世界100ヵ国以上を食べ尽くしたフードライターが、自信を持っておすすめする美味しいポーランド料理50選。東欧を代表するグルメ大国ポーランドを訪れたら、絶対食べるべきポーランドの郷土料理を集めました。
【2026年最新版・食のプロによる補足】
2026年現在、ポーランドは「ニュー・ポーランド・キュイジーヌ」と呼ばれる食のルネサンスを迎えています。伝統的な発酵技術や森の食材(ジビエ、キノコ、ベリー)が見直され、ワルシャワやクラクフのレストランがミシュランガイドに掲載されるなど、その評価はうなぎ登りです。単なる「ジャガイモと肉の国」ではない、洗練された美食の世界へご案内します。
【肉料理の饗宴】ポーランドを代表する絶品メインディッシュ
国民的ソウルフード「ピエロギ」 (Pierogi)

ポーランドの国民食ピエロギ (Pierogi) は、ポーランドに限らず東欧全体とロシア、とても広い範囲の国々で食されている料理です。中国の餃子が起源で、シルクロードを渡ってヨーロッパに辿り着き、それぞれの国の食材でアレンジされ発展しました。
見た目はかなり水餃子ですが、中身の具がヨーロッパ的なのでアジア的要素は全くありません。ポーランドのピエロギは、他の国と比べて中の具が豪華なのが特徴。組み合わせのバリエーションがとても豊富です。
東欧の中でポーランドは、経済的に一番発展している国なので、他の国々よりグルメを楽しむ余裕があるのでしょう。肉、マッシュポテト、ソバの実、カッテージチーズ、マッシュルーム、ザワークラウトを中心に他の食材と組み合わせされます。
おかず系だけでなく、甘いデザート系のピエロギもあります。カスタードクリーム、ベリー類、カッテージチーズなどが入り、サワークリーム入りのカスタードクリームソースと一緒に食べます。おかず系とデザート系、どちらも本当に美味しいです。
美食学者のメモ:
最も代表的な「ジャガイモとチーズ」のピエロギは、長らく「ピエロギ・ルスキェ(ロシア風)」と呼ばれてきましたが、近年の情勢変化により2026年現在では「ピエロギ・ルシンスキェ(ルテニア風)」や単に「ウクライナ風」と呼称変更する動きが定着しています。生地には卵を使わず、ぬるま湯と小麦粉だけで作るのがもちもち感の秘訣です。
香ばしさの極み「焼きピエロギ」
ピエロギは茹でるが基本ですが、焼いたピエロギも美味しいです。ピエロギ・スマジョネと呼ばれ、皮の厚い焼き餃子みたいです。ポーランドの家庭では、昼に茹でたピエロギが余ると、夕飯時に焼いて食べる事が多いです。
【プロのひとこと】
タマネギのキャラメリゼ(carmelized onions)とカリカリに炒めたベーコンチップ(skwarki)をトッピングするのが黄金のルールです。カロリーは高くなりますが、その背徳的な美味しさは格別です。
狩人のシチュー「ビゴス」 (Bigos)

牛、豚、鶏肉、異なった種類の肉とザワークラウトをコトコト煮込んで作る料理がビゴス (Bigos) 、ポーランドのお袋の味です。ザワークラウトとはドイツから東のヨーロッパにかけて良く食べられているキャベツの漬物。
ザワークラウト主体の料理なので、暖かい酸っぱさが苦手な人には厳しい味かもしれません。私も最初は無理でした。ポーランドは暖か酸っぱい料理が多いのですが、ビゴスは長時間煮込んで作るので、その中でも緩やかな方だと思います。
一度慣れれば病みつきになる料理。コトコト3日間位煮たのが一番美味しいとされます。ビゴスはクリスマスや、特別な日に必ず食卓に登場するポーランドのソウルフード。地元の人に作って貰った本場のレシピを別記事で公開しています。
▼本場のビゴスレシピはこちら

歴史トリビア:
ビゴスは中世ポーランドのリトアニア大公、ヴワディスワフ・ヤギェウォが狩猟の際に好んで食べたことから「狩人のシチュー」とも呼ばれます。正式なレシピには、狩りで仕留めたジビエ(鹿やイノシシ)と、森で採れた乾燥ポルチーニ茸、そして風味付けに赤ワインやドライプラムを加えるのが伝統的なスタイルです。
ポーランド流「焚き火バーベキュー」

ポーランドではバーベキューする時に網ではなく、長い棒に自分の食べたいものを刺して焼きます。初めて見た時は思わず笑ってしまいました。焼き上がるまで手が離せないので、めちゃくちゃ非効率。
でもポーランド人はこのスタイルじゃなきゃバーベキューじゃないと思っています。夏にポーランドを訪れると至る所でバーベキューをしている人達を見かけます。珍しそうに見物していれば、人懐っこいポーランド人は絶対仲間に入れてくれるはず!
ポーランド人は本当にオープンで気さくな人種なので、勇気を出して自分から声をかけるのもあり。手が疲れるけど、焼けるまでの間焚火を眺めながら皆でお喋りする。これこそバーベキューの醍醐味なのではないでしょうか。
文化背景:
ポーランドには「Działka(ジャウカ)」と呼ばれる市民農園(アロットメント)の文化があります。週末になると家族や友人がジャウカに集まり、ソーセージ(Kiełbasa)を直火で焼くのが夏の風物詩。ここで焼くソーセージにはマスタード(Musztarda)が欠かせません。
具沢山シチュー「グヤーシュ」 (Gulasz)

ポーランド版のビーフシチューがグヤーシュ (Gulasz) です。グヤーシュはハンガリー生まれの食べ物で、旧ソ連圏の広い範囲の国々で食べられていますが、同じ名前でも国によって全く異なる形態を持つのが特徴です。
ポーランドのグヤーシュは、他国がスープ系なのに対して、ビーフシチューに近い感じ。プラツキと呼ばれるポテトパンケーキの上にかけて食べる事が多いです。
調理のポイント:
ハンガリーのグヤーシュがパプリカパウダーを大量に使うスープであるのに対し、ポーランド版はタマネギと肉の旨味を凝縮させた濃厚なソースが主体です。キャラウェイシード(Kminek)を加えることで、消化を助け、爽やかな風味をプラスするのがポーランド流です。
トマト煮込みの「ロールキャベツ」 (Gołąbki)

ポーランド風ロールキャベツがゴウォンプキ (Gołąbki) です。ポーランドに限らず東欧各国で愛されている食べ物で、国によってソースやアレンジが異なります。ポーランドはトマトソースで煮込み、生のキャベツより、酢漬けキャベツを使う事の方が多いです。
中の具の肉に米を混ぜるのが特徴で、家庭の経済状態が悪いと米の比率が多くなります。東欧は一般的に苦しい家計が多いので、ほぼ米なロールキャベツとなりますが、ポーランドは経済状態が東欧で一番良いので、とても肉肉した具になります。
【2026年のトレンド】
健康志向の高まりにより、米の代わりにソバの実(Kasza)やキヌアを使ったヘルシーなゴウォンプキを提供するモダンなレストランが増えています。また、ソースもトマトだけでなく、濃厚な「森のキノコソース」をかけるスタイルも人気です。
貴族の味「ズラズィ・ザヴィヤネ」 (Zrazy)

ポーランド風の肉巻きが、ズラズィ・ザヴィヤネ (Zrazy zawijane) です。ピクルスを薄切りにした豚肉または牛肉で巻いて焼き、クリームソースで煮込みます。ポーランド人の味覚の基本はやっぱり「暖か酸っぱい」なのかもしれません。元は狩人たちの料理で、東欧とロシアでも良く食べられています。
美食学者のメモ:
歴史的にはポーランド貴族(シュラフタ)の料理とされ、牛肉の薄切りでベーコン、パン粉、ピクルス、そしてマスタードを巻き込みます。伝統的にソバの実(Kasza gryczana)と一緒に供されることが多く、この組み合わせは「オールド・ポリッシュ・キュイジーヌ」の典型です。
ビールと相性抜群「ゴロンカ」 (Golonka)

豚の膝部分の骨付きの肉の塊のオーブン焼きをゴロンカ (Golonka) と呼びます。ドイツ料理でもお馴染みの食べ物ですが、ポーランドで食べると同じクオリティでも半額近くの安さとなります。とにかく大きいのが特徴で、メチャクチャ美味しいです。何処で食べてもハズレのない美味しさ。
【美味しく食べるコツ】
西洋わさび(Chrzan)とマスタードをたっぷりとつけて食べるのがポーランド流。特にビールで煮込んでからローストした「Golonka w piwie」は、皮がパリパリで中がトロトロ。コラーゲンの塊なので、翌日のお肌の調子も良くなるかもしれません。
アヒルのロースト リンゴ添え

ポーランド人はアヒルを調理するのがとても上手。中でも一番は、アヒルとリンゴをローストしたカチュカ・ス・ヤブウカミ (Kaczka z jablkami) です。リンゴのほんのりとした甘さがアヒルに良くマッチして最高に美味しい。アヒルは他の国だと結構な高級食材なので、物価の安いポーランドで思う存分食べておきましょう。
地域情報:
特にポズナンを含むヴィエルコポルスカ地方(大ポーランド)の名物料理として知られています。マジョラム(ハーブ)をたっぷり効かせて焼き上げるのが特徴で、付け合わせには紫キャベツの蒸し煮(Modra kapusta)が定番です。
日曜日の定番「コトレット・ヴォオヴィ」

牛肉に衣をつけて揚げたポーランド風カツレツがKotlet Wołowy(コトレット・ヴォオヴィ) です。カツレツと言えばオーストリアが有名ですが、ポーランドの方がしっかり味付けされていて美味しいと思います。
ただ大きさ的にはオーストリアの方が凄い。でもポーランドの方が断然安いのでお得感が大きいです。付け合わせの定番はマッシュポテトでハーブのディルが入ります。ザワークラウトも欠かせません。
牛肉が基本ですが豚や鶏肉も良く使います。一般的にポーランドの家庭料理の王様として日曜日のランチに最もよく登場するのは、豚ロース肉を叩いて薄く伸ばし、ラードで揚げたものです。コトレット・スハボヴィと呼ばれ、「Schabowy(スハボヴィ)」は「豚のロース肉」を指します。注文の前に質問するか、言葉が通じない場合は値段で判断しましょう。牛肉だと高いです。ちなみにポーランドは東欧一英語が通じやすい国です。
【美食の序章】酒が進むポーランドの前菜・珍味
鮮度抜群「ポーランド風ユッケ」 (Tatar)

ポーランド風のユッケがタタール (Tatar) です。生肉に生卵ですがポーランドなら安心して食べられる気がします。めちゃくちゃ美味しい。モンゴル系のタタール人の食べ物が起源でベフシュティック・タタールスキ (Befsztyk tatarski) とも呼ばれます。昔は牛肉よりも馬肉を主に使っていました。
【食べ方の作法】
皿の周りに添えられたタマネギのみじん切り、ピクルス、キノコの酢漬けを、中央の肉と卵黄と一緒によく混ぜて(かなり念入りに!)食べるのが現地の流儀です。冷えたウォッカと一緒に流し込むのが最高のマリアージュです。
燻製の香り高い「キェウバーサ」 (Kiełbasa)

ポーランドは腸詰、ソーセージも美味しいです。キェウバーサ (Kielbasa) と呼ばれ、スモークされたものが多く、スパイスは殆んど使いません。豚だけでなく牛、七面鳥、羊、色々な種類の肉を使ったソーセージがあって楽しい。
特選情報:
おすすめはクラクフ近郊で作られる「Kiełbasa Lisiecka(リシエツカ・ソーセージ)」。EUの地理的表示保護(PGI)を受けており、大きな赤身肉の塊が入った贅沢な逸品です。ジュニパー(杜松の実)の香りが効いた狩猟ソーセージ「Myśliwska(ミシリフスカ)」も日持ちが良く人気です。ただし、日本には肉類は持ち込めないのでお土産としては持ち帰れません。
ソバの実入り「血のソーセージ」 (Kaszanka)

血や内臓を使って作るソーセージがカシャンカ (Kaszanka) です。血のソーセージはヨーロッパ全体で好まれて食べられていますが、ポーランドのはソバの実が入るが特徴。南欧だと米が入るので、その違いも楽しかったです。少し生臭いので、好き嫌いの分かれる味かと思います。
【おすすめの食べ方】
タマネギと一緒にフライパンで炒めるのが一般的です。リンゴと一緒に炒めると、果物の酸味と甘みが血の鉄分臭さを消してくれ、驚くほど食べやすくなります。栄養価が高く「スーパーフード」として再評価されています。
肉の旨味が凝縮「ポーランドハム」 (Szynka)

ポーランドのハム類をシンカ (Szynka) と呼びます。ソーセージやサラミなどの腸詰類はスペインが一番美味しいのですが、ポーランドのハム類は格別にレベルが高いと思います。ボンレスハム系のハムで、肉の旨みがギュギュっとつまっています。種類も多いので色々試して欲しい。果物のジャムと一緒に食べると更に美味しいです。
禁断の味「ラードのディップ」 (Smalec)

首都ワルシャワ名物が豚のラードを使って作るディップ。黒パンに塗って、ピクルスをのせて食べます。ほぼラードなので沢山食べると気持ち悪くなる油っぽさですが、少量を食べる分には美味しい。色々な味があります。
【美味しさの秘密】
単なる脂ではなく、中にカリカリに揚げた豚の背脂(skwarki)、炒めたタマネギ、そして細かく刻んだリンゴが入っているのがポーランド流「Smalec(スマレッツ)」の特徴です。レストランでは突き出し(アミューズ)として無料で出てくることも多いです。
山の恵み「オシチペック・チーズ」 (Oscypek)

真っ平らな国ポーランドの唯一の山岳地帯であるザコパネ地方で作られる、世界最古のチーズがオシチペック (oscypek) です。アクセスの悪い険しい山間で作られるチーズは、門外不出だったので幻のチーズと呼ばれていました。
今では観光地化され過ぎて、チーズも至所で売られています。2週間程かけてジワジワ燻製するフレッシュタイプのチーズで、温めて蜂蜜やジャムと一緒に食べるのが美味しい。オシチペックチーズの詳細は、別記事にまとめました。

認定情報:
本物の「Oscypek」と呼べるのは、EUの原産地名称保護制度(PDO)により、5月から9月の間にタトラ山脈で放牧された羊の乳を60%以上使用して作られたものだけです。それ以外の時期や場所で作られた類似品は「Gołka(ゴウカ)」と呼ばれます。購入の際は刻印をチェックしましょう。
羊飼いの味「ブリンザ・チーズ」
ポーランドを代表するチーズがブリンザ (bryndza) です。ポーランドのカルパチア山脈周辺(ポドハレ地方など)で作られる羊乳チーズの一種を指し、「Bryndza Podhalańska」としてEUの原産地名称保護(PDO)を受けています。
塩味が効いていて、ペースト状で売られることが多いです。フレッシュタイプのチーズでそのまま食べてもいいし、ディルやネギなどの香味野菜を加えてディップにしたりします。ケーキなどにも使われる万能チーズです。
【素朴な贅沢】心もお腹も満たす主食・粉物料理
もちもち食感「コぺトゥカ」 (Kopytka)

ポーランド版のニョッキがコぺトゥカ (Kopytka) 。イタリアのニョッキよりかなり小麦粉率が高いです。玉ねぎ、ベーコン、チーズなどと一緒に、またはグラ―シュなどのシチュー系料理をかけて食べます。
ピエロギやプラツキと同じで、オカズ系と甘い系の両方あります。溶かしバターの上に砂糖とシナモンをかけたり、サワークリームやチーズソースとジャム、カスタードクリームなどと一緒に食べます。
【名前の由来】
「Kopytka」は「小さな蹄(ひづめ)」という意味です。茹でたジャガイモを潰して小麦粉と混ぜ、斜めにカットした形が動物の蹄に似ていることから名付けられました。残り物のマッシュポテトを美味しく再利用する知恵の料理です。
国民的B級グルメ「ザピエカンカ」 (Zapiekanka)

ポーランド風ピザトーストがザピエカンカ (Zapiekanka)。若者達から絶大な支持を受ける、早くて安いポーランドを代表するファーストフードです。普通に美味しいのですが、ポーランドまで来て食べるようなものではないと思います。でもポーランド人は大好き過ぎるので、一生懸命抵抗しないとザピエカンカの店へ連れて行かれます。
【聖地情報】
クラクフのユダヤ人街「カジミエシュ地区(Kazimierz)」にある円形広場(Plac Nowy)は、ザピエカンカの聖地です。ここのザピエカンカは観光客だけでなく地元民も並ぶほど。トッピングも伝統的なマッシュルーム&チーズから、フェタチーズやほうれん草など多様化しており、2026年にはグルメなストリートフードとしての地位を確立しています。
滑らかな口当たり「クルスキ」 (Kluski)
ポーランド風のジャガイモ団子がクルスキ (Kulski) 。上手な人が作ると口の中でとろけるようです。お肉の入ったソースなどをかけて食べます。結構作るのがメンドクサイ料理なので、今では殆どのポーランド人が冷凍食品で我慢しています。でも食べる時に「手作りは全然違う。特におばあちゃんの手作りが一番美味しい」と呟くのが習わし。
【シレジア地方の名物】
特に有名なのが「Kluski Śląskie(シレジア風団子)」です。真ん中に窪みがあるのが特徴で、そこに肉汁(グレービーソース)が溜まるようになっています。この窪みこそが美味しさの秘訣です。
詰め物入り団子「ピズィ」 (Pyzy)
前述のジャガイモ団子クルスキの中に、肉やカッテージチーズ、マッシュルームなどを詰めるとピズィ (Pyzy) と呼ぶのだと思います。飴色に炒めた玉ねぎ、ベーコンなどをトッピングしてメイン料理として食べる事が多いです。
【生地の違い】
コペトゥカが「茹でたジャガイモ」を使うのに対し、ピズィは伝統的に「すりおろした生のジャガイモ」と「茹でたジャガイモ」をミックスして作ります。これにより、独特のグレーがかった色ともっちりとした強い弾力が生まれます。
甘いメインディッシュ「プラム入りピズィ」 (Knedle)

ジャガイモ団子でプラムと砂糖をくるんで茹で、チーズ系の特製ソースと一緒に食べます。日本人的にはデザートですが、ポーランドでは主食の扱い。東欧ではジャガイモ団子、ピエロギ、パイなどは、例え甘い系でもメインディッシュとして食べます。
また、フルーツ入りの団子は一般的に「Knedle(クネドレ)」と呼ばれます。特に晩夏から初秋にかけての「プラム(Śliwki)」の季節に食べるクネドレは、季節の移ろいを感じさせる風物詩。シナモンシュガーと焦がしバターをかけるのが最高です。
ポーランド人が一番大好きな「プラツキ」 (Placki)

疑いの余地なく、ポーランド人が一番大好きな料理はプラツキ (Placki) 、ポーランド版ポテトパンケーキです。パンケーキと呼びますが、ほぼほぼジャガイモで小麦粉はほんの少し。でもハッシュポテトよりはパンケーキ寄りです。
プラツキもピエロギと同じように辛い系と甘い系の2種類あります。甘いのは・・・と最初は戸惑っていたのですが、甘いプラツキ、メチャクチャ美味しいです。サワークリームだけでシンプルに食べるのも美味しい。
プラツキは作るのが大変メンドクサイ料理。それでもポーランド人は今でも頑なにプラツキを自宅で作って食べます。ポーランド人の家庭にお呼ばれすると、必ず食卓にある料理。地元の人に作って貰った本場のレシピを別記事でまとめました。
▼カリカリもちもち!本場のプラツキレシピ

山賊風プラツキ (Placek po zbójnicku)
プラツキをメインディッシュに食べたいならこれ。プラツキの上に牛肉のシチューがかかっています。レストランの日替わり定食の定番メニューです。
【名称の由来】
「Zbójnicki(ズブイニツキ)」は「山賊の」という意味。タトラ山脈の伝説的な山賊たちが食べていたような、ボリューム満点で力のつく料理というイメージです。カロリー爆弾ですが、ハイキングやスキーの後には欠かせません。
スーパーフード「カーシャ」 (Kasza)

ソバの実を水や野菜スープで茹でたものをカーシャ・グリチャナと呼びます。肉に添えられる事が多いです。東欧ではソバの実を良く食べます。初めて食べたのですが本当に凄くいい。栄養価もあり美味しいし、プチプチした食感もいい。日本でも流行ればいいのにと思います。
【2026年の注目食材】
グルテンフリーや健康志向の高まりで、ポーランドの「Kasza(カーシャ=穀物)」文化は世界的に注目されています。ソバの実(Gryczana)だけでなく、キビ(Jaglana)や大麦(Pęczak)など種類も豊富。食物繊維やミネラルが豊富で、白米やパスタの代わりとしてレストランでも多用されています。
【世界一のスープ大国】伝統と発酵が織りなす「飲む」食文化
発酵の酸味「ジュレック」 (Żurek)

ポーランド人が愛してやまないスープがジュレック (żurek) です。発酵したライムギの上澄み汁を使って作ります。発酵しているのでかなり酸っぱい。暖かい酸っぱさが苦手な人はちょっと、いやかなりうっとくる味です。慣れるとはまるけど慣れるまでキツイ。私は今だ慣れません。ニオイからもう無理。
白いスープ、または白いボルシチ (バルシチ・ビャウィ/Barszcz biały) と呼ばれる事もあります。東欧の他の国にも「白いボルシチ」と呼ばれるスープがありますが、ポーランドほど酸っぱくはありません。
季節の伝統:
ジュレックはイースター(復活祭)の朝食に欠かせないスープです。「Zakwas(ザクワス)」と呼ばれるライ麦の発酵液が味の決め手。ゆで卵と白ソーセージを入れて食べるのが伝統で、パンをくり抜いた器で提供されるスタイルは観光客にも大人気です。発酵食品なので腸活にも最適です。
深紅の宝石「バルシチ」 (Barszcz)

テーブルビート(ビーツ)で作るスープがバルシチ (Barszcz)。ウクライナ起源のスープで東欧全体とロシア、ロシアにゆかりのある国々で食べられています。同じボルシチの名前が付いても国によって若干異なります。
基本的にはビーツと冷蔵庫にある残り物の野菜を全部入れたスープ。ビーツはニンジンやスイートコーンより糖分を含む最も甘い野菜。でも酢漬けのものを使うので甘酸っぱい味になります。ビーツの色素による鮮やかな深紅色が特徴。
【クリスマスのバルシチ】
ポーランドのクリスマス・イブに食べるバルシチは、具を一切入れない澄んだスープ(Clear Barszcz)です。その代わり、「Uszka(ウシュカ=小さな耳)」と呼ばれるキノコ入りの極小ラビオリを浮かべて食べます。この透明で美しい赤色のスープを作る技術は、料理人の腕の見せ所です。
ピンク色の涼味「フォドニック」 (Chłodnik)

ピンク色の凄いインパクトを持つ、夏の定番の冷たいスープがフォドニック (chłodnik)。旧ロシア圏の国々で良く食べられています。冷たいボルシチと呼ばれますが、作り方が全く異なります。ボルシチは煮込んで作るスープですが、こっちは全く火を使わずに作ります。
ただかき混ぜるだけなので、暑い夏に台所に立たなくていいのが素晴らしい。ビーツの深紅色と白のケフィア(発酵した乳飲料)を混ぜるので、スープが鮮やかなピンク色になります。美味しいだけでなく、健康にも良いスープ。
伝統の血入りスープ「チェルニナ」 (Czernina)
ポーランドの伝統的なスープがチェルニナ (Czernina) です。カモの血を使うので、大変癖のある味です。マカロニやジャガイモなどが入った少し酸っぱ温かいスープ。中世の時代、求婚者に両親がこのスープを出すと「娘はやらん」の意味だったらしいです。
【歴史的背景】
ポーランドの国民的叙事詩『パン・タデウシュ』にも登場する歴史ある料理です。プルーンやドライフルーツを加えて甘酸っぱく仕上げるため、「チョコレートスープのよう」と形容する人もいます。現在ではレストランで見かけることは稀ですが、伝統料理店では珍味として提供されています。
豆の滋味「ズッパ・グロフフカ」

エンドウ豆をたっぷり使ったスープがズッパ・グロフフカ (Grochowka)。トマトのスープとどちらにしようか悩んでいたら、お店の人がクルトンで仕切ってどちらも出してくれましたた。ポーランド人は本当に外国人に優しいです。トマトのスープはズッパ・ポミドロヴァ(Zupa Pomidorowa)と呼びます。どちらも美味しかったです。
【ミリタリー・スープ】
グロフフカは別名「軍隊スープ(Grochówka wojskowa)」とも呼ばれます。腹持ちが良く、安価で栄養価が高いため、野外キッチンで大量に作られる定番メニューでした。今でもお祭りや野外イベントでは、大きな釜で作られたグロフフカが振る舞われます。
穀物の優しさ「クルプニク」 (Krupnik)
野菜の他に蕎麦や大麦の実が入った具沢山のチキンスープがクルプニク (Krupnik) です。とても優しい味で、お昼のランチメニューの前菜として出される事が多いです。
二日酔いの特効薬「フラキ」 (Flaki)

牛や羊などの胃(トライプ)を煮込んだスープがフラキ (Flaki) です。臓物系が好きな人は絶対気に入るはず。ポーランド人は二日酔いが酷い時は、必ずこのスープを飲みます。しかしポーランド人はお酒がめっぽう強いので二日酔いになりません。
【王様の味】
マジョラムとショウガ、ナツメグを効かせたスパイシーな味わいが特徴です。かつてのポーランド王、ヴワディスワフ・ヤギェウォの大好物だったとも伝えられています。ワルシャワ風(Flaki po warszawsku)にはミートボールが入ります。
夏の恵み「フルーツスープ」

夏の定番のスープがズッパ・ヴィシニョヴァ (ZUPA WISNIOWA) 。日本名ではスミミザクラと呼ばれる、甘酸っぱいサクランボで作る冷たいスープです。日本人にとってはデザートみたいな食べ物ですが、ポーランドでは前菜扱い。本当に美味しいので、絶対に試してみて!大好物です。
【パスタ入り!?】
驚くべきことに、この甘酸っぱいスープの中にショートパスタや麺を入れて食べるのがポーランドの家庭スタイルです。イチゴやブルーベリーで作るバージョンもあり、夏の暑い日には食欲増進剤として機能します。
森の香り「キノコスープ」 (Zupa grzybowa)
キノコのクリームスープをズッパ・グジボヴァ (Zupa grzybowa) と呼びます。季節または何処で食べるかによってキノコの種類が違いますが、何処で食べても確実に美味しいスープです。
【キノコ狩り文化】
ポーランド人は世界でも有数のキノコ好き(Mycophiles)です。秋になると森へキノコ狩りに行くのが国民的行事。ポルチーニ茸(Borowik)を使ったスープは「森の王様のスープ」と呼ばれ、最も格式高い味わいです。
発酵キュウリの「ズッパ・オグルコヴァ」
東欧から北欧にかけての人達は、キュウリを物凄く良く食べます。キュウリは夏野菜ではありますが、暑さに弱いので少し寒冷なくらいの気候で良く育つからです。ポーランドではキュウリはスープにもなり、ズッパ・オグルコヴァ (Zupa ogorkowa) と呼ばれています。
【味の決め手】
生のキュウリではなく、塩水で発酵させた「Kiszone ogórki(発酵キュウリ)」をすりおろして使うことが多いです。そのため、独特の酸味と塩気があり、ご飯のおかずにもなりそうなほど濃厚な旨味があります。日本の味噌汁のような、ホッとする家庭の味です。
【魔法の甘味】歴史あるポーランドの伝統菓子とデザート
ケシの実たっぷり「マコヴィエツ」 (Makowiec)

ケシの実がたっぷり入ったロールケーキがマコヴィエツ (Makowiec)。クリスマスや特別な日に必ず登場するお菓子です。ケシの実、ポピーシードはポーランド人が大好きな食材。日本ではアンパンの上にちょろっとかかってるぐらいですが、ポーランドでは大量に使います。プチプチした食感がとても美味しい。
象徴的意味:
ケシの実は1つの鞘の中に無数の種が入っていることから、「多産」「繁栄」「金運」の象徴とされています。だからこそ、クリスマスやイースターには欠かせない縁起菓子なのです。中身にはクルミやレーズン、ハチミツもたっぷり練り込まれています。
教皇が愛した「クレムフカ」 (Kremówka)

パイ生地でバニラカスタードクリームをたっぷり挟んだケーキがクレムフカ (Kremówka)。お店によって中のクリームがメレンゲや生クリームだったりします。ポーランドに限らず中央ヨーロッパで広く愛されているケーキで、ポーランドのはカスタードクリームの甘さが控え目で一番美味しかったです。
【パパル・クリームケーキ】
ポーランド出身のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世が、故郷ヴァドヴィツェを訪れた際に「学生時代、よくクレムフカを賭けにして食べたものだ」と懐かしんだことから一躍有名になりました。別名「Papieska Kremówka(教皇のクリームケーキ)」とも呼ばれます。
薔薇ジャム香る「ポンチュキ」 (Pączki)

ポーランドを代表するお菓子が揚げドーナツのポンチュキ (pączki) 。中に色々な具が入っています。一番のお勧めはバラの花びらのジャム入りポンチュキ。専門店が多く、本当に色々な具があるので楽しい。
脂の木曜日:
イースター前の断食期間に入る前の木曜日を「Tłusty Czwartek(脂の木曜日)」と呼び、ポーランド人はこの日、狂ったようにポンチュキを食べます。平均して1人あたり2.5個食べると言われ、街中のベーカリーに行列ができます。カロリーを気にしてはいけない日です。
もちもちクレープ「ナレスニキ」 (Naleśniki)

ポーランド風クレープがナレスニキ (naleśniki)、でも店によってはホットケーキの厚さです。チーズやリンゴが入ったバージョンもあり、焼くと揚げるの中間で調理します。クレープの場合は中に具を置いて巻き、おかず系のものもあります。
王道の味「ダークチェリーのケーキ」

ポーランド人は本当にお菓子を作るのが上手。焼き菓子は勿論、ケーキも何を食べても美味しかったです。それに値段が安い。特におすすめはダークチョコとチェリーのケーキ。この組み合わせは最強過ぎました。
国民的アイス「ロディ」 (Lody)
ポーランドはアイスクリームのレベルが高いです。ロディ (Lody) と呼ばれ、ポーランド人も大好きなので街の至る所にアイスクリームの専門店があります。価格も安いので見つけたら是非試してみて!
【行列のできる味】
特に「Lody tradycyjne(伝統的なアイス)」と書かれた看板を探してください。卵黄、生クリーム、砂糖、季節の果物だけで作る昔ながらの製法で、濃厚なのに後味さっぱり。夏の夕方、アイス片手に旧市街を散歩するのがポーランド流の楽しみ方です。
スパイス香る「ピエルニキ」 (Pierniki)
ポーランドの伝統菓子がジンジャークッキーのピエルニキ (Pierniki)。ポーランドの人達が帰省すると何時もお土産で買ってきてくれます。人形、動物、ハート、色々な形があって可愛い。アイシング(粉砂糖と卵白を水で練った固まるクリーム)でデコレーションされると更にラブリーになります。
チョコでコーティングしてあったり、中にジャムが入るバージョンもあり、本当により取り見取り。14世紀にトルン(TORUŃ)の街で生まれた古い歴史を持つお菓子で、甘い中にスパイシーさもあるのが特徴です。ショパンも大好きだったお菓子で、日持ちがいいのでクリスマスツリーの飾りとしても使われます。
【琥珀色の誘惑】ウォッカだけじゃない!ポーランドの美酒とドリンク
懐かしの味「コンポート」 (Kompot)

ベリー、桃、プルーンなどの果物を大量の水で煮て作る飲み物がコンポート (Kompot)。夏は冷蔵庫で冷たくして、冬は温めて飲みます。共産主義の時代が終わった1990年代は、コーラなどアメリカから来るものがもてはやされ、コンポートの人気が廃れました。最近の健康志向で果物のビタミン、ミネラルを含むコンポートが見直され、コカ・コーラよりコンポートを冷蔵庫に常備する家庭が増えてきています。
コーヒー文化の復活「カヴァ」 (Kawa)
ポーランドは伝統的には紅茶文化だったのですが、共産圏時代終了後は、反動でコーヒーが爆発的人気となりました。カヴァ (Kawa) と呼ばれ、最近はイタリア式のエスプレッソが流行っています。でも一般的にポーランド人が飲むコーヒーはトルコ式の煮出しコーヒーです。
【カフェブーム】
2026年現在、ワルシャワやクラクフはヨーロッパ有数のスペシャリティコーヒーの街となっています。「Drip(ドリップ)」や「AeroPress」を提供するおしゃれなカフェが急増中。それでも家庭では、挽いた豆に直接お湯を注ぐ「Kawa parzona(泥コーヒー)」を愛飲する人が多いのも事実です。
国家の誇り「ヴ―トゥカ」 (Wódka)
ポーランドと言えばウォッカ、ヴ―トゥカ (Wodka) です。友達の結婚式の披露宴のテーブルに、一人につき一本のウォッカがついてきた時は本当にびっくりしました。でも直ぐに納得。ポーランド人は男性だけでなく女性も、老いも若きも酒が好き。しかも凄く強い。さすがにウォッカ一本を毎日飲む訳ではないけれど、結婚式などの特別な日なら軽く飲み干します。
おすすめ銘柄:
世界遺産の「ビャウォヴィエジャの森」に生えるバイソングラス(ズブロッカ草)を漬け込んだ「Żubrówka(ズブロッカ)」は、桜餅のような独特の香りが特徴。リンゴジュースで割る「シャルロトカ(アップルパイ風)」という飲み方は、女性にも大人気で飲みすぎ注意の美味しさです。
家庭の果実酒「ナレフカ」 (Nalewka)

ポーランド人のお宅にお邪魔すると、必ず振舞われるのがナレフカ (Nalewka) です。伝統的な果物やナッツで作るホームメードのお酒で、ポーランド人の家庭には必ず何種類か用意されていて、全部飲むまで家に帰してくれないです。
クラフトビール天国「ピヴォ」 (Piwo)
ポーランドはビール、ピヴォ (Piwo) が安いです。コーヒーよりも断然安い。味付けが濃い料理が多いので、ビールとの相性も抜群です。ウォッカは共産主義時代を象徴する飲み物なので、若者が好んで飲むお酒はもっぱらビール。チェコと違って国際的に有名なビールはないのですが、最近は地ビールが流行っています。
【2026年最新事情】
今やポーランドはヨーロッパ屈指の「クラフトビール大国(Piwo rzemieślnicze)」です。特に「Baltic Porter(バルチック・ポーター)」という黒ビールは、世界的なコンテストで数々の賞を受賞しており、濃厚なチョコレートのような風味はデザート代わりにもなるほどです。
世界最強の酒「スピリタス」 (Spirytus)
ポーランド産のウォッカで、スピリタス (Spirytus) と呼びます。アルコール度数が世界最高の酒として有名。70回以上も蒸留を繰り返す事で高いアルコール度数を得る事が出来ます。なんと96度。世界最高純度のスピリッツです。
絶対に火気厳禁のお酒で、喫煙なんてもってのほか。消防法上の危険物に分類される酒です。さすがのポーランド人でもスピリタスは「飲む酒」というより「ナレフカ(果実酒)を作るための原酒」や「消毒用」として使われるのが一般的です。
【番外編】北のワイン「蜂蜜酒」 (Miód Pitny)
フードキュレーターのおすすめ:
ウォッカやビールだけでなく、ポーランドには中世から伝わる「蜂蜜酒(ミフト・ピトヌィ)」があります。ブドウが育ちにくい北国ならではの知恵で、蜂蜜を発酵させて作ります。濃厚な甘さと芳醇な香りは、まさに「飲む黄金」。お土産に最適です。
おすすめの国ポーランド
ポーランドは食べて美味しく、見て美しい、何事においてもレベルが高い国です。リピートする観光客がとても多いのも納得で強力におすすめしたい国。ポーランドがどうしてそんなに素晴らしいのか、別記事で詳しくまとめました。

▼ポーランド観光の魅力総まとめ
ポーランドはグルメだけでなく景色も素晴らしい。ポーランドのおすすめの観光地は別記事で詳しくまとめてあります。



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