世界食べ尽くしの旅 

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ハンガリーの名所30選、ハンガリーの世界遺産

      2022/02/04

ハンガリーは美しい景色と美味しいグルメ、親切な人達が魅力の国。世界中の観光客によるアンケートで「ヨーロッパで一番おすすめの場所」第1位に選ばれた、実力派の観光大国です。

ブダペストとドナウ川

ハンガリーの国の真ん中を貫いて流れるドナウ川。全長2,860kmの、ヨーロッパで二番目に長い大河です。ドイツ南部から東欧の10か国にまたがって流れ、昔から中央ヨーロッパの人々、文化、経済を繋いできました。

国を超え、歴史をも超えて悠然と流れるドナウ川は、「美しき青きドナウ」をはじめ多くの芸術家たちのインスピレーションの源となりました。ドナウ川沿いの街は何処も魅力的なのですが、ハンガリーの首都ブダペストの美しさは格別です。

古くからブダペストの街は、ドナウの真珠、ドナウの薔薇、ドナウの女王など、色々な呼び方で称えられてきました。ブダペストにとってドナウとは、愛しいものであると同時に克服すべきものでした。

ハンガリーの首都ブダペストは、1873年にドナウ川の東の平地にあったペストの街と、西の丘陵地域のブダの街を統合して生まれました。政治の中心であったブダと商業の中心であったペストを結ぶ計画は、15世紀以降何度も試みられてきたのですが、全て失敗に終わっていました。

ドナウ川は大雨や雪解けの影響を強く受ける川で、氾濫する事が多いです。日本の川は短く急勾配なので、被害は大きくても長引きません。ドナウ川はゆっくりと氾濫が進行し、なかなか水が引かない事が多いです。

ハンガリーの貴族であったセーチェニ伯は、父の訃報を受け取り急いで駆け付けようとしたのですが、増水の為ドナウ川を一週間以上渡る事が出来ませんでした。それを切っ掛けとし、私財を投じてドナウ川に橋をかける事に熱意を捧げたのです。

こうして有名なくさり橋が完成し、2つの街がやっと結ばれた事で、ブダペストの街も完成しました。ブダペストの街はドナウ川抜きに語る事は出来ません。色々な角度からドナウ川を愛でて下さい。

ドナウ川を知るには、クルーズするのが一番です。安いコースだと1600円台からあります。参考までに大手のクルーズ会社であるLegendaの価格表を貼り付けときます。https://legenda.hu/en/prices 

世界で一番のブタペストの夜景

ブダペストは夜景の美しさでも有名で、世界で一番の夜景とされています。勿論昼の顔も素晴らしいので、ブダペストはどんなに時間が無くても、必ず一泊はするべき場所です。

おすすめのブタペストの夜景を見る場所

ゲッレ―ルトの丘
ヨーロッパ屈指の夜景スポットです。夜景で有名な場所ですが、夕暮れ時に街が赤く染まっていくのも素敵です。観光客も多いのですが、地元のカップルで賑わうロマンティック全開の場所です。

ナイトクルーズ
色々なクルーズ会社がナイトクルーズを扱っています。ワンドリンク付きのコースから、本格的なディナーを楽しめるコースまで。夜景に集中出来ないので、個人的に食事なしコースの方がおすすめです。

昼に見るブダペストも素晴らしいのですが、キラキラ輝く光を従えた街も最高に美しいです。昼と夜、2回クルーズするのも絶対にあり。ナイトクルーズは夏でも冷えるので、防寒具は忘れないようにして下さい。

ハンガリーで温泉三昧

ハンガリーは世界有数の温泉大国です。特にブタペストは温泉が一番多く集まる場所で、市内だけで50近くの温泉施設があります。火山地帯でもないハンガリーに温泉があるのは、地殻の層が相対的に薄く地熱が高いので、地下水源が熱くなるからなのだそう。

火山性の温泉ではないので、お湯の温度は低めです。日本人には少し物足りないかもしれませんが、日本とは全く異なる雰囲気で温泉を味わうのも、貴重な体験となるはずです。

ハンガリーの温泉は水着着用で混浴が基本です。スパリゾートみたいな感じなので、ゆっくり滞在して温泉を楽しんで下さい。ビーチサンダルを忘れずに。

ブタペストでおすすめの温泉

セーチェニ温泉
ハンガリーを代表する温泉で、ヨーロッパ最大の規模を誇るのがセーチェーニ温泉 (Széchenyi gyógyfürdő) です。バロック・リバイバル様式で建てられた、まるで宮殿のような施設の中に、3つの露天風呂と15の屋内温泉を持ちます。

流れるプールなんかもあるのでテーマパークのようですが、カルシウムやマグネシウムを大量に含む、ちゃんとした温泉なので、関節炎や神経痛に良く効くのだそう。

ゲッレ―ルト温泉
ブタペストで最も美しい温泉とされるのが、グッレ―ルト温泉 (Gellert Gyogyfurdo) です。アールヌーボー様式の美術館のような建物の中に、水温の異なる13の温泉があります。

エステやマッサージなどもある高級ホテルに属した温泉ですが、宿泊客でなくても入場料を払えば使用する事が出来ます。波のプールまである、屋外の広々とした温泉も気持ち良いのですが、内部が特に素晴らしいです。

ハンガリーを代表する陶磁器、ジョルナイ製のタイルで装飾された浴場、神殿のような円柱に囲まれた浴場など、日本の温泉とは全く異なる雰囲気で温泉を満喫出来ます。

神経痛、関節痛、ヘルニアなどに効果があるとされ、夜景が素敵なゲッレ―ルトの丘のふもとにあるので、是非セットで訪れて下さい。

ルダッシュ温泉
16世紀のオスマントルコ統治時代に造られたルダッシュ温泉 (Rudasfürdő) には、日本人も満足な42度の浴場があります。ドナウ川沿いの最高のロケーションなので、露天風呂からの景色が素晴らしいです。

元々は男性専用の入浴施設だったのですが、現在は曜日によって男性の日、女性の日に分けられています。事前にWEBで確認しましょう。週末は混浴になります。

グルメ大国ハンガリーを食べ尽くす

フォアグラ
ハンガリーで一番有名な食材がフォアグラ。フランスに次ぐ生産量で、質の良さもさることながら、その安さに注目が集まります。フランスに行けば倍以上の価格が付けられる、最上級のフォアグラです。

マンガリッツァ豚
世界中のグルメから注目されているのがマンガリッツァ豚。1991年に200頭程になってしまって絶滅の危機が危ぶまれたのですが、政府が飼育を管理し数を増やす事に成功しました。

リンゴやかぼちゃなどを食べて育つ、ほぼ野生の豚です。スペインの有名なイベリコ豚の祖先とされているので、味や肉質もイベリコ豚に近い感じ。日頃私たちが食べている豚肉とは全く次元の違う豚肉です。

トカイワイン
ハンガリーを代表するワインで、世界三大貴腐ワインの一つです。貴腐ワインとは独特な香を持った超甘口のワイン。ルイ14世が「王のワインにしてワインの王なり」と称した、世界中にファンを持つワインです。

グルメ大国ハンガリーには、他にも美味しい食べ物が沢山あります。ハンガリーを訪れたら絶対食べるべき美味しいハンガリー料理は、別記事で詳しくまとめてあります。

ハンガリーで乗馬または馬術ショー

ハンガリー人の祖先であるマジャール人は、遊牧騎馬民族だったので馬を扱い育てるのがとても上手です。そのルーツを大切にしているハンガリーでは、乗馬にかなり力を入れています。ホテルと乗馬クラブが一体になっている場所も多いので、気軽に乗馬を楽しめます。

ハンガリーは馬術ショーも大人気。草原の多いハンガリーでは、戦闘中に身を隠す為に、馬を地面に伏せさせる訓練をしていました。とても従順に馬が横たわったり、テディベアのようにお座りしたりします。一番凄いなと思ったのは、一人で10頭の馬を従えて、2つの馬に片足ずつ乗せて立ち乗りしてたやつ。

世界的な名声を持つハンガリーの陶磁器

ヘレンド (Herend) は1826年に、ハンガリー西部のオーストリアとの国境近くで生まれた陶磁器のブランドです。薄くて軽い白磁器に繊細な絵柄がほどこされ、王室御用達の陶器となっています。

英国のヴィクトリア女王のお気に入りとなった事で、ヨーロッパの王侯貴族の間に広まり知名度を上げました。日本でもとても人気のある有名なブランドです。

ヘレンド誕生当時、ハンガリーは貴族の中の貴族と呼ばれたハプスブルク家の統治下にありました。そんな気高い宮廷のサロンで、ヘレンドは技術と芸術性を磨きます。

多くの王族や貴族が夢中になったヘレンドの陶器。お値段はしますが、せっかくハンガリーまでやって来たからにはお土産で持ち帰りたい。ブダペストには本店を含めて支店が幾つかあり、アンティークショップなら必ずヘレンドの陶器が見つかるはずです。

ハンガリーの無形文化遺産

カロチャ刺繍 (Kalocsai hímzés) は、ハンガリーの無形文化遺産となった伝統民芸です。花や植物などをモチーフにした、カラフルで大胆なデザインが特徴。太めの糸を使用し、刺繍部分が浮き上がるようにして、花のふっくら感を表現します。

おすすめのハンガリーのばらまき土産

パプリカはハンガリーの特産品です。南アメリカ原産のトウガラシがヨーロッパに伝わり、ハンガリーで品種改良されました。生のパプリカを食べる事も多いのですが、乾燥させて香辛料として使います。

日本の醤油のようにハンガリー料理の基本となっているので、ハンガリーの食べ物はどれも赤い色をしています。ハンガリーはパプリカを香辛料にした初めての国。

可愛い小瓶や小さな缶に詰めたパプリカパウダーが、ばらまき土産に最適です。辛口、中辛、甘口、色々なタイプがありますが、一番ハンガリーらしいのが甘口タイプ。少しほろ苦い味がします。

世界遺産の街ブタペストの見所

ブダとペスト、2つの街が統合されてから計画的な都市開発が行われ、現在の形に至ります。街の歴史はそれ程古くはないのですが、苦難の歴史を乗り越えた重圧感があります。

東欧で一番の観光地で「ブダペスト:ドナウ河岸とブダ城地区、アンドラーシ通り」の名で世界遺産にも登録されています。、ヨーロッパで一番おすすめの国を選ぶアンケートで1番になる程、世界中の人達から愛されている街です。居心地がとても良いので長期滞在している外国人も多いです。

セーチェーニ鎖橋

1849年に完成したセーチェーニくさり橋 (Széchenyi Lánchíd) は、ドナウ川に最初にかかった全長380メートルの吊り橋です。流氷によって橋脚が押し流されないように、少ない橋脚でも可能な吊り橋様式としました。

第二次世界大戦では撤退するドイツ軍が、ドナウ川にかかる橋をことごとく爆破しました。セニーチェ鎖橋も大破しますが、建材の半分近くを川中から回収して、以前の姿に復元しました。

橋に電球が付けられ、ライトアップされるとまるで鎖のように見える事から鎖橋と呼ぶ人もいますが、橋自体がくさり橋様式です。

ブダ城

ドナウ川を見下ろす丘の上にあるブダ城またはブダ王宮 (Budavári Palota) は、幾度となく崩壊と再建を繰り返してきた城で、ハンガリーが独立するまでの苦難の歴史を象徴するような建築物です。

第二次世界大戦では、ドイツ軍司令部がブダ城を占拠し、主戦場となった事で大きな被害を受けました。1956年のハンガリー動乱でも大破するので、今ある美しい姿に修復されたのは、つい最近の1980年代です。

マーチャーシュ教会

ブダ城の敷地内にある13世紀に建てられた教会です。歴代の王の戴冠式が行われた神聖な場所で、19世紀最高の美神と呼ばれたエリザベートが戴冠した教会でもあります。内部のステンドグラスが素晴らしい。

漁夫の砦

中世の時代はドナウ川での漁業が盛んでした。漁師たちはブダ城内に漁業組合を作り、平時には漁師として、有事には兵士としてブダ城を守りました。その漁業組合のあった場所に建てられた見晴台なので、漁夫の砦と名付けられました。

ブタペスト中央市場

ヨーロッパ最大規模の市場で、活気あふれる場所です。二階部分がフードコートとなっているので、ハンガリーの美味しいグルメも堪能出来ます。ここでフォアグラを購入してホテルで食べるのがベストです。民芸品を売るお土産屋さんも沢山あります。

国会議事堂

ドナウ川沿いにあるコッシュート広場に建つ、完成当時は世界最大の国会議事堂で、今では3番目となっていますが、世界で一番美しい国会議事堂とされています。96mあるので、ブタペストで最も高い建築物。

リヴァイバル・ゴシック建築で、外部も素敵なのですが内部が豪華絢爛で凄いです。ハンガリー王が代々受け継いできた王冠や宝剣など、戴冠式用の素晴らしい装飾品が展示されているので注目して下さい。

世界遺産のパンノンハルマ修道院

996年に造られたハンガリー最古の修道院で、世界遺産に登録されています。ベネディクト会の本部で、ここを拠点にキリスト教化が進められました。教会や礼拝堂も素晴らしいのですが、一番の見所は30万の蔵書を誇る図書館です。

世界遺産のブタペストの地下鉄

1896年開業の地下鉄は、ロンドン、イスタンブールに次いで、世界で三番目に古さです。路線によってレトロな感じだったり、超近代的だったり、駅だけでなく車体のデザインも異なります。1号線が一番古く、3両編成です。1号線の駅は天井が低くホームも狭いのが特徴。

クドゥール宮殿

ブタペストの街から北東30kmのグドゥール (Godollo) の町にある18世紀の宮殿 ( Godolloi Kiralyi Kastely) です。郊外列車で片道50分程なので、ブダペストからの日帰りが可能です。

ミュージカルの題材にもなった美しいオーストリア皇后エリザベートが、狩猟が趣味だった国王と共にこの宮殿を良く訪れました。エリザベート皇后に夏の離宮として寄贈され、シシィが大好きだったスミレ色の部屋が見所です。

ハンガリーで最も美しい村ホッローケー

ホッローケー (Hollókő) はブタペストから北東へバスで2時間程の距離にある村です。ハンガリーで最も美しい村とされ、伝統的な生活様式と古民家が多く残る事から世界遺産にも登録されています。ホロケ、ホッロークと表記される事も多いので注意。

土日なら日帰りも可能です。ただ行って帰るのバスが一本しかないので気を付けて下さい。乗り継いで帰る事は可能ですが、英語が通じない事が多いので、かなりレベルの高い旅になるかと思います。筆談を駆使して下さい。

村の入り口に石の上にのった大きなカラスの像があります。holloがカラス、koが石を意味するからです。古民家は泥と藁を混ぜて作った壁に石灰を塗って白くします。

ハンガリー最古の大学街ペーチ

ハンガリー南部に位置するペーチ (Pécs) は、ハンガリー最古の大学がある学生の街として有名です。お洒落なカフェが多く、居心地の良い街。歴史はとても古く、2世紀に古代ローマ帝国の都市として建造されました。

4世紀になると交易で栄え、礼拝堂や霊廟などが作られてキリスト教の中心地となります。16世紀にオスマン帝国に侵略され、150年近くも占領されるので、ハンガリー最大のモスク(現在はキリスト教会として使用されている)を始め、イスラム文化の面影が色濃く残る街となっています。

ハンガリー三大陶器の一つであるジョルナイ (Zsolnay) がペーチを拠点にしています。陶磁器にも定評がありますが、耐久性に優れた屋外用の装飾用セラミックが有名で、多くの建築家がジョルナイを使って建物を装飾しました。国中の色々な場所でジョルナイを見かけているはずです。注目してみて下さい。

ペーチの初期キリスト教の墓所

4世紀に作られた墓地遺跡が、世界遺産に登録されています。この時代のキリスト教の遺跡は、ペーチの他にはローマでしか発見されていないので、とても重要な遺跡です。

ヘーヴィーズの温泉湖

ブタペストから電車で3時間程の所にあるへ―ヴィス温泉湖は古代ローマの時代から知られている由緒ある温泉です。面積4万7千㎡、東京ドーム位の大きさの湖が丸ごと温泉になっている、世界最大の天然温泉湖です。

水面にはスイレンが繁殖していて、時期が合えば花見温泉で最高の気分になれます。湯量が豊富で、湖底の至る所から湧き出ているので、48時間で湖の水が入れ替わるのだそう。

深い所で38mもあり、足がつくような浅い場所が少ないので浮き輪が必要です。硫黄やラジウムを多く含み、リウマチや関節痛に効果があるのだそう。温泉と言えど温度は低く、夏は33度、真冬だと26度位なので、余り寒くない時期に訪れましょう。

アデレク鍾乳洞

スロバキアとの国境沿いにあるカルスト台地には700近い鍾乳洞があり、スロバキア側と合わせて世界遺産に登録されています。ハンガリーにあるアグテレク鍾乳洞はヨーロッパ最大級とされ、その大きさは全長26kmに及びます。

ハンガリー人は中央アジアの遊牧民族を祖先とする、ヨーロッパで唯一のアジア系民族です。見かけは全くアジアの要素ナシなのですが、蒙古斑が出たり、名字が先で名前が後だったり、温泉好きでシャイな所など、親近感を感じます。

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