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モロッコのシャフシャウエン、モロッコの有名な青い町の見所、楽しみ方、郷土料理

   

モロッコの青い街シャフシャウエン

スペイン在住20年のフードライターが、世界中を食べ尽くすの記録。今回はモロッコの幻想的なブルーの街、シャフシャウエンを紹介します。世界100ヵ国以上を旅して気づいたのは、どの街にも必ず素晴らしい景色と美味しい食べ物が存在するという事。

だからもし貴方がその街に何も見つけられなかったとしたら、ただ単に歩く量が少なかったからなのかもしれません。だからこそ「どこが一番良かった?」と聞かれるのが一番返答に困ります。どの国のどの場所も甲乙がつけ難いからです。

とは言え、やはりお気に入りの場所は存在します。私の場合はシャフシャウエン。アフリカのモロッコ北部、リーフ山地の中腹に位置する、青い町並みで有名な場所です。

余りにもお気に入りが過ぎて、つい2か月も滞在してしまいました。美しくて、美味しくて、物価が安くて、治安が良い。嫌いになる要素が全く見つからない、本当に稀有な町でした。

シャフシャウエンの街は何故青いのか

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シャフシャウエンのメディナと呼ばれる旧市街は、何もかもが青いです。建物の壁、ドアや窓、階段、見渡す限りがブルーの世界。坂や小道の多い、迷路のような旧市街をぐるっと一周するだけで、この美しいシャフシャウエンの街にすっかり恋に落ちてしまうのではないでしょうか。

シャフシャウエンの建物が青く塗られているのは、スペインから追われたユダヤ人がこの町に多く移り住んだからです。ユダヤ教の人達にとって、ブルーは天や神を示す神聖で大切な色。自分達のアイデンティティーを忘れないように、自分の家の壁を青く塗ったのが始まりだとされています。

シャフシャウエンの青色の塗料

散歩中に壁を塗りなおしていたお母さんを見かけました。ペンキではなく色付きの石灰を水で溶いて使っているのだそう。町中で色々なカラーの石灰を売っているお店を見つけました。おのおのが自分好みのブルーで家を塗るから、こんなにも幻想的な青のグラデーションの町が出来上がったのです。

シャフシャウエンとスペイン語

モロッコの公用語はアラビア語とベルベル語です。1956年までフランスの植民地だったので、フランス語が達者な人も多いです。モロッコ北部は地理的にスペインに近いので、スペイン語を喋る人も多いです。

シャフシャウエンは1920年から数十年間、スペイン領モロッコとして占領されていました。その頃の名残がまだあって、多くの人がスペイン語を話します。基本的にモロッコ人は語学に優れている人が多いので、何か国語かを喋る人が殆どです。

シャフシャウエンにはスペイン人観光客を筆頭に、多くのヨーロッパ人観光客が訪れます。あまりの居心地の良さに住み着いてしまった人も沢山いるのだそう。その為か、シャフシャウエンの街はアフリカでありながら何ともヨーロッパ的な雰囲気を持ちます。それが安心感をもたらして、居心地の良さに繋がるのかも知れません。

シャフシャウエンのお土産

シャフシャウエンは手工芸品に携わる人が多い事でも有名です。土産物屋を見て周るのが本当に楽しい場所。木工品、毛織物、籠、革製品。全てがモロッコらしいカラフルさで、何もかもが可愛かったです。

何よりも嬉しいのが全てが適正価格である事。中には値札が付いている店もありました。モロッコでは価格交渉が何事にも要求されます。適正価格で何事もすんなり購入できるのは、モロッコでは本当に珍しい現象です。

だからこそモロッコでお土産を購入するならシャフシャウエンが一番おすすめ。シャフシャウエンで一番注意しなければならないのは、スリやぼったくりではなく、自身が緩める財布の紐なのかも知れません。

シャフシャウエンとマリファナ

シャフシャウエンは山に囲まれているので、少し町から外れただけで、まるでトレッキングコースを歩いているかの雰囲気になります。腰を下ろして休憩すれば、何処からともなくヤギが近寄ってくるはず。

シャフシャウエンはヤギのチーズが名産なので、周辺はヤギだらけなのです。長閑で素敵な景色が続きますが、偶に足を踏み入れてはならない場所に遭遇する場合もあるので注意が必要。

シャフシャウエンは有名なマリファナの産地。少し山奥に入るとマリファナが植えられていたりします。街中でも売人が声をかけてきますが、君子危うきに近寄らずの精神で徹底的に避けましょう。

モロッコのシャフシャウエンへの行き方

シャフシャウエンは深い山間の、とても交通不便な所にあります。鉄道は通っていないので、公共のバスかタクシーをチャーターして行きます。ただ4~5時間走らければならないので、日本に比べて物価が安いモロッコとは言え、タクシーをチャーターするのはかなりの高額になるかと思います。

モロッコのタクシーは便利ではあるけれど、お金のトラブルが多いです。タクシーを利用する際は事前の金額交渉をしっかりしましょう。個人的にはこれだけ長距離の移動なら、公共のバスを利用するのが一番だと思います。

モロッコの国営バス会社はCTM。モロッコ全土を網羅しています。シャフシャウエンへ行くなら、モロッコの空の玄関口であるカサブランカかフェズからCTMを使って行くのが一番おすすめ。どちらの街からも、一日に何本かバスが出ています。

CTM社のHPで時刻と値段を確認してから、バスステーションでチケットを購入しましょう。フランス語のみのHPですが、上の段の出発地にフェズ (Fes) またはカサブランカ (Casablanca) と入れ、下の段の到着地にシャフシャウエン(Chefchaouen) と入れれば時刻と値段が出てきます。

シャフシャウエンの素晴らしさ

私はフェズからシャフシャウエンまで公共のバスを使いました。グネグネとした山道を4時間半。町に辿り着いた時、私はすっかり車酔いでぐったりしていました。モロッコは命に係わる危険は少ない国ですが、ぼったくりが日常的です。

しつこい物売りや物乞いにも苦労させられます。特に被害を被りやすいのが、知らない町に降り立つ初日のバスターミナル。何時も気持ちを引き締めて、戦場に降り立つぐらいの意気込みで臨みます。

シャフシャウエンに到着した時、酷くバス酔いしていた私は、全くの無防備でした。バスターミナルのベンチに座り込みながら、数秒後に押し寄せてくるだろう物売り&物乞い攻撃に備えたのに、全くそんな状況にならないんです。

見るからに外国人、しかも何だか弱っている観光客。モロッコにおいて、そんな私は完璧な鴨ネギであったはずなのに、シャフシャウエンでは誰も近寄ってこなかったんです。暫くして落ち着いたので、予約していた宿を探す為に歩き始めました。

その時、道を尋ねる為に自ら人に近づきました。モロッコに足を踏み入れてから、久しくしていなかった行為です。しかもシャフシャウエンの人達は、道を教えてくれた後、お金を請求してこないんです。

これが他のモロッコの都市であったら、聞いてもいないのに色々な情報を浴びせられ、振り切っても拒絶しても後を付いて来られ、どうにか自力で見つけた宿に入る際、当然のようにガイド料と道案内料を請求されていたはずです。

それがモロッコの通常なのに、シャフシャウエンでは全くそのような事態が起こりません。最近モロッコでは観光客を誘致する為に、警察の取り締まりが厳しくなりました。どの街でもモロッコ人が観光客に必要以上に接する事が禁じられています。

そのお陰で以前では考えられないほど、観光客に対する態度が改善されました。シャフシャウエンの人達は、そんな法律が出来る前から、全く裏の無い親切さで接してくれます。美しい景色は勿論ですが、人々の親切さもシャフシャウエンの大きな魅力の一つだと思います。

シャフシャウエンを代表する食べ物

シャフシャウエンを訪れたら、絶対に食べなくてはならないのがヤギのチーズ。とても評価の高いチーズなのですが、シャフシャウエンでしか食べる事が出来ません。個人経営の手作りチーズなので、町の外では売られていないんです。

無添加のフレッシュタイプのチーズでもあるので、お土産にするのも難しい。ヤギの乳なので少し癖はありますが、フレッシュタイプなのでそう気にはなりません。素朴な味の美味しいチーズで、作る人によって塩加減や固さが異なるので、色々と食べ比べてみるのが楽しいかと思います。

シャフシャウエンで売られているパンは、丸いタイプが主流で、中に切れ目を入れて色々な具を詰め込んで食べます。このパンを買ってチーズ屋に差し出せば、購入したチーズを崩しながらパンの中に詰め込んでくれます。

美味しいモロッコ料理

遥々モロッコまで来たからには、シャフシャウエンの名物だけでなく、美味しいモロッコ料理も堪能しましょう。おすすめの美味しいモロッコ料理を厳選し別記事にまとめました。モロッコの食べ物は何を食べても驚愕する美味しさです。

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