おすすめのイタリア料理50選、有名なイタリアの食べ物まとめ
2022/10/29
知ってるようでいて実は知らないイタリア料理。日頃私達が食べているイタリア料理とイタリア人が食べているイタリア料理はかなり異なります。やはりイタリアの味はイタリアでしか味わえないのです。世界100カ国以上を食べ尽くしたヨーロッパ在住のフードライターが世界中のグルメを紹介するブログ。今回はイタリアを訪れたら必ず食べるべき、美味しいイタリア料理を50品紹介します。
おすすめのイタリア料理:パスタ系
イタリア人はパスタばかり食べている、とされています。ずっと偏見だと思っていました。留学時にイタリア人3人と家をシェアし、共同生活をする事で実感した事があります。イタリア人は本当にパスタばかり食べています。
アマトリチャーナ

ローマを訪れてブカティーニ・アッラマトリチャーナ(Bucatini all’Amatriciana)を食べなかったら罪になる、と言われるほどローマ人にとって重要なソウルフード。本当に美味しいので絶対に食べて下さい。日本のナポリタンはこのパスタを元にして作ったのだそう。でも見かけはともかく全く味は異なる料理です。
ペコリーノチーズ、トマト、オリーブオイル、そして唐辛子が効いてピリッと辛いのが特徴です。一番大切なのがグアンチャーレ (Guanciale) と呼ばれる、豚のほほ肉の塩漬け。これが味の決め手となり、ベーコンで代用すると嘘っぽい味になります。
ブカティーニとは中に空洞のあるちょい太パスタの事。イタリアには何百という種類のパスタがあり、それぞれのソースに最適な種類のパスタを選んで食べるので、ソース名の前にパスタの名をつける事が多いです。
ソースに合わせるのが基本ですが、個人の好みでパスタの太さや種類を選んだりもします。ただアマトリチャーナだけはブカティーニと言う名のパスタで食べなくてはいけない、との絶対的な決まりがあります。他のパスタと合わせる事は断じて許されません。
カルボナーラ (Carbonara)

本場イタリアのカルボナーラは生クリームを使いません。卵だけで充分クリーミィーなパスタになります。カルボナーラとは石炭の意味。炭焼き職人がパスタを作ったら、手についた石炭がポロポロ落ちてこんな風になるのではないか、みたいな感じで黒コショウを振りかけるのがポイントです。
誰もが知っていて、誰もが知らないイタリア料理の代表。海外に出て一番辱めを受けたイタリア料理とされています。カルボナーラを生クリームパスタだと思っている世界の風潮に、イタリア人は心を痛めています。早く誤解を解いて、本来の、真のカルボナーラを世界に知ってもらいたいと思っています。
ペスト・ジェノベーゼ
バルジたっぷりの緑色のソースのパスタがペスト・ジェノベーゼ ( Pesto Genovese) 、ジェノバの郷土料理です。世界に広く浸透したソースで、イタリア国外では単にペスト (Pesto) の名で定着しています。ジェノバの名産であるバジルに、ニンニク、オリーブオイル、松の実、パルメザンチーズを攪拌して作ります。パスタだけでなく、肉、魚、野菜、何にでも合う素晴らしいソース。
世界に進出したイタリア料理の中で、一番本場の味に忠実なのではないでしょうか。と思ったらジェノバ人からペスト・ジェノベーゼを語るにはジェノバ産のバジルを使わなければならない。そしてジェノベーゼとだけ呼ぶなら緑ではなく牛肉の茶色のソースだ、と鼻息荒く主張されました。もう本当にイタリア人ってメンドクサイっす。
ボロネーゼ (Bolognese)

パスタの王者、ボロネーゼ。食の都、イタリア北部ボローニャの街の裕福層が生み出した料理です。本来は牛肉を赤ワインでコトコトじっくり煮込んで作ったので、日本人が慣れ親しんでいる挽き肉のミートソースとはかなり様子が異なります。
ボロネーゼはタレアテッレ (Tagliatelle) と呼ばれる平たい麺で食べなくてはならないとの見えない決まりがあります。細いスパゲティで食べるなんてボロネーゼへの冒涜。イタリア人はソースとパスタの組み合わせに本当にウルサイので注意しましょう。
イタリア全土で食べる事ができますが、本場ボローニャの街を訪れたら「Trattoria Anna Maria」か「Trattoria della Santa」のレストランで食べて欲しいです。今まで食べてきたボロネーゼは何だったのかと思う程メチャクチャ美味しいです。
ボンゴレ

ナポリ名物のアサリのパスタがボンゴレ (Vongore) です。世界的に有名なイタリア料理の多くは、ナポリの名物。太陽と地中海の恵みをふんだんに使って作るナポリの郷土料理は、一番イタリアらしい料理なのだと思います。
ボンゴレには赤 (Rossso) と白 (Bianco) の2種類あります。赤はトウガラシやトマトを使い、白はアサリのだし汁をメインに白ワインで作ります。いずれにせよナポリ産の白ワインをキンキンに冷やしてお供にして下さい。
魚介類のパスタ
イタリアは魚介類が美味しい。新鮮な魚介類をふんだんに使ったパスタはイタリア人も大好きです。呼び方が色々でアッロ・スコーリオ (allo scoglio) 、ペスカトーレ (Pescatora)、フルッティ・ディ・マーレ (Frutti di Mare)などと呼ばれています。
厳格には分けられてはいないようですが、アッロ・スコーリオは主に貝や甲殻類を使ってトマトを入れないケースが多く、ペスカトーレはトマトで煮込んで作る事が多いです。
イカ墨のパスタ

ヴェネツィアと言えばイカ墨 (Nero di seppia)で 、ベニスを訪れたら絶対に食べなくてはいけない食材です。ヴェニスで一番有名なのはイカ墨のリゾット。でも個人的にイカ墨パスタの方が美味しいと思います。イカ墨は美味しいだけでなく、健康にも良いスーパーフード。合わせるのは絶対に白ワインです。
プッタネスカ (Puttanesca)
美食の土地ナポリには沢山の名物があります。ボンゴレも美味しいけれどプッタネスカも捨てがたい。アンチョビ、オリーブ、ケッパーなどが入ったトマトソースのパスタです。
唐辛子を使ってピリ辛に仕上げるのと、ナポリの風俗店で提供していた事からプッタネスカ、娼婦風との名がつきました。そんな由来があるので、基本的には高級レストランよりもローカルのレストランで提供されます。ちなみに魚介類が入ったパスタは、チーズをかけずに食べるのがイタリア風です。
ウニのパスタ
イタリア語でウニは海のハリネズミ (Ricci di mare) と呼ばれています。ヨーロッパはフランス人以外は、ウニって余り食べないです。イタリアでもウニのスパゲティーを食べたいなら、シチリア島まで行かなくてはなりません。でも行く価値は絶対にあり。なんかもうウニーって感じのパスタです。
マッロレッドゥス (Malloreddus)
イタリアには数えきれない程パスタの種類があり、中には特定の地方でしか食べられないパスタもあります。マッロレッドゥス (Malloreddus)は、サルデーニャ地方独特のパスタ。パッと見は昆虫の幼虫みたいな形でえぐいのですが、サルデーニャ近辺でしか見かけない珍しいパスタなので、お土産にも是非!
ラザニア (Lasagna)
イタリア人に「お袋の味とは何か?」と聞けば殆んどの人がラザニアと答えます。家族が皆で集まった時の定番メニューもラザニア。イタリア人にとってラザニアとは、常に家族の思い出と共にあるのです。
元々はナポリの郷土料理なのですが、今ではイタリア全土で食べられています。具はひき肉の他にツナ、ホウレンソウ、色々あります。家庭の数だけラザニアの味があるとされています。
ヴィンチスグラッスィ (Vincisgrassi)
マルケ州を代表する郷土料理で、ラザニアの原型とされています。見かけはラザニアとほぼ同じ。鶏のレバーをトマトソースに入れるのが特徴です。ラザニアよりベシャメルソースの量が少なく、パスタの量が多い。私はラザニアより断然こっち派です。余りメニューにないので、見かけたら絶対食べてみて下さい。
ニョッキ (Gnocci)

ジャガイモで作るパスタというかジャガイモ団子。元はローマの郷土料理ですが、イタリア全土、そして世界に広まりました。ただスーパーで売ってるのはそんなに美味しくないです。是非手作りものを食べて欲しい。
季節になると出回るカボチャのニョッキがめちゃくちゃ美味しい。簡単なので手作りして下さい。でもイタリアのカボチャは日本のとは異なる種類なので注意が必要。カボチャのほんのりした甘さを味わう為に、ソースはシンプルにセージとバター。それだけで十分美味しいです。
ラビオリ・アッラ・ジェノベーゼ
ラビオリを食べるならジェノバ名物のラビオリ・アッラ・ジェノベーゼ (Ravioli alla Genovese) がおすすめ。通常のラビオリより大きめで、中の具は肉でなく野菜です。ジェノバ地方の料理を特徴づけるのが Preboggion の存在。この地方以外では見かける事のないハーブで、海岸線沿いに生息します。クルミとパルメザンチーズのソースで食べます。
有名なイタリア料理:ピッツァ
イタリア人はパスタをレストランで食べません。パスタは家で作るものだと思っているからです。でもピザは外の専門店で食べます。友達と夕食に出かける、はイコールでピッツァを食べるの意味です。
イタリア産のピッツァは、移民者によってアメリカに伝わりピザが生まれました。大流行し、更に気軽に食べられる冷凍ピザが誕生します。その冷凍ピザが東京オリンピックの時に日本に伝わりました。
日本ではずっとアメリカのピザが主流でしたが、イタ飯の流行でイタリアのピッツァも浸透しました。ただローマ風の薄いピッツァが多いでしょうか。ピッツァの本場とされるナポリのピッツァは、ふっくらカリッとしたパン生地です。
どちらのタイプも美味しいのですが、遥々イタリアまで来たからには、是非とも本場ナポリ風を満喫して下さい。アメリカ風ともローマ風とも違う、イタリアでしか食べられないピッツァだと思います。
マルゲリータ (Margherita)

イタリアでピッツァと言ったらマルガリータ。具沢山のピザは邪道と思うイタリア人が殆どです。イタリアの王妃マルゲリータがバジリコの緑、モッツァレラチーズの白、トマトの赤がまるでイタリア国旗を表しているようだとしたのが名前の由来。ナポリで生まれたピッツァなので、絶対にナポリ風のカリふわパン生地のピザで食べて下さい。
マリナーラ (Marinara)

イタリア料理はシンプルなほど美味しいです。漁師風を意味するマリナーラのピザはトッピングなし、チーズすらなし、トマトソースの美味しさだけで勝負です。イタリア料理の基本はトマトソース。本当に美味しいトマトソースは、それさえあれば他に何もいりません。材料はトマト、ニンニク、オリーブオイル、バジル。これだけ、そしてこれ以外はいらない。
美味しいイタリア料理:小麦粉系
カルツォーネ (Calzone)
ピッツァを折りたたんで三日月型にして焼いたのがカルツォーネです。基本の具はトマトソースとモッツァレラチーズ。具材が生地に閉じ込められているので歩きながらでも食べられます。持ち歩き出来る小さめのカルツォーネが良く売られています。
レストランでもメニューにありますが、基本的にはテイクアウト系のお店の定番料理。冷めたらオーブンで再び軽く焼けばいいので、持ち帰って家で食べる人の方が多いです。手軽ではありますが、ピッツァの方がやっぱり美味しい。
パンツェロッティ (Panzerotti)
カルツォーネを焼くのでなく揚げたバージョンをパンツェロッティと呼びます。小腹が空いたときに気軽に食べる小さめのサイズが主流。高温の油で揚げるのでサクサクになります。これはこれでいいとは思うけど・・・だからピッツァを食べて下さい!
フォカッチャ (Focaccia)
強力粉、オリーブオイル、水、塩、イーストで作るイタリアの平たいパン。そのまま、またはハムやチーズを挟んでサンドウィッチにして食べます。古代ローマ時代から作られていたパンで、ピッツァの原型だとされています。
フォッカチオはパンとは異なり捏ねる作業がないので簡単に作れます。コロナ禍では自宅に閉じ込められた人達の多くがフォッカッチャを作っていたのだそう。ピザ作りも一時期流行ったのですが、石窯で焼く美味しさには勝てず、ロックダウンが終わると同時にイタリア人はピッツァ屋に駆け込んだとの事です。
ファリナータ (Farinata)
ヒヨコ豆の粉で作る極薄のフォッカチオで、屋台とかで良く売ってます。13世紀には存在していた料理で、ヒヨコ豆の粉、水、オリーブオイルを混ぜてオーブンで焼くだけのシンプルな食べ物。カリッカリの焼きたてをビールと一緒に食べるのが最高です。
パニーノ (Panino)

イタリア風サンドウィッチ。イタリア人はパンで具材を挟んだものを、パンの種類や具材にこだわらず全てパニーノと呼んでいます。モッツァレラチーズが主役で、基本どのパニーノにも入ってます。普通に美味しいですが、ピッツァを食べましょう。
ブルスケッタ (Bruschetta)

イタリアでは本格的な食事の前におつまみを食べながら食前酒を楽しむ習慣があります。その時の典型的なおつまみ料理がブルスケッタ。トーストしたパンにニンニクをこすりつけた後オリーブオイルをかけて、チーズ、ハム、トマトなどをトッピングしたもの。
おすすめのイタリア料理:米系
リゾット (Risotto)

リゾットは米を研がずにバターで炒めてから、ブイヨンと具で煮た料理。イタリア人はパスタを作らせたら世界一ですが、米料理に関してはスペイン人の方が上手かも。カリカリ、オジヤ風、ちょっと芯あり、スペインの米料理には色々なバリエーションがありますが、イタリアは常に同じな仕上がり。
何故ならイタリアでは米はパスタと同じ扱いだからです。常に徹底的にアルデンテ。味付けも基本的にパルメザンチーズと何かのコンビ。でも、まぁ、バラエティには欠けますが美味しいです。
パルメザンチーズのリゾット

リゾット界のキング的存在がパルメザンチーズのリゾット(Risotto alla parmigiana)。とてもシンプルな料理なのですが奥が深いです。だし汁に野菜を沢山使います。質の良いパルミジャーノ・レッジャーノチーズを使わないと味がぼやけるので注意。美味しいのは究極に美味しいけれど、悪質な観光客用レストランなどで食べるとトラウマレベルに酷い味です。
リゾット・アッラ・ミラネーゼ

ミラノ風リゾットがリゾット・アッラ・ミラネーゼ (Risotto alla milanese) 、もちろんサイゼリヤのとは全く別物です。一番の特徴はサフランを使う事。黄金色の色付けだけでなく、サフランには沢山の効能があります。
シンプルなリゾットは、だし汁の味が決め手。昔ながらの本格的なミラノ風リゾットは、骨髄を使って出汁を作ります。最近は骨髄を使わない店が増えてるので、美味しいミラノ風リゾットに巡り合える可能性が少ないと、イタリア人すら嘆いていました。
アランチーニ (Arancini)

イタリア風ライスコロッケ。シシリアで一番有名な料理です。チーズやひき肉を具にした丸いオニギリを油で揚げたもの。レストランで出されるアランチーニはトマトソースがたっぷりかけられている事が多いです。
テイクアウト系のアランチーニは歩きながらでも食べられるように、既に具材がトマトソ―スであえてあります。オーブンで焼くバージョンもあって美味しい。中にチョコレートが入った甘い版もあって楽しい。
ポレンタ (Polenta)

トウモロコシの粉で作る粥とされていますが、粥ほどゆるくなく、ういろうみたいな固さです。ただ地方によって固さは異なります。北イタリアはウイロウ系、肉や魚の付け合わせとして食べたり、上に色々な物をのせてオードブルとして食べます。でも凄く美味しい、って訳ではないのでわざわざイタリアまでやって来て食べなくてもいいかも。
美味しいイタリアのチーズ

イタリアの美味しさはチーズによるものが大きいです。フランスの方が種類は多いのですが、イタリアのチーズの方がひとつひとつの個性が強い。ソフトタイプからハードタイプ、甘口から辛口、バラエティに富んだ様々な種類のチーズがあります。料理からデザートまで、イタリアの味の決め手となっています。
パルミジャーノ・レッジャーノ (Parmigiano Reggiano)
イタリアのチーズの王様、キング・オブ・キング。イタリア料理はパルミジャーノ・レッジャーノ抜きでは語れません。水分を完全に抜き切って18か月から36か月、長いものでは5年以上熟成させて作るハードチーズ。
全世界で売られているパルメザンチーズはもどきで、本場のは軽く1000倍ぐらい風味が強く美味しいです。同じパルミジャーノ・レッジャーノの名が付いていても、生産地や熟成期間で味にかなりの差が出ます。基本的に高いものほど美味しいので、きちんとしたものを買いましょう。
パルミジャーノ・レッジャーノを料理に加えるだけで味が格調高くなります。パスタなどにかける場合は食べる直前にすりおろしましょう。既に粉になって売られているものは、パルミジャーノ・レッジャーノとは呼べません。
モッツァレラ (Mozzarella)
イタリアを代表する熟成工程のないフレッシュチーズ。そのまま、またはピザやラザニアにのせてグリル、色々な形で食べられるイタリア人の日常に欠かせないチーズです。パルメジャーノのほど味の違いがないので安いものでも大丈夫。でもモッツァレラは本当に安いチーズなので、安心して一番値段の高いものを買って楽しみましょう。
インサラータ・カプレーゼ (Insalata Caprese)
トマトとモッツァレラチーズを薄く切って並べ、バジルとオリーブオイルで味付けて食べるサラダ。イタリアでサラダと言えば絶対にこれ。カプリ地方の郷土料理で、シンプルだけどシンプルがベスト。他に何もいりません。
リコッタ (Ricotta)
南イタリアの名物で、チーズを作る際の副産物ホエィで作る乳清チーズ。名前のリコッタは「再び煮た」を意味し、その名の通りホエーを再加熱して作ります。そのまま食べても、調理しても美味しい。デザートにも良く使われます。
マスカルポーネ (Mascarpone)
イタリアを代表するクリームチーズ。乳脂肪分が50%近くあり、ほんのり甘いです。ディップにしたりイタリアの有名なデザートであるティラミスなどに使います。ニョッキやリゾットの仕上げに加えても美味しい。塩分が少ないチーズなので、生ハムやスモークサーモンなど味のしっかりしたものと組み合わせるのに最適なチーズ。
ゴルゴンゾーラ (Gorgonzola)
フランスのロックフォール、イギリスのスティルトンとともに世界三大ブルーチーズとされています。青カビが多く辛みの強いピッカンテ (Piccante) 、クリーミィでほんのり甘みがあるのがドルチェ (Dolce)、2種類あります。ピッカンテはそのまま食べるより、リゾットなどに調理される事が多いです。そのまま食べたい時はドルチェから試してみて下さい。
有名なイタリア料理:肉系
サルティンボッカ (Saltimbocca)
薄切りの牛肉に生ハム、セージの葉をのせて白ワインとバターで焼いたもの。短時間で簡単に出来るので、レストランで食べるより家庭料理のイメージが強いです。ローマの郷土料理とされますが、結構色々な国に似たような料理があります。セージを使うのがイタリアっぽい。バターとセージの組み合わせはイタリア人の大好物です。
オッソ・ブーコ (Ossobuco)
子牛のすね肉の煮込み。ミラノ名物。トマトがイタリアにもたらされる前から存在していた料理なので、伝統的なレシピではトマトは入りません。代わりにアンチョビをつぶして入れます。個人的にトマト入ってない方が美味しいと思います。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ (Bistecca alla Fiorentina)
フィレンツェを訪れたら絶対に食べたい、トスカーナ地方の名物料理です。牛肉を炭火で焼いただけなのですが、何故だかめちゃ美味しい。切り方に特徴があるらしいです。
すっごい厚切り。日本人好みの霜降りではないけれど、上質な赤身の美味しさにはまってしまうと思います。これを食べる時は是が非でもChiantiのワインを注文するべし。
アニェッロ・カーチェ・エ・オーヴェ
アニェッロ・カーチェ・エ・オーヴェ (Agnello cacio e ova) は、子羊に溶き卵に粉チーズを合わせたソースをかけた料理で、何だかちょっと親子丼っぽい。いや親子にはなんないんだけど・・・。子羊はイエスの苦難を、卵は復活を象徴するので、聖週間の時に良く食べられるイタリア料理です。
カルパッチオ (Carpaccio)

生の牛肉を薄く切ってパルミジャーノ・レッジャーノをふりかけ、オリーブオイルをかけて食べます。シンプルなだけにチーズとオリーブオイルの質が味の決め手となります。この2つが安いものだと美味しくないです。トロやサーモンとかの魚バージョンもありますが、これは日本がアレンジして生み出し、イタリアが逆輸入したもの。
ラ・ポルケッタ (La porchetta)
イタリアのローストポーク。生ハムタイプではなくボンレスハム系。イタリアは生ハムよりこっちの方が断然美味しいと思います。生ハムはスペインで食べましょう。イタリアの生ハムは絶対にダメ、許せない。生ハムとか名乗って欲しくない。
美味しいイタリア料理:魚貝類系
ポルポ (Polpo)
世界ではタコを食べる国は少ないのですが、イタリアは好んで食べます。大型のタコをピオーヴラ(Piovra)と呼び、煮たり焼いたり色々な形で調理します。タコのカルパッチオも美味しい。数あるタコ料理の中で一番のおすすめはPolpi in purgatorio。MOLISEの郷土料理です。
カラマーロ (Calamaro)
カラマーロはイタリア語でヤリイカを意味します。イカの総称ではないので注意しましょう。コウイカはセッピア(Seppia)。地中海沿いの国々ではイカは結構細かく分類されます。イタリアには新鮮なイカを使った料理が沢山ありますが、イカ墨系が最強です。
ブリーダ (Burrida)
イタリアの魚料理の中で一番美味しいと思ったのがブリーダ。サルデーニャ地方の名物で、ホシザメと呼ばれる小さなサメを使って作るマリネです。私が住むスペインでは余りサメを食べないのですが、イタリアの沿岸部は結構サメを食べます。ブリーダは味付けにハラワタも使うので、日本人好みと言うか、とにかく美味しい。冷たい前菜として食べます。んです。
バカラ・アッラ・ヴィチェンツァ
北イタリアのヴェネト州で昔から親しまれているのが、バカラ・アッラ・ヴィチェンツァ (Baccalà alla vicentina) と呼ばれるタラ料理 。イタリアの棒鱈をオリーブオイル、牛乳、アンチョビ、玉ねぎで煮込みます。とても手間がかかる料理なので最近は作る人が少なくなってきました。レストランで見かけたら絶対食べてみて下さい。めちゃくちゃ美味しいです。
絶対食べたいイタリアのデザート
ティラミス (Tiramisù)

誰もが知ってるイタリアを代表するデザートですが、歴史はそんなに古くないです。日本をはじめ世界中でブームとなったので一番知名度が高いだけで、伝統的なスイーツという訳ではありません。何処ででも食べられますが、何処のも似たような味。
アマレッティ (Amaretti)
クッキーよりも軽く、焼いたメレンゲに近い食感のクッキー。小麦粉ではなくアーモンドの粉を使うので、独特な風味があります。少し苦いのはビター種のアーモンドも使うから。フランスのマカロンの原型ですが、あーゆー華やかさは皆無で素朴な感じのお菓子です。古代ローマ時代からある歴史の古いお菓子でエスプレッソコーヒーとの相性が抜群です。
スフォリアテッラ (Sfogliatella)
ナポリ名物の貝柄型の焼き菓子。通常はパリパリとしたパイ生地の焼き菓子を意味しますが、本場ナポリにはリッチェ(Ricce)とフロッレ(Frolle)2種類のスフォリアテッラがあります。リッチェがパリパリ、フロッレはスコーンみたいな感じ。どっちも美味しい。
カンノーロ (Cannolo)

カンノーロまたは複数形でカンノーリ(Cannoli)と呼ばれるシシリア発祥のメチャ美味しいペストリー。小さな筒を意味します。小麦粉ベースのサクサク生地でリコッタクリームを包みます。映画ゴッドファーザーで度々出てきて世界的に有名となりました。
本来は復活祭の時のみに登場するスイーツだったのですが、余りにも人気で今では一年を通して売られています。本家のシチリア島に行くと注文を受けてからリコッタクリームを詰めてくれます。サクサクの生地が更にパリッパリして、もう至福の味でした。
ヌテラ (Nuttella)
イタリア人はヌテラ無くして生きる事は出来ない。世界160か国で食されているチョコレート風クリームで、イタリアの象徴です。以前イタリア人家庭にお邪魔した時、ヌテラの瓶が沢山あり名前が書かれていました。何でだろうと思っていたら、瓶のままスープ―ンで食べてました。すっごいカルチャーショックを受けました。
ジェラート (Gelato)
イタリアのスイーツと言えばイタリアンジェラート。初代ローマ皇帝のジュリオ・チェーザレがアペニン山脈の雪に蜜を混ぜて食べたのが始まりとされています。イタリアの至る所にジェラテリア (Gelateria) と呼ばれるアイス屋があり、何処で何を食べても美味しいです。
ただ観光地だと高くで不味いアイス屋も存在します。美味しいアイス屋の見極め方は夜。イタリア人は夜にアイスを食べる事が大好きなので、夜に賑わうアイス屋さんは確実に美味しいです。
パネットーネ (Panettone)
干しブドウや砂糖漬けのフルーツが沢山入った菓子パン。大きなパンを意味し、天然酵母でじっくり発酵させる風味の豊かさが特徴です。イタリアのクリスマスの食卓に欠かせない食べ物なので、11月半ば頃から売り場面積が倍どころか凄い規模になります。結構なお値段がする割には、普通に美味しいレベル。1月を過ぎると売れ残りが半額位で買えるので、それを狙うのがいいかも。
ババ (Baba)

イタリア一番の食処ナポリには名物が沢山あります。ラム酒に浸したケーキというかブリオッシュに近いスイーツがババ。元々は乾燥して固くなってしまったパンをお酒に浸して柔らかくしたのが始まりなのだそう。日本ではサバランの名の方が定着しているでしょうか。ババはサバランの元となったスイーツで、味は殆ど同じです。たっぷり洋酒の大人の味。
リモンチェッロ (Limoncello)

イタリア人は食後にレモンチェロを飲んで〆る事が多いです。イタリア人家庭に必ずあるリコールで、手作りする人もいます。レモンの皮を蒸留酒に一定期間漬け、砂糖水を加えて一か月程置くと出来上がり。飲みやすいけどアルコール度数が結構高いので弱い人は注意して下さい。冷たくして飲みます。
イタリアに関するあれこれ
日頃大雑把なイタリア人。でも食に関しては本当にウルサイ。イタリア料理に関するタブーなどを、別記事にまとめました。イタリア人は本当にメンドクサイので仲良くなりたい人は絶対に読んで下さい。
イタリア料理は美味しい。世界何処ででも食べる事が出来ますが、本場のイタリアで食べるイタリア料理は、私たちが思い込んでいるイタリア料理とはかなり違います。イタリア料理はイタリアで食べるのが一番。そしてイタリアを訪れるなら絶対に行くべき街がベネツィア。世界で一番美しい場所です。