世界食べ尽くしの旅 

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ウクライナの観光30選、ウクライナで何を見て、食べて、何をするべきか

      2022/03/15

ウクライナは素晴らしい国です。今は戦争により危機的状況にありますが、近い未来に必ず平和が訪れる事を祈って、ウクライナ観光に関する全てをまとめました。ロシアとウクライナの戦争に関しては別記事で詳しくまとめてあります。

ウクライナで訪れるべき都市

ウクライナは日本の1.6倍の大きさですが、観光地を絞れば案外こじんまりまとまります。出来ればゆっくり色々な地域を訪れて欲しいけれど、首都キエフと西ウクライナの中心地であるリヴィウの街を訪れるだけで充分な気もします。

時間に余裕があるなら、黒海に面したオデッサの街も視野に入れましょう。ただし夏は近寄らない方が無難。オデッサはウクライナで唯一海岸線に面した土地。ウクライナの人達から絶大な人気を誇るので、夏になるとあり得ない程の人で溢れます。

ウクライナ旅行の発着点キエフ

ウクライナの首都キエフは、5世紀に集落として始まり、9世紀にウクライナ最初の中央政権国家であるキエフ大公国の都に定められてから、ずっと首都であり続けました。東ヨーロッパ最古の都市なので、大変魅力多き場所です。

日本語の「キエフ」はロシア語の読み方なので、ウクライナ西部を旅行するなら、ウクライナ語読みで「キーウ」と発音してあげた方が喜ばれます。ウクライナの人達は、愛国心がとても強いからです。

ウクライナ国立歌劇場

キエフで一番の観光の目玉は、ウクライナ国立歌劇場。ボリショイ歌劇場、マリインスキー歌劇場と並ぶ、旧ソ連邦の三大オペラ歌劇場です。格式があるだけでなく、日本を含めヨーロッパ各地で海外公演もこなす、実力派の劇団を抱えます。

ウクライナではオペラやバレエを広く国民に楽しんで貰うために、価格がとても低く抑えられています。更には現在ウクライナの通貨が激安なので、世界で一番安く、格式ある最上レベルのオペラやバレエを見る事ができる国となっています。

私は毎年シーズンになると、キエフでバレエ&オペラ三昧を楽しみます。特に素晴らしいのがキエフ・バレエ団。正統派ロシア古典バレエの流れを受け継ぐ名門で、シーズンオフには必ず日本で遠征公演を行うので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

団員の殆どが、世界最高のバレリーナ、ザハロワを生んだ超名門のキエフ国立バレエ学校出身で、高度なテクニックと抜群のプロポーションを持つ、美しいバレリーナを揃えています。ウクライナは美女生産機と呼ばれるほど美女が多い事で有名なんです。

バレエもその恩恵を大きく受けて、見目麗しいバレリーナが揃いに揃ってます。日本とは比較にならない激安価格で演目を見る事ができるので、日頃バレエに興味がない人も足を運んでみるべきです。美女を眺めるだけでも楽しいはず。

バレエやオペラのチケットの取り方

大抵のチケット売り場の人は英語が話せないので、好みの席があるならWEBで事前に購入した方が確実です。席にこだわりがないのなら、チケット売り場で許容範囲のお札を出せば、その価格内のチケットを売ってくれます。

演目によって価格は異なりますが、1000円もあれば3階席正面のチケットが取れるかと思います。バレエは出来るだけ近くで見た方が楽しいと思うので、出来ればもっと奮発して舞台横のバルコニー席を取る事をお勧めします。

バルコニー席なんて、通常ならどんなにお金を積んでも取れない位の人気席。キエフでなら3000円位から可能です。オペラなら最上階の一番安い席でも充分。舞台は豆粒ですが、音響効果が素晴らしく鳥肌ものです。一番安い席は数百円の世界です。演目や価格は公式WEBで確認して下さい。

キエフの地下鉄

旧共産圏の地下鉄駅は、何処の国も芸術的な美しさを持つのですが、キエフの地下鉄もまた、空間作りとデザインが素晴らしかったです。郊外へ行くほど新しい駅になるので、中心地の駅を狙って散策して下さい。

地下鉄に乗る前は、小銭を用意しましょう。価格がめちゃくちゃ安いので、高額紙幣だとチケットを売ってくれません。ウクライナほど安い公共の乗り物は初めてで、年々高くはなっていますが一律で8フリヴニャ(30円位)です。

超高速エスカレーター

日本は安全第一の国なので、エスカレーターがゆっくり運行します。だからこそエスカレーターを歩く人も多いのですが、ウクライナのエスカレータはめちゃくちゃ速いのでそんな気になれません。余りにも速すぎるので、乗り降りの瞬間はかなり緊張します。

世界一深い地下鉄駅

キエフの地下鉄のアルセナルナ駅は、地下105mに達する世界最深の地下鉄駅です。アルセナル工場へ労働者を運ぶための駅として1960年に開通しました。日本で一番深い駅は、42.3mの都営大江戸線六本木駅。

その2倍以上の深さで、ビルで言えば20階分ぐらい下らなくてはならないので、とんでもなく長いエスカレータがあります。ウクライナ特有の超高速エスカレーターでも、駅のホームに着くまで5分位かかります。

ウクライナ国立チェルノブイリ博物館

1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故は、広島原爆の何倍もの放射性物質が放出する史上最悪の原発事故です。事故当時の状況や被害に関する資料が展示されています。

4号炉がメルトダウンして爆発し、大量の放射能が漏れ出ていたのに、報道が規制され真実を伝えるのに時間がかかり、被害は更に拡大しました。15万人以上が強制退避となり、二度と戻る事は出来ませんでした。

土壌汚染が深刻で、原発から半径30キロ圏内の立ち入り禁止区域では、今後2万4000年は人が安全に住む事は出来ないとされています。現在に至るまで原子力発電所の大事故はチェルノブイリと日本だけ。ウクライナ国立チェルノブイリ博物館には、日本の原子力発電所や福島関連の資料もありました。

ウクライナで自国の原発について学べるとは思っていなかったのでびっくり。博物館には日本語の音声ガイドもあるので、時間をかけてゆっくり勉強して下さい。色々と深く考えさせられる場所です。

世界遺産の聖ソフィア大聖堂

スラブ最古の国家「キエフ・ルーシー」の最大の聖堂として、11世紀にビザンティン様式で建てられました。その後破壊と修復が繰り返され、17世紀に今ある形となりました。

そのために内部には古来のビザンティン様式の装飾が残りますが、外部は丸い屋根が特徴的な、ウクライナ・バロック様式に造り変えられています。一番の見所は何と言っても教会内部の豪華絢爛なフレスコ画やモザイク画。もう圧巻の一言です。

世界遺産のペチェールスカ大修道院

11世紀に建てられた、ロシア正教ウクライナ支部の総本山です。中世から近年にかけて、ウクライナの宗教、教育、学問に大きな影響をもたらした事が評価され、世界遺産に登録されました。

ウクライナの教会は外観も素敵なのですが、金を多用した内部の装飾が本当に凄いです。ウクライナは肥沃な土地に恵まれ、ヨーロッパの穀倉地帯と呼ばれています。昔は小麦と金が交換されたので、ウクライナには金が溢れている、とガイドさんは言っていました。

ウクライナには玉ねぎタイプの屋根が多いです。これは効率的に雪が滑り落ちるよう考えられて造られた形なのだそう。屋根にも金色を使うのは、聖書に金色は天の栄光と記述してあるからです。

ウクライナ歴史文化財博物館

ペチェルスカヤ大修道院の敷地内にあり、ウクライナに伝わる紀元前6世紀から19世紀までの文化財を所蔵します。特に素晴らしいのが、金銀プラチナなどの財宝を使った装飾品の数々の展示。

中でも紀元前4世紀に制作された、スキタイ文化を代表する黄金の首輪が見事です。これほど古い時代にこれほど繊細な彫刻の技術を持っていた事にも驚きますが、その美しい首輪が21世紀の今日まで完璧な形で残っている事にも感動します。

国立キエフ大学

ウクライナの最高学府であるキエフ大学。赤のどぎつい血の色で塗られているのは、ロシア皇帝ニコライ1世に対して学生達が起こした徴兵拒否運動への罰なのだそう。

マイダン独立広場

1990年の革命以来、独立広場は政治集会の中心地です。2013年から2014年にかけても多くの市民が集まり、平和的な抗議デモが繰り広げられていました。それが突然、惨劇へと発展してしまうのです。

政府の治安部隊が民衆のデモ隊に発砲を始め衝突となり、100名以上の死者を出しました。その後も独立広場は、まるで戦時下の形相でした。2017年にバリケードなどが撤去され、焼け焦げだったのも修復され、平和な姿を取り戻しました。

現在の独立広場を見ていると、全てがまるで夢だったかのような気もしてきます。それでも周辺の木には独立広場で亡くなった人達の写真が貼られ、花が添えらていたりするので、まだ歴史には出来ない、生々しい跡を残します。ウクライナ紛争の詳細は、別記事で詳しくまとめました。

聖ミカエル黄金ドーム修道院

ウクライナ語読みだと聖ムィハイ―ル黄金ドーム修道院 (Свято-Михайлівський Золотоверхий монастир) となります。キエフの街は黄金のドームを持つ教会が多いので、黄金ドームの都と呼ばれ、それを象徴する建物となっています。外壁同様内部も青を基調にしていて、とても素敵な教会です。

聖ヴォロディームィル大聖堂 (聖ウラジミール大聖堂)

19世紀に国民の寄付によって建てられた、ロシア正教の教会です。歴史的に古いものではないのですが、内部が豪華絢爛で素晴らしく、国の重要文化財になっています。キエフの教会は外壁がパステルカラーに塗られている事が多く、何だか本当に可愛いです。

聖アンドレイ教会

ウクライナ語で聖アンドリーイ教会 (Андріївська церква) は、18世紀に建てられたロシア・バロック様式の傑作です。教会の美しさは勿論ですが、地元の人達が「キエフで最もキエフらしい地域」と称するほど周辺の雰囲気が抜群です。

教会のある石畳のアンドレイ坂には、趣のある建物と露店の土産物屋が沢山並びます。手作りアクセサリーがめちゃくちゃ可愛いかったし、絵を展示販売する人も沢山いて、ブラブラ歩きが本当に楽しい地区でした。

キエフで絶対に食べるべき料理

キエフ風カツレツ (котлета по-київськи) は、キエフを訪れたら絶対に食べなくてはならない料理です。香草入りのバターを鶏の胸肉で包み、パン粉を付けて揚げた食べ物。切った時にジュワ―っと流れ出るバターをソースにして食べるので、パサパサ感がないのが素晴らしい。

チェルノブイリ日帰りツアー

首都キエフから北に130kmの所にあるチェルノブイリ原子力発電所。除染による放射線量の減少に伴い、一部の地域が一般に公開され、ツアーで訪れる事が出来るようになりました。

2015年には1万人にも満たなかった訪問者数が、2019年には10万人以上に膨れ上がりました。原発事故を舞台にしたテレビドラマシリーズ「チェルノブイリ」がアメリカで大ヒットした事で、アメリカ人ツアー客が大幅に増えているのだそう。

事故のあったチェルノブイリ原子力発電所の4号機が、2016年に原子炉を完全に閉じ込める巨大な金属製のドームで覆われた事で安全性が増した事も、観光客増加に繋がったと言います。

原発から4kmの所にあるプリピャチ市の訪問も、とても印象深い経験となるでしょう。原発で働く人達のベットタウンとして栄え、当時は5万人以上の人達が住んでいたのに、今ではすっかりゴーストタウンと化しています。

3日間だけの一時的避難と言われていたのに、二度と戻る事は出来ませんでした。強制退去命令によって家を奪われた人達の、事故後の死因原因で最も多かったのは、精神的苦痛による自殺だったのだそう。

世界遺産の街リヴィウ

キエフから電車で6時間程の所にあるリヴィウ (Lviv) の街は、隠れた宝石と呼ばれるウクライナを代表する観光名所です。歴史上ポーランド領であった期間が長いので、ロシアよりもポーランドに近い雰囲気を持ちます。

第二次世界大戦の戦火を免れた、リヴィウの美しい旧市街全体が世界遺産に登録されています。反ロシアがとても強い地域なので、政治がらみの話題は避けた方が無難です。

リノック広場

リノック (Rynok )は市場を意味します。カフェや屋台が多く並び、常に人で賑わう街の中心地となっています。かつてこの広場周辺には、多くの上流階級の人々が住んでいました。その名残か上品な印象を持つ16世紀の建築物が、広場を囲むように建っています。

リヴィウ市庁舎
リノック広場に面して建つリヴィウ市庁舎の時計台は、有料で登る事ができます。リヴィウの美しい街並みを65mの高さから一望できるお勧めのスポット。1階はツーリストインフォメーションとなっているので、イベント事が多いリヴィウの旬な情報を仕入れて下さい。

リヴィウの街でトラムに乗る

リヴィウはトラムに乗って観光しましょう。レトロな型のトラムが多く、街との相性も抜群です。意外と大きな街なので、歩きだけだと辛いです。趣ある細い路地を走ったりもするので、お気に入りの景色が見つかるはず。

リヴィヴ・ハンドメイド・チョコレート

リノック広場に続く通りにあるリヴィウ・ハンドメイド・チョコレート (Lviv Handmade Chocolate) は、1階から3階までがチョコレートショップと工場、4階と5階がカフェになっています。

特に屋上の席がめちゃくちゃ素敵なので、是非休憩ポイントにして下さい。ただ週末には行列が出来るほどの人気店です。カフェではチョコ感が凄いブラウニー、ウクライナ人が大好きなチーズケーキ、または濃厚が過ぎるホットチョコレートをお勧めします。寒い冬だと余計に美味しさが心に沁みるはず。

ショップではカカオの純度を変えた、色々なタイプのチョコレートが量り売りされています。上品な甘さで、ウクライナの物価を考えれば高価ですが、他の国に比べたら破格のお値段のチョコです。是非大人買いして下さい。

リヴィウで食べたいウクライナ料理

ボルシチはウクライナ発祥の料理です。一般的にはビーツを使った赤いボルシチが有名ですが、他の野菜を使った様々な色のボルシチがあります。個人的に一番お勧めなのが、酸味のあるスイバを使った緑のボルシチ。

基本的に「手元にあるもの全てをミックスしたもの」をボルシチと呼ぶので、作る人の分だけボルシチのレシピが存在します。ロシアではボルシチはライ麦パンで食べますが、ウクライナではニンニクを染み込ませたパンプーシカと呼ばれる白パンで食べなくてはなりません。

インスタ映えスポット愛のトンネル

線路の両脇に生える木々が線路を囲むように緑のトンネルを作る、とてもロマンティックな場所。地元の恋人達の人気スポットだったのが、SNSの普及で世界的に有名な場所となりました。まるでジブリの世界なので、日本人にも大人気です。

愛のトンネルへはルーツクまたはリヴネの街からアクセスします。位置的にはキエフとリヴィウの中間で、どちらからも4時間ほどかかるので日帰りは不可能。愛のトンネル以外は全く見るものがなく、やぶ蚊が凄い場所なので、初々しいカップルでなければ行かなくてもいいかなとは思います。ちなみに緑のない季節に行くとかなり寂しい感じなので、新緑の季節に行かなくては意味が無いです。

ウクライナ唯一のビーチリゾート

ウクライナ第三の都市オデッサは、黒海に面した湾岸都市で、昔から全ウクライナ人の憧れの土地。寒さの厳しいウクライナの中では温暖な気候で、何よりもビーチがあるからです。

かつてはクリミア半島と人気を分けていたのですが、2014年のウクライナ騒動でクリミア半島がロシアとなったので、オデッサはウクライナで唯一のビーチを持つ街となってしまいました。

ウクライナの人達にとっては、クリミア半島を奪われた形になります。ロシアへの恨みも含んで、オデッサはとても特別な場所となりました。大変人気が高く、特に夏はウクライナ人で溢れかえります。

黒海は日本人にとってはそれ程美しい海ではないので、出来る事なら夏のシーズンを避けて訪れた方が無難だと思います。夏はオデッサへ行く電車や宿を取るのが難しく、物価もかなり上昇します。

街の歴史はとても古く、古代ギリシャまで遡りますが、今ある街並みを作ったのは、19世紀のロシア女帝エカテリーナ2世。隣国のモルドバとのアクセスがとても良いので、セットで訪れる事をお勧めします。

ポチョムキンの階段

名画「戦艦ポチョムキン」の虐殺の舞台となった事で、世界的に有名になった巨大な階段です。映画芸術に革命をもたらしたとされるサイレント映画で、オデッサの階段が使われたシーンは、「映画史上最も有名な6分間」とされています。

特に赤ん坊が乗った乳母車が階段をゆっくり落ちていくシーンは、アンタッチャブルをはじめ多くの映画のオマージュとなりました。芸術的にとても素晴らしい映画だと思うので、オデッサを訪れる前に是非見ておてい欲しいです。

階段は147mの高さを持ち、198段あります。高台の市街地と港を結ぶ役割を持ち、上から見ると踊り場しか見えず、下から見ると階段しか見えない、目の錯覚を起こすような作りをしています。

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ウクライナは美しいだけではありません。とても美味しい事でも有名。ウクライナを訪れたら絶対に食べるべき、美味しいウクライナ料理をまとめました。

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