世界食べ尽くしの旅 

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パーティ好きスペイン人達のパーティーの楽しみ方 野外パエリア編

      2017/04/02

群れるの好き、お喋り好き、踊るの好き、食べるの好き、飲むの好き、それがスペイン人です。真正パーティーピーポーなスペイン人は週末となれば何らかのパーティに参加します。今回は夏の定番、野外で開催されたパエリアパーティの様子を徹底取材。

 

友達の友達の友達も参加するのがスペインのパーティの基本

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スペイン人は集合するのが大好きです。人が多ければ多いほど楽しい、と思うタイプの人間が多いし、基本的に一人行動が苦手です。だから何かしらの集まりがある、パーティがあるとの情報を耳にすれば、友達を誘って一緒に出かけます。

「友達の友達が、友達の友達のパーティに行くんだけど一緒に行かない?」

なんて誘いも多く、一体誰の、何のパーティなのか分からないまま、冷静に考えれば誘ってきた友人でさえ全く繋がりの無い人達のパーティに参加することになります。

今回のパーティも最初は数人の仲良しグループで企画されていました。でも彼らの友達の友達の友達ぐらいまでの範囲が参加する事になり、最終的には50人近くの大所帯となりました。

バルセロナはスペインのどの都市より外国人が多く住んでいます。都会で、海があって、山があって、気候が良くて、住みやすい。そんなパラダイスのようなバルセロナは何時だって多くの外国人を魅了してきました。

だから今回のパーティもスペインに限らず、イギリス、アメリカ、コスタリカ、メキシコ、ブラジル、ペルー、チリ、アルゼンチン、スウェーデン、ノルウェー、ポーランド、ロシア、ドイツ、フランス、イタリア、ポルトガル、中国そして日本と、まさに色々な国籍の人達が参加する、インターナショナルな街バルセロナらしい国際色豊かなパーティとなりました。

集まった全ての人達が観光客では無く、スペインで普通に暮らしている外国人達なので共通語はスペイン語です。でも国によって独特のアクセントがあります。最近では彼らの話すスペイン語を聞くだけで、何処の国出身なのかだいたい感知出来るようになりました。

お祭り騒ぎが大好きだからスペインに住んでいるのか、周りのスペイン人に感化されてお祭り騒ぎ好きになったのか。正解は分かりませんが賑やかを通り越してウルサイぐらいの団体でした。もう本当に皆、喋る喋る。

 

美食大国のスペインを代表する料理はパエリア

「スペインで何を食べたい?」

定番の質問に殆どの皆さんが(よっぽどのスペイン・マニアでない限り)こう答えます。

「スペインに行ったら、パエリアを食べたい。」

日本人に限らず、世界中の観光客がスペインを訪れた際に必ず食べる、食べたいと思う料理が「パエリア」。日本と言えば「寿司」、スペインと言えば「パエリア」、それくらい国際的に有名で人気のある食べ物です。

そんな「パエリア」は日本の「寿司」のような存在であると同時に、「カレー」のような存在でもあります。皆でワイワイとキャンプ場で作ったり、素材の具や隠し味にこだわって自分だけのオリジナルの味を求めたり。作り方は簡単ですがこだわる人が多い料理がパエリアです。

外国人観光客がレストランで食べる「パエリア」は、お値段も雰囲気も高級です。でもスペイン人が日頃食べている「パエリア」は、もっと庶民的で気取りの無い、お袋の味を代表する家庭料理。

そしてスペインでは、ある程度の人数が集まってパーティ、しかも野外となるとメニューはパエリアになる事が多いです。皆の大好物、の理由に加えて、大鍋で大人数分を一気に調理出来るから楽ちんなんです。

他のヨーロッパ諸国ではバーベキューが人気メニューですが、スペインは断然パエリア。バーベキューは人数が多すぎるとカオスになるんです。スペイン人はただでさえカオスな人種なのでパエリアが一番だと私も強く思います。

 

スペインの野外パーティは農園を借り切って

スペイン人はセカンド・ハウスを持つ人が多いです。平日は学校や職場に近い都市の家で過ごし、週末になると海や山の近くの家へ行って過ごします。

トマトやピーマンなどの野菜を栽培したり、鶏や豚を飼育する土地を郊外に購入し、週末はそこで畑仕事をするのが生きがい、なんて人達も沢山居ます。このタイプの人達が購入する土地は、バカンス気分が満喫出来るような海や山、観光地の近くではなく、ただただ農地が広がっているような面白みの無い辺鄙な場所。一番大切なのは自分の住んでいる家から車で簡単にアクセスが出来る事だからです。

バカンス気分で訪れる為に買った土地ではないので、敷地内にはシンプルな小屋を建てます。トイレを作り、訪れた際に自分の畑で収穫した新鮮な食材を使って料理出来るようなキッチンを作ります。ご飯を食べた後にウトウトするシエスタ用のソファーやテレビを置き、子供達にせがまれて畑の一角にプールを作る人なんかもいます。

今回のパーティもそんなミニ農園で開催されました。オーガナイザーの友達の友達が所有する、バルセロナから車で30分位の場所です。お礼として一人2ユーロずつ所有者に支払う事にしました。

シンプルな小屋、と言っても使い勝手の良いキッチン、調理道具一式、冷蔵庫に巨大な冷凍庫、小屋の外には大人数のパーティでも問題無い大きなテーブルと椅子、子供達が遊べるブランコや滑り台などがあります。テーブルの傍の2本の木にはスピーカーがぶら下がり、食後のダンスタイムにも対応する至れり尽くせりなパーティ会場です。

集合は土曜日の12時。スペインでは午後2時に昼ごはんを食べます。金曜日、土曜日の週末ともなれば明け方近くまで遊んでいる宵っ張りが多いので、週末のお昼ご飯は更にもっと遅くなります。今回のパーティは「働かざるもの食うべからず」がコンセプトなので集合は12時、参加者全員で食事の準備をします。

 

スペインのパーティは全員働く、が基本

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今回のパーティのオーガナイザーは、若いスペイン人のカップル。事前に一人1300円位の会費を彼らに支払います。彼らがメニューを考え、会費から食材や必要な物を揃えます。農園所有者へのお礼も会費でまかないます。今回のメニューは食前酒、6種類のオードブル、3種類のサラダ、2種類のパエリア、デザートとカクテル。

オーガナイザーの指示で適当に班分けされ、食事作りに取りかかります。飲み物・サラダ班、オードブル班、パエリア班、デザート班に分かれての共同作業開始です。

野外パーティでは基本皆が何らかの作業をします。働かざるもの本当に食うべからずなのです。でもこの一緒に皆で作業するのが楽しさでもあるんです。この時点で既に冷たいビールやアルコールが出回っているので、良い気分になりながら手よりも口の方が活発な食事作りを楽しみます。

 

スペインの食事でデザートは欠かせないもの

今回のデザートはフルーツのチョコレートがけ。美味しくて、簡単で失敗が無い人気のレシピです。

大きな鍋にミルクを入れ、チョコレートを溶かします。ゆっくり、じっくり、焦げないようにかき混ぜながら、チョコレートを少しずつ溶かしていきます。その間オレンジ、バナナ、リンゴ、パイナップル、いちじく、洋ナシ、メロンを食べやすい大きさにカットしたらもう準備完了!

基本的にスペイン人は食後のデザートとコーヒーが無いと食事を終えた気にならない人が多いので、パーティーに限らず食事の後のデザートは必需品です。

プラスチックのコップに各自好きな果物を好きなだけ入れて、その上から熱々のチョコレートを注ぎ、炒ったアーモンドスライスとお好みでバニラアイスをトッピングしたら出来上がりです。

スペイン人は老若男女、本当に甘い物が大好きなのでフルーツに全く興味を示さず、チョコレートだけを飲んでる人達も多かったです。

 

ついに完成パエリア 食事はワイワイガヤガヤが基本

ついにパエリアが完成しました。時刻は既に3時半。お酒を飲みながら何だかんだとオツマミを食べてはいたのですがお腹はペコペコです。出来上がったパエリアと一緒に記念写真を撮ってから乾杯。本格的な宴の始まりです。

まずはオードブルから食べ始め、サラダ、ポテトサラダ、ニンジンのサラダと続きます。食事中は「サングリア」では無く、赤ワインを飲みます。ある程度前菜が片付いて、お腹の減り加減も一服したところでパエリアの登場。

オーガナイザーの指示の元、班ごとにパエリアを取りに行きます。指示を守らない場合はパエリア没収、なんて厳しい掟も飛び出したので、皆さん秩序を守って列を作ります。

もう一度言いますがスペイン人が秩序を守って列を作ってましたですよ。スペインでは大変本当に全く珍しい光景です。

デザートを食べ終わる頃、コーヒーが出てきます。スペインではデザートと一緒にコーヒーを飲むよりも、最後の最後の最後にコーヒーで食事を終わらせる人が圧倒的に多いです。そしてコーヒーが終わるとカクテルタイムに突入です。

通常でも1時間はまるまる食事タイムを取る国です。週末のパーティともなれば4~5時間かけてゆっくり食事をします。今回のパーティでは準備段階のビール、食前酒の「サングリア」、食事時の赤ワインと絶えず飲み続けているので、カクテルタイムが始まる頃には皆さんすっかり酔っ払っています。

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スペインの野外パーティは食べ放題、飲み放題、時間制限なし

例え酔っ払っていなくてもスペイン人は踊るのが大好きなので直ぐにダンスタイムが始まります。周りに民家の無い、全くの畑の中に居るので音楽のボリュームも最大。でも音楽以上に皆の声の方が賑やかでした。

踊って、歌って、ちょっと疲れたら席に座って「モヒート」を飲みながら歓談する。そして又踊り出す。そんな事を繰り返していたら、ミニ農園に着いてから7時間が経過していました。

アルコールがある限り宴は続くので、お昼ご飯の残りを肴に宴会はエンドレス状態。最終的にパーティが終わったのは夜の11時を過ぎた頃。半分位の人達がそのままクラブに流れていき、明け方過ぎまで踊っていました。皆さん本当に元気です。

お祭り騒ぎが大好きなスペイン人に感化されたのか、元々お祭り騒ぎが大好きだからスペインに来たのか。ここに住む外国人達も皆、全く違和感無くスペイン人と行動を共にしていました。スペインでのパーティはまさに体力勝負です!

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