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パタゴニアのエル・カラファテ、ロス・グラシアレス国立公園のパタゴニア氷河観光の拠点となる町

      2021/10/25

パタゴニアの氷河ツアーで通訳として働いていた時に見聞きした、パタゴニアのロス・グラシアス国立公園を観光する際に拠点となる町、エル・カラファテの情報をまとめました。ペリト・モレノ氷河にも一番近い町です。

南米のパタゴニア観光

南米のアルゼンチンとチリ南部にまたがって存在するパタゴニア (Patagonia) は、4,000m級の山々が連なるとても美しい地方です。パタゴニアだけで30の国立公園を有する自然の宝庫なので、世界中から多くの観光客を引き寄せています。

有名なアウトドアメーカー、パタゴニアのロゴにもなっている南パタゴニア最高峰のフィッツロイ山、世界で一番美しいとされるペリト・モレノ氷河、スケールの大きな手つかずの大自然が自慢の、とても魅力的な地方です。

パタゴニア観光の拠点カラファテ

パタゴニア最大の拠点となるのが、エル・カラファテ (El calafate) 。パタゴニアで一番の観光地、ロス・グラシアレス国立公園から一番近い距離にあり、パタゴニア観光の終着点とする人が多いので、常に世界中の観光客で溢れています。

観光客の為に存在するような町なので、小さいのですが色々と便利です。ホテル、レストラン、お土産物屋が沢山あり、近郊を巡るツアーを売っている旅行代理店も揃っています。便利なだけでなく、近くにはフラミンゴなどの野鳥が多く見られるニメス湖もあります。

カラファテは20年前までは2500人程の人々が住む、過疎化が進んだ町でした。パタゴニアの氷河を見に世界中から観光客が訪れるようになって、長閑な田舎町がパタゴニア観光の拠点へと変化しました。

観光化された事により雇用が増えたので、多くの若者達が都市から移住してきました。今では人口が2万5千人に膨れ上がり、観光客だけでなく、住民の生活に必要な学校や病院も建てられています。

エル・カラファテの名の由来

街の正式な名前は、エル・カラファテ (el Calafate) です。エルはスペイン語の定冠詞なので、省略されてカラファテと呼ばれる事が多いです。町の名前になったカラファテは、パタゴニアだけに生息する背の低い常緑樹で、ブルーベリーのような実をつけます。

カラファテはパタゴニアを象徴する木で、至る所に生えてます。9月になるととても綺麗な黄色い花を咲かせ、1~2月になると甘酸っぱいブルーベリーに似た実がなります。栄養価豊かな事からスーパー・ベリーとも呼ばれています。

パタゴニアで一番愛されている食べ物

パタゴニアはとても寒冷な土地です。果物と言ったらカラファテのようなベリー系しか育ちません。カラファテは姿形、そして味的にもブルーベリーに良く似ていますが、大きな違いは種がある事。

パタゴニアに住む人達にとって、カラファテは昔から大変貴重なビタミン供給源です。寒い冬を越す保存食とする為に、カラファテの実がなると家族総出で摘みに出かけました。

パタゴニアに住む誰からも愛されている果物で、そのまま食べるより、ジャム、ゼリー、アイスクリーム、リキュールなどに加工して食べる事が多いです。最近はカラファテを使ったビールなども生産されていて、甘酸っぱい味のビールは観光客からも大人気です。

パタゴニアとカラファテの関係

カラファテの街を訪れると、朝はカラファテのジャムでパンケーキを食べ、お昼はカラファテアイスを楽しみ、食後のデザートにはカラファテのケーキやムース、夜が更ける頃にはカラファテのリキュールやビールを飲む事になります。

カラファテの街に滞在中、誰もが必ずカラファテを食べる事になるのは「カラファテの実を食べると、何時か再びパタゴニアの地に戻って来る」との言い伝えがあるからです。

カラファテの町の人々は、ホスピタリティに溢れた人が多いので、ホテルやレストランなどでは必ずカラファテを使った何かが振舞われ、「絶対また帰ってきてね」と言われます。

パタゴニアはとても魅力に溢れた土地なので、一度訪れると誰もが恋に落ちます。例えカラファテの効果が無くても、もう一度戻って来たいと思える場所。だからこそ他にもっと美味しそうな味のアイスがあったとしても、観光客はついついカラファテの味をを選んで食べてしまうのです。

カラファテのロマンティックな伝説

カラファテの味には何か抗えない力も感じます。それはロマンティックなカラファテの伝説のせいかもしれません。昔むかしパタゴニアにはテウェルチェと呼ばれる先住民が住んでいました。

部族の長は金色に輝く目を持った美しい娘を授かり、カラファテと名付け大切に育てました。成長したカラファテは、ライバル的な部族の青年と恋に落ち、父親に家を出たいと申し出ました。

困った父はシャーマン(祈祷師)の元へ行き、娘がずっと傍にいてくれるよう誰も彼女に触れられないようにしてくれと頼みました。シャーマンはカラファテに呪術をかけ、棘に覆われた小さな木に変身させました。

カラファテの黄金の目は、その木に咲いた黄色い花となりました。カラファテの恋人は変わり果てた彼女を見て嘆きます。そして棘などおかまいなしに彼女を抱きしめました。血だらけになった彼を見て嘆き、カラファテは血の色の実をつけました。

こんな伝説があるからこそ、カラファテの実を食べると、彼を思う彼女の切ない気持ちが伝わってくるような気がします。甘いだけでなく酸っぱくて何処か切ない、そんなカラファテの実を食べた人は、呪術にかけられたように再びパタゴニアの地へ戻ってくるのだと思います。

カラファテへの行き方

パタゴニア地方は南緯40度から南にあります。緯度で言えば、日本の北海道からサハリンの先ぐらいに匹敵し、面積は日本の3倍の大きさにもなります。広いだけでなく、パタゴニア地方は交通の便がとても悪いです。

一番簡単に出来るだけ早くカラファテに行くには、飛行機を利用するのが絶対かと思います。エル・カラファテの街の近くに空港があり、殆どの観光客が空路でやって来ます。飛行機だと首都ブエノスアイレスから4時間位の距離です。

カラファテの気候

カラファテは真夏でも最高気温が15℃位です。日中と朝晩の気温の差も激しいので、防寒具は必須です。パタゴニアは年中風が強い事でも有名な地方なので、ウインドブレーカーもあった方が良いです。氷河観光をするなら真冬並みの防寒具も必要です。紫外線も強いので日焼け止め対策は万全に。

ペリト・モレノ氷河

見るべきものが多いパタゴニア地方の中で、一番人気で、世界で一番有名な氷河があるのがロス・グラシアレス国立公園です。世界遺産にも登録されていて、パタゴニアを訪れる観光客が必ず訪れる場所。

ロス・グラシアレス国立公園の一番の見所となるのが、ペリト・モレノ氷河。これを見ずしてパタゴニアは語れない、とても重要な観光地です。ペリト・モレノ氷河に関しては、別記事で詳しくまとめてあります。

ウプサラ氷河と氷山

ペリト・モレノ氷河に負けず劣らずの素晴らしい観光名所がウプサラ氷河です。ロス・グラシアレス国立公園内最大の氷河だけでなく、湖水に浮かぶ氷山の幻想的な景色を楽しむ事が出来ます。

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