スペイン在住30年のフードライターが、スペインの絶品ソーセージを徹底解説。今回はスペインの腸詰類だけにスポットを当てています。「スペインを訪れたら絶対食べるべき美味しいスペイン料理50選」を別記事で詳しくまとめてあるので、こちらも参考にして下さい。

- 【2026年版】スペインを代表する美味しいソーセージと腸詰類
- チョリソ― (Chorizo):スペインの腸詰類を代表する王様
- チョリソ・ピカンテ (Picante):辛党のためのソーセージ
- チョリソ・クラール (Cular):サラマンカ地方の極太高級種
- サルチチョン (Salchichón):胡椒香るマイルドな味わい
- フエ (Fuet):バルセロナ発祥の白カビ熟成絶品スナック
- ロモ (Lomo):豚ロースを丸ごと熟成させた最高級品
- モルシージャ (Morcilla):ブルゴス名物のブラッドソーセージ
- モルコン (Morcón):残り物には福がある?肉感たっぷりの腸詰
- カベセロ・デ・ロモ (Cabecero):脂身の甘みが癖になる逸品
- サラミ (Salami):スペイン人家庭の常備食
- ブティファラ (Butifarra):カタルーニャ地方の白ソーセージ
- ソブラサダ (Sobrasada):マヨルカ島発!塗って食べる生チョリソ
- スペインと言えばやっぱり生ハム(日本への持ち込みは厳禁!)
- スペインの不思議な食習慣
【2026年版】スペインを代表する美味しいソーセージと腸詰類
スペインは、生ハムだけの国ではありません。エンブティードス(Embutidos) と呼ばれる腸詰類がやたら美味しい国です。スペインのソーセージ類は本当に種類が豊富なので、それぞれの特徴や作り方などを詳しく解説したいと思います。
チョリソ― (Chorizo):スペインの腸詰類を代表する王様

スペインを訪れたら絶対食べるべき腸詰類の代表格が、チョリソー (Chorizo) です。スペイン発祥のソーセージですが、16世紀にスペインが新大陸を征服した際に中南米にも持ち込まれ、広く浸透しました。現在では本家スペインだけでなく、中南米でも欠かせない食べ物となっています。
スペインのチョリソーの一番の特徴は肉を挽かないこと。不揃いに刻んだ豚肉を使うので肉感が強いです。豚肉に塩、ニンニク、パプリカパウダーなどのスパイスを混ぜ、24時間寝かせた後に腸詰にし、2~3ヶ月の間涼しく乾いた場所に吊るして熟成させます。
科学的な着色料は一切使用していません。赤い色はパプリカパウダーの色。パプリカは和名だと甘唐辛子で、味に辛味ではなく深みを加えます。そのため、スペインのチョリソーは赤くても辛くないのが大きな特徴。
しかし、日本ではメキシコ産のソーセージの方が出回っています。そのため、スペインのソーセージと言えば辛いイメージを持つ人が多いのですが、唐辛子を効かせた辛いソーセージはメキシコ産です。
スペインの腸詰類の王者、チョリソーの価格は本当にピンキリ。最高級とされるイベリコ豚を使ったソーセージなら、近所のスーパーの本日の値段で、キロ当たり36,60ユーロでした。安い物ならキロ当たり11ユーロ位からありますが、基本的に高ければ高いほど美味しいです。
チョリソ―にはそのまま食べるタイプと調理用の2種類あります。そのまま食べるタイプの腸詰類は、乾燥させる事によって保存性を高めているので、調理する必要がないのです。薄くスライスしてそのまま食べます。
【旅のヒント:マドリードで最高のチョリソを探すなら】
マドリード中心部にある「サン・ミゲル市場(Mercado de San Miguel)」は、観光客に大人気のグルメスポット。多種多様で高品質なチョリソを少しずつ試すことができます。ただ、私的にはスペイン唯一のデパート、エル・コルテイングレスの地下の食料品売り場を断然おすすめします。
真空パックになっているものを購入するのではなく、量り売りのものを買いましょう。ガラス製のケースの中にある一番高いチョリソーを指さして、大きな声で100g(シエン・グラーモ)と言いましょう。どんなに高くても100gならそれほど懐は痛みません。もう一度言います。高ければ高いほど美味しいです。
チョリソ・ピカンテ (Picante):辛党のためのソーセージ

スペインにも唐辛子を効かせたスパイシーなソーセージも存在します。チョリソ・ピカンテ(Chorizo picante)と呼ばれ、確かにピリ辛ではありますが、メキシコ産に比べればかなりマイルド。実はスペイン人、唐辛子の辛さが苦手なんです。
腸詰類の価格の違いは、ただただ使っている豚肉の種類の差です。同じ豚肉でもイベリコ豚なら価格が倍、さらにイベリコ豚の中でもランクがあります。もう一度言わねばならぬのですが、腸詰類は価格が味に顕著に反映されるので、本当に美味しい腸詰類を食べたかったら・・・奮発して下さい。
チョリソ・クラール (Cular):サラマンカ地方の極太高級種

高級品種であるイベリコ豚の肉を使い、通常のソーセージより小ぶりで短いタイプを、チョリソ・クラール (Chorizo cular) と呼びます。特にサラマンカとアビラ産のものが有名。通常のソーセージはグラム単位で購入出来ますが、チョリソ・クラールは一本単位で購入します。
80%はイベリコ豚の肉、その他20%は脂身、塩、パプリカ、ニンニク、オレガノなどが入ります。スペインの田舎の村を訪れると、手作りのチョリソ・クラールが売られています。あり得ないほど美味しいので、是非とも購入して下さい。
・アドバイス:サラマンカの中央市場 (Mercado Central) は、地元産の最高級チョリソが手に入る穴場です。
サルチチョン (Salchichón):胡椒香るマイルドな味わい

スペイン人からの人気で、チョリソ―の対抗馬となるのが、サルチチョン (Salchichon) と呼ばれるソーセージです。チョリソと同じような製作過程を踏みますが、大きな違いは肉の刻み方。サルチチョンの方が細かく刻むので食感が柔らかいです。
チョリソはオレンジの色が強く出ますが、サルチチョンはパプリカパウダーを使用しないのでピンクに近いです。塩、粒コショウを基本にオレガノ、ナツメグ、クローブ、コリアンダーなどで味付けします。
サルチチョンはサラマンカ地方のものが一番美味しいとされます。キロ当たり28.30ユーロ。安いものだと12.40ユーロ位です。チョリソ―とサルチチョンの関係はカレーとシチューのよう。同じようでいて、全く異なった美味しさを持ちます。
生ハム、チョリソー、サルチチョン、チーズ、オリーブの実。この5つがスペインの定番おつまみセット。スペイン人の家庭に招かれると、アペリティフとして必ず登場します。
フエ (Fuet):バルセロナ発祥の白カビ熟成絶品スナック

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方の名物がフエ(Fuet)と呼ばれるソーセージ。指二本分の太さで長さは40cm位のドライソーセージです。一番の特徴は白カビで覆われている事。
フエは丸ごと一本購入します。サルチチョンに良く似た味ですが、サルチチョンより固い。また、細くて短いので熟成期間が短いため、お値段が大変安い。日本でもEl POZO社のフエが販売されていますが、かなりお高めなのでスペインにいる間に満喫しましょう。
スペインのフエの位置付けは、安くて美味しい庶民のオヤツ。1本500円以内で購入出来るので、食べ盛りの子供がいる家庭に必ず常備されている食べ物です。5000年前から存在し、生肉に付着したバクテリアによって、偶発的に発酵して生まれたのだそう。
【バルセロナでソーセージの楽しみ方】
本場カタルーニャのフエを楽しむなら、バルセロナの台所「ボケリア市場(ラ・ボケリア)」へ。ランブラス通り沿いにあり、観光の合間に立ち寄れます。
ロモ (Lomo):豚ロースを丸ごと熟成させた最高級品

スペインの腸詰め類の中で、横綱的存在なのがロモ (Lomo) です。ロモとは豚の背肉(ロース)を意味し、通常のソーセージ類は刻んだ肉を使いますが、ロモは余分な脂身を省いた豚の背肉を丸ごと使います。
豚の背肉をブロックのまま塩、胡椒、ニンニク、オレガノ、レモン、オリーブオイルなどに48時間漬け、腸に詰めて3ヶ月間乾燥させて熟成させます。切り口を見ると脂肪分が霜降り状態で入っています。
スペインでは生ハムが一番の高級品。そして生ハムは値段の振り幅が凄いです。ロモは生ハムに次ぐ高級品ですが、価格は高いものの振り幅が少ない。放し飼いにされドングリだけを食べて育つベジョータと呼ばれる豚で作ったロモが一番の高級品なので是非一度試してみて下さい。
最上級品でキロ当たり70ユーロ位から。ロモは安いものでもキロ当たり40ユーロ位するので、味も価格も横綱級。肉そのものなのでソーセージ感がなく、癖の無い優しい味で誰にでも好まれるかと思います。
モルシージャ (Morcilla):ブルゴス名物のブラッドソーセージ

モルシージャ (Morcilla)は豚の血を凝結させて作る腸詰め。“固まった血”そのままの黒い色が特徴で、かなり癖のある味です。病みつきになる人と苦手な人で半分半分の確率でしょうか。
モルシージャには色々なタイプがあります。写真のように薄くスライスしてそのまま食べるタイプと、茹でたり焼いたり調理して食べるタイプ。より一般的なのは調理するタイプでしょうか。
一番有名なモルシージャはブルゴス産のもの。血の他にラード、米、塩胡椒、玉ねぎなどが入るので、モルシージャが苦手な人でも大丈夫だったりします。こんがり焼いてパンにのせて食べると美味しいです。
モルシージャは血をメインにして作るので、肉の品種の差が味に反映しません。高貴な豚の血も安い豚の血もほぼ同じ味。なので価格帯もキロ当たり10ユーロ位で、どれもほぼ同じ値段です。
好き嫌いが分かれる味なので、まずは少量を買って様子を見ましょう。スペインのスーパーでは何事もキロ単位で表示されていますが、100グラムから購入が可能です。ただし、調理用のモルシージャは生では食べることが出来ないので、レストランで食べたほうが無難かも。
【モルシージャの本場ブルゴスでの楽しみ方】
モルシージャの本場ブルゴスは、壮大なカテドラル(大聖堂)でも有名です。この大聖堂周辺のバルに、焼きたてのモルシージャをタパスとして提供する店が多くあります。
モルコン (Morcón):残り物には福がある?肉感たっぷりの腸詰

スペインのモルコン (Morcón) は ”もったいないおばけ” 精神が生み出したソーセージ。他のソーセージを作った後に余った色々な部位の肉を集め、大きめにカットして腸詰めにし、寄せ集めの肉達がきっちり連結するように、タコ糸でグルグル縛ってから熟成させます。
だからこそモルコンはどのソーセージより大きく、形が不揃いなのが特徴です。残り物には福がある、寄せ集めの豊かな味がして、肉の味も強いので、個人的にかなりおすすめのソーセージ。本日のお値段だと、キロ当たり25.89ユーロでした。
カベセロ・デ・ロモ (Cabecero):脂身の甘みが癖になる逸品

最近マイブームとなっているのがカベセロ・デ・ロモ(Cabecero de lomo)と呼ばれるソーセージ。豚の頭付近の背肉を使います。見るからに脂っこそうなのですが、ほんのり甘い脂身の旨味が病みつきになります。
キロ当たり26ユーロ。カベセラ・デ・ロモは値段の差がとても大きく、安いものだと脂っこいだけで余り美味しくないです。奮発して高いものを購入しましょう。霜降り牛と同様、高級な肉の脂身は絶品です。
スペインで脂身の美味しさに目覚めたら東欧へ行くべきです。東欧やロシアには脂身の白い部分だけのソーセージが存在します。真っ白なもろ脂身で最初は戸惑いますが、至福の味です。
サラミ (Salami):スペイン人家庭の常備食

他の腸詰類と比べると価格が断然安いので、冷蔵庫に常備される事が多いのがサラミ (Salami)。豚の挽肉とラードに、塩、香辛料、ラム酒などを混ぜて熟成させた腸詰です。キロ当たり10ユーロ位。
安いからこそパンにごっそり挟んで食べたり、冷凍ピザの追加トッピングにしたりします。とても安いソーセージなので、豪快に使っても懐が痛みません。ただ安いだけに油に上品さがなく、しつこいので、単品では食べず美味しいパンと一緒に食べましょう。
ブティファラ (Butifarra):カタルーニャ地方の白ソーセージ

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方名産のソーセージがブティファラ (Butifarra)。他のソーセージのように豚肉を挽いて作りますが、熟成させません。腸詰にしたら直ぐ80℃程度のお湯で30分間茹でてから冷蔵庫で冷やし、翌日から食べる事が出来ます。
茹でる際にお湯を決して煮立たせないのが秘訣なのだそう。味付けは白コショウ、ナツメグ。白いブティファラと黒いブティファラ、2つの種類があります。黒い方には豚肉の他に脂身や血が混ざります。値段はキロ当たり10ユーロ位からあります。
普通に美味しいのですが、普通なんで、わざわざスペインまで来て食べなくても…とは思います。
ソブラサダ (Sobrasada):マヨルカ島発!塗って食べる生チョリソ

バレアレス諸島のマヨルカ島の名産がソブラサダ(Sobrasada)。チョリソ―をペースト状にしたような食べ物です。豚肉と脂身に塩、胡椒、パプリカパウダーを混ぜて作ります。
バゲットに塗ってトースターで少し焦げ目をつけて食べても美味しいです。スペイン人はソブラサダとハチミツを混ぜたり、あめ色玉ねぎと一緒に食べたり、ソブラサダの上にとろけるチーズをのせて食べたりします。
どこででも購入できますが、スーパーのパック詰めのやつだと脂の味しかしないので、おすすめしません。ショーケースの中で量り売りにされている、写真のような腸詰として売られているタイプを必ず購入しましょう。
【ソブラサダを食べに地中海のリゾート・マヨルカ島へ】
ソブラサダの故郷パルマ・デ・マヨルカへは、マドリードやバルセロナから飛行機で約1時間。LCCも多く飛んでおり、2026年現在も気軽にアクセスできるリゾート地です。本当におすすめの場所なんで、是非とも訪れてソブラサダ三昧して下さい。マヨルカのソブラサダは絶品です。
スペインと言えばやっぱり生ハム(日本への持ち込みは厳禁!)

今回はスペインのソーセージにスポットを当てましたが、スペインを訪れたからには、生ハムは絶対に食べなくてはなりません。腸詰類と同じで、イベリコ豚を使ったものが高級品。その中でも放し飼いにされて、ドングリなどの自然の恵みだけを食べて育つ、足の爪が黒い豚の生ハムが最上級品です。
パタ・ネグロ (Pata Negro) と呼ばれ、キロ当たり200ユーロ以上します。生ハムは安いものだとキロ当たり20ユーロぐらい。価格の差が本当に大きく、値段の差は味にきちんと反映します。
もし、「スペインの生ハムは塩辛い、そんなに美味しくない」なんてぼやいてる人がいたら「安い生ハムしか食べた事がないからだよ」と言ってやって下さい。スペインの生ハムは、値段の差が確実に味の差になります。
レストランで食べると懐が痛むのでお店で購入し、ホテルで食べるのが一番だと思います。普通のスーパーだと安い生ハムや腸詰しか売っていない事が多いので、大都市には必ずあるデパート、エル・コルテ・イングレス(El corte ingles)のグルメコーナーで購入して下さい。
【重要:生ハムをお土産にすることについて】
2026年現在も、スペインを含む海外から日本への肉製品(生ハム、ソーセージ等)の持ち込みは、個人の手荷物であっても厳しく禁止されています。真空パックや免税店で購入したものでも、日本到着時の動物検疫で没収されます。美味しいハムやソーセージは、現地で存分に味わって帰りましょう。
スペインの不思議な食習慣
スペインは不思議な国。中でも一番外国人観光客を戸惑わせるのが、スペイン人の食事時間の遅さです。スペイン人の不可思議な食事時間や食習慣を知りたい方は、別記事も是非読んでみて下さい。スペイン人は本当に特殊です。



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