スウェーデン料理とは何なのか。スウェーデンでパーティ料理の主役はホットスモークサーモン。
2017/04/18
スウェーデンのおもてなし料理の基本はサーモン。中でも一番の確立で遭遇するのがスモークサーモンです。日本でもお馴染みの食材ですが、スウェーデンで食べたスモークサーモン、日本人が想像するスモークサーモンとは全く別のものでした。ヨーロッパ在住18年目のフードライターです。世界中で素敵な人達に出会いながら、世界中を食べ尽す旅に出ています。スウェーデン人の家庭にホームステイしながらスウェーデンの暮らしを学びました。今回はホットスモークサーモンについて。
北欧以外の国では余り馴染みのない、ホットスモークサーモン
スウェーデンと言うよりか北欧と言ったらサーモンです。もう絶対に確実にサーモン。北欧の人達は本当にサーモンが大好きで、何かのパーティ、おもてなし料理で必ず登場するのもサーモンです。サーモンの中でも北欧で好んで食べられているのがホットスモークサーモン。私は初めて聞いたのですが世界的に知られているスモークサーモンとは別の食べ物です。
スモークはされているのでスモークサーモンには変わりないのですが私達が食べなれた生タイプではありません。ホットがつくスモークサーモンとは一体ナニモノなのでしょうか。答えは「とても高温の燻製釜の中で塩漬けしたサーモンを燻製にしたもの」です。肉厚の魚にはしっかり火が通っていて、スモークの香りがたっぷり。それがホットスモークサーモンです。
美味しくて手間いらず、メイン料理にもなれるホットスモークサーモンの凄さ
私はスウェーデンに来るまでスモークサーモンが2種類あるなんて知りませんでした。コールドスモークサーモンとホットスモークサーモン。私が住んでいるスペインでスモークサーモンと言えば生タイプでスモークの香りが付いている、日本でもおなじみのコールドスモークサーモンです。
初めて食べたホットスモークサーモン。これがまた癖になるぐらい本当に美味しかった。肉はかなり厚めで、焼き魚より若干パサついている感じ。でも良い感じに脂がのっているので全く気になりません。そして香料とスモークの強い香りがします。
ホットスモークサーモンはコールドスモークサーモンより価格が高いけれど、私は断然ホットスモークサーモン派。柔らかく脂ののった、ローストビーフのサーモン版みたいなホットスモークサーモン。コールドスモークサーモンは前菜にしかなりえないけど、ホットスモークサーモンは立派なメイン料理になれます。お味も素晴らしいので、お気に入りのスウェーデン料理の一つとなりました。
スウェーデンのおもてなしに欠かせない食材はワイルドオニオン
ホットスモークサーモンはそのまま食べても美味しいけれど、モニカの家ではサーモンの上にたっぷりワイルドオニオンを乗せて食べていました。ワイルドオニオンはネギとニラの中間のような味の野菜です。とても可愛らしい丸い紫色の花が咲くので、お花はデコレーションに使うのだそう。
味もよく、見た目も華やかなワイルドオニオン。スウェーデン人のお気に入りの食材の一つで、どお家の庭にもワイルドオニオンは必ず植えてありました。
それにこのワイルドオニオン。紫色の丸っこいとても可愛らしい花が咲くんです。この花をメイン料理の飾りに使ったり、食卓に飾ったり、とにかくスウェーデン人はワイルドオニオン、めっちゃくちゃ活用してます。
北欧で欠かせない食材はディル。もう何が何でもディル。
ホットスモークサーモンを食べる時、ホームスティ先のお母さん、モニカは何時もこのソースを作ります。サワークリームに細かく刻んだフェタチーズとセリ科のハーブ、ディルを混ぜただけの簡単ソース。
スウェーデンのサーモンはとても脂がのっているので、このソースの爽やかな酸味がとても良い仕事をします。ワイルドオニオンと同様ディルもスウェーデンを代表する素材。独特の香りと軽い辛味のあるディルは魚との相性がとても良いので「魚のハーブ」とも呼ばれています。
でも魚に限らずスウェーデン人は何にでもディルを入れちゃいますね。スウェーデン人は本当にディルが大好きなんです。主食として食べる茹でたポテトにもディルがたっぷりとかかっていました。
魅力たくさんスウェーデンでのホームスティはまだまだ続く
サーモン料理はピンクのスパークリングワインと一緒に食べるのがモニカ流。ちょっと甘めの飲みやすいスパークリングワイン。夏はやっぱりスパークリングが最高です。
ひょんなきっかけで始ったスウェーデン家庭でのホームステイ。モニカ先生、私にもっと色々なスウェーデン料理を食べさせたいらしいので、暫くこの絵本のようなお家にお世話になる事になりました。今後のレシピ、お楽しみに!
長くつ下のピッピを探しにスウェーデン。ここでも沢山の素晴らしい人達に巡り合いました。この世界は本当に、素敵な人、優しい人達で溢れています。(つづく)