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美味しいキプロス料理、有名なキプロスの食べ物、おすすめのキプロス島

      2022/01/13

世界100ヵ国以上を食べ尽くしたフードライターが、世界各国の食事情を紹介します。今回はトルコ南方の地中海に浮かぶ島、キプロス島に関する全て。キプロス島ではどのような料理が食べられているのでしょうか。

キプロスとはどんな国なのか

トルコの南65kmに浮かぶキプロス島は、ヨーロッパにおける海上交通の要のような場所なので、常に他国から干渉され続けてきました。1974年以降は南北に分裂され、島の北部40%はトルコのみが承認する独立国家、南部はトルコを除く国連192ヵ国が承認するキプロス共和国となっています。

複雑な問題を抱える島ではありますが治安の問題はなく、特に南部は多くの観光客が訪れる人気のリゾート島となっています。今回はキプロス共和国の食べ物にスポットを当てました。キプロスの歴史、治安、その他に関しては別記事で詳しくまとめてあります。

キプロス料理の特徴

南北に分裂されたキプロス島では、現在島の北部にトルコ系、南部にギリシャ系の人達が住んでいます。とは言え元々はトルコ系とギリシャ系の人達が混住する複合民族国家だったので、キプロス料理とはトルコとギリシャがミックスされた食べ物です。

世界三大料理とされるトルコ料理、ユネスコの無形文化遺産に登録されているギリシャ料理。キプロス料理は2つの名高いグルメのミックス版なので、控え目に言って最強です。見所満載のキプロス島ですが、食事の美味しさも大きな魅力の一つだと思います。

キプロス料理の特徴は、メゼと呼ばれる10種類以上の小皿料理でメニューが形成される事です。肉、魚介類、野菜、果物、チーズ、オリーブなどを使った色々な料理を、小皿で少しづつ楽しみます。

キプロス島で忘れてはならないのがワインの存在。キプロスは世界最古のワインの産地としても有名なんです。美味しい小皿料理と共に、歴史のあるワインを飲みながら、時間をたっぷりかけて食べるのがキプロス流の食事です。

小皿料理ではありますが、日本人的には一皿の量が多く、出てくる皿の数も多いです。小食の方なら最後の皿まで辿り着けないかもしれません。事前にメニューが何皿で構成されているのかチェックして、前半で食べ過ぎないようペース配分しながら食べましょう。

キプロス特有の食べ物

キプロス料理は何を食べても美味しいです。ギリシャ的要素の強いトルコ料理みたいな食べ物ですが、キプロス島特有のものも存在します。例えばハルミチーズ。ヤギと羊のミルクから作られる、セミハードタイプの熟成させないチーズです。

塩漬けにして作るので塩分が強く、食べた時にキュキュッとした独特の噛み応えがあります。面白い事にハルミチーズって、熱しても溶けない珍しいタイプのチーズなんです。その特徴を生かしてそのまま食べるより、焼き網に乗せて両面をあぶって焦げ目をつけて食べるのが一般的です。

最近は衣をつけて揚げて、甘酸っぱいバルサミコ酢のクリーム、または蜂蜜やジャムなんかと一緒に食べるのが流行っているのだそう。ハルミチーズ自体がかなり塩辛いチーズなので、甘いものと合わせるのはとても理に適っています。

ハルミチーズはそのままサラダに入れて食べたりもしますが、火を通す事がハルミチーズの面白さを一番味わえる調理法です。もしセットメニューの中に、火を通したハルミチーズがなかったら、別枠で注文して下さい。世界でキプロス島でしか食べられないチーズなので、必ず食べましょう。

キプロス島の世界最古のワイン

世界最古のワインと呼ばれるのが、キプロス島で生産されているコマンダリアのワイン。蜜のような甘さが特色のデザートワインで、大変人気が高く世界中へ輸出されています。

コマンダリアのワインは甘いので、塩辛いハルミチーズとの組み合わせが最高です。コマンダリアとハルミチーズは、キプロス島でしか出来ない最強の組み合わせです。コマンダリアワインに関しては別記事で詳しくまとめました。

キプロス料理の美味しさの秘密

キプロス島は地中海に囲まれているので、新鮮な魚介類が一番おすすめではありますが、肉料理も美味しいです。イスラム教徒が長きに渡って支配していた影響が残るので、一番食べられているのは羊の肉。

ただキプロス島南部のキプロス共和国では豚肉も普通に食べます。味付けは魚も肉もシンプルに荒塩だけの場合が多いです。素材が確かなので、素材の味だけで勝負するレストランが多いのだと思います。

キプロス料理の美味しさの秘密は、素材の質と豊かさ。更には調理法にあります。キプロス島の殆どのレストランが炭火焼きなんです。炭火でじっくり調理する料理は本当に美味しい。

何よりもキプロス料理を豊かにしているのは、ミックス加減でしょうか。ギリシャ料理とトルコ料理が混在していて、更には西欧の影響がとても強い。特にデザートはかなりヨーロッパ色が強いです。このミックスの加減が絶妙で、一番の美味しさの秘密なのだと思います。

キプロス島の物価

キプロス共和国は色々な事がヨーロッパとアジアの中間です。物価もしかり。ただ近年リゾート客がメキメキと増えていて、物価が急上昇中。西ヨーロッパに比べれば断然安いので、レストランでどんなに食べても懐に優しいかと思います。

レストランのレベルが高く、ヨーロッパよりも安い。ワインの聖地でもあるので、美味しいワインも楽しめます。最高峰の食材で作るスローフード、ヨーロッパとアジアがミックスした珍しくも美味しい食べ物を安価で楽しめる国、それがキプロス島です。グルメな人にとってキプロス島は天国みたいな場所だと思います。

キプロス島の今後

キプロス島は地球温暖化の影響を強く受けている国でもあります。昔は冬になると雪が降るほど寒かったのですが、最近では全く降りません。1995年頃から雨、そして雪不足による干ばつの被害がひどくなりました。

飲み水が不足したので、政府が貯水池の水をブドウ園の水源として使用する事を禁止したほどです。水不足の問題はとても深刻で、キプロス産のワインが今後どうなっていくのか懸念が残ります。

水不足に加えて、政情は安定しているものの、一つの島が二か国に分かれる、とてもイレギュラーな島です。治安は良いのですが政治的には不安定要素が大きい。北と南に断絶された2つの国が、今後どうなるのか大変気になります。

キプロス島への行き方

安くて美味しいキプロス島は、グルメさんに大変お勧めの国。紛争地帯ではあるのに、治安が良い不可思議さも興味深い国です。現段階で一番大きな問題はアクセスの悪さ。日本からの直行便がないので、トルコ経由かギリシア経由となります。

トルコ大好き人間としてはトルコ経由をおすすめしたいのですが、トルコの治安が不安定な時は、ギリシアとキプロス島を組み合わせるのが得策です。トルコに足を踏み入れる事なく、トルコやイスラム圏を身近に感じる事が出来ます。

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