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スペインの白い村15選、アンダルシアの美しい白い村

      2022/02/04

スペイン在住20年のフードライターが、スペインに関するあれこれを解説するブログです。今回はスペイン観光の目玉となる、アンダルシア地方でおすすめの美しい白い村を15か所紹介します。

ロンダ

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スペインのアンダルシア地方の白い村巡りで、拠点としておすすめしたいのがロンダ(Ronda)の街。美しいだけでなく、アクセスが良く、程よい大きさで、何もかも揃っているので滞在が便利で楽しいです。

そしてロンダはただの「白い村」ではありません。スペイン南部のアンダルシア地方を代表する一大観光地。白い村である事以上に、沢山の魅力を抱える町です。ロンダの一番の魅力は、海抜739mの断崖の上に作られた空中都市である事。

白い村、と言うよりかなり大きな町ですが、旧市街がコンパクトに固まっているので村的なのんびりした雰囲気しかありません。旧市街には白壁の美しい家々、石畳、教会、城壁などが中世そのままの形で凍結されています。

ロンダの町の歴史は古く、近辺で洞窟壁画が見つかったことから、新石器時代から人が定住していたとされています。闘牛が生まれた町としても有名で、世界で一番美しい闘牛場もあります。

山賊の町としても有名で、つい最近まで山賊最後の子孫が生きていました。ロンダは食べ物が美味しい事も大きな魅力の一つで、更にはどのレストランも質が良く安価です。安宿も多いので、ロンダを拠点にして周辺に散らばる白い村を訪れるのが一番ベストな形だと思います。

アンダルシア地方には沢山の美しい白い村がありますが、時間の関係で一個しか白い村を訪れる事が出来ないなら、ロンダ一択だと思います。白い村のくくりだけでも満足出来る美しさで、+アルファの魅力が満載過ぎます。

交通の便が良い事もポイント高く、電車、バスなどの公共の交通手段が使えるのでレンタカーがなくても大丈夫。車で行く場合は海沿いから行くより、マラガから内陸部の高速で行きましょう。

海からロンダへと続く道はヘアピンカーブの連続で、更には断崖絶壁なのでスリリングが過ぎます。ロンダに関する詳しい情報は別記事でまとめてあります。

ミハス・プエブロ

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時間は全くないけれど、どうにかして白い村を見てみたい。そんな人にはミハス・プエブロ(Mijas Pueblo) をお勧めします。マラガから1時間ほどの場所にあり、電車とバスで簡単に行けます。本数も多い。

通常白い村は山間の辺鄙な場所にあるので、レンタカーでないと訪れる事が出来ないケースが多いです。ミハス・プエブロは全く反対で、小さな村の駐車場は直ぐ満車になってしまうので、車ではなくバスで行った方がいいです。

何処を見ても真っ白な小さな村は、常に日本人と中国人の観光客で溢れています。中国ではドラマの撮影、日本では車のCMに使われた事から「スペインの白い村と言えばミハス」のような風潮が生まれました。

ミハス・プエブロはロバのタクシーでも有名です。観光客の為に存在しているような村で、小さい村ながらレストランやお土産物屋が多いです。日本人がイメージする白い村そのままですが、村の素朴さは皆無です。

セテニル・デ・ラス・ボデガス

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アンダルシアに沢山ある「白い村」の中で、異質の魅力を放つのがセテニル・デ・ラス・ボデガス (Setenil de las Bodegas) です。アンダルシア地方を代表する「美しい白い村」であると同時に「洞窟の中に造られた村」としても有名です。

浸食された岩の下に、多くの家が建てられています。このような洞窟住宅は、夏は涼しく、冬は暖かで大変快適なのだそう。とても珍しい景色で、アンダルシア地方の隠れた宝石だと思います。

観光客は結構いるのですが、観光化されていないので、村の人達のそのままの生活を見る事が出来るのもポイントが高いです。レストランやBARも常に地元の人達で賑わっています。

とてもお勧めの白い村ですが、レンタカーは絶対必要です。セテニル・デ・ラス・ボデガス周辺には、魅力ある白い村々が沢山あるので、ゆっくり車を走らせて、自分好みの白い村を見つけるのが楽しいかと思います。

オルベラ

アンダルシアの村は基本的に何処も白いです。白いからと言ってどの村も美しい訳ではないので、ある程度目星を付けて訪れるのが一番です。おすすめはカディス県。美しい白い村が沢山ある事で有名な地域で、その中でも飛びぬけて美しいとされるのがオルベラ(Olvera)です。

何処か気品を放つオルベラの白い村は、小高い山の上にあります。遠くからも良く見える、教会の美しい二つの鐘の塔が目印です。白い村も勿論素敵ですが、オルベラの村から見下ろす、広大で荒涼としたアンダルシアの大地も素晴らしいです。

オルベラの村は散歩するのが本当に楽しい。白壁、窓枠の黄色、鉄格子の黒、石畳、狭い小道の向こうに見える教会。何処もかしこも本当に絵になる村です。美味しいレストランも多いので、一泊するのもお勧め。

カルモナ

日本人観光客から絶大な人気を誇るのが、カルモナ(Carmona)の白い村です。日本人観光客だけが圧倒的に多い村で、その人気の秘密はひまわり。カルモナには絶対に初夏を狙って訪れて下さい。村の周りにヒマワリ畑が広がります。

ひまわりが作る圧巻の黄色の絨毯は、規模的にはコルドバ周辺の方が大きいのですが、カルモナだと白い村を背景にヒマワリ畑を写真に収める事が出来ます。初夏にアンダルシアを訪れるなら、絶対訪れたい場所です。

カルモナは村自体の魅力も素晴らしいです。中世の村そのままなので、スペインの歴史ドラマや映画の撮影地となる事が多いです。アンダルシア地方の観光の拠点となるセビリヤから30キロの場所にあり、バスが一時間おきに出てるのでレンタカーなくても大丈夫。

スペイン南部特有の明るさに加えて、多くの貴族が住んでいた高貴さが至る所に漂う、本当に美しい村です。個人的にはカルモナ最大の魅力はパラドール(Parador)。パラドールとは歴史ある本物の城や修道院を改装した国営ホテルを意味します。

カルモナのは14世紀の王、ペドロ1世の城を改装して出来上がりました。青池保子さんの漫画「王城アルカサル」のファンには聖地のようなもの。ちなみにこの城に初めて宿泊した日本人は天正遣欧少年使節です。高台にあるので見晴らしも抜群。宿泊が無理でも食事かお茶で是非訪れて下さい。

サーラ・デ・ラ・シエラ

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サーラ・デ・ラ・シエラ (Zahara de la Sierra) の白い村は、エメラルドに輝く湖のほとりにある、小高い丘の上にあります。てっぺんに城、その下に雪崩のように白い家が連なっています。

サーラ・デ・ラ・シエラの村は、湖を挟んで遠くから眺めるのが一番素敵です。湖は人口のダムで、時々凄い勢いで放水されています。スペインのアンダルシア地方の典型的な白い村で、何も見るものはありませんが、凄く本当に白い村です。

ベヘール・デ・ラ・フロンテーラ

カディス県の大西洋沿いにあるベヘール・デ・ラ・フロンテーラ (Vejer de la Frontera) も大変お勧めの美しい白い村です。近くにはスペインで一番美しいビーチがあり、マグロ漁業でも有名な地域なのでグルメも楽しいです。

基本的に白い村は山間にあるのですが、ベヘール・デ・ラ・フロンテーラはかなり海岸沿いに近い場所にあります。その為か、何だか明るい解放感があり、更にはフランス人が多く移住する村なので、至る所がそこはかとなくオシャレです。

レンタカーで旅する楽しさは、公共の交通網では行けない場所に行けること。カディス周辺には人の手が全く入っていない素晴らしい自然のビーチが沢山あります。魚介類も安くて美味しいので、ビーチと白い村を組み合わせて廻ってもいいと思います。

アンテケーラ

マラガから50kmの所にある、アンダルシア地方の交通の要がアンテケーラ (Antequera)の村。多くの人が車で通るのに、誰も余り立ち止まらない。それでは勿体なさすぎる美しくて居心地の良い村です。

規模的には町ですが、何処を見ても白く村的雰囲気が漂います。アンテケーラは白い村である事よりも、世界遺産にもなっている考古学遺跡、ドルメンがある事で有名です。

アンテケーラはお菓子の街とも呼ばれていて、スペインの定番クリスマスの焼き菓子、マンテカードス(Mantecados)の産地です。アンテケーラのパンもアンダルシアの朝食に欠かせないもので、色々とグルメが楽しい場所。

全く観光地化されていないのに、一大観光地のように整っているのが素晴らしいです。居心地も抜群。過小評価され過ぎているアンテケーラを、白い村めぐりの拠点としても賢いと思います。

グラサラレマ

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グラサラレマ (Grazalema)も大変おすすめの白い村。通常は一つの村を1時間ほど散策して次の村に移る、それが「白い村巡り」の正しい形なのだと思います。でもグラサレマだけは何泊かゆっくり滞在してもらいたい。

グラサレマの村は「白い村」のカテゴリー以上に「トレッキングの村」として有名です。アンダルシアで一番の素晴らしい大自然に囲まれています。アンダルシア地方は月のような岩肌と万年の水不足で乾いた土地が有名。でもグラサレマ山脈自然公園は全く違います。

意外にもスペインで一番降水量が多い地域なので、スペイン人ですら驚いてしまうほど緑溢れる場所です。とは言っても岩肌も多く、緑あふれる月みたいな不思議で素敵な光景を堪能できます。

自然だけでなく村自体も素朴でとっても可愛らしい。手作りお菓子屋さん、美味しいレストランもあります。個人的にアンダルシアで一番おすすめの村かもしれません。

フリヒリアーナ

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「スペインで一番美しい白い村」とされるのがフリヒリアーナ (Frigiliana)の白い村。個人的には賛成しかねますが、一番にひっかかるだけで、美しい白い村である事は否定しません。

フリヒリアーナのあるネルハ県はアンダルシア地方の穴場です。マラガ程ひらけてないけどアルメニアほど田舎でもない。物価が安く、観光地化もそれほど酷くない。地中海は美しく、ほどほどのリゾート感もあります。ゆっくりするには最適な場所だと思います。

ネルハにはアンダルシアを代表する観光地、ネルハの洞窟があります。二万年前の新人類、クロマニョン人が住んでいたとされる洞窟で、ヨーロッパ最大級の規模。全長800m、高さ60メートルの滝がある空間には舞台が作られ、国際武道音楽祭なども開催されます。もう圧巻の一言。

カサレス

典型的過ぎるスペインの白い村がカサレス (Casares)です。何処から見ても絵になる村で、「白い村」の代表格。ほどほどに観光地化されているので、レストランやお土産屋さんもあります。

モンテフリオ

モンテフリオ (Montefrio)は、グラナダ県を代表する白い村。そそり立つ崖の上に立つ教会、その下に、まるでスカートの裾のように白い家々がまとわりつきます。その美しさから多くのCMの舞台となりました。

交通の便が悪いので、レンタカーで訪れましょう。スペイン観光でアルハンブラ宮殿のあるグラナダは絶対に外せない街です。グラナダを拠点にして周辺の白い村を訪れるのもいいかもしれません。

モハカール

アルメリア県にあるモハカール (Mojacar) の白い村の最大の魅力は、村から海と山が見渡せること。小高い丘の表面全てに張り付く、何とも不思議な迫力のある白い村は、村の外の遠くから全景でカメラに収めたい場所です。

アルメリア県は観光地化され過ぎた他のアンダルシア地方の海岸線の中で、今なお昔ながらのアンダルシアそのままで生きてる地域。多くの西部劇が撮影されるほど荒涼とした景色も有名です。素朴な迫力がある土地なのでレンタカーがあるなら是非。

ウベダ

ハエン地方を代表する白い村がウベダ (Ubeda)です。ハエン県はオリーブの産地で、世界最高峰のオリーブオイルが生み出される土地。ハエンのオリーブオイルは王室御用達です。その為か、何だか高貴な香りが漂う村が多いです。

ウベダは白い村ではありますが、純粋な白い村と言うより、スペイン中央部の雰囲気も兼ね合わせます。ウベダの村は2003年に世界遺産にも登録されました。スペインを代表するルネッサンス建築様式を見れる場所でもあります。白い村が売りと言うよりも、高貴な人の忘れ形見、みたいな気品が漂う村です。

フスカール

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白い村ではなく青い村がフスカール (Juzcar)。かつてスマーフの村として有名でした。スマーフとはアニメのキャラクターで、ヨーロッパのどこかの森の中に住んでいる青い肌をした小人のこと。日本ではチーズのキャラクターとして有名です。

スマーフのイメージ通りに村中が青く塗られ、スマーフが街の至る所でお出迎え、がコンセプトの村だったのですが経済的な理由で2017年からスマーフを語れなくなりました。現在スマーフはいないのですが、まだ青い事は青いので、話のネタで行くのも楽しいかと思います。

スペインの白い村は何故白いのか

スペインの名物でもある白い村。何故白く塗られるようになったのでしょうか。スペインの白い村に関するあれこれを別記事でまとめました。

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