古都の息吹が今も鮮やかに息づく京都と奈良。794年の平安京遷都まで日本の中心であった奈良は、京都よりもさらに古い歴史を誇ります。2026年、オーバーツーリズム対策が進み、より快適でスマートな観光が可能となりました。
黄金に輝く足利文化の象徴:金閣寺(鹿苑寺)

Jaycangel, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons
1397年、室町幕府の全盛期を築いた将軍・足利義満が、自らの権力と財力を誇示し、この世に極楽浄土を具現化するために創建したのが「鹿苑寺(ろくおんじ)」、通称「金閣寺」です。
三層構造の舎利殿には、約20万枚もの金箔(10.8cm四方)が贅沢に貼られており、その総重量は約20kg。当時の金額、そして金箔の費用だけで10億円相当になるのだそう。鏡湖池(きょうこち)に映る「逆さ金閣」の美しさは、訪れる時間帯や季節によって表情を変え、見る者を圧倒します。
【2026年最新ガイド】
拝観料: 大人 500円、小中学生 300円
開門時間: 9:00〜17:00
混雑緩和のため午前中の早い時間帯か、閉門間際がおすすめです。
周辺スポット:
石庭で有名な「龍安寺」まで徒歩約15分。ぜひセットで訪れてください。
ご当地グルメ
参道近くの「金箔ソフトクリーム」は、SNS映え間違いなしの名物です。
「わび・さび」の極致:銀閣寺(慈照寺)

Laitr Keiows, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons
金閣寺の華やかさとは対照的に、東山文化の質素で高潔な美意識「わび・さび」を体現しているのが「慈照寺」、通称「銀閣寺」です。1490年、足利義政が祖父・義満の金閣寺を模して造営しました。
「銀箔が貼られていないのに、なぜ銀閣なのか?」という謎については諸説ありますが、月光に照らされた漆塗りの壁が銀色に輝いて見えたから、という説がロマンチックです。実際には、贅沢を排した禅の精神に基づき、最初から銀を貼る計画はなかったというのが現代の有力な説です。
【2026年最新ガイド】
拝観料: 大人 500円、小中学生 300円
開門時間: 8:30〜17:00(12月〜2月は9:00〜16:30)
周辺スポット
銀閣寺から続く「哲学の道」を散策し、南禅寺へ向かうルートが絶景です。
3. 静寂の中に宇宙を見る:枯山水の庭園

Cquest, CC BY-SA 2.5 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.5>, via Wikimedia Commons
水を一切使わず、白砂や石、苔だけで山水の景観を表現する「枯山水(かれさんすい)」。応仁の乱(1467〜1477年)で荒廃した京都において、資金や労力を抑えつつ、高い精神性を表現できる庭園スタイルとして普及しました。
特に龍安寺の石庭は、15個の石がどの角度から見ても一度に14個しか見えないという仕掛けで知られ、禅の教えである「不完全の美」を説いています。
おすすめの時間
早朝の開門直後は、砂紋(さもん)が最も美しく、静寂の中で自分と向き合えます。
周辺グルメ
南禅寺周辺の「湯豆腐」は、枯山水鑑賞の後の定番です。
願いを繋ぐ朱色のトンネル:伏見稲荷大社

Basile Morin, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
全国に3万社ある稲荷神社の総本山で、711年の創建以来、商売繁盛、家内安全のご利益があるとされています。何と言っても圧巻なのは「千本鳥居」です。
通常、神社の鳥居は神域と俗世間の境界を表しているのですが、伏見稲荷大社の鳥居は一般の人々から奉納されたもの。願い事が叶うように、または叶ったお礼として伏見稲荷大社に鳥居を奉納する風習が、江戸時代にできあがったのだそう。
全体で1万基ほどの鳥居があり、特に密集している場所は千本鳥居と呼ばれ、日本を代表する観光名所となっています。
【2026年最新ガイド】
拝観料: 無料
開門時間: 24時間参拝可能(夜間のライトアップも幻想的です)
注意点
頂上の「一ノ峰」までは往復約2時間のハイキングになります。歩きやすい靴で訪れましょう。
周辺グルメ
伏見の名物「いなり寿司」と、スズメの串焼き(伝統食)に挑戦してみては?
嵐山の象徴:竹林の小径と渡月橋
嵐山の「竹林の小径」は、野宮神社から天龍寺へと続く約400mの幻想的な道。竹は古くから日本の文化や生活に欠かせないものですが、欧米ではとても珍しいです。そのため、訪日観光客から大絶賛されているスポット。常に混雑しているので、ゆっくり散策するには早朝が狙い目です。
渡月橋
隣接する渡月橋(とげつきょう)は、嵐山の桂川にかかる橋で、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪の四季折々の景色を楽しむことができます。
毎年8月16日に開催される「嵐山灯篭流し」は、渡月橋から流される灯篭と送り火が幻想的な一夜を作り出します。
混雑対策
2026年現在、嵐山は非常に混雑します。午前8時までの到着、または嵯峨野トロッコ列車を予約してからの移動がベストです。
パワースポット
竹林の入り口にある「野宮神社」は縁結びの神様。また、亀の形をした「お亀石」を撫でながら願い事をすると、1年以内にその願いが叶うとされています。
天高くそびえる木造の粋:五重塔巡り
京都の街並みに欠かせないのが五重塔です。京都府内に五重塔が4つあり、東寺と醍醐寺の五重塔は国宝、法観寺と仁和寺のものは重要文化財に指定されています。
東寺: 高さ55m。木造建築として日本一の高さを誇ります。
醍醐寺: 951年完成した京都府内最古の建造物です。
【雑学】 五重塔には「心柱(しんばしら)」という中心の柱があり、地震の揺れを吸収する「柔構造」になっています。この技術は、現代の東京スカイツリーの制振設計にも応用されています。
先斗町
京都に5つある花街のひとつで、京都らしい風情溢れた町並みです。舞妓さんの稽古場や、昔ながらの茶屋や店が密集しています。
清水の舞台から飛び降りる覚悟で:清水寺

Masanori Kawai, CC BY 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/3.0>, via Wikimedia Commons
奈良から京都への遷都(794年)より前、778年に京都に開創されました。起源となった音羽の滝は、音羽山の湧き水を源流としています。清水が3筋に分かれて流れ落ち、口にすると延命長寿、恋愛成就、学業成就のご利益があるといいます。ただし1本だけを選んで飲めば願いが叶いますが、欲張って1本以上口にすると無効になるのだそう。崖からせり出した「清水の舞台」で有名で、釘を一本も使わない「懸造り(かけづくり)」という伝統技法で支えられています。
【2026年最新ガイド】
夜間拝観: 2026年は3月下旬、8月中旬、11月下旬に夜間特別拝観が予定されており、青い光(観音様の慈悲の光)が夜空を貫きます。
京の台所と雅な街並み:祇園・錦市場
八坂神社を中心に門前町として発展した祇園。舞妓さんで有名ですが、一番のおすすめは食べ歩きやお土産の購入に最適な錦市場です。生鮮食品や総菜、お土産などを扱うお店が130店舗ほど立ち並びます。
花街としての風情が残り、運が良ければお稽古へ向かう舞妓さんに出会えるかもしれません。ただし、路上での写真撮影には厳しい制限があるため、看板の指示に従ってください。
八坂神社
縁結びや美容のご利益がある神社として知られている八坂神社。境内で購入できるお守りや油とり紙が、女性参拝客の間で人気を博しています。また日本三大祭のひとつである祇園祭が行われることでも有名。
世界最大級の木造建築:奈良・東大寺と大仏さま

Wiiii, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, via Wikimedia Commons
奈良を代表する世界遺産・東大寺。大仏殿は世界最大級の木造建築で、山門は日本一の大きさを誇ります。中に鎮座する盧舎那仏(大仏さま)は高さ約15m、幅12m、重さ250トンという圧倒的なスケール。
当時の日本の人口の約半数にあたる260万人の人手を要し、752年に開眼されました。当初は金メッキが施され、400kg以上の金が日本全国から献上されたのだそう。
年に一度、120人の僧侶によって大仏のお身を清める「お身拭い」の行事が見逃せません。
大仏で有名ですが、広大な敷地内には他にも多くの国宝や重要文化財が点在しています。時間に余裕をもって、ゆっくり観光して下さい。
【2026年最新ガイド】
拝観料: 大人 800円
開門時間: 7:30〜17:30(11月〜3月は8:00〜17:00)
体験
大仏様の鼻の穴と同じ大きさの穴が開いた柱をくぐると、無病息災のご利益があると言われています。
神の使いと触れ合う:奈良公園のシカ
奈良ではシカが神の使いとして古くから手厚く保護されていて、現在も天然記念物となっています。奈良公園のシカは「鹿せんべい」で餌付けされていますが、主に芝やススキなどを食べて生息しているのだそう。ちなみに鹿せんべいの原料は小麦粉と米ぬかです。鹿せんべいは指定された場所以外での餌やりは厳禁です。
注意
鹿は野生動物です。お辞儀をする姿は可愛いですが、焦らすと噛んだり突進したりすることがあります。せんべいがなくなったら両手を見せて「もうないよ」と合図しましょう。
名物料理
奈良公園近くで食べられる「柿の葉寿司」は、保存食としての歴史を持つ絶品です。


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