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イギリスのフィッシュ&チップスの注文の仕方、魚の種類と食べ方の解説

      2021/10/04

イギリスで一番有名な料理がフィッシュ・アンド・チップス。でも英国に行って「フィッシュ&チップスを下さい」と言っても通じません。注文の際、まずは魚の種類を決めなくてはならないからです。ヨーロッパ在住20年のフードライターが食に関するあれこれを語るブログ。今回は英国のフィッシュ&チップスの全メニューとお勧めの魚を解説します。

フィッシュ&チップスとは何なのか

イギリスでどんなに達者な英語で「フィッシュ&チップス下さい」とオーダーしても、困った顔をされます。英語の発音うんぬん以前の問題で、そもそもイギリスに「フィッシュ・アンド・チップス」というメニューが存在しないからです。

私はそれを知らなかったので、レストランでドヤ顔して「フィッシュ&チップス下さい。」と注文しました。優しそうな英国ジェントルマン風の初老のウエイターさんは素敵な笑顔で「遠くからようこそ」と歓迎してくれた後「何にしますか?」と聞いてきました。

「えっっ、今フィッシュ・アンド・チップスって言いましたよね。それでいいです。」かなり動揺して答えると、ウエイターさんは笑顔を絶やさないまま「はい勿論です。どの魚をお望みですか?」と予想外の質問。

イギリスと言えばフィッシュアンドチップス、フィッシュ&チップスと言えばフィッシュ・アンド・チップス。まさかフィッシュ&チップスで魚の種類を選ばなくてはならないなんて全く想像もしていませんでした。

頭が真っ白になって、更にはフィッシュ以外の単語が出てこず四苦八苦したのを強烈に覚えています。皆さんが私のようにイギリスのジェントルマンの前でアタフタしないよう、フィッシュ・アンド・チップスの全メニューを徹底解説したいと思います。

フィッシュ&チップスの王道となる魚

スタンド式の売店、レストラン、フィッシュ&チップス専門店、パブ、カフェ、イギリスではあらゆる場所でフィッシュ&チップスを食べる事が出来ます。基本的にフライとなるのは白身の魚ですが、お店によっては色々な種類の魚が用意されているので、自分の食べたい魚を指定して注文します。

お店によって扱う魚の数が異なりますが、どんなに小さなお店でもコッドかハドック、どちらかを選べるようになっています。この2つの魚はどのレストランにも必ずある、フィッシュ&チップスの基本中の基本です。

コッド・アンド・チップス (Cod and Chips)

フィッシュ&チップスの王道と言えばコッドです。コッドとはタラを意味し、肉厚でとってもジューシー。値段が一番安いです。フィッシュ&チップス屋の一番人気のメニューで、通常はレギュラーサイズかラージサイズを選べます。

ラージサイズはかなり大きいです。日本人なら2人でシェアしても十分過ぎるほど。お腹にビールを入れる隙間がなくなってしまうので、自分の胃袋の大きさを考慮して注文しましょう。イギリス人は普通に完食します。

ハドック・アンド・チップス (Haddock and Chips)

ハドックはコッドと同じタラ科の魚ですが、少し小ぶりなタラの事です。コッドが大味なのに比べてハドックはもっと繊細な味。値段もコッドより少し高いです。コッドに比べてサイズが小さいので、お皿に一枚がど〜んと来るのではなく、2個ついて来る事が多いです。

フィッシュ&チップス専門店での魚の種類

プレイス(Plaice)

プレイスはカレイを意味します。日本のカレイにとても近い味で、醤油が欲しくなります。家に持って帰って衣をはいで醤油で食べたらメチャクチャ美味しかったです。でも、まぁ、それならフィッシュ&チップスを食べる意味がないかなとは思います。

レモン・ソール (Lemon sole)

レモン・ソールは舌平目の一種。プレイス、レモン・ソール、どちらも高価な魚になりますが、中でも別格となるのがドーバー沖で採れるドーバー・ソール。肉厚で柔らかく、ほんのりした甘味があります。

イギリスではフィッシュ&チップスにして食べますが、魚本来の美味しさを引き出すならフランスのようにムニエルにして食べた方が美味しいかと思います。ただイギリスではフィッシュ&チップス以外の魚料理を見つけるのが困難です。

ロック (Rock)

小さなサメの一種。まだ食べたことないので興味津々です。サメって本当に美味しいです。絶対食べてみたいのに、噂を聞くだけで取り扱っているレストランがなかなか見つかりません。皆様イギリスでロックを見かけたら是非食べて感想を聞かせて下さい。

スケート&チップス (Skate and Chips)

かなりの高級店で、しかも「時価」と表記された値段で提供されるのがスケート&チップス。エイの一種であるコモンカスベを使っていて、通常めったに見る事が出来ないメニューです。

エイは腐りやすい魚なので、海沿いの漁港近くでないと扱えません。軟骨しかない、柔らかく、メチャクチャ美味しい魚なので是非食べてみて欲しいです。ただやっぱり高級な魚をフィッシュ&チップスにするのは勿体ない気がします。

ハリバット (Halibut)

その他の超高級魚としては、ハリバット (Halibut) と呼ばれるオヒョウが有名です。何時でも何処でも食べられる魚ではないし、お値段も凄いのでワンランク上のフィッシュ&チップスと位置付けされています。でも本当にこうゆう高級魚は、フィッシュ&チップスとしては食べたくないなと思います。

スクラップ(Scrap)

魚に衣をつけて揚げた後に出る、日本で言う「天かす」です。これは地元の人が沢山出入りするようなレストランなら無料で子供達に振る舞われる事が多いです。そのような店は必ず美味しいし、居心地が良くて、やけに人懐っこいお客さんも多いので大変おすすめです。  

フィッシュ&チップスの注文時の注意点

フィッシュ&チップス、魚の種類が多くて注文の際に迷ってしまうかもしれません。ちなみに殆どのイギリス人がコッドを食べます。庶民的な店なら尚更その傾向が強いようです。私は断然ハドック派。

コッドを食べる時はお店の回転具合に注視しましょう。回転の速い人気店なら大丈夫なのですが、人気のあるコッドは作り置きされている事が多いので、下手すると少し冷めたコッドが出てきます。

フィッシュアンドチップスは揚げたてが一番。「やっぱりイギリスは不味い」なんて思ってしまわないよう、揚げたてを食べさせてくれるお店を選んで下さい。回転が悪い店ならコッド以外を頼むと作り置きでなく、注文の後で揚げてくれるはず。

 フィッシュアンドチップスの食べ方

ケチャップ、マヨネーズ、マスタード、タルタルソース、カレーソース、最近はフィッシュ&チップスに色々なソースをかけて食べる人が多いようです。でも伝統的には酢と塩だけで食べ、昔ながらのフィッシュ&チップス専門店では今でも酢と塩しか置いていない店の方が多いです。

酢はモルトビネガー。イギリス特有の麦芽を原料とした茶色いビネガーを使います。レモンのような強い香りと、甘味の少ないスッキリした味が特徴です。これを魚だけでなく、ポテトフライにもバシャバシャかけて食べるのがイギリス風。

モルトビネガーは食べなれないとインパクトのある味がします。でもフィッシュ&チップスとの組み合わせは最強。一度慣れれば癖になるビネガーなので、バシャバシャかけて耐性を強めて下さい。

本当は不味くないイギリス料理

イギリスと言えばフィッシュ&チップス。でも他にも美味しい食べ物が沢山あります。イギリスを訪れたら絶対食べたい美味しいイギリス料理を別記事にまとめました。イギリス料理、世間で酷評されているほど不味くはないと思います。

「イギリス料理は不味い」これは世界的に定着したイメージです。世界100か国以上を食べ歩いてきましたが、イギリス料理、そんなに悪くないと思います。それでは何故、イギリス料理は不味いとされるのか。別記事で詳しくまとめました。

フィッシュ&チップスのレシピ

日本でもフィッシュ・アンド・チップスの本場イギリスの味を簡単に再現する事が出来ます。お好みの白身魚に衣をつけて揚げるだけ。衣は小麦粉、コーンスターチ、ベーキングパウダーを卵と水で溶きます。

ちょっとした苦みと、カリカリした食感を与える為にビールを加えるのがコツ。日本で再現する際に問題となるのはモルト・ビネガーでしょうか。私が住んでいるスペインでも入手が困難なので、日本ならもっと難しいかもしれません。

ただモルト・ビネガーは例え手に入ったとしても大変クセのある味なので、フィッシュ&チップス以外での使い道が無く持て余してしまうかも。昔はフィッシュ・アンド・チップスは新聞紙にくるんで提供されました。

偶に魚の衣に印刷の文字が写ってしまったりして、それがまた味わい深かったです。最近は衛生上の問題で新聞紙は全く使われなくなってしまいました。何だかちょっと残念。

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