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イタリアのベニスのまとめ ヴェネツィアで何を見て、何をして、何処に泊まるべきか

   

アドリア海の女王、水の都ベニス。ロマンティックに魅かれて世界中のカップルが集結する事でも有名です。私的には常に大量の観光客で埋め尽くされているのでロマンティックには程遠い場所に思えますが、街並みの美しさは確かに世界で一番。東洋のベニス、南米のベニス、今まで色々な〇〇のベニスを見てきました。でも本家本元のヴェネツィアはやはり格別の美しさでした。

ベニスを効率的に見るには何処に泊まるべきか

ヴェネツィアとはベネツィア本島だけでなく、離島や本土側の市街も含んだ総称です。意外と範囲が広いので、何処に宿泊するのかが、結構大きなポイントとなります。

昼と夜で洋服を変えたり(イタリアは気温差が激しいです)、観光途中で疲れた時に休憩をしたり(ベネツィアはトイレ事情が悪いです)、終電を気にせずロマンティックなディナーをゆっくり楽しみたいなら、ヴェネツィア本島に宿泊しなければなりません。

一番人気のサン・マルコ広場周辺

本島での宿泊はとても便利で快適ですが、宿泊代がかなり高いです。特にサン・マルコ広場周辺は、宿泊だけでなくレストランなども異常に高い。ただその分雰囲気は抜群です。お金に糸目をつけず思いっきりロマンティックを満喫したいならサン・マルコ広場周辺で一択。海からの玄関口でもあるので、アクセスも良いです。

アクセス重視のサンタ・ルチーア駅周辺

ヴェネツィア本島は車の乗り入れが規制されているので水上バス、もしくは歩くしかありません。島は歩くには大きく、その殆どが石畳です。観光する分には趣があって素敵なのですが、大きなスーツケースを引きずって歩くのは大変困難です。

迷路のように入り組んでいるので迷子にもなりやすい。宿の予約をする前に、自分の体力と荷物の大きさを必ず考慮して場所を決めて下さい。アクセス重視でいくなら本島の入り口、カナル・グランデの西に位置する鉄道駅、ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅周辺が一番便利かと思います。

リゾート気分も満喫したいならリド島

本島のような趣のある雰囲気は皆無ですが、リド島は結構穴場です。観光客だらけの本島より落ち着いているし、値段もベネツィア本島より安いです。水上バスが頻繁に本島と結んでいるので意外と便利。

ただやっぱり離島な分、時間に余裕のある人向けかも。ビーチもあるのでのんびりとバカンスを満喫しながらヴェニスも楽しむ、そんな人に向いているかと思われます。

価格重視のイタリア本土側

ヴェネツィア本島の物価は、びっくりするほど何もかもが高いです。価格を重視するならイタリア本土にあるメストレ地区に宿をとりましょう。でもベニスの雰囲気は全くありません。地方都市のベットタウンのような雰囲気。

ヴェネツィア島までバスで10分程なのでアクセスは悪くないです。何よりもメストレ地区には普通のイタリア人が住んでいるので、ベネチア本島より物価がかなり安いです。観光客用のレストランではなく、地元のイタリア人が満足する本場のイタリア料理も楽しめます。

レストラン、バー、スーパー、何でも揃って現地人価格なので、総合的にかなり安くベニスを満喫できるので、ドミトリーなどの安宿もメストレ近辺に固まっています。

駅を挟んで反対側のマルゲラ地区にも安宿が点在しているので、予算に余裕がない人なら迷わずメストレかマルゲラ地区を探しましょう。ただメストレ駅周辺は治安が少し悪いので、夜は注意が必要です。

ベニスで食べるべきイタリア料理

海に面したヴェネツィアなので、魚貝類をお勧めします。イワシのマリネ (Sarde in saor) 、イカ墨のスパゲツティ (Spaghetti con il Nero di Seppie) 、赤エビとホタテのリゾット (Risotto Tradizionale con gamberi rossi e capesante) などが有名。

世界的な知名度を持つティラミス (Tiramisu) は、ヴェネツィア発祥とする説が強いです。ベニス本島にはティラミス専門店も幾つかあります。イタリアを訪れたら絶対食べるべきイタリア料理は、こちらの記事にまとめてあります。

ヴェネツィアの移動手段

ヴェネツィア本島には車が入れないので、島内の移動は水上バスのヴァポレットか水上タクシーを利用する事になります。徒歩だけでも主要な場所を見る事は可能ですが、色々見て周るとかなり歩くので、長距離の移動は船に任せた方がいいと思います。

プラスしてベニスの魅力は本島だけではありません。離島には全く異なった雰囲気の魅力があるので、絶対に訪れて欲しい。離島を訪れるなら必ず水上バスを使用しなくてはならないので、滞在期間に応じた乗り放題パスを買った方が絶対にお得だと思います。

水上バスでは徒歩では見れない景色も見ることが出来ます。ただ常に人で溢れているので情緒はありません。ロマンティックを重視したいならゴンドラがお勧めです。

ベニスと言えばゴンドラ

ゴンドラは元々は住民の足として使用されていたのですが、今では観光客の為だけに存在します。シーズンともなればゴンドラの渋滞が出来る程で、料金は100ユーロ前後が相場。シーズン外なら交渉も可能ですが、シーズン中は強気の価格に跳ね上がる事もあります。

昔のゴンドラは船全体が赤、青、金色に塗られ豪華絢爛な装飾がほどこされていました。そんな贅沢ぶりがエスカレートし過ぎたのでベネチア政府が贅沢取り締まり委員会を組織し、現在のような黒一色に統一されました。

ゴンドラは料金トラブルが多いので、乗船前にきちんと確認しましょう。値段だけでなく、乗船時間も確認するべきです。行きたい場所がある場合は、そちらの確認も怠りなく。

ヴェネツィアの作り

ベニスはアドリア海の干潟に人工的に造られた街です。干潟に直径20センチ、長さが2~5メートルの木の杭を打ち、その上に石を敷きました。そうして土台をしっかりさせてからレンガを積んで家を建てたのです。

ヴェネツィアには森はありませんが逆さまにすると森が出来る、と言われています。それ程沢山の木の杭が打ち込まれヴェネツィアの街を支えているのです。木は年月が経つと腐るイメージがあったのですが、大気に触れない海中だと腐らないのだそう。

ベニスと水害

ヴェネツィアは「アックア・アルタ」と呼ばれる高潮が起こると水没してしまう街です。地元の人は慣れているので、長くつを使用したり、水没しやすい地盤の低い地区を避けて通ったりします。特にヴェネツィアで一番地盤が低いサン・マルコ広場は良く水没する事で有名です。

ヴェネツィアでは一階に住んでいる人は余りいません。お店やレストランなどは増水した時にそなえて商品陳列する棚やコンセントを高い所に取り付けたりして工夫をしているそうです。せっかくベニスを訪れたのに水没してて何も見れなかった、なんて事のないように事前の情報収集はしっかりしましょう。

ヴェネツィアの観光名所

カナル・グランデ

ヴェネツィアの街全体を把握する為に、まずは一番大きな運河、カナル・グランデ (Canal Grande) を水上バスでクルーズしましょう。本島を逆S字を描いて二分する全長3,8kmの大運河です。運河の両脇には宮殿や有名なホテル、何だか分からない素敵な建物たちが立ち並びます。

リアルト橋

ベニスで一番大きな運河、カナル・グランデには4本の橋がかけられていて、その中で一番古いのがリアルト橋 (Ponte di Rialto) です。この橋の周辺は海抜が他の地域より高かったので、ヴェネツィアはまずこの辺りに集落ができ、発展していきました。

周辺には銀行、宝石商、商品取引所が集中し、商業の中心地となっていたので、「富の橋」と呼ばれていました。昔は木製の跳ね橋だったのですが、人の重みで崩壊したり、火災が起きたりしので16世紀末に現在の「白い巨象」と呼ばれる石造りの橋に変えられました。

この時、ミケランジェロも一般公募で設計案を提出したのですが、不採用となっています。お勧めは月曜日から土曜日の午前中にオープンするリアルト橋のたもとの市場。とても活気があって楽しいです。

サン・マルコ広場

ヴェネツィアへの海からの玄関口で、観光の中心地となるのがサン・マルコ広場 (Piazza San Marco) です。この広場に面してベニスの主要観光地が固まっているので、まずはここを目指しましょう。ナポレオンが「世界で一番美しい広場」と称した事でも有名な場所。

カフェ・フローリアン

サン・マルコ広場で必見なのが、世界最古のカフェ・フローリアン (Caffe Florian) です。1720年創業 で、カフェ・ラテ発祥のお店としても有名です。ゲーテ、バイロン、プルースト、ディケンズ、などの歴史的著名人が良く訪れました。

世界で一番のプレーボーイ、カサノヴァは、脱走した後にここでカフェを飲んでからパリへ逃亡したとされています。数々の映画のシーンにも使われましたが「旅情」が一番有名でしょうか。せっかくなので多分貴方の人生で一番高いカフェ・ラテを飲みましょう。10ユーロ位します。

サン・マルコ寺院

サン・マルコ寺院 (Basilica di San Marco) は、11世紀に建設されたビザンティン建築の傑作です。9世紀にエジプトから運ばれた、と言うか盗んできた聖マルコの遺体が納められている事で有名。

内装は豪華絢爛で、特に祭壇の後ろにある黄金の衝立には2000個の宝石が埋め込まれています。シーズン中は長蛇の列になるので注意。

大鐘楼

高さ96,8m、美しいベニスの街を遠くまで見渡せるヴューポイント。混雑時は1時間以上待つ事になるかも。

ため息橋

映画リトル・ロマンスで世界的に有名となったのが、ため息橋 (Ponte dei Sospiri) です。「日没時に恋人同士がゴンドラに乗って、ため息橋の下でキスすると永遠の愛が約束される」そんなヴェネツィアに昔から伝わる伝説を、実行に移した少年少女のお話から、世界中のカップルが訪れるようになりました。

その美しさに皆がため息をもらしたから「ため息橋」なのだとずっと思っていました。でも実際は牢獄へ行く囚人たちが、この橋の小さな窓から見える、もう見納めの美しいヴェネツィアの街を見てため息をついたからなのだそう。

ドゥカーレ宮殿

ため息橋を中から見学したいなら、ドゥカーレ宮殿 (Palazzo Ducale) へ行きましょう。ドゥカーレ宮殿からため息橋を渡った先が牢獄です。シークレットツアーに参加すれば、カサノヴァが投獄された「鉛の牢獄」や拷問部屋なども見学出来ます。

カサノヴァは世界で一番有名なプレーボーイで、この厳重な牢獄から歴史上唯一脱獄に成功した人物です。1000人の女性と関係を持ったとされるカサノバは、ただの容姿端麗な女たらしではありません。

ビジネスマン、外交官、哲学者、作家、色々な分野で活躍したスーパーマンでした。「この世にカサノバが有能さを発揮できない分野はない」とまで言われ、女性の扱いが上手で、常に敬意と礼節を忘れない男。人間的にとても魅力のある男だったからこそモテモテだったのです。

ドゥカーレ宮殿はルネッサンス期のヴェネツィア派を代表する画家、ティントレットの「天国」がある事でも有名です。2階の大評議の間にある天井画で、7x22メートルの世界最大の油絵です。

サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会

サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会は、海に浮かぶ教会なので水上バスを使って訪れます。「水辺の貴婦人」とも呼ばれる、とても優雅な教会です。お勧めは鐘楼からの眺め。観光客もサン・マルコ広場にある鐘楼より少ないし、値段も若干安いです。

カ・ド―ロ

金の館の名前通り当時は金が貼られていました。ベネツィア・ゴシックの最高傑作です。

おすすめのヴェネツィアの離島

ムラーノ島

本島から近くアクセスが良いです。世界的に有名なヴェネツィアングラスの生産地で、大小合わせて200軒程ガラス工房があるのだそう。ヴェネツィアン・グラスの歴史を学べるガラス博物館もあります。

何故この島にガラス工房が固まっているのか。それは1291年にヴェネツィア本島の住宅地にあったガラス工房の溶解炉が炎上しました。ガラス工房は火災の原因となって危ない、との事で政府がガラス職人達を全員一斉にムラーノ島へ移住させたからです。

街並みも本当に素敵です。本島に比べて人が少ないのが良いです。本島は何処へ行っても凄い人なので疲れます。サン・ピエトロ・マルティーレ教会にあるシャンデリアはヴェネツィアングラスで作られています。注目して下さい。

ブラーノ島

カラフルな家が立ち並ぶ可愛らしい街。最近人気急上昇中で、特にアジアからの観光客が沢山いました。ただアクセスは大変悪く本島のサン・マルコ広場から水上バス14番に乗って70分位かかります。

元々は漁師の街です。漁師の街って絶対ハズレが無いです。素敵な町が多い。カラフルな街が多いのは霧の中でも自分達の家を見つけやすくする為とか、自分の船を塗って余ったペンキで家も塗った、とかの理由です。

繊細なレース編みも名産です。漁師の島なので漁用の網作りの技術が発展してレース編みとなったとされています。レース博物館もあります。

ピサの斜塔のように傾いている鐘楼はブラノ島のシンボル。イタリアは結構地盤が悪い所が多く、こうゆう傾いてる塔、結構色々な場所で見ることが出来ます。

ムラーノ島とブラーノ島、ともに1時間は観光にかかるかと思います。小さい島なので30分でいけるって人もいるかもしれませんが、本島にはないのんびりとした素敵な雰囲気の島なので、訪れる私達ものんびり観光したい島です。

リド島

映画ベニスに死すの舞台として有名なリド島。ベネチア国際映画祭が開催されるのもこのリド島です。ベネチア本島とは違ってバスや車も走る島ですが、本島よりゆったりしています。

ヨーロッパの海岸沿いの地方都市、みたいな雰囲気でヴェニスっぽさは全くありません。ヨーロッパの人達に好まれている場所でビーチバカンスを楽しみつつヴェネツアでも観光もする、そんなスタイルの観光客が多いです。

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