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スペイン料理のレシピ、アーモンドを大量消費出来る冷たいスープ

      2021/03/04

アーモンドには美肌、アンチエイジング、むくみ解消、便秘解消、冷え性や肩こりの改善、貧血予防、血中の善玉・悪玉コレステロール値のバランスを整えるなどの効果があります。美容と健康にとても良い食べ物なのに、日本ではお菓子く
らいにしか使われていないのが残念極まりない。アーモンドをたっぷり使った冷静スープのレシピです。簡単で、短時間で完成する美味しいスープ。

アーモンドのスープのレシピ

材料(4人分)
アーモンド 100グラム
固くなったパン 200グラム
水 様子を見ながら適量
塩 小さじ1
ワインビネガー 小さじ1
エキストラバージンオリーブオイル 150ml
ニンニク 1カケ


1  まずはアーモンドの皮を剥きます。沸騰させたお湯にアーモンドを入れ、2分程茹でます。ざるにあげて水を切り、触れるくらいに冷ましてからアーモンドの皮を指で前後にスライドさせるとスルっと剥けます。茹で汁は後で使うので捨てないで下さい。

2  乾燥しているスペインでは、パンは2日程経つと石のように固くなってしまいます。マサモラはそんな固くなって食べられなくなってしまったパンを救済する料理でもあります。

パンの中の白い部分だけをボールに入れ、先ほどのアーモンドを茹でた水を入れます。水は入れすぎないよう注意して下さい。パン屑が全体的に湿るぐらいで大丈夫です。パンはテレラと呼ばれるコルドバ名物のパンを使います。

このパンはコルドバの街でしか見かけない珍しいパンで、固い皮の中に、ぎっしり中身の詰まった密度の高いパンです。このパンで作らないとマサモラの味にならない、とコルドバの人達は言い 張りますが、普通の食パンやバゲットの中身でも代用出来ると思います。

ただテレラ以外のパンを使う場合は、分量より多目を意識して下さい。そしてテレラは殆ど味の無いパンなので、小麦粉やバターなどの風味が目立たないパンを選んで使用して下さい。

テレラと呼ばれるパン


3  強弱の調節がきくハンドミキサーが必要です。昔の人はモルテロと呼ばれるすり鉢のようなもので少しづつ攪拌しました。とても時間のかかる料理だったのですが、今ではハンドミキサーのお陰で10分もあれば作る事が出来ます。


4 ハンドミキサーが入る大きさの器に、皮を剥いたアーモンドとニンニク、水で湿らせたパン、ワインビネガー、塩を入れます。ハンドミキサーの最大パワーで全てがペースト状になるまで攪拌します。


5 一度ペースト状にしたら今度はハンドミキサーを一番弱いモードにします。オリーブオイルを少しづつ加えながら、ゆっくり攪拌します。この時、強い力でガーっと攪拌してしまうと、なめらかなクリーム状になりません。必ず弱い力で、少しづつゆっくり攪拌して下さい。

クリーム状になったら、アーモンドの茹で汁を少しづつ加え、自分好みの固さのスープに仕上げます。一般的にはスープとペーストの中間位がマサモラの正しい形です。


6 トッピングはお好みで。基本は茹で卵、黒いオリーブの実、生ハム、レーズンなどを細かく切って上に乗せます。マサモラの中には既に大量のオリーブオイルが入っていますが、コルドバの人達は更なるオリーブオイルをトッピングします。

暑い季節はパンの代わりにリンゴを使う事も多いです。ほんのりとした甘さと清涼感が加わり、こちらのバージョンもとても美味しいとの事でした。リンゴを使う場合はトッピングにレーズンなど甘い系を選べば、デザート風にもなります。

香ばしく濃厚で、お腹にずっしりくるアーモンドのスープ、と言うかピューレ。そのまま食べても勿論美味しいのですが、肉や野菜にかけてソースのように扱っても最高です。

スペインの郷土料理マサモラの歴史

スペインはキリスト教徒の国ですが、かつてイスラム勢力の支配下に入っていたことがあります。その為ヨーロッパにありながら、何処か異国の雰囲気を持つ国です。

特にスペイン南部のアンダルシア州に位置するコルドバの街は、イスラム文化の影響を色濃く受けた場所。イスラム王朝、後ウマイヤ朝の首都として栄えていたからです。

その繁栄ぶりは東ローマ帝国の首都、コンスタンティノープルと競う程で、当時の世界最大の人口を有していたとされます。そんなコルドバを代表する郷土料理がサルモレホ。冷たいトマトのスープです。

コルドバの人達だけでなく、観光客からも絶大な人気を誇る料理。でも歴史的にはそれほど古い料理ではありません。トマトの原産地は南アメリカのアンデス山脈。ヨーロッパ全土にトマトが広く普及し出したのは19世紀の後半です。

イタリアを始めヨーロッパにはトマトを使った料理が多いのですが、全てが歴史の浅い料理に分類されます。コルドバの郷土料理の中で最も歴史が深く、サルモレホの前身的料理とされるのが今回紹介したマサモラ(Mazamorra)です。アーモンドの冷製スープで、ローマ時代から食されていました。

作り方はサルモレホと全く同じ。ただトマトの代わりにアーモンドを使うだけです。サルモレホはコルドバの街ならどのレストランのメニューにもあり、県外にも普及してきている大変ポピュラーな料理。

対するマサモラは、コルドバ市内でも中々遭遇する事が難しいレアな食べ物です。ただコルドバの人達は、サルモレホは勿論マサモラも大好きなので、家庭の食卓には良く登場します。特に秋から冬にかけてアーモンドの収穫が始まると、このスープを食べる頻度が多くなるのだそう。

暑い夏を乗り切るレシピ

今回ご紹介したマサモラは、スペインの暑い夏を乗り切るのに最適なレシピです。体を冷やす冷たいレシピの代表格がモヒート。

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