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パタゴニアのペリト・モリノ氷河まとめ、世界遺産のロス・グラシアレス国立公園のペリト・モレノ氷河

      2021/10/26

アルゼンチンとチリにまたがるパタゴニア地方で、氷河ツアーの通訳として働いていた時に見聞きした、ロス・グラシアレス国立公園のペリト・モレノ氷河に関する情報をまとめました。パタゴニア氷河観光の前に是非一読して下さい。

パタゴニアと言えば氷河観光 

雄大な自然の宝庫であるパタゴニア地方。一番の見所は、何といっても氷河です。地球の陸地面積の11%を占める氷河。パタゴニアは南極、グリーンランドについで、地球上で3番目に氷河の量が多い場所です。

パタゴニアには大小合わせて50以上の氷河が存在します。スケールの大きい氷河が多い事、南極やグリーンランドに比べればアクセスが良い事から、パタゴニア氷河を訪れる観光客の数は、右肩上がりで年々増え続けています。

パタゴニアの氷河観光で、一番有名な観光名所がロス・グラシアレス国立公園 (Los Glaciares National Park) 。ユネスコの世界遺産にも登録されていて、パタゴニア観光と言えば、ロス・グラシアレス国立公園を意味するほど、とても重要な場所です。

氷河とは何なのか

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ロス・グラシアス国立公園を代表する、ペリト・モレノ氷河を解説する前に、まずは氷河とは何なのかを確認しましょう。万年雪となって堆積した雪は、自身の重さで押しつぶされ、圧縮され、巨大な氷の塊となります。

その氷の塊が山岳地方では重力、平坦な場所では自身の重さによる圧力で、標高の低い方へ押し出されるように動きます。氷河とは巨大な氷の塊であると同時に、動いている事が重要なポイントで、河の流れにたとえて氷河と呼ばれています。

動くとは言え、氷河が動くスピードは一日に数センチから数十センチ。肉眼では全く分かりません。日本にはずっと氷河が存在しなかったので(最近日本にも氷河が存在する事が確認されました)イメージするのが少し難しいかもしれません。

世界で一番有名な氷河

ロス・グラシアス国立公園内にあるペリト・モレノ (Perito Moreno) 氷河は、数あるパタゴニア氷河の中で一番人気を誇ります。パタゴニアに限らず、世界的ににも一番有名な氷河です。

世界で一番美しい氷河とも呼ばれ、メディアの露出度も高いので、皆様が見た事のある氷河の写真の殆どは、ペリト・モレノ氷河の写真だと思います。何故、ペリト・モレノ氷河はこれほどまでに有名なのでしょうか。

氷河の動きがとても早いからです。ペリト・モレノ氷河は、一日に2mから4mの速さで移動し湖に流れ込みます。通常の氷河の動きが、一日に数センチから数十センチなので、ペリト・モレノ氷河の速さは本当に驚異的だと思います。

気温が上昇し、氷河の動きが一番速くなる夏ともなれば、大きな氷の塊が重低音を伴って湖に落ちます。時にはビル程の大きさもある巨大な氷の塊が、ドーンと言う大音量を響かせながら、大きな波しぶきを立てて崩れ落ちます。

氷の塊は一度沈んだ後、湖面を盛り上げて浮かび上がり、その周辺は大津波となります。迫力もさることながら、かなりの頻度でそんな大スペクタクルを見る事が出来るのが、大きなポイント。

ドカーンと氷塊が大崩壊する前は、バリバリッと氷が割れる音が雷のように響きます。大崩壊しないまでも、気温が高いとどこかしかの氷塊に亀裂が入るので、パリパリ、バリバリ、ミシミシ、色々な音が聞こえます。

ペリト・モレノ氷河は、目にも耳にも大迫力な本当に素晴らしい場所。これほどの迫力と頻度で氷河の崩壊を見れる場所は、世界広しとは言えペリト・モレノ氷河しかありません。

ペリト・モレノ氷河の特徴

パタゴニアの氷河は温暖氷河です。冬でも気温が-5度前後にしかならないのですが、緯度的に南極にとても近い場所に位置するので、1000m級のそれ程高くない山にも氷河ができます。

それ程寒くない、それ程高くない場所に氷河が形成されるので、パタゴニアの氷河は溶けたり凍ったりを繰り返し、山の頂から湖まで達している氷河が多いです。結果として、氷河がとてもダイナミックな動きをします。

ペリト・モレノ氷河は「生きた氷河」とも呼ばれています。動くスピードが大変速く、常に端の部分は削られているのですが、同時に上の方では常に新しい氷河が形成されています。

地球温暖化の影響で、世界中の氷河が後退し失われつつある中で、ペリト・モレノ氷河は前進と後退を繰り返し、過去200年の間、全く変化のない状態を保っています。減りも増えもしない、世界的に本当に珍しいタイプの氷河です。

パタゴニアにはペリト・モレノ氷河を含め、後退していない氷河が3つあります。不思議な事に同じロス・グラシアレス国立公園にあるウプサラ氷河は、後退が著しく激しい事で有名です。

同じ場所に存在しながら、全く異なる生き方をする氷河。何だかとても不思議で神秘的です。ペリト・モレノ氷河は、パタゴニアを探検しアルゼンチンとチリの国境を作った人物の名が由来です。国境問題のエキスパートではありましたが、実は余り氷河とは関連のない人です。

ペリト・モレノ氷河の魅力

ペリト・モレノ氷河の一番の魅力は、氷河の動きの活発さ。同時にアクセスの良さとお手軽さも大変魅力的です。大迫力の氷河の崩壊を、間近に設置された遊歩道から観察する事が出来ます。重装備して氷河の上を歩いたりする必要がありません。

遊歩道は駐車場から直ぐの距離。とても良く整備されているので、何ならハイヒールだって大丈夫な位です。氷河観光はクルーズや氷上トレッキングで楽しむ人が多いのですが、氷河の崩壊が多い場所は大変危険なので近付けません。

ペリト・モレノ氷河は大迫力の氷河の崩壊シーンを、大自然の驚異を、間近で安全に楽しむ事が出来ます。全ての条件が揃っているからこそ、ペリト・モレノ氷河は、世界で一番の知名度と人気を誇っているのだと思います。

ペリト・モレノ氷河でトレッキング

ペリト・モレノ氷河は、周辺に設置されたトレッキングコースを歩くのが一番のお勧めです。沢山のルートがあり、その合計は100kmにも及びます。どのルートを選んでも、ペリト・モレノ氷河を十分楽しめるよう設定されています。

ペリト・モレノ氷河を訪れる多くの観光客は、大型観光バスでやって来て、駐車場付近の展望台に留まります。周辺のウォーキングコースを歩く人は本当に少ないので、のんびりと唯一無二の景色を独り占めする事が出来ます。

ペリト・モレノ氷河クルーズ

ペリト・モレノ氷河クルーズで、湖面からの見学も楽しいです。ペリト・モレノ氷河の高さは、水面から平均して75mあります。遊覧船に乗るとビルのようにそびえる巨大な氷壁を、真下から見上げる事ができます。

氷塊が落ちる際には大きな津波が伴うので、大規模な崩壊が起こらない方面のみの遊覧です。ペリト・モレノ名物である、氷河の大崩壊を船から見る事は出来ませんが、氷壁のかなり真下までボートを近付けてくれるので迫力は満点です。

遊覧船の料金はロス・グラシアレス国立公園の入場料とは別途で必要ですが、ペリト・モレノ氷河を訪れる殆どの人が利用しているようでした。ペリト・モレノ氷河は高さだけでなく、幅も約5kmに渡って広がっているので本当に迫力があります。

ペリト・モレノ氷上トレッキング

ペリト・モレノ氷河の上を歩く、氷上トレッキングツアーも大変人気があります。ガイドさんと基本装備込みのツアーなので、普通の登山靴(防水が望ましい)に紐で取り付ける事の出来るアイゼンなどを貸し出してくれます。

色々な旅行会社がツアーを出しているので、予算と時間に合わせて選んで下さい。長時間コースだと全行程5時間、氷上を歩くのは3時間位でしょうか。壮大な氷河の景色だけでなく、クレパス、氷のトンネルや洞窟なんかも見る事が出来ます。

歩いた後は氷河を眺めながら、氷河の氷で作ったウィスキーのオン・ザ・ロックを飲んだりもして、ペリト・モレノ氷河をとことん堪能出来ます。ペリト・モレノの氷河が形成されたのは1億年前から5000万年前にかけて。悠久の時を経た氷で飲むウィスキーの味は本当に格別です。

難易度はそれほど高くはないのですが、アイゼンを付けた重い靴でかなり歩く事、65歳未満の年齢制限がある事に注意して下さい。勿論プロのガイドさんと、崩壊の危険のない安全な場所を歩きます。氷上トレッキングの相場は、1万円から2万円位かと思います。

エル・カラファテの町の中心地、リベルタドール通りにツアー会社が固まってあるので、前日までに現地で申し込む事が出来ます。ただハイシーズンだと直ぐに売り切れてしまうので、事前にネット予約した方が良いかと思います。

ペリト・モレノ氷河のベストシーズン

ペリト・モレノ氷河のベストシーズンは、氷河の大崩壊を見る事の出来る夏。これはもう絶対です。12月から3月までの、一番暑い時期に訪れましょう。パタゴニア地方は真夏でも、最高気温が10℃から15℃位にしか上がりません。

真夏でも氷河の近くはとても冷えます。冷凍庫の中に居るようなものです。冬支度の完全防備で氷河観光を楽しんで下さい。日差しが強い場所は普通に暑いので、玉ねぎのように着込んで温度調節しましょう。日焼け止めは必須です。

ペリト・モレノ観光に必要な金額

ペリト・モレノ氷河を見るには、まずロス・グラシアレス国立公園の入場チケットを購入する必要があります。2021年の価格だと1800アルゼンチンペソです。ロス・グラシアレス国立公園は規模が大きく見所が多いので、1日では周り切れないかと思います。

入場チケットは2日目以降半額になるので、チケット売り場で確認して下さい。パタゴニア地方は概して物価が高いのですが、一番人気のロス・グラシアレス国立公園周辺は、入場料に限らずバス代もツアー代も何もかもが更に高いイメージでした。

ペリト・モリノ氷河へのアクセス

ペリト・モレノ氷河は、アルゼンチンのサンタクルス州南西部のロス・グラシアレス国立公園内にあります。日本とは地球の反対側に位置するので、もの凄く遠いです。まずはアルゼンチンの首都ブエノスアイレスへ行き、そこから更にカラファテ (Calafate) 空港まで飛びます。

日本からブエノスアイレスまでの直行便がないので、アメリカの主要都市を経由して行く必要があります。東京から30時間程かかり、ブエノスアイレスで国内線に乗り換えて、カラファテ空港までは4時間ほどの距離です。

カラファテ空港のあるカラファテの町のバスターミナルから、ペリト・モレノ氷河行きのバス又はタクシーが出ています。バス料金が結構高いので、大人数だとタクシーの方が安いかもしれません。カラファテの町からペリト・モレノ氷河までは一時間ほどの距離です。

個人でも簡単に行けますが、バスは午前と午後に2本づつと本数が少ないので、現地でツアーを見つけて行った方が安心確実かと思います。ただツアーだと時間と行動の制限があり、ゆっくりじっくりペリト・モレノ氷河を楽しめないかもしれません。

地球温暖化の影響が深刻な氷河

パタゴニアを代表する観光地、ペリト・モレノ氷河を有すロス・グラシアレス国立公園は、1981年にユネスコの世界遺産に登録されました。このかけがえのない大自然を後世に残せるよう、多くの人達が環境保護に携わっています。

地球温暖化の影響で、残念な事に地球上の氷河はどんどん失われています。大自然が作り出す壮観な景色を見られなくなるだけでなく、氷河を水源としている河川の周辺では水不足になったり、洪水が発生する事も考えられます。

南極大陸とグリーンランドの氷床が全て融解すれば、海水面が80m上昇するとされています。氷河はただ美しいだけではなく、地球にとって、そして地球で生きる私達にとっても重要なもの。氷河をこれ以上失う事がないよう、自分に何が出来るのか、深く考えさせられます。

パタゴニア氷河のドキュメンタリー映画 

パタゴニア地方で氷河観光をする前に、是非見て頂きたいドキュメンタリー映画があります。『ナショナルジオグラフィック』の写真家、ジェームズ・バローグが25台以上のカメラを使って3年間記録し続けたドキュメンタリー映画、Chasing Ice(氷河消失の記録)です。

2012年のサンダンス映画祭での撮影賞をはじめ、多くの賞を獲得した有名なドキュメンタリーで、美しく迫力のある氷河の映像をたんまりと見る事ができます。

このドキュメンタリーを見たら、氷河の美しさに圧倒されながらも、地球温暖化について考え、私達が住むこの美しい地球をどうやって守る事が出来るのかを考える、良い切っ掛けになるかと思います。

ウプサラ氷河と氷山

パタゴニアのロス・グラシアレス国立公園の目玉は、ペリト・モレノ氷河で間違いないのですが、ウプサラ氷河も絶対に訪れるべき場所です。ペリト・モレノ氷河とは全く異なる幻想的な景色を見る事が出来ます。

ウプサラ氷河の売りは氷山。琵琶湖の2倍はある大きな湖に、プカプカと氷山が沢山浮かんでいます。世界広しとは言え、氷山を見る事の出来る場所はとても限られているので、とても希少価値のある場所だと思います。

ウプサラ氷河も訪れるのなら、ペリト・モレノ氷河のクルーズは止めて、展望台周辺の散策+氷上トレッキングに専念してもいいかもしれません。ただウプサラ氷河の観光船は、ペリト・モレノ氷河の観光船ほど氷河に近寄ってはくれません。

お金と時間が許すのなら、どちらのクルーズにも参加した方が絶対に良いです。ウプサラ氷河に関しては、別記事で詳しくまとめてあるので、そちらも是非読んでみて下さい。

ペリト・モレノ観光の拠点カラファテ

パタゴニアのロス・グラシアレス国立公園を観光する際に、拠点となる町がエル・カラファテです。カラファテの町に何日か滞在し、パタゴニア氷河を満喫して下さい。ロマンティックな伝説が残るとても素敵な町です。

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