世界食べ尽くしの旅 

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ボスニア料理のブレク、ボスニアの有名で美味しい国民食ブレク

      2021/06/17

ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界中のグルメを語るブログ。今回はボスニア料理のブレク。ボスニアを代表する食べ物で国民食のブレク。一体どのような食べ物なのでしょうか。悲しい歴史を乗り越えて、エネルギッシュに今を生きるボスニア・へルツェゴビナの首都サラエボの街を訪れたら、絶対食べて欲しいブレクに関するあれこれ。

悲劇のボスニア・ヘルツェゴビナ

僅か20年程前、バルカン半島は戦場でした。人々は殺し合いをしていました。中でも一番過酷な状況だったのがボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボです。とても悲しい歴史を持つ国ですが、本当に素敵な場所なので皆様に是非訪れて頂きたいです。ボスニアの悲劇に関しては別記事に詳しくまとめました。

ボスニア料理とは何なのか?

ボスニアは美しい国であると同時に、グルメも楽しめる国です。安くて美味しいボスニア料理が沢山あるんです。でもボスニア料理って、一体どんな食べ物なのでしょうか。全く見当が付かない方が多いかと思います。

ボスニア・ヘルツェゴビナはオスマン帝国に400年以上の長きに渡って支配されていた国。そして周辺各国に比べてイスラム教徒の比率がとても高い国です。なので風景も食べ物も、かなりイスラム色が強いです。

ボスニアのブレクの特徴

ブレクはオスマン帝国からバルカン半島に伝えらえた料理。トルコをはじめバルカン半島一体で食べられていますが、国によって違いがあります。ボスニア・ヘルツェゴビナのブレクは薄い皮で具を巻き、それをグルグル渦巻き状にして型の中で焼くタイプです。

薄いパリパリしたパイ皮の中にひき肉やホウレンソウ、チーズなどの具がたっぷり入ったボスニアのブレク。本当に美味しいです。イスラム圏の国全体で良く食べられている料理なのですが、国によって素材、形そして味も違います。各国のブレクを食べ比べるのも楽しいかと思います。

中身の具は基本的に牛肉。フェタチーズのような塩気の強いフレッシュチーズの入ったブレクも人気です。ブレクの専門店なら他にも、ほうれん草、マッシュポテトなどのブレクも売っています。

ボスニア・ヘルツェゴビナのブレクの特徴は、中身の具はミックスさせず一種類だけ。そして上にたっぷりヨーグルトをかけて食べます。パリパリしたパイ生地で作るのですが、パリパリなのは一番上の層だけで、その他の部分は中身の具の肉汁や水分をたっぷり吸ってサクサクしないのが特徴です。

ブレクの皮は結構脂っこいです。中身の具を肉にすると更に脂っこくなるのですが、たっぷりかけられたヨーグルトがとても良い仕事をして気になりません。プレーンヨーグルトの酸っぱさが脂っこさを緩和してくれるのです。

人によってはヨーグルト無しで食べますが、肉のブレクに関しては殆ど100%の確率でヨーグルトをトッピングして食べます。日本の皆様はヨーグルトをオカズ系のものと一緒に食べる事が少ないので、新鮮な経験になるかと思います。

バルカン半島とブレクの関係

ブレクはボスニア国民から愛されている大衆食です。ボスニアに限らずバルカン諸国で良く食べられています。ファーストフード的な食べ物でもあるので「早くて安い」が基本です。

朝ごはんやオヤツとして食べる人、昼食や夕食のメインとしてガッツリ食べる人、小腹が空いたらブレクを食べる人。ブレクは年がら年中、一日中食べられている料理なので、街中何時でも何処でも購入する事が出来ます。

ブレク専門店で買うのが一番美味しいけれど、パン屋やスーパーのブレクもレベルが高いです。サラエボでは勤務前の朝ごはんにブレクを食べる人が多いので、日が昇るよりも先に焼き立てブレクが店頭に並びます。

ブレクの注文の仕方

ブレク屋では自分の食べたいブレクを好きな量だけカットしてもらい、重さを計ってお金を払うシステムです。店頭表示は大抵1kg当たりの値段。目安で言えば女性なら200グラム、男性でも300グラム注文すればお腹が一杯になるかと思います。

中身の具によって値段が若干違うのですが一番高いひき肉のブレクで1キロ13マルカ、ほうれん草やチーズなら10マルカ程度。200グラムを注文したとして200円位です。

これだけ手軽に、安く、美味しいブレクが購入出来るると、昔のようにブレクを手作りする人はいなくなってしまいました。かつてはお袋の味だったのですが、今では一番愛されている外食です。

美味しいブレクの見つけ方

ブレクは基本的に何処で食べても美味しいのですが、美味しいブレクは他と比べようがないぐらい美味しいです。地元の人に質問して、街で一番美味しいブレクを探して食べて頂けたらなと思います。特にサラエボの街はブレクで有名で、他の国へ行っても「サラエボ風ブレク」の名でブレクを売っています。

サラエボで美味しいと言われるレストランは基本ガスを使いません。ブレク屋も同じで、今回食べたお店も炭火で焼いていました。ブレクを買う前に厨房を覗いて、ガスではなく炭火で焼いてたら確実に美味しいブレクが売られているはず。

一人前の量が多く、サクサクしていそうで余りしていない不思議食感の、お腹にずっしりくる重さで案外味は薄味の結構ハマる味ブレク。バルカン半島を旅行されるなら絶対食べるべき料理です。

サラエボの街で一番美味しいブレクの店

地元の人に「サラエボで一番美味しいブレクが食べたい」と言えば大抵はここを紹介してくれます。確かにメチャクチャ美味しい。サラエボの街を訪れたら絶対行ってみて下さい。

Buregdzinica Sac
住所:Mali Bravadziluk 2, Sarajevo 71000
電話:387 61 439 045

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