世界食べ尽くしの旅 

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スイスのホテルスクールで学ぶ世界で一番のおもてなし。世界中の大金持ちが集まる豪華大学の学食。

      2021/03/01

世界で一番物価が高いスイス。世界で一番平均年収が高いスイス。世界で一番貯蓄率が高いスイス。世界で一番治安の良いスイス。そんな「世界で一番」が沢山あるスイスで私がどうしても見てみたかったのは「世界で一番のおもてなし」でした。ヨーロッパ在住18年目のフードライターが世界で素敵な人達と出会いながら、世界中を食べ尽くすの記録。今回はスイスで有名なホテルスクールからお届けします。

世界で一番のホテルスクールで学ぶホスピタリティ・マネジメントとは何なのか

皆さんはホスピタリティ・マネジメントと呼ばれる学科を知っていますか。ホスピタリティとはお互いを思いやり、手厚くもてなすことを意味し、ホテルや飲食店、旅行業などのサービス産業には欠かせない大切な精神です。それに加えて社員管理能力のサービス産業でトップに立つに必要とされる能力を身に付ける学科がホスピタリティ・マネジメント。

この学科における世界トップ3全てのホテルスクールがスイスにあるんです。2020年に東京オリンピックが開催される事をふまえ「ホスピタリティ」という言葉を耳にする機会が増えました。真の「おもてなし」とは何なのか。それが問われる時、常に話題に上るのスイスです。

ホスピタリティ・マネジメントの分野で世界第一座に輝くローザンヌホテルスクール。第二位はグリオン大学第三位レ・ロッシェ大学です。これら全ての大学がスイスにあるのでホスピタリティ・マネジメントを極めたいと思ったら、スイスに来る以外の選択肢はありません。

「世界一のおもてなし」とは一体何なのか。東京オリンピックの開催が決まってから、この3つの大学とコンタクトを取ろうと何度も試みてきました。今回やっとレマン湖あるグリオン大学で講師をしているシュテファンさんから良いお返事を頂けました。

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究極の「おもてなし」を学術的に学ぶにはスイスへ行くしか選択肢がない

シュテファン(Stephane Joumardさんはホスピタリティ・マネジメント分野で世界第二位の実力を誇るグリオン大学で講師をしています。

フランスのルドー出身で、地元のケータリングスクールを卒業してから直ぐロンドンへ渡りました。イギリスの社交界の中心地、世界中のVIPが集う老舗ホテル、サボイのレストランで働き始めたのが19才の時。その後1つ星レストラン、2つ星レストランと順調にランクを上げてゆき、3つ星レストラン La Tante Claireに就職します。

この業界の星にまつわる話は本当に熾烈です。そんな競争の激しい星の世界で培ってきたノウハウを次世代に伝えるべく、グリオン大学からのオファーを承諾しました。

何故スイスにホスピタリティ・マネジメント学科世界トップ3が全て集中しているのでしょうか。それはホスピタリティ・マネジメントという概念スイスで生まれたからです。

気配り、おもてなしの心、そんなホスピタリィティ精神はどの国にも存在します。そんなホスピタリティをベースにしたサービスの質、職務に対する厳しい姿勢、強い信念、更には管理能力を高める事がホスピタリティ・マネジメントの主軸です

ホテル、飲食店、サービス産業で絶対に必要とされる能力で、観光大国スイスでこのホスピタリティ・マネジメント能力をとても重視してきました。

それにスイス人の国民気質である「何事に対しても常に勤勉で誠実な姿勢で臨むこと」自体が既にホスピタリティを極めた形なんです。

スイスのレストランへ行けば直ぐに分かります。どの国とも比較にならない程サービスが素晴らしく、まさにプロフェッショナ私が住むスペインでは他に仕事が見つからない、そんな理由でレストラン等の接客業をしている人達が殆どです。

このような風潮のある国ではサービスの質を問う事は出来ません。スイスではどんな安いレストランであってプロフェッショナルなサービスを受けることが出来ます。そもそもスイスは人件費が高いので安いレストランなんて存在しません

人間が何処かに関わる限り、決して安くはならないのがスイスです。そしてどんな分野においても、関わる人間の仕事の質が高いのがスイスの特徴なのです。

スイスにホスピタリティ・マネジメントのホテルスクールが集中する理由

ホスピタリティ・マネジメント分野で世界的に有名な学校がスイスに集結する理由は他にもあります。治安の良さです。スイスは日本より断然治安がいです。最低賃金が46万円の国ですから低所得層がいません。スイスで物乞いをしている人なんて見たことがないし、国と国民全体に余裕があります。

グリオン大学をはじめ、スイスにある3つの有名校は受講料が高い事でも有名です。1年間のカリキュラムでだいたい800万円が相場。加えて全寮制なので受講料の他にも膨大な金額が必要となるので自ずと生徒の層が限られます。

ホテル王のご子息達が修行し、お金持ちのお嬢様達が社交界で活躍する土台を作る為にホスピタリティを学ぶ。アジアの貧しい国からやって来る留学生に関しては、観光業に活路を見出したい国が厳しい選考をして自国の代表を選び、奨学金を与えてスイスへ留学生を送っているのです。

シュテファンさんの話によれば国の政情不安を逃れる為にアラブの石油長者の子息たちが送り込まれてくる事も多いのだそう。

もちろん受講料が高いだけでなく、授業の質高い事で有名な大学なのでお金を払うだけでは卒業出来ません。出席率も大変重要で、どんな理由にせよ、グリオン大学に籍を置いているからには全ての学生が真剣に授業を受けなければなりません。

グリオン大学の学生数は1500名、そのうちの90%が世界90各国以上からやって来留学生です。大変国際的な大学なので授業は全て英語。全寮制の大学で、食事つき、全てつき。安全で完全な環境が整えられています。

世界の大金持ちの御子息、ご令嬢が集まるホテルスクールの学食に侵入取材

この大学で一週間を過ごさせて頂き、色々と学ぶ事が出来ました。毎日が発見と驚きの連続でしたが、一番私の好奇心を満たしてくれた場所がグリオン大学の学食です。

もう本当に、話をしていて想像もつかないレベルの大金持ちの御子息、ご令嬢達に囲まれて食べた学食の味、一生忘れません。皆さん、そんな世界の大金持ちが集まる全寮制の有名大学の学食ではどんなものが食べられれているのか興味ありませんか?私はもうメチャクチャ興味津々だったんです。それでは知られざる、究極の学食ルポ。グリオン大学の学食に潜入します。

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何処を見ても何を見てもお金持ちの匂いしかしない学食です。この素晴らしい眺め、落ち着いた雰囲気は高級レストランそのものです。

グリオン大学のお昼はビュッフェ形式になっていて、11時から15時までの間、好きな時間に好きなだけ食べる事が出来ます。朝の遅い生徒達もいるので朝食と昼食、両方のメニューが並んでいました。こちらは典型的なイギリス式ブレックファストのコーナー。スクランブルエッグ、煮豆、ベーコン、目玉焼きです。

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朝からフルブレックファストは重い。もっと軽くすませたい人達の為のシリアルコーナーもあります。乳製品も色々な種類が揃っています。

朝の早い時間から講義がある人達用にガッツリ食べる系も揃っていました。パスタやライス、魚や肉など、味付けも本格的で学食の域を超えています。そして何よりも私を驚かしたのがこちらのコーナー。

このパンの種類の豊富さを見て下さい。私が学んだスペインの大学の学食はフランスパンのみで他に選択肢なんて全くなかったです。格差社会を目の当たりにした瞬間です。

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更にお金持ちさ加減が露出していたのがこちらのコーナー。サラダコーナーにあるチーズのチョイスが凄かったです。いや~、いいもの揃えてます。

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本日のデザートはニンジンとクルミのケーキのホワイトチョコレートソースがけ、パンケーキ、カップケーキ、フルーツ各種です。

飲み物バーも種類が豊富で、スムージー、フレッシュジュース、コーラなどのソフトドリンク、コーヒーもきちんとイタリア製のエスプレッソマシーンでした。

食べ物コーナーには暖かい物は暖かく、足りない物は直ぐに補充する担当の人達が常に見回っていました。何もかもが美味しくて、この大学に通ったら一年で10キロぐらい簡単に太れちゃいそうだなと思いました。

グリオン大学を卒業した、それだけで格が出て、直ぐに就職先が決まるぐらいの名門校。トップに立つ立場を目指す者にとって、スイスでホスピタリティ・マネジメントを学ぶ事は必須となっています。実際世界のサービス業で活躍している殆どの人達がスイスの3大大学の出身者です。

スイス、美しい国には美しいサービスがあります。世界で一番の「おもてなし」に脱帽しました。

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