ポルトガルで絶対食べるべき美食50選:世界中の食通が唸る究極のポルトガル料理

世界100ヵ国以上を食べ尽くしたヨーロッパ在住のフードライターが、自信をもっておすすめする、ポルトガルを訪れたら絶対食べるべき美味しいポルトガル料理50選。ポルトガル料理は本当に美味しいです。しかし、ポルトガルは美味しいだけの国ではありません。ポルトガルで絶対訪れたい観光地に関しては、別記事で詳しくまとめてあります。

ポルトガルのおすすめ40選、ポルトガルの世界遺産と観光名所
アレンテージョ地方のおすすめの観光地ポルトガル中南部に位置するアレンテージョ(Alentejo)地方は、古くから農業や牧畜が盛んです。ポルトガルで一番美食の地として有名で、最近はグルメだけでなく、中世をそのまま凍結したような美しい街々にも注...
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ポルトガルの魂:魚貝類(Peixe e Marisco)の深淵なる世界

ポルトガルは海に面した国なので新鮮な魚介類が豊富です。それなのにポルトガル人が一番良く食している魚は、バカリャウと呼ばれる干しタラ。新鮮なだけでなく、安くて美味しい魚介類で溢れた国なのに、15世紀の大航海時代の保存食を今だ好んで食べ続けている、何とも不可解な国です。

フードキュレーターの視点:なぜポルトガル人は干し鱈を愛するのか
2026年現在でも、ポルトガルは世界最大級のタラ消費国。ノルウェーやアイスランドから輸入されるタラは、ポルトガルの食卓の「王様」であり続けています。なぜ生のタラではなく干し鱈なのか?それは「熟成(Cura)」に秘密があります。塩漬けと乾燥の工程を経ることで、イノシン酸などの旨味成分が凝縮され、生の魚にはない独特の食感と香りが生まれるのです。近年のガストロノミー界では、特に「Cura Amarela(黄色熟成)」と呼ばれる、昔ながらの製法で長期間熟成されたヴィンテージ・バカリャウが、高級食材として再評価されています。

バカリャウ(干し鱈):国民的アイデンティティの結晶

ポルトガル料理の基本は、バカリャウ (Bacalhau) と呼ばれる干しタラ。ポルトガルには365以上のバカリャウ料理のレシピがあるとされ、だからこそ飽きることなく毎日のように干し鱈を食べ続けることができるのだそう。その結果、ポルトガル人はバカリャウで出来ていると言われるほどです。

塩に漬けたタラを乾燥させて作るバカリャウは、カチカチに固いので水の中で長時間戻してから調理しなくてはなりません。更にはレシピによって戻し加減が異なるので、かなりメンドクサイ食材。新鮮な魚が安価で購入できる国なのに、こんなにもメンドクサイ食材にこだわり続けるポルトガル人を愛してやみません。

プロの豆知識:選び方の極意
市場でバカリャウを買う際、現地の通は「Crescido(成魚)」以上のサイズを選びます。身が厚ければ厚いほど、戻した時にふっくらとし、ゼラチン質の旨味が楽しめるからです。2026年の最新トレンドとして、家庭での塩抜きの手間を省いた「Bacalhau Demolhado Ultracongelado(塩抜き済み急速冷凍バカリャウ)」の品質が飛躍的に向上しており、多くの高級レストランでも採用されています。

バカリャウ・ア・ブラス:リスボン生まれの黄金レシピ

数あるバカリャウ料理の中で一番有名なのが、バカリャウ・ア・ブラス (Bacalhau a Braz) 。美味しくて作るのが簡単なので、ポルトガル人の食卓に一番頻繁に登場する家庭料理となっています。タラの塩辛さとジャガイモの相性が抜群の料理。ポルトガル全土何処でも食べる事が出来る、ポルトガルで一番の定番メニューです。

歴史と系譜
この料理はリスボンのバイロ・アルト地区にあった酒場の店主、ブラス(Brás)氏によって考案されました。本物のレシピの鉄則は「クリーミーであること」。卵に火を通しすぎず、スクランブルエッグ状ではなく、カルボナーラのようにとろりと仕上げるのが職人の技です。また、トッピングのオリーブは必ず「黒」でなければなりません。

バカリャウ・コン・ナタシュ:クリーミーな誘惑

数あるバカリャウ料理の中で一番おすすめしたいのが、バカリャウ・コン・ナタシュ(Bacalhau com natas) 。タラ、ジャガイモ、玉ねぎをグラタンみたいなベシャメルソースであえた料理。ベシャメルにレモン汁を加えるので、重いけれどすっきりした味わいが特徴です。

現代的なアレンジ
「Natas(生クリーム)」を使うこの料理は、フランス料理の影響を受けて20世紀に定着しました。2026年のモダン・タスカ(食堂)では、ナツメグを効かせたり、エビのビスクを隠し味に入れたりと、シェフごとの個性が光る一皿になっています。

バカリャウ・コン・ミガス・デ・ブロア:素朴にして至高の味わい

前述のバカリャウ・コン・ナタスがタラ料理の中で一番おすすめと書いた後に、やっぱりこっちかもと思い悩みました。バカリャウ・コン・ミガス・デ・ブロア (Bacalhau com migas de broa)は、ポルトガルを訪れたら絶対食べて欲しい一品です。

干しタラ、キャラメル状になるまで炒めた玉ねぎ、茹でたジャガイモを土鍋に入れ、トウモロコシのパンを砕いたもので覆ってからオーブンで焼きます。素朴な味で、ポルトガル全土何処ででも食べる事が出来ます。

食材の深掘り:Broa(ブロア)とは?
この料理の鍵となる「Broa de Milho」は、トウモロコシ粉とライ麦で作られる北部ミーニョ地方発祥のパンです。ずっしりと重く、酸味と甘味があるこのパンをクラム(砕いた状態)にして、オリーブオイルとニンニクを吸わせてカリカリに焼く。この食感のコントラストこそが、ポルトガル農民料理の真骨頂です。

パステス・デ・バカリャウ:国民的スナックの進化形

干し鱈にマッシュポテト、玉ねぎ、パセリなどを混ぜて成形し、パン粉をつけて油で揚げたポルトガル風コロッケがパステス・デ・バカリャウ (Pasteis de Bacalhau) 。1個単位で購入できるので、ポルトガルを訪れたからには絶対に食べましょう。

最近流行っているらしく専門店が沢山できました。チーズがたっぷり入った新型タイプが一番人気。昔からあるレシピで作ったタラのコロッケも素朴な味で美味しいです。ボリーニョシュ・デ・バカリャウ(Bolinhos de Bacalhau)と表記される事も多い。

名称の地域差と「チーズ入り」の議論
南部(リスボン含む)では「Pastéis」、北部(ポルト)では「Bolinhos」と呼ばれます。近年観光地で急増している「Serra da Estrelaチーズ入り」の巨大なコロッケは、実は伝統的なレシピではありませんが、2026年には完全に「新しい伝統」として市民権を得ています。しかし、美食家の間では「タラ本来の風味を消してしまう」として、昔ながらのチーズなしタイプ(スプーン2本で成形するラグビーボール型)を支持する声も根強いです。

パタニスカス・デ・バカリャウ:ビールの最高の相棒

干しタラを使ったポルトガル風かきあげ、みたいな料理がパタニスカス・デ・バカリャウ(Pataniscas de bacalhau) 。ビールとの相性が抜群です。小麦粉、卵、水で作る生地に水で戻した干しタラを加え、油でカリっと揚げた料理。

食べ方の流儀
パタニスカスは、単体でおつまみとして食べるほか、レストランでは「Arroz de Feijão(インゲン豆のリゾット)」と一緒にメインディッシュとして提供されるのが定番(Arroz de Pataniscas)です。カリッとした衣と、とろりとした豆ご飯の組み合わせは、庶民の贅沢の極みと言えます。

ポルヴォ・ア・ラガレイロ:タコ料理の最高峰

ポルトガルを訪れたら絶対食べて欲しい食材がタコ。ポルトガルのタコ料理は何を食べても美味しいのですが、タコそのものの味を楽しみたいならポルヴォ・ア・ラガレイロ (Polvo à Lagareiro) を強くおすすめします 。

いわゆるタコのグリルで、味付けはシンプルにオリーブオイル、ニンニク、西洋パセリ。ポルトガルのクリスマスの定番料理で、日本のタコとは全く異なる味わいと柔らかさで、やみつきになってしまうかと思います。

名称の由来と調理の科学
「Lagareiro」とはオリーブ油絞り職人のこと。つまり、採れたてのオリーブオイルに溺れさせるように浸して食べるスタイルを指します。タコを一度茹でてからオーブンで焼き上げる(Punch potatoと呼ばれる叩き潰したジャガイモと共に)ことで、外は香ばしく、中は驚くほど柔らかい食感になります。2026年のトレンドとして、アルガルヴェ地方の「タコの都」サンタ・ルジア(Santa Luzia)産のタコがブランド化しており、メニューに産地記載がある店は信頼できます。

タコのサラダ:究極の前菜

ポルトガルのタコは何故こんなにも美味しいのでしょうか。とても柔らかくてジューシー。オリーブオイルでマリネして作るタコのサラダ (Salad de Polvo) も絶品です。レストランのメニューにタコがあったら、とりあえず注文しちゃえばいいと思います。絶対に後悔しません。

柔らかさの秘密
ポルトガルのシェフたちは、タコを茹でる際に「玉ねぎを皮ごと1個」入れたり、「コルクの栓」を一緒に鍋に入れたりするという伝承を持っています。科学的根拠はさておき、彼らのタコに対する情熱と扱いの丁寧さが、この素晴らしい食感を生み出しているのは間違いありません。

アメイジョアシュ・ア・ブリャオ・パト:詩人が愛したアサリ料理

アサリをオリーブオイル、ニンニク、白ワインで煮た料理が、アメイジョアシュ・ア・ブリャオ・パト (Amêijoas à Bulhão Pato) 。スペインにも同じような料理があるのですが、ポルトガルは西欧ではまず使う事のないパクチーが入るのが大きな特徴。ビールとの相性が最高過ぎで、キンキンに冷えた白ワインとも良く合います。

文化背景:詩人の名がついた料理
この料理名は、19世紀の詩人であり美食家であったライムンド・アントニオ・デ・ブリャオ・パト(Bulhão Pato)に由来します。彼はこの料理を発明したわけではありませんが、エッセイで言及し世に広めました。重要なのは「レモン」です。食べる直前にキュッと絞ることで、コリアンダー(パクチー)の香りとニンニクのコクが一体化し、スープの一滴までパンで拭って食べたくなります。

サルディーニャス・アサーダス:夏の風物詩

ポルトガル人が干し鱈の次に良く食べる魚がイワシです。色々な形で調理されますが、一番一般的なのがイワシの塩焼き (Sardinha Assadas) 。海沿いのレストランの定番メニューとなっています。

ビーチ沿いの遊歩道を散歩していると、炭火焼にされているイワシを良く見かけます。味付けはシンプルに粗塩のみ。レモンを絞って食べます。シンプルだからこその美味しさで、海を眺めながら食べると更に美味しいです。

旬と祭り:6月がベストシーズン
イワシを食べるなら脂が最も乗る「R(アール)のつかない月(5月~8月)」、特に6月の聖アントニオ祭(Festas de Lisboa)の時期が至高です。ポルトガル流の食べ方は、皿を使わず、厚切りのパンの上に焼きたてのイワシを乗せて食べます。イワシの脂と内臓の旨味を吸ったパンが、最後に最高のご馳走となるのです。

カラパウス・アリマドス:漁師町の隠れた宝石

ポルトガルを訪れたらイワシよりも小さなカタクチイワシを食べて下さい。フライで食べるのが一般的ですが、カラパウス・アリマドス (Carapaus alimados) と呼ばれるマリネ料理が最高に美味しいです。もう至福の味。

アルガルヴェ地方の伝統
「Alimados」とは「皮を剥いた」という意味を含みます。茹でたアジ(Carapau)を長時間塩水につけ、皮と骨を丁寧に取り除き、オリーブオイル、ビネガー、たっぷりのニンニクでマリネします。冷蔵庫がなかった時代の保存の知恵が生んだ、アルガルヴェ地方の伝統的な前菜です。

カタプラーナ:南部アルガルヴェの海鮮蒸し鍋

ポルトガル南部アルガルヴェ地方の郷土料理。カタプラーナと呼ばれる中華鍋を2つ合わせたような円盤型の鍋を使って、魚介類を蒸し煮にする料理です。密封して、ほとんど水分を加えずに蒸すので、魚介の旨味がたっぷり味わえます。アルガルヴェ地方以外だと見つけるのが難しい料理なので、ポルトガル南部を訪れたら必ず食べましょう。

銅鍋の秘密と歴史
カタプラーナ鍋は伝統的に銅で作られています。これは熱伝導率が良いだけでなく、かつてこの地を支配したムーア人(北アフリカ)の影響を受けた調理器具であると言われています(タジン鍋との類似性)。2026年現在、アルガルヴェ地方のレストランでは、魚介だけでなく「豚肉とアサリ」のカタプラーナなど、バリエーション豊かなメニューが楽しめます。

カルディラーダ:漁師たちの豪快シチュー

カルディラーダ (Caldeirada) はポルトガル風のブイヤベース。ブイヤベースは南フランスを代表する料理ですが、ポルトガル版はジャガイモなどの野菜がたっぷり入るので、もっと素朴で家庭的な料理となっています。

元々はポルトガルの漁師たちが、網にかかったけれど小さすぎて売れない魚を全て鍋に突っ込んで煮て食べたのが起源の料理。ペニシェ(Peniche)という港町が特に有名で、ここでは毎年「Caldeirada Festival」が開催されます。生姜やサフランを使う地域もあり、場所によって味が異なるのが魅力です。

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肉料理の真髄(Carne):素朴さと野生味の饗宴

ポルトガルのソーセージ(Enchidos):燻製の芸術

腸詰類(Enchido)で有名なのは隣国のスペイン。ヨーロッパで一番美味しいと思います。でも、ポルトガルも悪くないです。スペインより味付けが優しい感じなので、日本人にはポルトガルの腸詰類の方が口に合うかもしれません。基本的に赤っぽいのがピリ辛系だと思って下さい。

ショリーソ:炎の儀式と共に

ソーセージのことをポルトガル語でショリソー (Choriço) と呼びます。スペインは豚のモモ肉の殆どが生ハムに加工されるのですが、ポルトガル人はそれほど生ハム信者ではないので、モモ肉をソーセージに使う事が多いです。

そんな理由から時に何とも肉肉しい、素晴らしいソーセージに巡り当たる事があります。もしかして世界で一番美味しいソーセージ国はポルトガルなのでは、なんて思えるような素晴らしいソーセージに巡りあう事が多々あり、ポルトガルの腸詰類は本当にあなどれません。

「Assador de Barro」体験
レストランでショリーソを注文すると、船の形をした陶器の皿(Assador de Barro)に乗って出てくることがあります。これは底にアルコール(Aguardente)を入れて火をつけ、目の前でソーセージを直火焼きにするパフォーマンスです。皮がパリッと焦げた焼きたては絶品です。

モルセーラ:血とスパイスの黒い宝石

豚のラードと血で作る黒いソーセージがモルセーラ (Morcela) 。地方によって米が入ります。ポルトガルに限らずヨーロッパで良く食されるブラックソーセージですが、好きな人は大好き、ダメな人は全くダメな食べ物かと思います。

クミンの魔法
ポルトガルのモルセーラの特徴は、クミン(Cominhos)やクローブなどのスパイスが効いている点です。特にアレンテージョ地方のものは香りが高く、焼きリンゴやパイナップルと一緒に提供され、その甘酸っぱさが血の濃厚さを中和する絶妙なハーモニーを奏でます。

アリェイラ:歴史が生んだ奇跡のソーセージ

とり肉は水分と不飽和脂肪酸が多いので腐りやすく、燻製にするのが難しい食材です。なのにポルトガル人は本当に上手に腸詰に加工します。アリェイラ (Alheira) と呼ばれ、茹でた鶏、七面鳥、カモなどの羽をもつ系の肉に、油分としてオリーブオイルを加えて作ります。

ニンニクをたっぷり使うのが特徴で、美味しいだけでなく、他の国ではまずお目にかかる事のない、とても珍しいソーセージなので是非見かけたら食べてみて下さい。

隠れユダヤ教徒の知恵
アリェイラは15世紀末、異端審問から逃れるためにユダヤ教徒が考案したと言われています。豚肉を食べない彼らが、キリスト教徒に改宗したふりをするため、豚肉の代わりに鶏肉やパンを使って「豚のソーセージに見せかけた」ものが起源です。特にミランデラ(Mirandela)産のものがIGP(地理的表示保護)認定を受けており有名です。2011年には「ポルトガル7大料理不思議」の一つに選ばれました。

ファリニェイラ:小麦粉のソーセージ

前述のアリェイラ同様、他国では見ることのない珍しいソーセージがファリニェイラ (Farinheira) 。肉を全く使わずに作るソーセージです。かつてポルトガルで禁教だったユダヤ教。信者の人達は豚肉を食べません。

ユダヤ教徒の人達が、信仰を悟られないように、豚肉を食べるふりをするために作られたソーセージがフェリニェイラなんです。見かけは全くのソーセージなのですが中身は小麦粉で、ニンニクとパプリカで味付けしています。

フニャフニャした不思議な味で、めちゃくちゃ美味しいってほどではないのですが、ポルトガルでしか食べられない味だと思います。遥々ポルトガルまでやって来たからには、ポルトガルでしか食べられないものを狙って食べましょう。

美味しい食べ方
そのまま焼いて食べるよりも、料理のアクセントとして使われることが多いです。特に「Ovos Mexidos com Farinheira(ファリニェイラ入りスクランブルエッグ)」は、前菜の定番中の定番。小麦粉の甘みと豚脂(現在は風味付けに入ることが多い)のコクが卵と絡み合い、驚くほど美味しくなります。

ニワトリの足(Pé de galinha):コラーゲンの宝庫

コラーゲン豊富な美容食として最近注目を浴びているのがニワトリの足。外皮はパリッとして、中はプリプリしています。見た目は悪いのですが美味しいです。でも食べ慣れていないと何処を食べていいのか分からないかも。田舎のおじいちゃんおばあちゃん達は殆ど残さず丸ごと全部食べます。ビールにもワインにも合う酒のつまみです。

レイタオン・アッサード:皮までパリパリの子豚の丸焼き

ポルトガル中部に位置するメアリャーダ (Mealhada) を代表する郷土料理が、レイタオン・アッサード (Leitao Assado) と呼ばれる子豚の丸焼き。生後8週間ほどの乳飲み子の豚から内臓を取り、腹の中にニンニク、塩コショウ、ラードのペーストを塗ってオーブンでじっくり焼き上げます。

子豚の丸焼きは結婚式の定番メニュー。誕生日などの特別な日は、子豚の丸焼きと決めている人も多い、特別な日のご馳走メニューです。ポルトガル全土どこででも食べることができますが、専門店でしか食べることができません。

子豚の丸焼きで有名なメアリャーダの街の中心を走る国道1号線は、レイタオン通りと呼ばれ、子豚の丸焼きを扱うレストランが建ち並びます。週末になるとポルトガル各地から子豚の丸焼きを目当てに人がやってくるので、レイタオン(子豚)渋滞ができるほど。夏や週末に訪れるなら、早めに行って駐車場とレストランの席を確保しましょう。

ペアリングの鉄則
レイタオンを食べる際、飲み物は必ず「Espumante(スパークリングワイン)」を選んでください。この地方(バイラーダ地方)はスパークリングワインの名産地でもあります。子豚の濃厚な脂と、パリパリの皮の食感を、キリッとした酸味のある泡がさっぱりと流してくれる最高の組み合わせです。ソース(Molho de Leitão)は胡椒が効いていてスパイシーなので注意!

ビファーナ:B級グルメの王様

ポルトガルのB級グルメを代表する食べ物がビファーナ(bifana)。味付けされた薄切りの豚肉が沢山つまったサンドウィッチで、ショウガを使っていないのに、なぜか生姜焼きを思い浮かばせる、なんとも日本人好みの味付けです。

ポルトガル人愛用のおやつで、小腹が空いた時は絶対にこれを食べています。安くて美味しくて、お店によって味付けが異なるので色々と食べ比べてみるべし。中には行列の出来る人気店もあり、確実に美味しいので列を見つけたら絶対に並びましょう。

南北戦争:スタイルの違い
ビファーナには2つの大きな流派があります。リスボンなど南部では、煮込んだ豚肉をパンに挟み、マスタード(Mustarda)をたっぷりかけて食べるのが主流。一方、北部はピリ辛のソース(Molho)が染み込んだパンを楽しむスタイルです。特に「Vendas Novas」という町はビファーナの聖地とされ、ここだけの商標登録された特別なビファーナが存在します。

ピカ・パウ:つまようじで突つく至福

ポルトガル語でキツツキを意味するピカ・パウは、マリネした豚肉をニンニクとオリーブオイルで炒めてピクルスと一緒に食べる料理。味の決め手はピクルスの酸味とパクチーです。レストランよりもバーでビールを飲むときのおつまみとして最高の一品です。

名前の由来
「キツツキ(Pica-Pau)」という名前は、小さな肉片をつまようじで「突っついて」食べる様子が、木をつつくキツツキに似ていることから来ています。ビール(Imperial)との相性が異常に良く、タスカ(食堂)での前菜の定番です。

カルネ・ド・ポルコ・アレンテジャーナ:海と大地の出会い

豚肉とアサリ、ポルトガルを代表する海と山の幸が奏でる最高に美味な組み合わせが、カルネ・ド・ポルコ・アレンテジャーナ (Carne de Porco a Alentejana) 。ポルトガルで一番美味しい土地とされるアレンテージョ地方を代表する郷土料理です。

味の決め手はパクチー。でもパクチー嫌いな人でも大丈夫な位の分量なので、怖がらずに食べてみましょう。ソースが本当に美味しいので、添えられたフライドポテトにたっぷりと吸い込ませて食べるべし。

ポルトガルとスペインは地理的、そして歴史的にとても似ているのですが、料理に関してはかなり異なります。ポルトガルはパクチーを中心に香味野菜と香辛料を多用する料理なので、どこかアジアを感じるエキゾチックな味です。

注意:名前のパラドックス
「アレンテジャーナ(アレンテージョ風)」という名前ですが、実は発祥はアルガルヴェ地方だという説が有力です。かつて冷蔵技術がなかった頃、豚肉の保存にアサリを使用した(塩分と風味付け)ことから生まれたとも言われます。アレンテージョ地方の特産である黒豚(Porco Preto)を使うと、脂の甘みが格段に増し、最高の味わいになります。

コジード・ア・ポルトゥゲーザ:冬の完全食

ポルトガル風の煮込みが、コジード・ア・ポルトゥゲーザ (Cozido a Portuguesa) 。ヒヨコ豆、豚か鶏か牛、または全部、腸詰類、野菜、などを鍋に入れてコトコト煮込んだ料理。ボリュームとカロリーたっぷりの料理で、ポルトガルの冬の定番です。

豚の耳や骨なども入るので、豚の旨みがぎっしり。じっくりゆっくり煮込んで作る、ポルトガルのお袋の味です。心も体もほっこりして、栄養価も満点。スープだけを前菜として飲み、具をメインディッシュとして食べます。

地熱調理の神秘:アゾレス諸島版
本土でも人気ですが、アゾレス諸島のフルナス(Furnas)では、火山性の地熱を利用して土の中に鍋を埋め、数時間かけて蒸し煮にする「Cozido das Furnas」が有名です。硫黄の香りはつきませんが、低温調理により肉が信じられないほど柔らかくなります。2026年現在、予約必須の観光名物となっています。

ポルト風モツ煮:トリペイロスの誇り

ポルト地方の名物郷土料理がモツの煮込み(Las tripas a moda do Porto) です。15世紀頃、戦争に行く兵士のため食糧を取り上げてしまったので、ポルト市民は臓物しか食べるものがありませんでした。そんな状況から生まれた庶民の味ですが、今では全国的に有名な郷土料理となりました。

今でもポルトの市民は他の地方のポルトガル人から愛情を込めてTripeiros、臓物屋と呼ばれています。ボリューム満点、栄養価も高く、安くて美味しい。隠し味はポルトワインで付け合わせは白米。白米を食べるのも西ヨーロッパでは珍しい現象です。

歴史の補足:1415年の献身
この逸話は1415年のエンリケ航海王子によるセウタ攻略に由来します。市民が良質な肉をすべて艦隊に捧げた愛国心の象徴として、この料理はポルト市民の誇りとなっています。白いインゲン豆と、様々な部位のホルモンが織りなす濃厚な味わいは、一度食べると癖になります。

シャンファーナ:土鍋と赤ワインの錬金術

ポルトガル中部に位置する大学街コインブラを代表する郷土料理が、シャンファーナ (Chanfana) です。子ヤギの肉を土鍋に入れ、赤ワインと香草を入れてコトコト煮込んだ料理。長時間煮込むので、肉がホロホロ柔らかくなります。

ヤギなだけにクセのある肉ですが、是非とも食べてもらいたい美味しさ。ナポレオンが攻め込んできた時に、敵に食料として取られないようヤギを殺して作ったのがはじまりなのだそう。

リスボンなど他の地域で見つけるのは難しいのですが、コインブラを訪れればどのレストランのメニューにもあります。とても量が多いので、何人かでシェアして食べましょう。

黒い土鍋(Barro Preto)
シャンファーナは、必ず「Barro Preto」と呼ばれる黒い土鍋で調理されます。この土鍋が赤ワインの酸味をまろやかにし、ヤギ肉の臭みを消すと言われています。翌日温め直したものがさらに美味しいとされ、「Old Goat(年取ったヤギ)」を使うことでより深いコクが出ます。

フェジョアーダ:ブラジルから逆輸入された国民食

フェイジョアーダ (Feijoada) は黒豆を肉で煮込んだブラジルを代表する料理なのですが、ブラジルを植民地としていたポルトガルでも良く食べられています。ボリュームたっぷりで栄養価も凄い。ブラジルのフェジョアーダよりも野菜たっぷりなのが特徴です。

ポルトガル版とブラジル版の違い
ブラジルでは黒豆(Feijão Preto)が主流ですが、ポルトガル北部のトラス・オス・モンテス地方のフェジョアーダ(Feijoada à Transmontana)は、赤インゲン豆や白インゲン豆を使い、キャベツなどの野菜を多く加えるのが特徴です。2026年の今、リスボンでは両方のスタイルを提供する店が増えています。

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カルド・ヴェルデ:ポルトガルの「お味噌汁」

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ポルトガルを代表するスープがカルド・ヴェルデ (Caldo Verde)。ミーニョ地方起源のスープですが、今では全国で食されています。日本の青汁の材料となるコラードが沢山入るので、緑がかった色のスープとなるのが特徴です。全ての材料を入れて煮込むだけなので、作るのは簡単なのですが、野菜を千切りにするのが大変メンドクサイ料理。

なのでポルトガルの市場へ行くと、既にカルド・ヴェルデ用に千切りにされたコラードが大量に量り売りされています。カルド・ヴェルデはとても優しい味のスープで、ポルトガル人にとって味噌汁みたいな位置付け。

コラードの他にジャガイモ、玉ねぎ、白インゲン、腸詰などが入ります。コラードは日本ではあまり馴染みのない野菜ですが、食物繊維が豊富で、ビタミン13種類のうち10種類を含むので「野菜の王様」と呼ばれています。美味しいだけでなく栄養価も満点なので、ポルトガル滞在中に是非お試しあれ!

チョリソーの一片が意味するもの
正式なカルド・ヴェルデには、必ず最後にチョリソーのスライスを1〜2枚浮かべます。これは具材として食べるだけでなく、チョリソーから滲み出るパプリカ色のオイルがスープにコクと風味を加えるためです。深夜のクラブ帰りや結婚式の締めにも振る舞われる、まさに国民的ソウルフードです。

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米料理王国ポルトガル(Arroz):欧州一の米消費国

ポルトガルは米を使った料理が豊富で美味しい国です。日本人の口にも、とても良く合う味付け。よくよく考えてみたら、米料理に限らず、ポルトガル料理が苦手な日本人に会った事がないです。

欧州一の米喰い人たち
ポルトガル人の年間米消費量は約15〜16kgで、これはヨーロッパ平均の約4倍にあたります。彼らが好むのは「Carolino(カロリーノ)」という短粒種。日本米に似て粘り気があり、リゾットのように出汁を吸わせる料理(Arroz Malandrinho = 汁気の多いご飯)に最適です。

アローシュ・デ・パト:鴨とオレンジの香ばしさ

ポルトガルの米料理の中で、最強だと思うのがアローシュ・デ・パト (Arroz de Pato) と呼ばれる、アヒル肉の入った炊き込みご飯。最後はオーブンで仕上げるので香ばしいです。脂っこさを緩和させるのにオレンジを加える店もあり、もう何だか泣けるほど美味しいです。ボディのしっかりした赤ワインとの組み合わせが最高。

調理のポイント
この料理の美味しさの核は、鴨を茹でた出汁でお米を炊くことにあります。表面にチョリソーやベーコンを並べてオーブンで焼くことで、脂がお米に染み渡り、表面はカリカリ(Socarratのような)、中はしっとりとした食感になります。

アローシュ・ドゥ・ポルヴォ:海の香りのリゾット

ポルトガルで一番美味しい米料理は前述のアローシュ・デ・パトで迷いなし。そしてタコを使った炊き込みご飯アローシュ・ドゥ・ポルヴォ (Arroz de Polvo) が2番目となります。ポルトガル人はタコを調理するのが本当に上手。隣国のスペインもタコで有名な国ですが、ポルトガルの方がバラエティが豊富。

アローシュ・ドゥ・マリシュコ:海鮮の旨味爆弾

スペインを代表する料理パエリアのポルトガル版がアローシュ・ドゥ・マリシュコ (Arroz de marisco) 。ただし、パエリアよりオジヤに近い感じです。ポルトガルのワイン、Vinho verdeと合わせるのがベスト。魚介類の出汁がきいてとても美味しいのですが、ポルトガルで米料理を食べるなら、これよりも絶対にカモ飯やタコ飯の方を食べて欲しい。

パエリアとの決定的違い
パエリアは水分を飛ばしてお焦げを作りますが、アローシュ・ドゥ・マリシュコは「Malandrinho(マランドリーニョ)」と呼ばれる、スープが残る状態で提供されます。2026年の美食ガイドでは、エストレマドゥーラ地方の「Arroz de Marisco」が、世界最高の海鮮リゾットの一つとして再評価されています。

アローシュ・ドゥ・カビデラ:血のソースの衝撃

鶏肉、さらには鶏の血で作るリゾットがアローシュ・ドゥ・カビデラ (Arroz de Cabidela) 。ワインビネガーの味が結構強く、何とも言えない味で、はまる人ははまるけど、ダメな人はダメ系な料理。ただ血を使った料理はヨーロッパ独特の食文化なので是非とも味わってもらいたい。

ビネガーの役割
血を加える際、凝固を防ぐために酢(Vinagre)を混ぜます。これが独特の酸味を生み出し、濃厚なコクがありながらも後味をさっぱりさせます。ミーニョ地方発祥とされ、歴史的には16世紀の記録にも残る非常に古い料理です。

アローシュ・デ・サハブーリョ:北部の冬の味覚

鶏肉ではなく豚肉バージョンの血入りのリゾットをアローシュ・デ・サハブーリョ (Arroz de Sarrabulho) と呼びます。鶏肉の血で作るリゾットは酢の味がキツイのですが、豚の血の方は深みがあってマイルド。赤ワインとの相性が最高で、好きな人は本当に好き。

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美味しいポルトガルのチーズ(Queijo)

ポルトガルはチーズ、ケイジョ (Queijo) が美味しい国でもあります。地方ごとに異なるタイプのチーズがあるので、訪れた先で色々なタイプのチーズを食べ比べて下さい。ポルトガルのチーズは国外でお目にかかることが滅多にないので、ポルトガル滞在中に必ず食べましょう。

ケイジョ・セーラ・ダ・エストレーラ:スプーンですくう幻のチーズ

12世紀から存在する、ポルトガルで一番古いチーズがケイジョ・セーラ・ダ・エストレーラ (Queijo da Serra da Estrela) 。エストレーラ山脈の牧草地で飼育されるイベリア半島固有種の羊の乳のみで作るクリーム状のまったりとしたチーズです。羊の乳を使うのでクセのある味ですが本当に美味しい。チーズの世界的な大会で何度も金メダルを受賞しているポルトガルで一番有名なチーズですが、国外での知名度は全くの0。ポルトガルを訪れないと食べられないチーズなので、絶対に食べましょう。

食べ方の作法
このチーズは上部の固い皮を蓋のように丸く切り取り、中身のとろとろの部分をスプーンですくってパンに塗って食べます。凝固剤として動物性のレンネットではなく、チョウセンアザミ(Cardo)の雄しべを使うため、独特の苦味と植物性の風味(ベジタリアンフレンドリーな要素)があります。

ケイジョ・アゼイタオン:リスボン近郊の名品

同じく羊の乳で作るクリームタイプのケイジョ・アゼイタオン (Queijo de Azeitão) もポルトガルを代表するおすすめのチーズです。昔は壺の中にミルクに塩を入れ、暖炉の傍で温めて作っていたのだそう。ねっとりした食感が特徴の、塩分がっつり系のチーズです。

ケイジョ・デ・エヴォラ:アレンテージョのハードチーズ

ポルトガルに昔からあるチーズは牛よりも羊を使ったものが多いです。ケイジョ・デ・エヴォラ (Queso de Evora) も歴史のあるチーズで、羊の乳を使います。ただ前述の2つのチーズとは異なり、ハードタイプのチーズでかなり塩辛い。」昔は賃金の代わりにこのチーズで支払いをしたのだそう。

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フランセジーニャ:ポルト発、カロリーの怪物

ポルトガル北部の街ポルトの名物料理がフランセジーニャ (Francesinha) 。ハム、チーズ、肉やラード、卵など色々な具をはさんだサンドウィッチに大量のとろけるチーズをのせてオーブンで焼き、仕上げにピリッとくる特製ソースをたっぷりかけた料理です。

ただでさえカロリーの化け物なのに、目玉焼きをのせたり、ポテトフライと一緒に食べて更にカロリーを増加させます。比較的新しい料理で、ボリュームがあって安くて美味しいのでポルトガルの若者たちのハートを鷲掴みしました。

絶大な人気を誇るので、若者が集まると100%の確率でフランセジーニャを食べに行きます。ポルトの街名物の料理ですが、ポルトガル全土で食べることができ、愛され過ぎる料理なので、専門店も乱立し、コンテストも多数開催されています。賞をとったフランセジーニャを食べ比べするのも楽しいです。

ソースが命
フランセジーニャの魂はソースにあります。ビール、トマト、ピリピリ(唐辛子)、そして店ごとの秘密のリキュール(ウイスキーやポートワインなど)を煮込んで作られます。フランスの「クロックムッシュ」をヒントに、1950年代にポルトへ戻った移民が考案したとされ、「フランスの女の子(Francesinha)」という名の通り、少しスパイシーでお茶目な料理です。

ボーロ・ド・カコ:マデイラ島の恵み

マデイラ島名物のパンがボーロ・ド・カコ (Bolo do caco) 。熱した石で焼いたパンにガーリックバターをたっぷり塗ります。外側はカリカリ、中はスポンジ状。茹でたサツマイモを混ぜて作るのでほんのり甘く病みつきになるパン。ガーリックバターに入るコリアンダーが素晴らしいアクセントとなります。

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甘美なる誘惑:デザートと飲み物(Doces e Bebidas)

ポルトガルのスウィーツは甘過ぎるものが多いのですが、総じてレベルは高いです。フランスのような洗練さはないけれど、素朴で優しい味がします。特に焼き菓子がお勧めで、別記事で詳細をまとめました。

ポルトガルの焼き菓子、ポルトガルの有名なスイーツ、ポルトガルのおすすめのデザート
美食の国ポルトガルには美味しい食べ物が沢山あります。特に秀逸なのが焼き菓子。ポルトガル人は老若男女スウィーツが大好きな国民です。町中を歩けばす直ぐに分かります。街の至所にお菓子屋さんがあるんです。ヨーロッパ在住20年のフードライターが、世界...

パシュティシュ・ドゥ・ナタ:世界を席巻したエッグタルト

ポルトガルを代表するスウィーツがパシュティシュ・ドゥ・ナタ (Pasteis de Nata) です。リスボンにあるジェロニモス修道院で生まれたお菓子で、サクサクのパイ生地の中に甘さ控えめのクリームがたっぷり入っています。

ポルトガル全土、何処でも食べる事ができますが所詮もどきです。ポルトガルを訪れたからには、門外不出の秘蔵のレシピで作る本店で食べて欲しい。常に長蛇の列が出来る超人気店ですが、並んでまでも食べる価値は絶対あります。詳細は別記事にまとめました。

ポルトガルの有名なスイーツ、パステル・デ・ナタに関する全て
スペイン在住20年のフードライターが世界中を食べ尽くすの記録。今回はポルトガルで一番有名なお菓子、パステル・デ・ナタに関するあれこれ。日本では「エッグタルト」ので浸透している、ポルトガルを代表する焼き菓子です。パステル・デ・ナタとは何なのか...

現地の流儀:シナモンと粉砂糖
テーブルには必ずシナモン(Canela)と粉砂糖(Açúcar em pó)のボトルが置かれています。焼きたての熱々のタルトに、これらをたっぷりとかけて食べるのが本場のスタイル。2026年現在、ベレンの本店以外にも「Manteigaria」など、本家に匹敵する高品質なナタを提供する店が増え、リスボン中で「ベスト・ナタ論争」が繰り広げられています。

パン・デ・ロー:カステラのルーツ

日本でも昔に流行った、中が半熟になっているカステラがパン・デ・ロー (Pao de lo) です。お隣の国スペインでは半熟の生地を食べるとお腹を壊すと信じられているので、絶対に受け付けてもらえないお菓子。ポルトガル料理ってスペインに比べると本当に柔軟で革新的です。

地域による違い
半熟トロトロのタイプは「Pão de Ló de Ovar」として有名です。一方、完全に火を通したドーナツ型のものなど、地域によって形状が異なります。日本のカステラの直接の祖先とされていますが、油脂(バターや油)を一切使わず、卵と砂糖と小麦粉だけで作るシンプルさが特徴です。

ケイジャーダ:シントラの甘い宝石

世界遺産のシントラの街で生まれたポルトガル版のチーズタルトがケイジャーダ (Queijada) です。シントラに限らずポルトガル全土で食べる事ができますが、地方によって若干味が異なります。色々なケイジャーダがあるので、食べ比べして下さい。ポルトガル風チーズケーキとされますが、チーズの味は殆どしません。

ポルトガルの焼き菓子:修道院の遺産

ポルトガルは10メートルごとにスウィーツ屋があるのでは、ってくらい甘いものを売っているパン屋、スウィーツ屋が多いです。ポルトガルのスイーツはどれもこれも少し日本人には甘すぎるかもしれません。でも中にはどんぴしゃりな焼き菓子もあるので色々と片っ端から食べてみて下さい。安いから安心して!

王様のケーキ:ボーロ・レイ

洋酒が効いたパン生地ににたっぷりのドライフルーツを混ぜて焼いたお菓子で、ポルトガルの濃いエスプレッソコーヒーとの相性が最高です。かなり大きいので一人だと食べ切れないです。

クリスマスの伝統
「Bolo Rei(王様のケーキ)」はクリスマスから公現祭(1月6日)にかけて食べられます。中にはソラマメが一つ隠されており、当たった人は翌年のケーキを買わなければならないというゲーム性があります。ドライフルーツが苦手な人のために、ナッツだけの「Bolo Rainha(女王のケーキ)」も人気です。

ポルトガルのワイン:ヴィーニョ・ヴェルデとポート

ポルトガルで一番有名なワインがヴィーニョ・ヴェルデ (Vinho Verde) です。緑のワインと呼ばれる微炭酸のワインで、キンキンに冷やして飲みます。2026年のトレンドとして、Vinho Verdeの中でも「Alvarinho(アルバリーニョ)」種の単一品種ワインが高く評価されており、長期熟成に耐えうる高級白ワインとしての地位を確立しています。

ポルトガルどころか世界的に有名なワインがポルトワイン、英語名だとポートワインです。甘いワインが大丈夫な人は是非お土産に購入して下さい。

また、ドウロ渓谷(Douro)のスティルワイン(ポートではない普通の赤ワイン)の世界的な評価も急上昇中です。

ポルトガルのコーヒー:ビカ(Bica)の文化

ポルトガルはコーヒーが最高に美味しいです。イタリアよりいけてる。ブラジルと縁が深い分、豆の質がいいのでしょうか?ヨーロッパで一番美味しいと思います。ポルトガルのコーヒーの基本はカフェオレではなくエスプレッソ。

小さなカップでクイッと一気飲みします。ポルトガル人はこの少量のコーヒーに砂糖を何袋も入れて飲み、極甘のケーキを一緒に食べます。その割には肥満体系の人が少ない印象。

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レストランで食べる時の注意点:クーベル(Couvert)について

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日本人の口に良くあうポルトガル料理。ポルトガルは物価も安いので、安心してレストランでポルトガルのグルメを楽しみましょう。ただポルトガルでは着席するなり給仕係が生ハム、チーズ、イワシのパテなどを出してきます。

これを無料のサービスだと思って食べてしまうと会計の時にびっくり。食べた分だけ加算されるシステムなので、食べたいと思ったらそのまま置いてもらい、いらないと思ったらさっさと下げて貰った方が後々トラブルが少ないです。

法改正と現状
ポルトガルでは法律で「注文していないものを請求してはいけない」とされていますが、伝統的な慣習として「手を付けたら同意したとみなす」という暗黙の了解が残っています。もし手を付けていないのに請求されていたら、レシートを確認して指摘すれば削除してくれます。最近では「Couvert(パンやパテのセット)」の価格をメニューに明記する店がほとんどです。

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美食の国、ポルトガルへ旅立とう

ポルトガルは美味しくて、年間を通じて気候が良くて、美しい景色満載で、物価が安く、人々が優しく、お土産物がカワイイ。何を求めて私達は旅をするのか。その全てを叶えてくれるのがポルトガルです。ポルトガルのおすすめを別記事でまとめました。

ポルトガルの魅力、ヨーロッパの穴場ポルトガル、ポルトガルと日本の繋がり
ポルトガルを好きになる理由ユーラシア大陸最西端の立地の悪さからか、観光客が余り訪れないポルトガル。何時だって「ついでに立ち寄るスペインの飛び地」のような扱いを受けてきました。ヨーロッパには他にもメジャーな観光大国が沢山あるので、ポルトガルだ...
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