かつて「日本の台所」として世界中にその名を知られた築地市場が移転し、2018年に豊洲市場がオープンしました。2026年現在、このエリアは私たちの想像を超えるスピードで進化を遂げています。今回は、単なる「市場」の枠を超え、エンターテインメント、温泉、そして未来型モビリティの拠点へと変貌しつつある豊洲・築地エリアを紹介します。
歴史の転換点!築地市場の移転と今なお活気あふれる「場外市場」の魅力

Arne Müseler / www.arne-mueseler.com, CC BY-SA 3.0 DE <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/de/deed.en>, via Wikimedia Commons
長年、日本人の食卓を支え続けてきた築地市場の移転問題は、社会的に大きな注目を集めました。都知事による「築地は守る、豊洲を活かす」という基本方針のもと、2018年に中央卸売市場としての機能は豊洲へと移されました。これにより83年にわたる歴史に一旦の区切りがつきましたが、「築地場外市場」は今もなお、かつての活気を失うことなく営業を続けています。
プロの料理人が通う専門店から、観光客が気軽に楽しめる食べ歩きグルメまで、築地ならではの「粋」な文化は健在です。2026年現在も、朝早くから新鮮な海鮮丼や玉子焼きを求める人々で賑わいを見せています。
「空飛ぶクルマ」も発着する築地市場跡地の巨大再開発

Kakidai, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
現在、旧築地市場の広大な跡地(約19万㎡)では、世界が注目する大規模な再開発プロジェクトが進行中です。2026年現在の計画では、約5万人を収容できる全天候型の多機能施設(マルチスタジアム)の建設が進んでおり、スポーツだけでなく大規模コンサートや国際会議の場としての活用が期待されています。
さらに注目すべきは、未来の交通網です。1,200人規模のシアターホールに加え、舟運(水上バス)や、次世代モビリティである「空飛ぶクルマ」の発着ポート、さらには自動運転車のターミナル機能まで備えた、陸・海・空の結節点となる予定です。地下鉄の新駅構想も見据えたこのプロジェクトは、まさに「未来の東京」を象徴する場所となるでしょう。
広さは築地の1.5倍!圧倒的スケールを誇る「豊洲市場」

江戸村のとくぞう, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
新しくオープンした豊洲市場は、ゆりかもめ「市場前駅」に直結しています。改札を出てすぐの歩行者デッキからスムーズに市場内へアクセスできる利便性は、築地時代にはなかった魅力です。
豊洲市場の総面積は約35万5千㎡に及び、これは旧築地市場の約1.5倍という圧倒的なスケールです。衛生管理が徹底された施設内では、マグロのセリを見学できるコース(要予約)や、一般客も利用できるプロ御用達の飲食店街が充実しています。築地時代からの名店が軒を連ねる「管理施設棟」や「水産仲卸売場棟」でのランチは外せません。
江戸の活気が令和に蘇る!食と体験の殿堂「豊洲 千客万来」

Souka Kinmei, CC0, via Wikimedia Commons
2024年2月に誕生した「豊洲 千客万来」は、2026年現在、東京を代表する人気スポットとして定着しました。江戸時代の街並みを再現した「豊洲場外 江戸前市場」には、グルメ、ギフトショップ、そして温泉施設までが勢揃いしています。
単なる商業施設ではなく、豊洲ならではの「食の目利き」を体験できる場所として、平日・休日を問わず多くの人で賑わっています。特に、ここでしか手に入らない厳選された海産物や、江戸の伝統工芸品はお土産としても非常に人気があります。
「目利き横丁」で楽しむ究極の食べ歩き
「豊洲 千客万来」の2階に広がる屋内エリア、その名も「目利き横丁」には、20以上の店舗がひしめき合っています。ここでは市場の仲卸が厳選した旬の食材や、全国から集まった珍味を、カウンターやテイクアウトで気軽に楽しむことができます。
おすすめは、その場で殻を剥いてくれる新鮮な生牡蠣や、希少部位を使った炙り寿司。お酒が好きな方なら、全国の銘酒を1杯から楽しめる立ち飲みスタイルもたまりません。目利きのプロが選んだ間違いない味を、少しずつ色々と試せるのがこの横丁の最大の醍醐味です。
豊洲で箱根の湯を堪能?「東京豊洲 万葉倶楽部」で極上のリラックス
美味しい食事の後は、心身を癒す時間。目利き横丁から直結している「東京豊洲 万葉倶楽部」は、24時間営業の本格温泉施設です。
特筆すべきは、そのお湯。なんと、箱根・湯河原の名湯を毎日タンクローリーで運んできているのです。東京にいながら、本物の源泉に浸かれる贅沢は格別です。広々とした大浴場のほか、趣の異なる複数の岩盤浴やサウナも充実しており、日頃の疲れをリセットするには最適の場所。宿泊施設も完備されているため、遠方からの観光客にも重宝されています。
絶景を独り占め!無料で楽しめる「千客万来 足湯庭園」の贅沢
万葉倶楽部の最上階(8階)には、ぜひ立ち寄っていただきたいスポットがあります。それが「千客万来 足湯庭園」です。ここはなんと、誰でも無料(施設利用者以外も一部利用可)で開放されているエリア。
足湯に浸かりながら、レインボーブリッジや東京湾のパノラマビューを一望できるこの場所は、まさに都会のオアシス。特に夕暮れ時は、オレンジ色に染まるウォーターフロントの景色が非常に美しく、絶好のフォトスポットとなっています。タオルも200円で販売されているので、手ぶらでふらっと立ち寄れるのも嬉しい心遣いですね。
2030年代に向けて加速する利便性!東京メトロ有楽町線の延伸計画
豊洲エリアの進化は止まりません。現在、交通アクセスのさらなる強化を目指し、東京メトロ有楽町線の延伸工事が進められています。これは、豊洲駅から半蔵門線の住吉駅までの約5.2kmを結ぶ計画で、2030年代半ばの開業を目指しています。
この延伸が実現すれば、江東区北部の住民や、埼玉・千葉方面からのアクセスが劇的に向上し、豊洲はさらに活気あるハブ駅へと成長するでしょう。ビジネス拠点としてだけでなく、レジャーの目的地としても、その価値は高まり続けています。
目が離せない!豊洲エリアが提示する「新しい東京の形」
計画的な街づくりが進む豊洲エリアは、今や訪日外国人だけでなく、私たち日本人にとっても「東京の新しい魅力」を再発見できる場所となっています。
新鮮な海の幸、歴史を感じさせる築地の情熱、そして未来を見据えた最先端のインフラ。これらが融合したこのエリアは、2026年以降もさらなる変化と驚きを私たちに与えてくれるはずです。週末の予定に、ぜひ「進化した豊洲」を加えてみてはいかがでしょうか?
【豊洲エリアの必食グルメ!ご当地&名産品ガイド】
豊洲を訪れたら絶対に食べておきたい、現地ならではの味をご紹介します。
豊洲の海鮮丼: 市場直送の「中トロ」と「ウニ」は外せません。特に千客万来内の「江戸前市場」では、高級店に負けない質のネタをリーズナブルに楽しめます。
深川めし(周辺名物): 江東区の郷土料理。あさりの旨みが凝縮された炊き込みご飯やぶっかけ飯は、このエリアの歴史を感じさせる味です。
豊洲コロッケ: 仲卸がプロデュースする、ホタテやカニがぎっしり詰まった海鮮コロッケ。食べ歩きに最適です。
著者プロフィール
ヨーロッパ在住の旅と食のプロガイド
主にスペインに拠点を置いて30年。プロの観光ガイドとして、これまで数多くの日本人旅行者の皆様を世界各地でご案内してきました。また、日本国内ではスペイン語圏からの観光客をお迎えするガイドとしても活動。
ガイド業の傍ら、その土地ならではの「食」と「旅」の魅力を伝えるライターとして、雑誌や専門メディアにて、現地発のリアルな情報を多数掲載しています。「ガイドの視点」と「食へのこだわり」で、皆様の旅がより豊かなものになるよう、最新の情報をお伝えします。


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