む際、一緒に運ばれた海水が、600万年という長い年月を経て地上に湧き出している「深部地下水」であることが分かっています。この古代の海水が、豊かなミネラル分を含んだ「金泉」の正体です。

名物・名産

山椒を効かせた「有馬煮」を是非お土産に。名物の炭酸せんべいは、焼き立てをその場で食べられる「なま炭酸せんべい」が、数秒間の限定食感として話題です。

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【兵庫】城崎温泉:浴衣姿が似合う、7つの外湯巡りの聖地

城崎温泉 西村屋 (Nishimuraya Kinosaki Onsen), CC BY 2.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/2.0>, via Wikimedia Commons

日本一の湯と称される城崎温泉には、奈良時代から続く温泉街があり、7カ所の外湯が点在しています。「街全体が一軒の宿」という考えのもと、7つの外湯を巡るのが城崎の楽しみ方。志賀直哉の小説『城の崎にて』の舞台としても有名です。浴衣と下駄姿で外湯巡りをする人達が、さらに情緒をかもしだしています。

共生と持続可能性:震災から立ち上がった「美しい景観」の哲学

1925年の北但大震災で壊滅的な被害を受けた際、住民たちは「自分たちの宿だけを再建するのではなく、街全体の美しい景観を統一して守る」ことを決断しました。2026年現在も、この共生の精神は守られており、過度な商業看板を制限し、伝統的な木造建築を維持し続けています。この徹底した景観管理が、城崎を世界中の旅行者を魅了する唯一無二の場所にしています。

旅のポイント

城崎温泉の近郊には美しいビーチが点在しています。温泉は寒い季節にいくもの、との考えを捨てて暖かい季節にビーチと組み合わせるのもいいかもしれません。ただし、城崎温泉からはビーチは見えない距離です。

名物・名産

冬はカニ料理が絶品です。また、地元産の「但馬牛」を使った握り寿司やメンチカツは、食べ歩きグルメとしても大人気です。

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【長野】鹿教湯温泉:鹿が教えた名湯、心身を癒す「健康の里」

岡田奈良, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons

江戸時代から湯治場として栄えてきた鹿教湯(かけゆ)温泉。猟師が矢を放った鹿を追いかけると、温泉で傷を癒そうとしていたという言い伝えからその名が付けられました。古くから中風(脳血管障害)に効くと言われ、現代でもリハビリテーション施設が充実しています。

現代のウェルビーイング:リトリートとしての鹿教湯

2026年、鹿教湯温泉は「温泉×森林セラピー」を組み合わせたウェルビーイングプログラムで再び注目を集めています。高血圧や関節痛の改善だけでなく、デジタルデトックスを目的とした長期滞在プランが、都市部で働く人達からの支持を得ています。弱アルカリ性の単純温泉は、長時間浸かっていても疲れにくく、身体の芯から温まります。

旅のポイント

鹿教湯温泉にある「五台橋(ごだいばし)」は、現世と極楽浄土を結ぶ橋と言われています。橋を渡った先にある文殊堂は、日本三大文殊の一つに数えられ、知恵を授かるパワースポットとしても知られています。

名物・名産

鹿教湯名物「かけゆ饅頭」や、クルミをふんだんに使ったお菓子。特にお蕎麦は、信州ならではの風味豊かな「手打ちそば」を味わえる名店が揃っています。

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【島根】玉造温泉:日本最古の「美肌の湯」でスキンケア体験

663highland, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

奈良時代から続く玉造温泉。1300年前の出雲国風土記に「一度入浴すると容貌は美しくなり、二度入ればどんな病気や怪我も治ってしまう」と記されています。美肌成分(硫酸塩泉)の含有量が多い、日本最古の美人の湯です。

温泉の美容科学:天然の化粧水と呼ばれる理由

玉造温泉の泉質調査によると、肌の潤いを補給する「メタケイ酸」が基準値の約2倍以上含まれています。これにより、入浴するだけで肌がしっとりと整い、角質層まで浸透する保湿効果が科学的に裏付けられています。そのため、この源泉を配合した「玉造コスメ」が全国的に人気を博しています。

旅のポイント

「玉造」の名は、この地が三種の神器の一つ「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」などの勾玉を作る職人の拠点だったことに由来します。現在でも温泉街には玉作湯神社があり、自分だけの守り石「願い石」を作ることができます。また、美肌成分たっぷりの温泉をスプレーボトルに詰めて持ち帰れる「源泉持ち帰りスポット」も大人気。

名物・名産

しじみの出汁が効いた「しじみ汁」や、出雲名物の「割子そば」。宍道湖で獲れる「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」を使った料理は、島根を訪れたなら一度は味わいたい贅沢です。

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【大分】別府温泉:地獄めぐりとバラエティ豊かな入浴体験

Suicasmo, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons

日本一の湧出量を誇る温泉都市、別府温泉の市内各地から立ち上る湯煙は、国の重要文化的景観にも指定されています。別府八湯温泉郷では、薬草を敷き詰めた石室に横たわる蒸し湯、泥湯、砂を掘り、頭だけを残して全身を熱砂で埋める砂湯など様々なタイプの温泉を楽しむことができます。

別府には「温泉コンシェルジュ」が多数在籍しており、その日の気分や体調に合わせた泉質の提案をしてくれます。また、市内には100か所以上の共同浴場があり、中には100円程度で入浴できる場所も。地元住民の生活に温泉がとても深く根付いています。

エネルギーとしての温泉:2026年のサステナブルな挑戦

別府市では、豊富な温泉資源を「地熱発電」や「農業」にも活用しており、持続可能な社会のモデルケースとなっています。近年は温泉熱を利用したエコ・リゾートホテルが次々とオープン。ただ入浴するだけでなく、地球のエネルギーを体感する「エデュテイメント(教育×エンタメ)」としての観光も注目されています。

旅のヒント

「地獄めぐり」は共通券がお得です。最近では、最先端のサウナ施設や、夜の温泉街をプロジェクションマッピングで彩るイベントも開催されており、24時間楽しめるリゾート地へと進化しています。

名物・名産

高温の温泉蒸気で蒸し上げた「地獄蒸し料理」や、さっぱりした「別府冷麺」。大分県産のカボスをたっぷり絞っていただく「とり天」も外せません。

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【長野】野沢温泉:江戸時代から守り継がれる13の外湯

Miya.m, CC BY-SA 3.0 <http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/>, via Wikimedia Commons

13の共同浴場(外湯)があり、旅館で売られている「集印帳」に、外湯をめぐりながらスタンプを集めるのが楽しい温泉地。この外湯は江戸時代から「湯仲間」と呼ばれる制度により、村の人達の共有財産として大切に守られてきました。冬は世界屈指のパウダースノーを楽しめるスキー場としても有名です。

湯仲間スピリット:なぜ野沢の湯は「熱い」のか?

野沢温泉の湯は非常に高温であることで知られています。これは、源泉の鮮度を保つために余計な加水をしない、という湯仲間のこだわりの結果です。野沢温泉は「世界的なサステナブル観光地」として認定され、古き良き日本コミュニティの在り方を学ぶ場としても注目されています。

旅のポイント

野沢温泉の象徴「麻釜(おがま)」は、100度近いお湯が湧き出る村の台所。ここでは野沢菜を洗ったり、卵を茹でたりしますが、これを使用できるのは村の住民だけというルールがあります。観光客は近くの体験コーナーで「自分だけの温泉卵作り」を楽しめます。

名物・名産

野沢菜の漬物はこの地が本場。地元の朝市で購入するのがおすすめです。また、温泉水を使った「野沢温泉のクラフトビール」も、スキーヤーや湯治客に絶大な人気を誇ります。

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【宮城】鳴子温泉郷:こけしが微笑む1000年の歴史を持つ名湯

奥州三名湯のひとつに数えられる鳴子温泉郷は、宮城県大崎市にある5つの温泉の総称で、最も古い温泉は1000年の歴史をもちます。温泉街には足湯が3カ所、手湯が1か所あり、散策で疲れた体を癒してくれます。

日本に存在する11種類の泉質のうち、なんと9種類がここに集結しているという驚きの温泉地なので、温泉マニアの間では「聖地」と呼ばれています。また、全国的に有名な鳴子こけしの産地で、街中に点在するこけしをめぐるコースが人気となっています。

学べるトリビア:なぜ鳴子にはこれほど多様な泉質があるのか?

鳴子温泉郷の多様な泉質は、周囲の複雑な火山地形によるものです。地下数キロから数十キロの深さにあるマグマだまりや、地層の重なりによって、場所ごとに成分の異なる湯が湧き出します。「温泉ソムリエ」が駐在する宿も増え、自分にぴったりの湯船を提案してくれるサービスも充実しています。

旅のポイント

鳴子温泉には「首を回すとキュッキュと鳴る」独特の鳴子こけしがあります。また、この地の温泉神社には、源義経の子供が温泉を産湯に使ったところ、初めて声を上げた(泣いた)という伝説から「鳴子」の名がついたという説があります。

名物・名産

伝統工芸品の「鳴子こけし」と、もちもちの「栗だんご」が名物です。特に「しそ巻き」は、甘辛い味噌を大葉で巻いて揚げた逸品で、お酒のお供にもぴったりです。

著者プロフィール

ヨーロッパ在住の旅と食のプロガイド

主にスペインに拠点を置いて30年。プロの観光ガイドとして、これまで数多くの日本人旅行者の皆様を世界各地でご案内してきました。また、日本国内ではスペイン語圏からの観光客をお迎えするガイドとしても活動。

ガイド業の傍ら、その土地ならではの「食」と「旅」の魅力を伝えるライターとして、雑誌や専門メディアにて、現地発のリアルな情報を多数掲載しています。「ガイドの視点」と「食へのこだわり」で、皆様の旅がより豊かなものになるよう、最新の情報をお伝えします。

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