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ドゥブロヴニクの観光地20選、クロアチアのドブロブニクを旅する情報

      2022/02/04

クロアチアは近々ヨーロッパ最強の観光大国になるはずです。今だってヨーロッパの人達に「ヨーロッパで1番おすすめの国は何処ですか?」と聞けば、多くの人がクロアチアと答えます。

スペイン在住20年のフードライターが世界中を食べ尽くすの記録。今回は個人的に大好きなクロアチア、中でも一番の観光地ドブロブニクを紹介します。「ドゥブロヴニクを見ずして天国を語ることなかれ」と称されるほど美しいドブロブニクの全て。

クロアチアとはどんな国なのか

クロアチアはバルカン半島に位置し、アドリア海を挟んでイタリアと並行するような形で縦に細長く伸びている国です。面積は北海道より小さく、緯度的には北海道なのですが、地中海性気候の温暖な気候を持ちます。

1991年にユーゴスラビア社会主義連邦共和国から独立し、2013年にはEUに加盟したのですがユーロの導入は見送り、ヨーロッパ内を自由に行き来出来るシェンゲン領域国にもなっていません。

EUに歩み寄りつつも独自の道をゆくクロアチア。いずれにせよ、風景、人々のメンタリティ、生活、そして食習慣、全てにおいて旧ユーゴスラビア圏内で一番西ヨーロッパに近い国だと思います。

ドブロブニクが世界的に有名な理由

ドブロブニクは昔からヨーロッパの人達の憧れのリゾート地でした。特に北部の寒い地域のヨーロッパの人達から、絶大な人気を誇ります。近年ドゥブロヴニクは世界的な規模で有名になりました。その切っ掛けとなったのが「ゲーム・オブ・スローンズ」です。

全世界で大ヒットとなったドラマの撮影地となった事で、知名度がぐぐっと上がりました。中世をそのままを閉じ込めたかのようなドブロヴニクの街は、確かにゲーム・オブ・スローンズの世界観にぴったりです。

ヨーロッパだけでなく世界中の観光客がこの街を訪れるようになりました。そんなドゥブロヴニク人気に拍車をかけたのが、2017年に公開したスターウォーズ、最後のジュダイ。またしてもこの街が撮影地となり、ドブロブニクの名を更に世界に広めました。

実は日本の一部の人達にとってもドゥブロヴニクは憧れの地です。ジブリ映画の虹の豚と魔女の宅急便のモデルとなったのが、ドブロブニクとされているからです。真っ青な空、透き通った海、城壁に囲まれたオレンジ色の屋根瓦。

確かにドブロブニクの美しさはとても現実離れしていて、まるでアニメや映画を見ているようです。聖地巡礼と称して世界中、日本からも多くの人達がドゥブロヴニクを訪れるようになりました。今後もこの美しい街の人気は、決して衰える事がないでしょう。

ドブロヴニクの注意点

旧市街全体が世界遺産に登録されているドゥブロヴニクの街。とても人気が高い観光地で、大型クルーズ船が多数同時に寄港する事で有名です。特に夏のハイシーズンの混雑ぶりが酷く、小さな街が団体の観光客で溢れかえります。

ハイシーズン中は中世の雰囲気が削がれるだけでなく、何事にも長蛇の列が出来ます。クルーズ船の観光客は夕方になると船に戻る事が多いので、上手く予定を組んで行列を避けましょう。

冬のオフシーズンにドゥブロヴニクを訪れれば、人が全くいなくて快適です。ただオープンしている店やレストランが少なく、シーズン中の華やかな雰囲気に欠けます。まるでゴーストタウンで、かなり寂しい感じ。

ドゥブロヴニクのおすすめの観光地

スルジ山

ドゥブロヴニクの街の背後にある標高421mのスルジ山 (Mount Srdj)に登れば、青い海に浮かぶ美しい世界遺産の街を一望できます。行き方は徒歩、タクシー、ケーブルカーの3択。殆どの人がケーブルカーを使いますが、結構な値段なので人数が多ければタクシーの方が安いかも。乗る前に比較しましょう。

ドゥブロヴニク・ケーブルカー

スルジ山に登る為のケーブルカーです。クロアチア独立戦争時に旧ユーゴスラビア軍の砲撃によって破壊され、長い間無残な姿をさらしていたのですが、2010年に立派に再建されました。

ケーブルカーの中から見える景色は素晴らしく、まさに空中散歩。ただ人気があり過ぎて、ハイシーズンの時は長い列が出来ます。値段も高いので片道切符で登りだけケーブルカーを利用して、帰りは歩いて降りるのをお勧めします。

スルジ山登山道

スルジ山は徒歩でも登る事が出来ます。道はきちんと整備されていますが、運動靴は絶対です。日陰が殆どなく、結構な距離の坂道となるので、水分補給を忘れずに熱中症に気を付けて頑張りましょう。降りるだけなら1時間ちょっと、登りは体力次第。

結構キツイ道程ですが、高度によって異なった顔を見せるドブロブニクの街を眺める事が出来て楽しいです。絶対に守って欲しい事があります。決して登山道を外れないで下さい。まだ撤去されていない地雷が埋まっている可能性があります。

平和に慣れた私達には、冗談のように聞こえますが、旧ユーゴスラビア圏では、これが悲しい現実です。定められた場所以外の道を歩くのはとても危険です。登山道には電灯もないので、日没前に降りれるよう時間配分にも気を付けて下さい。

クロアチア独立戦争博物館

1991年から1992年にかけてドブロブニクは戦場でした。ユーゴスラビア崩壊に伴い、セルビア・モンテネグロ軍によって街が包囲され、度重なる砲撃によって多くの教会や民家が破壊されました。

死者1万人、行方不明者3000人以上、負傷者4万人、移住地を追われ難民となった人の数は20万人とされています。ユネスコの世界遺産となっていたので多大な支援が集まり、崩壊した街は修復する事が出来ました。

今ではこの美しい街で戦争があった事を想像するのは難しいです。クロアチア独立戦争博物館を訪れてからドブロブニクの街を見ると、ただ美しいだけでない、違った顔が見えてくるはず。

街は修復出来たけれど、人々の心には今だ深く戦争の傷跡がこびりついています。ドブロブニクに夕日が落ちると、街が真っ赤に染まります。その景色を見ていると、この街で流された血と重なって、悲しい気分になる人が多いのだそう。

ドゥブロヴニクの城壁

ドブロブニクの町は15世紀の城壁で囲まれています。城壁内は一般車両の乗り入れが禁止されているので、何処よりも中世な雰囲気を満喫できる街だと思います。城壁の上は綺麗に整備された遊歩道となっているので、ぐるっと一周歩けます。

入場料が結構高いのですが、これはもう絶対に払うしかない。ドゥブロヴニクの街は下から見上げるのと上から見下ろすのでは全く印象が異なります。必ず城壁の上を歩いて、色々な角度からこの美しい街を堪能して下さい。

アドリア海の光り輝く青い海と、オレンジ色の瓦のコントラストが美し過ぎて、時が経つのも忘れてしまうことでしょう。城壁の長さは2kmほど。写真を撮りながらゆっくり歩いて2時間位の空中散歩です。

城壁へ上る前にお手洗いはすませておきましょう。城壁内にもカフェやトイレがありますが、そこまでたどり着くのに時間がかかるし、一度城壁の外に出てしまうと再入場は出来ません。

絶景カフェ

断崖絶壁の物凄いロケーションにあるのがカフェ・ブジャ (Cafe Buža) です。冷たいドリンクのみで、何もかもが凄く高いのですが、絶景込みの値段だと思えば許容範囲。アドリア海に沈む夕日を眺めるのに最高のロケーションです。

海まで階段がのびているので、泳ぐことも出来ます。カフェの横の水面から10mはある崖の上から飛び込んでいる人も見かけました。岩場で危険なのでマネしないようにしましょう。

フランシスコ会修道院

フランシスコ会修道院 (Franciscan Monastery) は14世紀に建てられたのですが、17世紀の大地震で大きな損害を受け再建されました。ロマネスク様式の中庭だけは被害から免れ、14世紀の美しい姿を今に残します。

フランシスコ会薬局

フランシスコ会修道院の薬局は、1317年に開設されたクロアチア最古の薬局。ヨーロッパでも3番目に古い薬局です。当初はフランシスコ会員だけのものだったのですが、一般の人達にも開放されました。

この薬局で14世紀から同じ製法で作られているローズウォーターとローズクリームが、観光客から大人気のお土産となっています。ドゥブロヴニク周辺は昔からバラの栽培が盛んで、バラ関係の土産物の種類が豊富です。

ピレ門

ドゥブロヴニクの街へのメインゲートとなるのが16世紀のピレ門 (Pile Gate) 。ピレ門を入って直ぐの階段でもゲーム・オブ・スローンズの重要なシーンが撮影されました。

オノフリオの大噴水

ピレ門を入って直ぐ見えるのが、15世紀のオノフリオの大噴水 (Onofrio Fountain) 。古くから街の人達の水飲み場として親しまれている場所です。街から12km離れたドゥブロヴァチュカ川から湧き出る天然水を引き込んでいます。残念な事に17世紀の地震で、装飾の大部分が失われてしまいました。

ロヴリイェナツ要塞

小高い岩の上に立つのがロヴリイェナツ要塞 ( Tvrđava Lovrijenac ) 。防衛拠点だった場所なので、見晴らしが素晴らしいです。ドブロヴニク旧市街とスルジ山を見渡せる絶好の撮影ポイント。城壁のチケットで入場可能です。ゲーム・オブ・スローンズでRed Keep城だった所です。

プラツァ通り

ドブロブニクの街のメインストリートとなるのがプラツァ (Placa) 通り。200m程の道の両脇に高級ブランド店、土産物屋、レストラン、カフェ、などが並びます。

バニェ・ビーチ

プロチェ門から城壁の外へ出て、5分程歩いた所にあるのがバニェ・ビーチ (Banje Beach) 。岩場の多いドブロブニクでは貴重な、美しい砂のビーチです。1km程しかありませんが、リゾート感溢れるレストランがあり、夜はナイトクラブになります。昼は人が多すぎるので、早朝や夕暮れ時がおすすめ。

ドブロブニク旧総督邸

かつてドブロブニクにあったラグーサ共和国の総督邸として使用されていた場所。14世紀から19世紀にかけて、度重なる震災で破損と修復を繰り返したので、ゴシック、ルネッサンス、バロック建築様式がミックスされています。

ドブロブニクカードを購入した方は無料ですが、高いお金を払うほどのものなのかは微妙。ただゲーム・オブ・スローンズのファンなら絶対に入るべき。クァースでデナーリスが香辛料の王と謁見するシーンが撮影された場所です。

オールド・ハーバー

旧市街の城壁の外にある旧港で、ロクルム島を訪れるフェリーの発着地です。港を眺めながら食事が出来るレストランやカフェもあり雰囲気抜群です。夕暮れ時や夜がロマンティックでおすすめ。夏でも夜は潮風で肌寒いので、必ず羽織るものを持って訪れましょう。

ロクルム島

ドブロヴニクからフェリーで15分の距離にある無人島がロクルム島 (Otok Lokrum) 。緑に覆われた島は自然保護区となっていて、沢山の孔雀やウサギなどの小動物がウロウロしています。癒し成分満載の島。

廃墟にしては綺麗なベネディクト修道院跡ドブロヴニクの死海と呼ばれている池みたいなサイズでそれ程塩分高くない塩湖、ナポレオン軍がドゥブロヴニクを包囲した際に築いたロイヤル要塞、砂浜ではないけれど階段がついていてアクセスしやすい透明度抜群の海などが名物です。

小さな島だけれど色々遊べるし、15分の距離なのに往復で200クーナ位するので、ゆっくり滞在するのをお勧めします。水着はもちろん、ロイヤル要塞までの道などはほぼトレッキングなので、運動靴が必須です。

ドブロブニクへの行き方

ヨーロッパ各都市から飛行機でアクセスするのが一番簡単です。陸路で訪れるのなら、首都ザグレブを経由してドブロブニクに入るより、イタリアのヴェニスからクロアチアに入るコースをおすすめします。

大抵の場所はヴェニスを見た後だと霞んでしまうのですが、ドゥブロヴニクはベニスを見た後でも満足できる稀有な街。アドリア海の女王と呼ばれるヴェネツィアとアドリア海の真珠と称されるドゥブロヴニク。アドリア海が誇る2つの美しい街を堪能して下さい。

クロアチアだけを訪れるのも絶対におすすめ。クロアチアはとても美しい国なので、ドブロブニク以外にも訪れるべき場所が沢山あります。ただクロアチアは小さい国なのですが、とても細長いので移動が結構大変です。

クロアチア国内の移動はバスが主体。バスは本数が少なく、夏の観光シーズンにしかない便が沢山あるので注意が必要です。駐車場は問題ですがレンタカーを借りるのが一番おすすめかも。アドリア海を眺めながらのドライブは本当に楽しいです。

クロアチア料理のすすめ

美味しいイタリア料理を食べたかったらドゥブロヴニクへ行きましょう。本場イタリアよりも美味しいイタリア料理を食べる事が出来ます。何故クロアチアでイタリア料理なのか。クロアチア料理の不思議を別記事で詳しくまとめました。

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