世界食べ尽くしの旅 

世界のグルメ、観光名所、世界遺産、色々な世界の情報を詰め込んだブログ

ポーランドのお袋の味、おすすめの郷土料理、ビゴスとは?

      2021/02/25

東欧は日本の皆様がイメージする古き良き時代のヨーロッパがそのまま残る素敵な場所です。中でも特にお勧めなのがポーランド。そしてポーランドは美しいだけではありません。美味しさもヨーロッパのトップクラス。ヨーロッパ在住18年目のフードライターが世界中で素敵な人達に出会いながら、世界中を食べ尽すの記録。今回訪れたのはポーランド。レベルの高いポーランド料理の中で国民食と呼ばれる愛されるビゴスについてご紹介します。

ポーランドを代表する家庭料理はビゴス

IMG_4964

ポーランドが歩んだ歴史は茨の道でした。地図上から消滅してしまった期間もあります。それでも諦めず国を再建してきたポーランド人。転んでは起き、を繰り返してきた不屈の苦労人であるポーランド人を支えてきたソールフードがビゴスと呼ばれる煮込み料理です。ポーランド人にとって特別な食べ物、そして「お袋の味」と言えば決まってビゴスなんです。

かつての貴族達は狩猟を楽しんだ後の夕暮れ時をビゴスを食べて締めくくりました。軍隊の遠征では大鍋で大量に調理され兵隊達のお腹を満たし、クリスマス等の家族全員が集まる大切な食卓には必ず登場する料理もビゴスです。それではビゴスとは一体どんな料理なのでしょうか。

ビゴスは発酵させた酸っぱいキャベツにキノコや肉を加えて煮込む料理です。発酵キャベツと言えばドイツのザワークラウトが有名ですがドイツだけに留まらず、発酵キャベツはヨーロッパの寒い地域で広域に渡って食べられている食材です。

発酵キャベツは寒い国の人達に必要不可欠な食材

太陽光が少なく、果物も余り収穫出来ない寒い国の人達にとって発酵キャベツは貴重なビタミン供給源。キャベツにはビタミンCがビックリする程豊富に含まれているんです。

発酵というは本当に素晴らし技術で、過熱せずに調理する事によって本来のビタミンCを壊す事なく、乳酸菌発酵によって更にビタミンCを生成する事が出来ます。発酵キャベツは寒さが長く厳しい地域の人達にとっては本当にミラクルな食べ物。ビゴスはそんなミラクルな発酵キャベツをベースに、他の野菜や肉を加え長時間コトコト煮込んだ料理です。

暖め直す事で更に美味しくなる料理なので、作った当日よりも3日後位のビゴスが最高だと誰もが言います。

ポーランドのお袋の味、ビゴスの作り方とはあってないようなもの

ポーランドのソールフード、ビゴス。でも正確なレシピはありません。それぞれの家庭にそれぞれのレシピが存在するからです。各家庭によって作り方や中身の具、スパイスが異なります。そしてレシピは親から子に受け継がれ、結婚すると配偶者の家庭のレシピと折り合いをつけ、新しいビゴスが生まれます。

ビゴスには同じ味がありません。何回か他の家庭やレストランでビゴスを食べる機会がありましたが、一つとして同じ味はありませんでした。

お隣の国リトアニアにもビゴスが存在するのですが、あちらで食べたビゴスも趣が全く異なる何だか別の食べ物のようでした。同じ名前で認識された料理なのに、作る人、食べる場所によってこんなにも違う料理は珍しいなと思います。

ポーランドの味の特徴は暖かいすっぱさ

IMG_4944

ポーランドはビゴスに限らず何だか酸っぱい食べ物が多いです。日本人も酢の物って大好きですよね?ポーランドの漬物系は日本人の口にドンピシャリの味。遠く離れたポーランドの国で自国に思いを馳せてほっくりします。

ポーランド料理の一番の特徴は暖かい酸っぱさでしょうか。日本の酢の物は大抵が冷たいかと思います。隠し味程度にお酢を使う事があっても、あくまでも隠し味の領域。ポーランドのようにどぎつい酸っぱさを持った暖かい料理ってそんなに存在しない気がします。

私は最初、ポーランドの暖かい酸っぱさがどうもダメでした。何だか腐ってるモノを食べてるような気がして、特に匂いが無理でした。最初は「うっ」となってしまっていた暖かい酸っぱさ。それが不思議と気にならなくなった時、ポーランドの美味しさは倍増します。

ポーランド料理は日本人の口によく合いますが、この暖かい酸っぱさは少しハードルが高いかもしれません。でもこの山を越えると、貴方も私のようにすっかりポーランドの虜になってしまうと思います。

ところでこのビゴス、ポーランド在住の日本の方達は白米と一緒に食べるのだそう。これが結構はまる味らしく、ポーランド料理はやっぱり日本人好みの味なんだなぁと思いました。 

ビゴスのレシピ

ポーランドを代表する料理、ビゴスを地元の人に作ってもらいました。ビゴスには作る人の数だけレシピがあります。

 - ポーランド, 東欧 ,