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スペインにあるイギリス領 ジブラルタルの行き方、歴史、楽しみ方

      2019/05/17

 国境を歩いて渡る、歩いて5分で全く別の国となる。そんな面白い経験が出来るのがスペインにあるイギリス領、ジブラルタルです。モロッコへ行く船が出ているアルへシラスからバスで30分位の所にあるので是非訪れてみてください。

 

スペインにあるジブラルタル半島はどうしてイギリス領なのか 歴史的背景

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スペインの南端、アフリカ大陸からわずか14kmの距離にあるジブラルタル半島。総面積6,5k㎡、諏訪湖の半分位の大きさしかないこの半島をめぐって、有史以来多くの争奪戦が繰り広げられました。

スペインとアフリカ、そして地中海と大西洋を隔てるのがジブラルタル海峡。その海峡に向かって突き出した半島がジブラルタルです。地中海への唯一の入り口に位置するジブラルタル半島さえ制すれば地中海の海上権と制空権を確保出来たのです。

古くから地中海を制する者は世界を制すると言われていました。軍事的にとても重要な意味合いを持つジブラルタル半島は、どの時代の権力者も絶対手にしなければならない軍隊の拠点です。

だからこそ1704年のスペイン継承戦争時にイギリスに占領されて以来、ジブラルタル半島は未だスペインに返還される事なくイギリス領として現在に至ります。

ジブラルタルをめぐるスペインとイギリスの確執は根深く、例えばイギリスのチャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式もスペイン国王は参列をボイコットしています。

入出国審査はあるけれど今では自由に行き来出来るジブラルタル。かつてのフランコ独裁政権時代はスペイン側からの出入国が禁止されていました。人も物質も対岸のモロッコから船で運ぶか、飛行機を使って他の国から運んでいました。

平和な時代となっても両国のジブラルタルをめぐる小競り合いは相変わらず続いています。でももう諦めの色が濃いスペイン人達なので現在では気軽に行ける外国としてすっかり人気の観光地となっています。

イギリス人的には今では重要な戦略地と言うよりか、太陽と海がある貴重な自国のリゾート地として手放したくない感でいっぱいです。

 

ジブラルタルの不思議

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スペインに位置しているけどスペインではないジブラルタル。だからこの半島に行くにはパスポートが必要です。スペインから歩いて5分、でもそこは既にイギリスなのです。

国境でパスポートを提示し国境を通過すると、いきなりロンドン名物の赤い二階建てバスがバス停に止まっています。道路の標識も、看板も、郵便ポストだっていきなり英語でイギリス式です。

バス停の先に信号があり、赤になったので待っていると轟音が響き渡りました。すると目の前を飛行機が駆け抜けたのです。ちっちゃな飛行機ではなく、普通の旅客機だったので本当にびっくりしました。

小さな半島に3万人もの人達が住んでいて、更には太陽を求めてイギリス人達がひっきりなしに押し寄せる一大観光地です。国際線の空港がどうしても必要でした。

もともと小さい半島の上に、土地の殆どが岩、平地が殆どない半島なので街の直ぐ隣にメイン道路を横切る形で滑走路が作られました。もうそこぐらいしか滑走路を作れる土地がなかったからです。

時間的にも距離的にも随分長い信号だなとは思ったのですが、まさか飛行機が通るなんて思いもしなかったので写真を撮り損ねてしまいました。本当に残念。

スペインから歩いて5分。もうそこは全くのイギリスです。人々が話している言語も英語。使われている通貨だってユーロではなくポンドです。

多くのお店でユーロも使えますが、街中にある両替屋で換金してポンドで払った方がお得な感じ。ただ余り多くを換金し過ぎないように注意しましょう。ジブラルタル固有のジブラルタル・ポンドなのでイギリス本土では使えません。

 

ジブラルタルで何をする?何を見る?何食べる?

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ジブラルタルの最大の観光は横断歩道を横切る旅客機だと思います。でも本数がそんなにある訳ではないのでタイムテーブルをきちんとチェックした方が良いです。

飛行機の滑走路を横切れば、ジブラルタルのメインストリート。暫く歩くと歩行者天国となり、レストランやお店が軒を連ねます。

半島の殆どは石灰岩で、岩以外何もありません。農業も産業も発達しない不毛の地なのでタックス・ヘブン税制が適用され、税金が免除されています。

だからジブラルタルは買い物天国、沢山の免税店があります。スペイン人達はお酒とタバコを目的にジブラルタルへやって来ます。スペインは他のヨーロッパの国に比べたらタバコの値段が安いです。それでもどんどん高くなっているので観光がてらジブラルタルまでタバコを買いに来る人達は多いです。

ギリス人はギラギラの太陽を求めてやってきます。太陽と海、それさえあれば何もいらない人種です。自国語が使える気安さからジブラルタルで定年ライフを謳歌する年金移住者が年々増えているそうです。

そんな多くのイギリス人観光客、定住者の需要に答えてジブラルタルにあるレストランの殆どはイギリス料理です。スペイン料理が食べたい人はスペインへ出国して食べます。

なのでせっかくジブラルタルを訪れたからにはイギリスで食べるより美味しいと評判のフィッシュ&チップスを食べてみてください。サイズがイギリス並みにでかいのでミディアムサイズで注文するように。

フィッシュアンドチップスを食べた後はロープウェイで岩のてっぺんまで登りましょう。見晴らしも素晴らしいのですがジブラルタルは猿も名物です。ただ食べ物や、中にはお財布を奪い取るサルたちもいるので注意しましょう。結構アグレッシブなサルたちが沢山います。

 

ジブラルタルへの行き方

ジブラルタルへはアルへシラスの唯一あるバスターミナルからバスが頻繁に出ています。ジブラルタル行きではなくラ・リネア(LA LINEA)と呼ばれるジブラルタルから歩いて5分の街までです。

ジブラルタルへ直接入るバスはありません。LA LINEAまで行って徒歩で国境を渡ります。それがまた楽しみの一つでもあります。

アルへシラスから船にのってモロッコへ抜ける人も多いかと思います。これといって凄い観光名所があるわけでもないので半日観光でも十分。それでも何だかとっても珍しい場所なので是非足をのばしてみてはどうでしょうか。

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