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アイスランド料理とは何なのか、北極圏特有の食べ物、有名なアイスランド料理

      2021/07/11

ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界中を食べ尽くすの記録。今回はアイスランド料理に関して。個人的にヨーロッパで一番おすすめの国がアイスランド。日本からの直通便はありませんが、ヨーロッパ各国から格安航空券が出ています。

ヨーロッパの何処かの国とセットで楽しめるので、一度で二度オイシイ観光地。今回はアイスランド料理についてまとめましたが、アイスランドという国に関しては別記事で詳しくまとめてあります。

アイスランド料理とはどんな食べ物なのか?

アイスランドは世界で最も強くヴァイキングの伝統を受け継ぐ国。アイスランド料理もアイスランド語同様に、ヴァイキング文化の影響を色濃く残しています。アイスランドは保存食の種類が多く、日常的にも良く食べられています。

鯨やサーモンなどの海の幸、羊などの肉類を保存食として活用するのは、ヴァイキング時代から育んできた生活の知恵。厳しい自然環境の中では、どのように調理するかより、どのように保存するかの方が大切だったのです。

アイスランドの保存食は、アイスランド料理を知る上で興味深くとても重要なのですが、クセの強いものが多いです。純粋に美味しいものだけを楽しみたいのなら、アイスランドが誇る新鮮な食材を狙って食べましょう。

アイスランドは世界が注目するエコロジー大国。綺麗な空気と氷河の雪解け水、クリーンな環境でクリーンに育つ食べ物が美味しいのは当然です。食材の種類は限られますが、アイスランドで育まれる食材の質の高さと美味しさは、確実に世界で一番だと思います。

素材が良いからこそ、アイスランドの料理はとてもシンプル。基本的には焼いただけ料理が多いです。寒い国でもあるので、スープ系の料理も良く食べます。味付けにタイム、ローズマリーなどのハーブも使いますが、基本的には塩位しか使いません。

ただバター風味の料理はとても多いです。アイスランドのバターは本当に美味しく、もしかしてアイスランドの隠れた名物はバターなのかもしれません。スイスのバターにもびっくりさせられましたが、アイスランドのは更に上。バターに限らずアイスランドの乳製品の美味しさには驚嘆させられました。

アイスランド特有の食材

パフィン

アイスランド特有の食材としては海鳥のパフィン、日本名でニシツノメドリがあげられます。北極圏付近に生息するペンギンに似た海鳥ですが飛ぶ事が出来ます。とても愛嬌があるので、見ていると何だか幸せな気分になる鳥。

パフィンはトナカイによく似た力強い味で美味しいらしいのですが、最近はアイスランドのマスコット的存在となっているので余り食べられていないのだそう。スーパーで見かける事もなく、限られたレストランでのみ食べる事が出来ます。

ラム肉

アイスランド人が大好きで、一番よく食べられていて、世界的にも有名な食材が羊です。アイスランドは人口より羊の数の方が断然多く、人口の50倍近くの数の羊がいます。質の高い羊毛やニット製品も有名ですが、殆どの羊は食用の品種。

アイスランドの羊肉、特に生後四か月程の子羊の肉は国内で消費されるだけでなくフランスなどの海外へも輸出されています。臭みと癖のない味は定評が高く、欧州各国でとても人気の高い食材です。

トナカイ

北極圏で最もポピュラーな食材がトナカイです。農作物が育たない極寒の地では、貴重なタンパク質やビタミン源としてトナカイが重宝されています。北極圏の人達は、一万年以上も前からトナカイを主食として生きてきました。

トナカイは家畜化も可能な動物なので、北極圏だけでなく北欧の国の人達にも広く好まれて食べられています。トナカイの肉には、クセや臭みが殆どありません。クセが無い分汎用性が高く、ステーキ、ハンバーグ、シチュー、カルパッチョ、ソーセージ、ハム、ジャーキー、色々な形で調理され、どう料理しても美味しいです。

手長エビ(アカザエビ)

海に囲まれたアイスランドでは新鮮な魚介類が自慢です。中でも一番がアイスランデック・ロブスターと呼ばれる手長エビ。ほのかな甘さが最高に美味しいエビなので、絶対にシンプルに食べてほしい。最強に美味しいアイスランドのバターでちょっと焼いたぐらいのシンプルなグリルが一番おすすめ。

アイスランド・アトランティックサーモン

アイスランドはスポーツフィッシングで有名な国。フライフィッシングの最上級ターゲットとされるアイスランド・アトランティックサーモンを目当てに、世界中から観光客を引き寄せます。

勿論釣るだけでなく、食べて欲しいのがアイスランド・アトランティックサーモン。養殖ものとは全く異なる野性味溢れた味がします。普段私達が食べているサーモンとは全く異なる魚のように感じられるかと思います。

北極圏ならでは食材

アイスランドでは北極圏ならではの食材を狙って食べるのも楽しいかと思います。アザラシ、ミンククジラ、滅多に市場に出る事はありませんが、ホッキョクグマだって食べる事が出来ます。

北極圏ならではの食材は、別記事で詳しくまとめてあります。その土地でしか食べる事の出来ない食材を食べるのも、旅の大きな醍醐味です。

アイスランドを代表する料理

アイスランドは皆様が想像するほど寒い国ではありませんが、充分に寒い土地なのでスープ系の料理が好んで食べられます。中でも一番良く食べられている料理は、アイスランドのお袋の味とされるラム肉のスープ。

物価の高いアイスランドですが、スープ用の冷凍ラム肉は比較的安価にスーパーで購入する事が出来ます。骨付きで脂肪が多い部分なのでステーキにして食べるのには向かないのですが、スープには最適で味に深みを与えます。

アイスランド料理は基本的に実にシンプルです。煮ただけ、焼いただけの料理が多く、ラム肉のスープも作り方は本当に簡単です。まずはラム肉を適量の塩、粒胡椒、ローリエの葉と一緒にコトコト1時間程煮込みます。

肉が柔らかくなったら野菜を加え更に煮込みます。野菜はニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ、ヨーロッパ原産のカブなどを使います。全ての材料が柔らかくなったら出来上がり。食べる前に肉を取り出して、骨や筋、脂肪を取り除いてから食べやすい大きさにカットしてスープに戻します。

アイスランド料理は素材の味をいかします。油っぽさもあまり無く、日本人好みの味だと思います。今回は高齢の日本人の方達と一緒にラム肉のスープを食べに行ったのですが、皆さん美味しい美味しいと言っておかわりして食べていました。

アイスランドのファーストフード

アイスランドは何故だかホットドックが有名です。アイスランド中に沢山のスタンドがあり、物価の高いアイスランドで唯一と言って良い位手頃な値段なので、貧乏旅行者たちはアイスランド滞在中に何度もお世話になるかと思います。

アメリカの元クリントン大統領がアイスランドを訪れた時に食べたホットドックスタンドは、レイキャビックの観光名所の一つにもなっています。行列が出来ている事が多いので、直ぐ分かるはず。

アイスランドのパン

アイスランドのレストランではラム肉スープを頼むと大鍋がどーんとテーブルに置かれ、おかわり自由で食べられるんです。アイスランドはパンもとっても美味しいので、スープとパンだけで充分満足出来ます。

アイスランドは独立する前はデンマークの統治下に置かれていました。現在アイスランドには沢山のパン屋さんがありますが、アイスランドで一番最初のベーカリーはデンマーク職人が開きました。

その時の技術を継承しているのでアイスランドではデンマーク風のパンが主流です。デンマークのパン焼き技術は世界でもトップクラスなので、デンマーク由来のアイスランドのパンも本当に美味しい。

アイスランドのパンは北欧で主食となっているずっしり系のクセのある味のパンや固パンではなく、フワフワした、素朴で優しい味のするパンを食べます。白いのも黒いのも本当に美味しいので、パンとバターだけでもいけると思います。

ヨーロッパで一番のおすすめの国

アイスランドは本当にお勧めの国。世界で一番治安が良い国で、今でも家に鍵をかけない人が多いのだそう。日本の治安は世界で第五位。私達が慣れ親しんでいる平和的な日常の世界を、更にのどかにした感じの国がアイスランドです。

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