スペインの白い村、アンダルシア地方で有名な観光地の白い村に関する全て
2021/04/18
スペイン南部のアンダルシア地方は、一年を通して気候が良い事で有名です。太陽と美しいビーチが、アンダルシア地方の大きな魅力となっていますが、それだけではありません。有名な観光地が多く見所が盛り沢山。中でも一番は白い村々だと思います。今回はスペインを訪れたら絶対に外せない、アンダルシア地方の白い村巡りに関する全て。
スペインの白い村は何故白いのか
青い空に白い村は、スペイン南部のアンダルシア地方を代表する景色です。とは言っても白い村はスペインに限った事ではありません。チュニジアを中心としたアフリカ北部、ポルトガルからギリシャ辺りまでの地中海沿いの地域で良く見る事の出来る風景。
それでも一般的に「白い村」と言えばスペインのアンダルシア地方を意味し、世界中から多くの観光客を引き寄せています。スペイン南部の白い村の家々は、ペンキではなく漆喰で塗られています。
日本でも定着している漆喰ですが、5千年前にエジプトのピラミッドの壁に使われたのが起源だとされています。スペインには古代ローマ人が持ち込み、イスラム教徒による支配時代に改良され定着しました。
漆喰とはサンゴ礁を元にした石灰石を焼いて水を加えたもの。各国の風土に合わせて改良され、全世界で使用されるようになりました。漆喰の壁は呼吸します。少しづつ二酸化炭素を吸収しながら固くなる性質があるので、夏は湿気、冬には乾燥を防ぎ、年間を通じて家の中の湿度を快適に調節する働きがあります。
そして石灰には消毒剤の役割もあります。そんな働きからスペイン南部では家だけでなく病院も白、そして病人の為の避難所の役割もあった教会も白壁です。白という色もとても大切です。スペインの地中海沿いの地域は長くて暑い夏が特徴的。
白にはその余りにも強い日差しを反射させ、家の中の温度を上げない効果があります。そして夜には月光を反射して、防犯にもなったと言います。美しいだけでなく、沢山の恩恵が白壁には隠されていたのです。
スペインの白い村は何処にあるのか
白い村はスペイン南部のアンダルシア地方を訪れれば必ず見る事が出来ます。反対に白くない村を探す方が難しいぐらい。ただ海岸沿いは何処もかしこもリゾート化が凄まじく、私達がイメージするような白い村は存在しません。海岸部から少し内陸に入れば白い村々が登場し、20キロ程山間へ行けば白い村しか存在しないようになります。
問題は交通の便の悪さ。レンタカーが無いと点在する白い村々を巡るのは難しいかと思います。アンダルシア地方のおすすめの美しい白い村々を集めたリストを別記事で作りました。
一番簡単に行けるスペインの白い村
レンタカーを借りなくても、公共の交通機関だけでも訪れる事の出来る白い村も存在します。ミハス・プエブロ(Mijas Pueblo)。世界中からの観光客が訪れるアンダルシアきっての観光地で、日本のCMが撮影されたので日本人にとっても有名な白い村です。
公共の交通網があるだけでなく、本数が多いのでアクセスが抜群なんです。マラガ空港からミハス行きの直通バスが一日に3~4本あります。一番楽な方法ですが、時間が合わないようなら電車でフエンヒローラの街まで行き、バスに乗り換えてミハス村まで行きます。
電車もバスも一時間に何本かあり、乗り換え時間も含めてマラガ空港から2時間位見とけば良いかと思います。通常白い村々は本当にアクセスの悪い所に点在しているので、公共の交通機関で手軽に行けるのはミハスの白い村以外ないかと思います。
一番お勧めのスペインの白い村
時間に限りがあるのなら、マラガ県のミハス村以外の選択肢はありません。もし時間に余裕があるのなら、ロンダ(RONDA)の街が一番お勧めです。マラガやセビージャから日帰りが可能ですが、日帰りするなんて勿体ないほど素晴らしい街です。
ロンダは街自体の魅力も盛り沢山なので、この街を拠点にして周辺の小さな白い村々をレンタカーで周るのが最強プランです。ロンダへの行き方、楽しみ方に関しては別記事でまとめました。
スペインのアンダルシア地方の楽しみ方
白い村巡りには更なる楽しさがあります。アンダルシア地方は小皿料理とはしご酒が有名な地域。レンタカーを運転するならお酒は飲めませんが、冷たいノンアルコールドリンクと一緒に小皿料理を各村々で楽しんでみてはいかがでしょうか。
とにかく暑い地方なので、こまめな休憩と水分補給が必要です。村ごとに自慢の一皿があったり、定番の料理でもお店によってアレンジが異なったりするので、村ごとに食べ比べても楽しいです。白い村と白い村の間は1時間弱ぐらいの距離です。
アンダルシア地方の有名な郷土料理
イスラム風のスペイン料理
アンダルシア地方は8世紀に渡ってイスラム教徒の支配下にいました。文化だけでなく、食にもイスラムの影響を強く受けています。そんなアンダルシアならではの食べ物が、ピンチョ・モル―ノ (Pincho Moruno) 。直訳すると「イスラム人の串焼きの肉」です。
イスラム風にたっぷりの香辛料でマリネされた肉を串焼きにした食べ物なのですが、一般的にスペイン人はスパイスや辛さに弱いので、マイルドにアレンジされています。香辛料が少な目、そしてイスラム教ではタブーとされる豚肉を使います。イスラムとスペインが上手くミックスされた食べ物です。
作る人によって使うスパイスが異なりますが、ニンニク、パセリ、パプリカ、唐辛子が基本です。今まで一度も同じ味のピンチョ・モル―ノを食べた事がありません。色々な村で食べ比べて楽しんで下さい。
シェリー酒を使ったスペイン料理
アンダルシア名産の世界的に有名なシェリー酒。ポルトガルのポートワイン、マディラワインと共に世界三大フォーティファイド・ワイン(酒精強化ワイン)とされています。辛口から超甘口まで、色々なタイプが揃っています。
アンダルシア地方ならではの、シェリー酒を使った料理も是非楽しんで下さい。一番有名な料理が牛のレバーをシェリー酒で煮込んだ、イガド・アル・へレス(Higado al Jerez) です。味わい深いシェリー酒は肉料理との相性が抜群で、風味が強い分、臭み消しにもなります。そして肉の味に独特の深みを出すのです。
スペインの有名なタパス文化で食べるパエリア
スペインと言えばパエリア (Paella) 。日本と言えば寿司、それぐらい世界的に認識されているスペイン料理です。本来はバレンシア地方の郷土料理なのですが、アンダルシアで食べるパエリアも少し違った感じの料理みたいで美味しいです。
通常パエリアを食べるには、結構お高めのレストランで予約をし、パエリアだけをメインディッシュとして食べます。スペイン独自の食文化がタパスと呼ばれる小皿料理。アンダルシア地方ではパエリアも小皿料理として食べます。
ただ本場バレンシアのパエリアとは別物と考えて下さい。本家のパエリアはアルデンテで炊かれるのですが、アンダルシアのは水分が多くおじやっぽいです。味もかなり庶民的で、お袋の味的な優しい味がするパエリアです。
アンダルシアならではの食べ物
アンダルシア地方、特にマラガ周辺で有名なのがチ―ボ (Chivo) です。カブリートとも呼ばれる4か月位の、まだ乳しか飲んでいない子ヤギの肉。子羊の肉は世界どこででも食べる事が出来ますが、子ヤギ肉となると限られてきます。
ヤギ肉はかなり野性味のある味がするのですが、チ―ボは乳しか飲んでいない子ヤギなので、それ程癖がありません。煮込みも美味しいですがオーブン焼きが最高です。獣臭い肉が平気な方なら大人になったヤギ肉も是非試してみて下さい。ヤギの肉は都会よりも田舎の方が見つけやすいので、白い村巡りと組み合わせて楽しんで頂きたい食材です。
マラガを代表する食材
ボケローネス(Boquerones)はカタクチイワシを意味し、アンダルシア一帯で食べられていますが、特にマラガが有名です。スペイン人はマラガ出身の人達をボケローネスと呼ぶほどです。
色々な調理法がありますが、定番はフライ。内臓を取り除いたカタクチイワシに粗塩をふり、小麦粉をまぶして揚げるだけのシンプルさですが最高に美味しいのです。揚げる油がオリーブオイルだからなのでしょうか。独特の風味がします。
アンダルシア地方の食文化
アンダルシア地方のレストランは皿の大きさを選べる所が多いです。食の細い日本の方なら、例え2人でも小皿料理の方だけを注文して下さい。アンダルシア地方には美味しいものが沢山あります。まずは小皿で注文して、美味しかったらもう一個頼めばいいのです。事前にきちんと注文しないと、大皿を勝手に出されてしまうので注意が必要です。
スペインを訪れたら絶対に食べておきたい美味しいスペイン料理を別記事でまとめました。
おすすめのアンダルシア地方の観光地
スペインのアンダルシア地方は見所が盛沢山の地域です。白い村の他にも見るべき場所が沢山あります。アンダルシア地方全ての街の見所を、こちらの記事でまとめました。
おすすめのスペインの観光地
アンダルシア地方は見所が多いので、アンダルシア地方だけを旅して丁度良いくらい。でもスペインには他にも沢山観光名所があります。地方によって全く異なった顔をみせてくれるのがスペインの魅力。色々と組み合わせても楽しいかと思います。別記事でスペイン全土のおすすめの観光地をまとめました。