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マダガスカル島とバオバブの木、世界的に有名なバオバブ街道、スーパーフードとしてのバオバブ

   

唯一無二のマダガスカル島

マダガスカル共和国は、アフリカ大陸南東から400kmほど離れたインド洋に位置します。日本の国土の1,5倍の広さを持つ、世界で4番目に大きな島。熱帯雨林、高原、サバンナ、砂漠、変化に富んだ地形が多種多様な生態系を育み、この生態系がマダガスカルを唯一無二の存在としています。

マダガスカル島は、1億3000万年ほど前にゴンドワナ超大陸から分裂し、8800万年ほど前にインド亜大陸とも分離して出来上がりました。それ以来ずっと孤立している島なので、他大陸と生物種の往来が無く、島内の生態系が独自の進化を遂げました。

その結果、生息する動物の80%、植物の90%が固有種、マダガスカル島にしか存在しません。ほぼ全ての動植物が、この島でしか見る事が出来ないので、視界に入るもの全てが注目に値する、本当に稀有な国なのです。

マダガスカルで一番人気のバオバブの木

マダガスカル島では見るもの全てが珍しいのですが、中でも一番は観光客から絶大な人気を誇り、マダガスカルの人達も特別に感じているバオバブの木です。マダガスカル共和国の国樹にもなっています。

バオバブは落葉すると枝が根のように見えるので「さかさまの木」とも呼ばれています。ぽってりとした太い幹、梢だけにつく枝葉。そんな独特な容姿も、人々を強く魅了しています。

バオバブは全世界に9種類存在し、そのうちの6種類がマダガスカルだけの固有種。残りの2種はアフリカの熱帯乾燥地域、1種はオーストラリアに自生しています。

バオバブの木の特徴

バオバブの木は高さ30メートル、直径10メートル位になるまで成長する大木です。世界で一番大きなバオバブとなると、直径15m、円周47mにも及びます。

巨大な幹の内部は柔らかく、水を含んだスポンジのような形態をしています。ここに約10トンもの水を貯える事が出来るので、長く厳しい乾季も乗り超える事が出来ます。

そんな特殊な構造から、バオバブには年輪がありません。樹齢を知る事が困難だったのですが、最近になって世界で一番大きなバオバブを放射能炭素年代で測定したところ、樹齢2500年と判断されました。

バオバブの木の天敵

バオバブの木はとても長生き出来る種なのですが、天敵が多いです。干ばつともなると色々な動物達が、水を求めてバオバブの木を齧ります。アフリカに自生するバオバブの一番の天敵はゾウ。牙で幹に穴をあけ、内部の水を飲み干してしまうのだそう。

バオバブ街道は世界的に有名な観光地

バオバブの木は広くマダガスカル中に生息しますが、一番有名なのは島の西海岸部にある港町、ムルンダバ周辺です。もともと熱帯雨林だった地域で、多くの樹木が伐採されていく中、信仰の対象であったバオバブの木だけが残されました。

何もない所にバオバブの木だけが並ぶので、バオバブ街道と呼ばれています。バオバブ街道の光景は、世界広しとは言えマダガスカルでしか見る事の出来ない不思議な景色。世界中からの観光客を引き寄せる、マダガスカル一の観光地です。

バオバブ街道への行き方

バオバブ街道はムルンダバの街から16km離れた場所にあます。タクシーの運転手さんと値段交渉して連れて行って貰いましょう。街に降り立った瞬間からタクシー運転手さんが売り込みに来るかと思います。

全く舗装されていない道を、かなり年代物のジープで行くのでメチャクチャに揺れます。時間にして40分位でしょうか。全身が筋肉痛になる程のガタガタ道でした。タクシーを選ぶ時は値段も重要ですが車もきちんと見せて貰いましょう。出来るだけ新しそうな車を選ぶのも大切だと思います。

バオバブ街道には、多くの観光客が居ました。皆さん少しヨロヨロと歩いてたのは、きっとあのガタガタ道のせいなのでしょう。人生初の、今まで経験した事がない程のガタガタ道でした。覚悟して下さい。

マダガスカルの愛し合うバオバブの木

バオバブ街道の後は、愛し合うバオバブの木を見に行きました。人生で二番目位のガタガタ道を行きます。2本の太い幹が絡まって、確かに愛し合っているバオバブでした。

星の王子様とバオバブの木

バオバブの木は、有名なサン・テグジュペリの本、星の王子様にも登場します。王子様が住む星はとても小さく、バオバブの木はとても大きく成長します。バオバブの木を放置すると星を破壊してしまうので、王子様は毎朝、自分の星にバオバブの芽を見つけると急いで取り覗きます。

バオバブの木を悪の象徴として描くこの本を、小さい頃から愛読しているからでしょうか。独特な形相をしたバオバブの木を見ていると、何だか邪悪なものを見ているかのような、不安な気持ちにもなりました。

スーパーフードとしてのバオバブの木

最近バオバブはスーパーフードとして注目を浴びています。バオバブの実は食物繊維、ビタミン、ミネラル、カルシウム、カリウムが豊富で、マグネシウムやビタミンB1、B12などもバランスよく含まれています。

バオバブの木は、乾季に落葉し実をつけます。最初はアーモンドぐらいの大きさしかありませんが、時間をかけて20cm位まで成長します。実を包んでいる堅い殻を割ると、中にはカットされた白いスポンジのような果肉がぎっしり詰まっています。

カラカラに実が乾いているのは、幹の内部に水を貯め込む際、果実の水分まで奪っていく為。実が大きくなるにつれ自然に乾燥していくので、全てのエキスと栄養素が濃縮された、パワフルな果実となります。

既にアフリカ大陸では、フランスやイギリスの会社がバオバブの実をパウダーにして世界中に輸出しています。スーパーフードとして最近メキメキと知名度を上げてきているのです。

バオバブは果実だけでなく、葉や種にもビタミンやミネラルが豊富に含まれます。柔らかい若葉や新芽は野菜として、葉は粉末にして調味料として、種は炒ってコーヒー豆のように使ったり、絞って食用油にします。

バオバブとマダガスカル島の人達の関係

星の王子様の物語の中では悪者扱いのバオバブの木。でも実際のバオバブは、悪どころか地元の人達から神に近い扱いを受けている木です。ビタミン豊富な貴重な食料としてだけでなく、抗炎症、抗酸化作用もあるので医療にも用いられます。

昔から基本的に病名の無い病気はバオバブの実で治す、としている部族が多いんです。だからこそマダガスカル島の人達は常にバオバブの木の近くに住居を構え、精霊の宿る木として崇め讃えてきました。

大古の時代から人々の体と心を支え続けてきたバオバブの木。世の中には数多くのスーパーフードが存在しますが、このバオバブこそが真のスーパーフードなのかもしれません。

マダガスカルの市場でバオバブ探索

せっかくマダガスカルまで来たからには、何としてでもこのスーパーフードを食べたい。いや、食べなくてはならぬ。そんな強い使命感に燃えながら、市場へと向かいました。まだ落葉していない時期だったので、葉にターゲットを絞って市場の中をグルグルします。

言葉が全く通じなかったので、怪しいと思われる緑色の物体を見かける度に指をさし、バオバブの木の絵を見せました。私が書いた稚拙な絵でも、バオバブは独特な容姿をしているので皆さん直ぐに理解してくれました。

遠目に見て、バオバブにとても良く似ている葉を見つけました。でも残念な事にキャッサバの葉でした。日本で大ブームとなったタピオカの元になるイモの葉です。

キャッサバは干ばつに強く病気にも耐性があるので、マダガスカルでも広く浸透し、良く食べられている食材です。マダガスカルではイモよりも葉の方が人気があるようでした。

バオバブの葉を全く見つける事が出来なかったので断念し、今度は果実を探してみました。茶色のスウェードに覆われたラグビーボールのような形の実です。季節的に難しいとは思ったのですが、スポンジ状の果実をパウダーにして保存食にするので、中身だけなら売られているのではないかと期待したのです。

市場で多く売られていたのはパイナップル、パパイヤ、スイカ、マンゴー、バナナ。バオバブの絵を見せながら聞き取り調査を進めたのですが、皆さん笑顔で首を振るばかり。葉のみならず実でも惨敗してしまいました。

マダガスカルのバオバブの味

落胆してホテルに帰る途中のアイス屋さんで、バオバブの実で作ったアイスを見つけました。終に世界中から注目を浴びるスーパーフード、バオバブとの遭遇です。ほんのりとした甘酸っぱさ、例えるならグレープフルーツのような味。

目を閉じてバオバブの木を思い起こしながら食べてみたら、大地のエネルギーが体中に流れ込んで来るような気分になりました。私の思い込みが激しかっただけではないと思います。

バオバブの実にはオレンジ3個分のビタミンC、牛乳の4倍のカルシウム、ごぼうの7倍の食物繊維、赤身肉の2倍の鉄分、若さを保つのに不可欠な抗酸化物質はザクロの7倍含まれています。

とてもパワフルなスーパーフードなので、口にしただけで体中の細胞が喜んだのだと思います。バオバブの果肉はパウダーにして、ミルクや水に溶いてバオバブジュースとして飲む事が多いのだそう。

アイスを食べた時、何だか既視感のある味だと思っていたら、マダガスカル初日にウェルカムドリンクとして飲んだ白いジュースの味でした。どうやら知らない内にバオバブとの接触は果たしていたようです。事前に説明してくれていたら、写真を撮っていたのにと悔しく思いました。

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