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キプロスの治安、キプロス島の物価、キプロス共和国の歴史

   

キプロス島は魅力溢れる素敵な場所です。紛争地区でありながら治安の良い、大変珍しい国でもあります。まだ日本から訪れる観光客は少ないのですが、今後どんどん有名になっていくと思います。それだけポテンシャルの高い国。ヨーロッパ在住20年のフードライターが、素敵な人達に出会いながら、世界中を食べ尽くすの記録。今回は余り知られていない、ヨーロッパの超穴場的存在の、キプロス島の魅力に迫ります。

キプロスの複雑な歴史

キプロス共和国はトルコの南、東地中海に浮かぶ島です。地図を見れば一目瞭然で、ヨーロッパ、アジアそしてアフリカ文明の交差点として昔から重要な位置を占めてきました。

地中海で3番目に大きな島ですが、四国の半分くらいの大きさしかありません。そんな小さな国、キプロスの歴史はとても複雑で、常に色々な国の支配下に置かれてきました。

エジプトの支配、ギリシャの支配、ローマ属州時代、十字軍の支配、オスマン帝国の侵略、1960年に独立を果たすまでは、80年間に渡って大英帝国の植民地でした。

分裂されたキプロス

独立を果たした後もキプロスはとても複雑な状態でした。少数であったトルコ系住民が分離独立を目指し、1964年に内戦が発生します。1974年にはトルコ軍がキプロス島に軍事介入し、国土の38%に及ぶ島の北部を占領しました。その際多くの住民が虐殺され、行方不明となりました。

1983年、北キプロス・トルコ共和国を樹立し独立を宣言しますが、承認したのはトルコだけです。これ以上の衝突、混乱を避ける為、北キプロスと南キプロスの間には国連によってグリーンラインと呼ばれる停戦ラインがひかれました。300キロに渡って存在し、コンクリートや有刺鉄線、対戦車用の溝などからなるグリーンラインは、国連のキプロス平和維持軍によって今でもパトロールされています。

現在でもキプロス島は分裂されたままです。以前はギリシャ系住民とトルコ系住民が平和に混住する複合民族国家でした。現在では島の北部がトルコ系の人達、南部はギリシャ系の人達が住む、2つの単一民族国家が共存する島となっています。

北と南への往来が可能となったキプロス

2008年、内戦が勃発してから封鎖されていたニコシア・レドラ通りに検問所が設けられ、南北間の行き来が可能となりました。まだ分裂されたままではありますが、治安は良く普通に観光客が行き来しています。

ただ北と南を行き来するにはパスポートコントロールを通ります。特にギリシャを旅行したい観光客は注意が必要で、北キプロス入国のスタンプがパスポートにあるとギリシャに入国出来ない可能性があります。だまっているとパスポートに入国スタンプを押されてしまうので、別紙のわら半紙に押してもらいましょう。

北キプロスは世界中でトルコだけが存在を認めている国です。そのため北キプロスへの入出国には色々と注意が必要です。一番良い方法は、南キプロスから入って、再びまた南キプロスへ戻るルートかと思われます。

キプロス島の治安

残念ながらキプロス島は現在も続く紛争地区です。ただ紛争と聞くと危険な感じしかしないのですが、キプロス島は紛争地区でありながら、驚くほど治安が良いのが特徴です。

北キプロスと南キプロスは決して仲良くはないけれど、お互い我関せずのスタンスでキプロス島に共存している感じでしょうか。特にキプロス南部は殆どヨーロッパな感じで、実際に2004年にはEUにも加盟しました。

とは言っても紛争地区な事は事実です。美しくて、美味しくて、天気が良くて、物価が安い。人々だってメチャクチャ親切で何だかプラス要素しかない国なのですが、紛争地区である限り注意は必要です。

実際に旅をしての感想は、全くもって平和。特に南キプロスを旅する分には何も問題ないかと思います。北キプロスに関しても、治安の問題はない感じ。ただキプロスは北と南では印象が大きく異なります。北は少し遅れている感じで、何かと不便が多いです。

そしてパスポートを盗まれた、なんて場合は、北キプロスの場合は大きな問題となります。北キプロスではパスポートの発行が出来ないからです。北キプロスも不思議な魅力を持った魅力的な国ですが、大事をとって南キプロスだけに留まるか、南キプロスに滞在しながら、ちょっとだけ北キプロスに遊びに行くのが一番良い選択かなとは思います。

キプロス島はヴィーナスが生まれた場所

キプロスで有名なのは世界最古のワイン、コマンダリアです。蜂蜜のような甘さが特徴のデザートワインで、世界3大ワインの一つ。昔からとても評価の高いワインで、昔も今も世界中にコマンダリアワインのファンがいます。ワインに関してはこちらの記事に詳しく書きました。

コマンダリアの甘美な味は、愛と美の象徴であるヴィーナスのキスよりも甘いと形容されてきました。キプロスを語るのにヴィーナスが度々登場するのには理由があります。

皆さんボッティチェリの有名な絵、ヴィーナス誕生を思い出して下さい。海から貝殻に乗って裸で現れたヴィーナスはキプロス島の近くの海の水の泡から生まれたとされているからなんです。

キプロス共和国のグルメ

キプロスは食事の美味しさも魅力の一つです。世界的に定評のあるトルコ料理とギリシャ料理、2つの影響を色濃く受けた料理なので、美味しくないはずがない。ギリシャと同じくメゼと呼ばれる10種類以上の小皿で形成されるメニュー料理が特徴で、肉、魚介類、野菜、果物、オリーブ、そしてワインなどを時間をたっぷりかけて食べるのがキプロス風です。

小皿とは言いましたが、一皿ごとの量が多く、出てくる皿の枚数も多いので欲張って食べると最後までお腹が持ちません。何もかもが美味しいので、食べ過ぎないよう、ペース配分を忘れずに食べ切りましょう。

キプロス島をおすすめする理由

キプロスには何だって揃っています。ヴィーナスにまつわるあれこれ、世界遺産、素晴らしい遺跡の数々、美しい村々、透明度の高いビーチ、美味しい食事、そして何よりも気候が素晴らしいんです。

温暖な地中海性気候の影響で、一年に340日間もの陽光に恵まれた国。年間の日照時間は、なんとアフリカ大陸の平均より長いんです。太陽が大好きな北ヨーロッパの人達からの人気を集め、注目急上昇中のバカンス地となっています。

美しさや美味しさ、気候の良さに加えて物価が安いのも大きな魅力の一つ。目安としてギリシアとトルコの中間位でしょうか。そして島の人々がまた素晴らしいい。観光地ズレしていなく、気さくで素朴、人懐っこい。

観光客が求める全てが揃っているキプロス島。今後どんどんメジャーになっていくかと思います。だからこそ今、まだヨーロッパの超穴場であるうちに訪れて欲しいです。おすすめのキプロス料理に関してはこちらの記事でまとめました。

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