世界食べ尽くしの旅 

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ポーランドのザコパネ地方名物オシチペックチーズの全て

      2017/03/30

ポーランド唯一の山岳地帯ザコパネ地方。ポーランドとは全く異なる文化を持つこの土地で、私がどうしても食べてみたかったのはオシチペックと呼ばれるチーズです。門外不出のチーズとしてザコパネ市周辺でしか食べる事の出来なかったチーズなので、かつては幻のチーズと呼ばれていました。

 

ザコパネ名産のチーズ、オシチペックとは何なのか

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ザコパネ名物のオシチペックは大変歴史の古いチーズです。少なくとも14世紀頃から生産されていたとされています。もうオシチペックはチーズという枠を超えたザコパネ地方の文化、そして誇りでもあります。昔はザコパネでしか食べる事が出来なかったので、ポーランドの幻のチーズと呼ばれていたそうです。

2003年、あるイタリアの料理番組がこのチーズ、オシチペックを番組で取り上げました。それが切っ掛けで一躍注目を浴びるようになり、この門外不出のチーズの存在が世界に広まったのです。

その料理番組ではオシチペックはイタリアのチーズ、ヴォローネ・アッフミカートのような味だと紹介していました。確かに同じ系統のスモークチーズです。でもオシチペックは羊やヤギのミルクを使って作るので、牛のミルクで作るイタリアのスモークチーズより味と香りの癖が強いです。

残念ながら最近では増え続ける観光客を相手にしたチーズメーカーが増えたので、昔ながらの、その土地で生きる羊やヤギのミルクを使ったオシチペックではなく、牛のミルクで作るマイルドなタイプのオシペックが主流です。

 

ポーランドのオシチペックチーズの食べ方

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まずは観光客用ではない、本物のオシチペックチーズを何としても見つけて下さい。本物のオシチペックチーズとは雄大な自然の中で、新鮮な空気と山の恵みだけで育つ羊やヤギのミルクで作ったチーズです。土地の木で作った枠で型取られ、土地の木で香りを付けスモークされるチーズ。オシチペックはまさにザコパネの大地の味そのものなんです。

少し塩辛いのが特徴ですが、この地域の人達は山で採れるベリーをジャムにしてオシチペックと一緒に食べます。だからしょっぱさが全然気にならない。逆にその塩辛さが良いアクセントになっていいです。

そしてオシチペックは食感がとても不思議なんです。食べると口の中で、キュキュッとします。そのまま食べても美味しいオシチペックですが、寒い季節には網であぶって中をトロトロにして食べるのも格別です。手作りジャムも忘れずに添えて食べましょう。

 

ザコパネ流オシチペックチーズの作り方

オシチペックの作り方は各家庭、メーカーによって異なりますが基本は殆ど同じです。まずは温めたミルクを布でこし不純物を取り除きます。分離粉を水で薄めてミルクの中に投入しチーズとバターミルクに分けます。よくかき交ぜてから1時間程寝かしておくとミルクがドロドロっとしたヨーグルト状になるのでそれを樽の中で押さえ付けながら水分を抜いていきます。

ここで十分に水分を抜いておかないと直ぐに腐ってしまうので注意が必要なのだそうです。水分が絞り切れたら木の枠のなかに入れ型取り、模様をつけます。型からチーズを抜き、塩水に一日漬け込んでから山小屋の壁に並べて窯の煙で燻製にします。2~3日じっくりスモークしたら出来上がりです。

 

ポーランドのザコパネへ行ったら、何としてでも食べるべき名物

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ポーランドの幻のチーズ、オシペック。知名度を得た現在でもザコパネ以外で入手するのが大変困難なチーズです。それはザコパネ周辺の限られた場所でしか生産されない、非常に数の少ないチーズだからです。

更には伝統的手法で、低温殺菌されていないミルクを使って生産するのでEC共同体の取り決めをクリア出来ていません。衛生面に問題があるとされ、他国にこのチーズを販売する事は禁止されています。

だからオシチペックは今でもやっぱり幻のチーズ。この土地でしか食べる事の出来ない、この土地そのままの味がするチーズです。とても美しい、素敵な地方でもあるのでポーランドへ訪れる機会があったら是非足をのばしてザコパネを訪れて頂けたらなと思います。

注意しなくてはいけない事は、観光客用のオシペックチーズではなく、少し見つけるのが難しいのですが羊かヤギのミルクで作った本物のオシペックを探してください。味が断然違います。

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