世界食べ尽くしの旅 

世界のグルメ、観光名所、世界遺産、色々な世界の情報を詰め込んだブログ

スイスの観光名所50選、スイスの世界遺産、スイスの鉄道

      2023/05/10

スイスの凄さは視界に入るもの全てが美しいという事。一度訪れてみれば分かります。スイスは世界で一番美しい国です。スイスを訪れたら何を見て、何をして、何を食べるべきか。スイスの観光名所、スイスの世界遺産、スイスに関する全てをまとめました。

スイスは世界で一番物価が高い国としても有名です。スイスは何故こんなにも高いか。スイスの物価に関しては別記事で詳しくまとめてあります。

世界遺産の街ベルン

ジュネーブかチューリヒがスイスの首都だと勘違いする人が多いのですが、スイスの首都はベルン(Bern)です。通常は国の中で最も人口の多い都市が首都である事が多いですが、ベルンの人口は14万人。とてもこじんまりとした首都です。

ベルンはスイスで一番大きいどころか第四の都市。そして小さいからこそスイスの首都となりました。スイスは独立した自治権を持つ州が、結束して成り立つ国。長きに渡って首都を持たなかったのですが、連邦国家を樹立した1848年にベルンが首都に定められました。

ベルンが地理的にスイスの中央に位置している事、そして既に経済の中心であったチューリッヒに権力が集中しないよう配慮されたからです。スイスを旅していると、スイスは一つの国ではなく連邦国家だという事を、色々な意味で感じ取れるかと思います。ベルンの街のWEBサイトが色々便利だったので貼っておきます。特にレストラン部門。

ベルンの観光名所

ツィトグロッゲ (Zytglogge)

ベルンのメインストリートにある時計塔は、13世紀から町を行き交う人々に時を告げてきたスイス最古の時計です。現役の仕掛け時計としては世界最大級。有名な物理学者アインシュタインは、この時計の針の動きをヒントにして相対性理論を完成させました。内部見学ツアーに参加すれば、カラクリ時計の仕組みが良く分かります。

クマ公園 (Baernenpark)

ベルンはドイツ語で熊を意味します。12世紀に森を切り開いて町を作った時、最初に捕まえた動物が熊だったため、ベルンと名付けました。そのためベルンでは1513年以降、シンボルとなった熊が街の中心で飼育され続けています。

2009年までは小さな堀で飼われていたのですが、その10倍の広さを持つクマ公園に移されました。街中でのびのび生きる4匹のクマさん達を探して下さい。クマはベルンの象徴なので、街中の至る所に熊のモチーフがあります。クマ公園のクマを含め、何匹のクマを見つけ出せるかも楽しんで下さい。

ローゼンガルテン (Rosengarten)

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 6-2.jpg

バラ公園を意味するローゼンガルテンには220種類のバラが植えられています。春にベルンを訪れたのなら、美しく咲き乱れるバラを堪能して下さい。その他の季節に訪れたらとしても、ローゼンガルテンには絶対に立ち寄りましょう。

ローゼンガルテンは小高い山の上にあるので、旧市街を見渡す事が出来ます。世界遺産にも登録された美しいベルン旧市街を一望できる、街一番のビューポイントだと思います。カフェもあるので途中の休憩ポイントにしましょう。

ベルンの11の泉

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 10-2.jpg

中世の頃から湧き水が豊だったベルンには、住民や馬たちの水の供給源となった噴水が100以上残されています。特にその中の、旧市街のメインストリートの中央に等間隔に配置された11の噴水は見逃せません。16世紀にそれぞれの噴水に一つ一つ異なる像と柱が追加され、個性豊かになりました。

ベルン大聖堂 (Berner Muenster)

100.6mの鐘楼を持つ後期ゴシック様式の大聖堂は、スイスで一番高い教会です。塔には登る事が出来るので、ベルンの美しい街並みを隅々まで見渡す事が出来ます。

石造りのアーケード

15世紀に造られたヨーロッパ最長の(6km)石造りのアーケードには、個性豊かなショップが集まります。スイスで二番目に大きいベルン駅の地下道にも沢山のショップがあるので、ベルンはショッピングも楽しいです。

ヨーロッパ最古の橋があるルツェルン

スイスで一番美しい街とされているのがルツェルン(Luzern)。個人的には街自体の魅力だけならベルンの方が上かと思うのですが、ルツェルンにはルツェルン湖とピラトゥス山があります。周辺の素晴らしくも美しい自然環境を含めれば、ルツェルンに軍配があがるのかもしれません。

ルツェルンの観光名所

カペル橋

ルツェルンの一番の見所となっているのがカペル橋。ヨーロッパ最古の木造の橋で、ルツェルンの街を敵から守る為に1333年に建築されました。200mの木造で屋根付きの橋は、残念な事に1993年の火災で大部分が消失してしまうのですが、直ぐに忠実に再現されました。橋の途中にある八角柱の塔は、かつて監獄や拷問所として使われていたのだそう。

ルツェルン音楽祭 (Lucerne Festival)

ルツェルンはワーグナーやラフマニノフが住んでいた街。昔から音楽に重きを置く土地です。現在では国際的なルツェルン音楽祭 (Lucerne Festival) が開催される街としても有名です。

春のイースター音楽祭OSTERN、夏の音楽祭SOMMER、秋のピアノ音楽祭PIANO、3つの趣の異なった音楽祭が毎年開催され、世界トップクラスの演奏家たちが集まり、10万人を超える観客が訪れます。興味がある方はオフィシャルサイトを参照して下さい。

ルツェルン近郊のおすすめの観光地

ピラトゥス山

ルツェルンから数キロの所にあるピラトゥス山は、龍や亡霊が出る魔の山と恐れられ、数百年もの間入山が禁止されていました。19世紀の終わりに、世界最大勾配の歯車式鉄道(最大傾斜48%)であるピラトゥス鉄道が開通された事で、多くの観光客が訪れる一大観光地となりました。

オーバーハウプト展望台

標高2016mにある展望台で、ピラトゥス山頂駅から徒歩15分。多くの人はこの展望台だけを見て山を降りてしまうのですが、出来ればゆっくり時間をとって周辺を散策して欲しいです。

トムリスホルン (Tomlishorn)

標高2129mにあるピラトゥス山の最高地点。ピラトゥス山頂駅(ピラトゥス・クルム駅)から徒歩1時間位で登る事が出来るアクセス抜群の山です。中間にエーゼル峰展望台があるので、体力や時間のない人はここで折り返ししても大丈夫。

トムリスホルンまでは階段になっているので、登り易い&下り易いです。スイスアルプスの壮大なパノラマを満喫出来るので、是非頂上まで頑張って登って欲しいです。

華やかな国際都市ジュネーブ

ジュネーヴ (Genève)は、人口19万人のスイス第二の都市。フランス国境に近いレマン湖のほとりにあり、国連などの国際機関が200以上も集中している事から国際都市と呼ばれています。フランス国境から近いので、フランスの雰囲気がかなり強いかも。

ジュネーヴの有名な観光地

ジュネーヴの大噴水 (Jet d’Eau)

140mの高さに達する世界で最も高い噴水です。街のランドマーク的存在で、市内の至所から見る事が出来ます。噴水の下まで歩いて行けますが、風向きによってはずぶ濡れになるので注意しましょう。でもまぁ、湖水を汲み上げて使うので、キレイな水なので気にならないかと思います。

レマン湖沿いの遊歩道

天気の良い日は日光浴する人で賑わうビーチや、オシャレなカフェのテラスが点在していて本当に良い雰囲気です。夏の花火大会では絶好の鑑賞場となるので大いに賑わいます。

パレ・デ・ナシオン (Palais des Nations)

国際ニュースに良く登場する場所。国連の本部として建設され、第二次世界大戦後はニューヨークが本部となりましたが、それに次ぐ規模で国連のヨーロッパ本部となっています。

とにかく大きく、完成当時はベルサイユ宮殿に次いでヨーロッパ第2の建築物、現在は拡張を重ね世界最大規模となっています。国連だけでなく国際労働機関や世界保健機関などの本部も同居しています。

時間があるなら是非ツアーに参加してもらいたい。各会議室を順番に回り、会議室の役割、ひいては国際連合ヨーロッパ本部とは何なのかを説明してくれます。とても興味深いのでお勧めですが、残念な事に日本語のツアーはありません。

ジュネーヴ旧市街

思いのほか閑散としていて、それがまた趣深いジュネーブの旧市街。お洒落なカフェやレストラン、お土産物屋が点在するので、散策が楽しいです。フランス革命に影響を与えた哲学者ジャン・ジャック・ルソーの生家もあります。

ジュネーブのナイトライフ

特にパキ区のナイトライフが大人気。バーやクラブが密集し、スイスなだけに治安は良いけれど少し怪しげな雰囲気があるスイス一番の歓楽街です。夜にこの界隈を訪れると、世界中からこの街に働きにきたエリート達を見る事が出来ます。

ジュネーブ美術・歴史博物館

スイス最大のジュネーブ美術・歴史博物館(Musée d’art et d’histoire de Genève)は、紀元前から現在に至るまでの65万点に及ぶ西洋の芸術品のコレクションの一部を無料で公開しています。

10万点所蔵しているコインやメダルのコレクションで有名な考古学セクションのほか、セザンヌ、モネ、ロダンなどヨーロッパの著名な芸術家を中心としたアート・セクション、工芸部門の家具や装飾品セクション、古楽器のコレクションも素晴らしいです。何よりもこれだけ充実して無料なのが一番凄いです。

自然史博物館

個人的にジュネーヴで一番感動したのが自然史博物館 (Muséum d’histoire naturelle) です。世界5大陸に生息する動物、鳥類、魚類、両生類、昆虫類の実物大模型が展示され、立体的な百科事典の中に迷い込んだような気分になります。

生態が良く分かるよう工夫された展示方式が素晴らし過ぎます。北極や南極のジオラマも凄い。地球と地球に生息する全ての生き物について学べて、さらには全て無料。ジュネーブに住んでいる人達が本当に羨ましいです。

スイスの流行発信地チューリッヒ

チューリヒ(Zürich)は人口39万人を抱えるスイス最大の都市です。近代化されてはいますが、古い建物も多く残ります。特にアルトシュタットと呼ばれる旧市街には、趣のある古い建物が集中し、お洒落なカフェやレストランも多いので散策がとても楽しいです。

ローマ時代から栄えていた街なので史跡も多いのですが、スタイリッシュな建物が多く、スイス一番の流行発信地です。イベントも多く、年間を通して賑やかで華やかな街。全体的に何だかとても居心地が良いです。

シュプリングリ

スイスの老舗チョコレート店が次々に海外進出を決める中、頑なにスイスのチューリッヒにしか店舗を構えないのが1836年創業のシュプリングリ (Sprüngli) 。チューリッヒを訪れたら絶対に行くべき場所です。本店の二階はカフェになっているので、そこでチョコレートケーキを食べましょう。信じられないほど美味しさです。

チューリッヒ湖クルーズ

チューリッヒで絶対しなくてはならないこと。長さ40kmキロのチューリッヒ湖をクルーズする事です。大人気のアトラクションで、夏には長い行列が出来るほど。趣あるチューリッヒの街並みを違った角度で楽しむ事が出来ます。

洗練されたセレブの街モントルー

レマン湖畔にあるモントルー(Montreux)は、多くの芸術家に愛された街。バイロン、リルケ、ルソー、ヘミングウェイなどの有名な作家が、モントルーを舞台に小説を書き上げ、ストラヴィンスキーやフレディ・マーキュリーが、この地で名曲を生み出しました。

毎年夏に開催されるジャズフェスティバルは、国際的な人気を誇ります。フランス語圏の街だからか、何だかとてもフランスっぽい雰囲気で、世界中のセレブが愛するリゾート地としても有名です。

おすすめのモントルー周辺の観光地

シヨン城

レマン湖に浮かぶように建つシヨン城は、詩人バイロンが16世紀の史実を元に作り上げた叙事詩、シヨンの囚人の舞台となった場所です。ディスニー映画のリトルマーメイドの主人公、アリエルが恋した王子様が住んでいたお城のモデルになったともされています。

有名なチーズの産地グリュイエール

グリュイエールの村はモレゾン山やグリュイエール湖などの美しい自然に囲まれた丘陵地帯にあります。いかにもスイス的な長閑な景色が広がる、本当に素敵な山里です。有名なチーズの産地でもあるので、牧畜農家の伝統的な暮らしを垣間見る事が出来ます。

チーズ工房巡り

見学が可能なチーズ工房やショップ、レストランが併設されたラ・メゾン・デュ・グリュイエール(La Maison du Gruyère)を訪れれば、美味しいグリュイエールチーズの全てが分かります。モレゾン山には伝統的な山小屋をリメイクしたチーズ工房もあり、昔ながらのチーズ作りを見学する事が出来ます。

カイエのチョコレート工場

グリュイエールの村の近くには、スイスで一番古い歴史を持つ老舗のチョコレートブランド、カイエの工場もあり見学出来ます。スイスの田舎を満喫しながら、スイスを代表し、世界的な名声を持つチョコレート工場を社会見学して下さい。

スイスの穴場的存在バーゼル

スイス第三の都市バーゼル(Basel)は、観光客は余り訪れないけれど、本当に素敵なスイスの穴場的存在の街。世界最大の現代アートフェスティバル、アート・バゼールの元になった街で、芸術に深く密着し、質の高い美術館が40近く存在します。

バーゼルでは美術館巡りが欠かせませんが、アルトシュタット(旧市街)も素晴らしくカワイイです。厳しい車の立ち入り規制があるので、昔ながらの雰囲気が保たれて更にいい。本当におすすめ。

バーゼル市立美術館

数ある美術館の中で特にお勧めなのが、バーゼル市立美術館。ロンドン・タイムズ誌が選ぶ、世界の美術館ランキングで5位となる実力派の美術館で、元々は個人の美術コレクションであったのを市が買い取って公開した、世界最古の公立美術館です。

ホルバイン、クレー、ルノワール、ゴッホ、ピカソを筆頭に、ヨーロッパ屈指の芸術家たちの作品を楽しむ事が出来ます。入場料は必要ですが、これだけのコレクションを楽しめるのなら納得の金額。

ウィンタースポーツの聖地サンモリッツ

スイス東部、イタリア国境に近いグラウビュンデン州にあるサンモリッツ(Sankt Moritz)は、2回の冬季オリンピックをはじめ多くのアルペンスキーやボブスレー国際大会が開催されてきたウィンタースポーツのメッカです。

世界中のVIPが集まる高級リゾート地的な場所でもあり、質の高いグルメやショッピングを楽しめます。冬が一番華やかではありますが、四季を通してゴルフ、ヨット、乗馬など、多彩なアクティビティを楽しむ事が出来ます。

いかにもスイス的な絶景を車窓から楽しめる観光列車、グレッシャー・エクスプレス(氷河急行)やベルニナ・エクスプレスの発着点で、オードリー・ヘップバーンが愛した街としても有名です。

アルプス三大名峰マッターホルン

スイスとイタリアの国境にそびえるマッターホルンは、アルプス三大名峰の一つ。世界で最も美しい山とも呼ばれます。標高4478mのアルプスでは珍しい独立峰で、ピラミッドのような形をしています。

古くから魔物や霊が住むとの言い伝えがあり、人間が入ってはいけない山とされてきました。1865年に初登頂されてからは、多くの登山家を受け入れてはいますが、現在でも毎年のように死者がでる大変危険な山です。

一般的な観光客にとって、マッターホルンとは見るための山。麓にある村ツェルマット周辺には、マッターホルンをみることが出来るハイキングコースが充実しています。本格的なコースは勿論、30分程度のお散歩コースからレベル別に楽しめる2時間から5時間程度のトレッキングコースまで。

1番人気のコースは、登山鉄道でゴルナーグラード展望台まで上り、マッターホルンを間近に見ながら、リッフェル湖に映る「逆さマッターホルン」などのビューポイントを経由して下山するコース。

苦しい登りは電車にまかせて、景色を楽しむ事だけに専念出来るのが嬉しい。例え装備が無くても、麓の町でウェア、靴、リュック、何でもレンタルする事が出来ます。至れり尽くせりの甘やかしスタイルが、スイス登山の基本のようです。

マッターホルン周辺は、希少種を含む970種の花が咲く高山植物の宝庫。高貴な白を意味するエーデルワイスは、スイスを象徴する有名な花でスイスの国花でもあるのですが、野生のエーデルワイスを目にすることは稀になりました。

アルプスの高地でも放牧が行われるようになり、牛に食べられてしまったのが原因だといいます。しかし、最近ツェルマット周辺でエーデルワイスの群生を見かけることが増えてきているのだそう。

マッターホルンの拠点ツェルマット

ツェルマット(Zermatt)は標高1620mの地点にあるマッターホルンの麓にある村。環境保護のためガソリン車乗り入れが禁止されているため、アクセスは電車もしくは電気自動車のみとなります。

ツェルマットから登山鉄道やロープウェイが出ているので、マッターホルンを手軽に満喫する事が出来ます。ツェルマットに宿泊して見る日の出や夕日に赤く染まるマッターホルンの美しさは、言葉にする事が出来ません。

夏はトレッキング、冬はウィンタースポーツ。年間を通して観光客が絶えない、マッターホルン観光の拠点です。ホテルの他にレストラン、カフェ、ショップ、小さいながらもとても充実しています。

世界遺産の大自然ユングフラウ

ユングフラウ、メンヒ、アイガーを中心とする名峰群と、ヨーロッパ最長の氷河が織りなす景観美が、多くの文学作品や芸術に影響を与え、地球の歴史を知る上でも重要な場所である事から、ユングフラウ一帯は世界遺産に登録されています。

アルプス三大名峰ユングフラウ

ユングフラウ一帯で一番高い、標高4158mのユングフラウは、マッターホルン同様アルプス三大名峰の一つです。登頂が難しいので、かつては経験を積んだ登山家しか見る事が出来ない山でした。1912年に標高3500mまで登るユングフラウ鉄道が開通した事で、お金さえ出せば誰でも見る事が出来る身近な山となりました。

世界が恐れる死の壁アイガー

標高3970mのアイガーは、アルプス三大名峰には含まれませんが世界的に有名な山です。アイガー北壁は、死の壁の別名を持つほど登頂困難な、ヨーロッパ3大北壁の一つ。1800mの絶壁で、技術的に難しく、真正面から受ける風が狂暴で、落石のリスクも高い事から多くの死者を出しました。

映画「アイガー北壁」をはじめ、数々の映画や小説でアイガーの恐ろしさが語られ世界にその名を広めました。危険だからこそ怪しい魅力を放ち、今も昔も登山家を惹きつけてやまない山です。

ヨーロッパ最長のアレッチ氷河

ユングフラウ、メンヒ、アイガーに囲まれた形で存在するアレッチ氷河は、全長24kmに及ぶヨーロッパ最長の氷河です。色々なポイントに展望台があり、電車やロープウェイで簡単に訪れる事が出来ます。氷河の上はガイドを雇わないと歩けませんが、とても興味深い体験となるはず。

個人的には展望台周辺の、アレッチ氷河を見下ろす形で平行するトレッキングコースを歩くのをお勧めします。幾つもルートがありますが、どれを歩いても素晴らしい景色の連続です。冬に訪れると、氷河の上に雪が積もってただの雪山にしか見えないので、夏の訪問をお勧めします。

ユングフラウの拠点グリンデルワルト

人口4000人のグリンデルワルト(Grindelwald)は、ユングフラウ観光の拠点として一番人気の村。山岳リゾート地の先駆け的存在で、古くから多くの観光客が世界中から訪れます。アイガーの懐に位置するので、迫力ある死の壁を間近で見る事が出来る場所としても人気です。

山と湖を楽しめるインターラーケン

インターラーケン(Interlaken)は湖の間を意味し、その名の通りブリエンツ湖とトゥーン湖の間に位置する村です。ユングフラウに近いので、観光の拠点としてグリンデルワルトと人気を競います。

トゥーン湖クルーズは、スイスで最も美しいクルージングとして有名なので、山も湖も楽しみたい欲張りさんなら、インターラーケンをユングフラウ観光の拠点にするのをお勧めします。ただアイガーにこだわりがある人なら、グリンデルワルト一択です。

トゥーン湖の古城巡り

トゥーン湖の最西端に位置するトゥーン(Thun)は、大変お勧めの美しい湖畔の町です。高台にあるトゥーン城を中心に12世紀に町が造られ、現在まで中世の雰囲気を色濃く残します。

長さ18km、幅4kmの細長いトゥーン湖は、美しい古城が点在する事で有名です。この町を拠点にしてクルーズ三昧をお勧めします。ベルナーアルプスを眺めながら湖畔沿いを散歩するのも最高の気分。結構大きな町なので、電車で10分のシュピーツ(Spiez)に宿を取ってもいいかも。

ヨーロッパ最大水量のライン滝

チューリッヒから35km南にあるシャフハウゼン(Schaffhausen)に、激流で有名なライン滝(Rheinfall)があります。高さは23mしかないのですが、横幅が150mあり、ヨーロッパ最大の水量を誇る名瀑です。

最も水量の多くなる、雪解けの春に訪れるのが一番のお勧め。見晴らし台やラウフェン城からの眺めも良いのですが、クルーズボードの滝壺巡りが一番近くに寄れて迫力満点です。チューリッヒから電車で一時間の距離なので、日帰りも可能。詩人ゲーテが愛した景勝地としても有名です。

ナルシスで有名なヴェヴェイ

チャップリンが晩年を過ごした町ヴェヴェイ(Vevey)の高地では、毎年5月から6月にかけて、野生のナルシスの群生を見る事が出来ます。野原いっぱいに一斉に花開くことから5月の雪と呼ばれています。

一時期絶滅が危惧されていましたが、保護団体が頑張って食い止めています。ナルシスの名はギリシャ神話に登場するナルキッソスから付けられました。泉に映る美しい自分自身の姿に恋に落ち、水面に映る自分に口づけしようとして泉に落ちて死んだ、ナルシストの語源となった美少年です。

ナルキッソスが死んだ場所から水仙に似た白い花が咲いたので、ナルシスと名付けられたのだそう。ナルシスに関する情報や、ナルシスを見る事が出来る6つのトレッキングコースがこちらのWEBに掲載されているので参考にして下さい。https://www.narcisses.com/

世界遺産のラヴォ―地区の葡萄畑

ラヴォ―(Lavaux)地区は、ヴォ―州ローザンヌからモントルー郊外のシヨン城にかけて広がる、レマン湖北岸の丘陵地帯です。レマン湖沿いに何処までも葡萄畑が続く、美しい景色を見る事が出来ます。

ラヴォ―地区では1000年以上前から良質なワインを作り続けています。余り知名度がないのは生産量が少なく、スイス人が自国のワインを好き過ぎるので、全てを国内消費してしまうから。

テラス状に広がる美しい葡萄畑、ブドウ農家が暮らす昔ながらの小さな村、伝統を受け継いだワイン作りの文化的価値が認められ、ユネスコの世界遺産に登録されました。

世界遺産ラヴォ―地区のワイン街道

ローザンヌからシヨン城まで、ワイン縁の地を結びなが伸びる全長33kmの「ワイン街道」がハイキングコースとして整備されています。お好きな箇所をチョイスして、レマン湖と対岸のフレンチアルプスの雄大な眺望を楽しみながら、どこまでも続くブドウ畑の合間を縫うように歩き、疲れたら点在するワイン生産村でワインを楽しんで下さい。

スイスのおすすめの鉄道

国土の殆どが山岳地帯であるスイスでは、古くから鉄道網に力を入れてきました。「16キロもあるけばどこにいようが線路がある」とされるほど、密度の高い鉄道網を誇ります。

100年を超えて今なお現役の鉄道、高度差が1000メートルを超える鉄道、険しい岩肌や急勾配を登る鉄道、観光客を喜ばす為だけに存在する鉄道、スイスならではの鉄道が沢山あります。

スイスで電車にのる事は、トレッキングするのと同じぐらい、大切なアクティヴィティ。夏だけ限定の列車も多く、冬は雪景色がひたすら続くので、スイスの鉄道旅は春から秋にかけてがおすすめです。

ユングフラウ鉄道(Jungfraubahn)

1912年開通の全長が9.3kmしかない短い路線ですが、アルプスの名峰アイガーを貫くトンネルを通り、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅となるユングフラウヨッホ駅(3454m)に到達するので大変人気の高い鉄道です。

富士山が3776mなので、どれだけ高いところを走る電車か実感できるかと思います。記録づくめの鉄道で、ユングフラウヨッホ駅はヨーロッパ最高地点にある駅、隣接するスフィンクス展望台も3591mで欧州最高地点、展望台のエレベーターは108mを25秒で登る、スイス最速を誇ります。

展望台からはメンヒ(4107m)、ユングフラウ(4158m)を筆頭に、25kmに及ぶアレッチ氷河などの圧巻の景色を、360℃の大パノラマで一望する事が出来ます。全面ガラス張りなので、冬でも快適。

天気の良い日はテラスからの眺めを楽しみましょう。夏でも零下になるので、防寒はしっかり。高山病にも気を付けて下さい。技術的、そして予算的にも実現不可能とされていたユングフラウ鉄道。とくにアイガー山中にトンネルを作る作業は困難を極め、工事中の爆発事故により作業員が命を落としました。

ユングフラウ鉄道の公式WEBサイトはこちらです。

グレッシャー・エクスプレス(Glacier express)

スイスで一番人気を誇る列車が、グレッシャー・エクスプレス(氷河特急)。前述のユングフラウ鉄道は短い上にトンネルが多いので、車窓を楽しむというより下車後の景色を楽しむ感じ。氷河特急は全長275km、スイス南部を東西に貫き、いかにもスイス的な素晴らしい景色を、最新のパノラマ展望車両から思う存分堪能する事が出来ます。

かつてはフルカ峠を越えて走行していたのですが、新しくトンネルが開通しそこを通過するようになったので、氷河急行の名前の由来となったローヌ氷河を車窓からみることはできません。それでも有り余るほどの魅力を持った鉄道です。

スイス西部のツェルマットと東部サンモリッツを結ぶ氷河特急は、世界で一番遅い急行としても有名です。平均時速は35kmで、これは偏に交通手段としてではなく、アルプスの美しい景色を満喫する為だけに存在する観光列車だからです。

氷河特急は標高差1400mの美しいスイスの大自然の中を8時間かけて走行し、291の橋、7つの谷、91のトンネルを通過します。最高到達点はオーバーアルプ峠の2033m。

1930年の開通当時は夏の間だけ11時間かけて走行していたのですが、1982年にトンネルができたことで、1年中観光客を楽しませることができるようになりました。

見るもの全てが素晴らしいのですが、列車旅の醍醐味ともいえる景色は、高さ65メートルのラントヴァッサー橋を渡る時。1904年に完成したアーチ式石橋で、橋の長さは136mあります。

大きくカーブしているので、石灰石の美しい橋を走行する列車の車窓から楽しむ事が出来ます。この橋は美しいだけでなく、高い技術を駆使して難所にかけられたので、東西の鉄道が結ばれることになり大きな経済効果をもたらしました。

緑の山肌にところどころ赤くなっているのは、スイス三大名花で「アルプスの花の女王」と呼ばれるアルペンローゼの群生です。バラと名付けられていますがツツジ科に属する花で、スイスアルプスの至るところで見ることが出来ます。

氷河急行の価格

一等車が317フラン、二等車で201フラン。6歳未満の子どもは無料で、6歳から16歳までは半額になります。一部分だけ乗車する安いチケットも販売していますが、せっかくなので全行程に乗って下さい。

車内では食事も提供されていて、本日のメニューが34フラン、3コースメニューだと47フラン。ドリンク代は別ですが、物価の高いスイスではかなりお得感を感じる値段です。

車内では観光名所の案内をヘッドホンで聞くことができます。各国語が用意され、日本語の案内もあります。価格等は変わることがあるので、詳しくはグレッシャー・エクスプレスのWEBサイトで確認してください。

ベルニナ急行(Bernina Express)

氷河特急と並んで人気が高いのが、サン・モリッツからイタリア領ティラノまでを走破するベルニナ急行。4000m級のベルニナアルプス、美しい湖、断崖絶壁、風光明媚な景色を車窓から楽しむことができます。

最高地点はベルニナ峠の2253m、最低地点がティラーノの429m、標高差1800mを超える変化に富んだ景色が自慢です。トゥージスからティラノまでの区間は世界遺産に登録されています。

必見はブルージオのループ橋 (Viadotto di Brusio)。終着駅ティラノの近くにある、世界でも珍しい360度の円形の橋です。高低差を調節するための橋で、勾配がなんと70%あります。何とも不思議な橋なのでCMの撮影にも良く使われる、世界的にとても有名な橋です。

レーティッシュ鉄道アルベラ線

クールとサンモリッツを結ぶアルべラ線は、数々の石橋やトンネル、カーブを作る事によりアルプスの難所を克服し開通しました。中でも一番難しかったのが、ラントヴァッサー渓谷を超える地点。

高さ65mのラントヴァッサー橋(Landwasserviadukt) を架ける事で克服しました。橋の圧倒的な迫力と美しさが人々を魅了し、アルベラ線一番の見所となっています。

レーティッシュ鉄道アルベラ線と前述のベルニナ急行は歯車を使ったラック式ではなく、粘着式鉄道、つまり普通の電車としてヨーロッパ最高地点を通る鉄道です。技術的到達の優れた例として、ユネスコの世界遺産に登録されました。

世界の登山鉄道のお手本となり、日本の箱根登山鉄道もベルニナ特急をモデルにして作られました。日本語のWEBもあったので貼り付けておきます。

ピラトゥス鉄道

ルツェルン湖のほとりにあるアルプナハシュタット駅から出ているピラトゥス鉄道は、世界で一番の急勾配が売りです。最大勾配48%、余りにも急なので、車両が傾斜に合わせた平行四辺形状になっています。

1889年の開業時は蒸気動車を用い、1937年から電化しました。全長4.8kmしかないのに標高差は1629m、所要時間は30分です。ふもとから見るピラトゥス鉄道は、切り立った岩肌にへばりつく感じでもうそれだけで凄い景色。

ピラトゥス鉄道は車両が短いので一度に乗れる人数に限りがあります。ハイシーズンだと待ち時間が長いので、朝一番に行くのが得策です。ネットで事前に購入するのが一番賢いかも。ピラトゥス鉄道のWEBサイトはこちらです。

ゴルナーグラート鉄道(Gornergratbahn)

1898年に開通した歴史のある登山鉄道で、マッターホルンのふもとにあるツェルマットの町と終点駅ゴルナーグラートを約40分かけて走行します。標高差は1469m。ゴルナーグラート駅は標高3089mのところにあり、ヨーロッパで最も標高が高い地上の駅。

隣接する展望台ではスイス随一とされる雄大な景色を堪能できます。スイスで一番とされる展望台で、マッターホルンはもちろん、スイス最高峰のモンテ・ローザ(4634m)やゴルナー氷河の迫力ある景色を楽しむことができます。

またローテンボーデン駅(Rotenboden)で途中下車し、次の駅まで2時間ほど下ってハイキングするのが人気。その理由は、逆さマッターホルンを見ることのできるリッフェル湖(Riffelsee)があるからです。

マッターホルンは右側に見えるので、ゴルナーグラート鉄道は座席の争奪戦を頑張って下さい。マッターホルンの写真を撮りたい方は絶対に右側で。

リギ鉄道

ルツェルン湖湖畔のフィッツナウと山の女王と呼ばれるリギ山頂を結ぶ、1871年開通のヨーロッパ最古の登山鉄道。夏には古き良き時代の蒸気機関車も特別運行されます。独立峰のため、360度のパノラマを堪能できます。13の湖と620の山々を見渡すことが可能なのだそう。

モンブラン・エクスプレス

フランスとスイスを結ぶ列車で、渓谷を走るので谷の淵を走行します。

ゴールデンパス(Goldenpass)

モントルーとルチェルンをつなぐ鉄道で、標高はさほど高くないのですが、アルプスの長閑な景色と湖を楽しむことができます。おすすめなのが古き良き時代の華麗な列車の旅を再現できるゴールデンパス・クラシック。インスタ映え抜群の内装です。

ゴッタルド・パス

スイスアルプスの南北を結ぶ路線で、一番の見所は全長57kmの世界最長の鉄道トンネル「ゴッタルドベーストンネル」。財政的、技術的、地理的にも大きな困難が伴ったトンネルで、長い歳月をかけてやっと完成しました。

チョコレート・トレイン

毎年5月から10月までの期間限定で運行している観光電車。車両は1915年に製造されたレトロなものと、近代的なパノラマの2種類あります。スイスと言えばチーズとチョコレート。2つの工場を訪れるのに最適な電車です。

ロッシェ・ド・ネー

1600mの標高差を登る観光列車。モントルーから山頂への鉄道沿線沿いには伝説の花と呼ばれるナルシスの群生地があり、5月から6月初めに一斉に開花し緑の大地を白く染めます。

チェントヴァッリ鉄道

イタリア語で「100の谷」を意味し、名前通りの景色を楽しむことができます。スイスのマッジョーレ湖畔の町ロカルノとイタリアのドモッドソラを結び、特に見所なのがドモドッソラとロカルノ区間で、ぶどう畑などの長閑な風景の合間に滝なども楽しめます。

ブリエンツ・ロートホルン鉄道

ブリエンツ湖畔からブリエンツアーロートホルンまで標高差1700mを結ぶ、1892年開業の今だ電化されていない登山鉄道です。スイスで唯一蒸気機関車での定期運航を続けている鉄道としてとても有名。

開業当時の1891/92式の蒸気機関車が、赤いレトロな車両を牽引します。路線は単線で、アプト式の2枚版ラックレールを使用。行き違い設備を3カ所もちます。

フルカ山岳蒸気鉄道

一度廃線になってしまったのですが、ボランティア活動によって復活しました。夏のみの期間限定で走る蒸気機関車です。

おすすめの美味しいスイス料理

スイスは美しいだけでなく、とても美味しい国です。スイスを訪れたら絶対食べて欲しい、おすすめの美味しいスイス料理を別記事でまとめました。特にブラウンスイス種の牛肉は絶対に食べないと後悔すると思います。

スイスの物価は何故高いのか

スイスはヨーロッパ、いや世界でも一番物価が高い国。何故スイスはこんなにも物価が高いのでしょうか。地元の人達に聞いて周り、その理由をまとめました。

 - まとめ記事, スイス, 世界の観光と文化, 西欧