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スペインのソーセージ15選、スペインの腸詰を全種類解説

      2022/02/04

スペイン在住20年のフードライターが、スペインのソーセージを徹底解説。この記事はスペインの腸詰類だけにスポットを当てました。スペインを訪れたら絶対食べるべき、美味しいスペイン料理50選は別記事で詳しくまとめてあります。

おすすめのスペインのソーセージ

スペインは、生ハムだけの国ではありません。エンブティードス(Embutidos) と呼ばれる腸詰類がやたら美味しい。スペインのソーセージ類は種類が本当に豊富なので、それぞれの特徴や作り方などを解説したいと思います。

チョリソ―

スペインを訪れたら絶対食べるべき腸詰類の代表格が、チョリソー (Chorizo) です。スペイン発祥のソーセージですが、16世紀にスペインが新大陸を征服した際に中南米に持ち込まれ、広く浸透しました。現在では本家スペインだけでなく、中南米でも欠かせない食べ物となっています。

スペインのソーセージの一番の特徴は肉を挽かないこと。不揃いに刻んだ豚肉を使うので肉感が強いです。豚肉に塩、ニンニク、パプリカパウダーなどのスパイスを混ぜ、24時間寝かせた後腸詰にし、2~3ヶ月の間涼しく乾いた場所に吊るして熟成させます。

着色料は一切使用しません。赤い色はパプリカパウダーの色。パプリカは和名だと甘唐辛子で、味に辛味ではなく深みを加えます。スペインのソーセージは辛くないのが大きな特徴。日本ではメキシコ産のソーセージの方が出回っているので、唐辛子を効かせた辛いソーセージの方が馴染みが深いのではないでしょうか。

スペインのソーセージの価格は本当にピンキリ。最高級とされるイベリコ豚を使ったソーセージ、近所のスーパーの本日の値段で、キロ当たり23,60ユーロでした。安い物ならキロ当たり11ユーロ位。基本的には高ければ高いほど美味しいです。

チョリソ―にはそのまま食べるタイプと調理用の2種類あります。そのまま食べるタイプの腸詰類は、乾燥させる事によって保存性を高めているので、調理する必要がないのです。薄くスライスしてそのまま食べます。

チョリソ・ピカンテ

スペインには唐辛子を効かせたスパイシーなソーセージも存在します。チョリソ・ピカンテ(Chorizo picante)と呼ばれ、確かにピリ辛ではありますが、メキシコ産などと比べればかなりマイルド。実はスペイン人、唐辛子の辛さが苦手なんです。

腸詰類の価格の違いは、使っている豚肉の種類によります。同じ豚肉でも高級品種であるイベリコ豚なら価格が倍近くになります。腸詰類は価格が味に顕著に反映されます。本当に美味しい腸詰類を食べたかったら・・・奮発しましょう。

チョリソ・クラール

高級品種であるイベリコ豚の肉を使い、通常のソーセージより小ぶりで短いタイプを、チョリソ・クラール (Chorizo cular) と呼びます。特にサラマンカとアビラ産のものが有名です。通常のソーセージはグラム単位で購入出来ますが、チョリソ・クラールは一本単位で購入します。

80%はイベリコ豚の肉、その他20%は脂身、塩、パプリカ、ニンニク、オレガノなどが入ります。スペインの田舎の村を訪れると、手作りのチョリソ・クラールが売られています。あり得ないほど美味しいので、是非とも購入して下さい。

サルチチョン

チョリソ―の対抗馬となるのが、サルチチョン (Salchichon) と呼ばれるソーセージです。チョリソと同じような製作過程を踏みますが、大きな違いは肉の刻み方。サルチチョンの方が細かく刻むので食感が柔らかいです。

チョリソはオレンジの色が強く出ますが、サルチチョンはパプリカパウダーを使用しないのでピンクに近いです。塩、粒コショウを基本にオレガノ、ナツメグ、クローブ、コリアンダーなどで味付けします。

サルチチョンはサラマンカ地方のものが一番美味しいとされます。キロ当たり22.30ユーロ。安いものだと12.40ユーロ位です。チョリソ―とサルチチョンの関係はカレーとシチューのよう。同じようでいて、全く異なった美味しさを持ちます。

生ハム、チョリソー、サルチチョン、チーズ、オリーブの実。この5つがスペインの定番的おつまみセット。スペイン人の家庭に招かれると、アペリティフとして必ず登場します。

フエ

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方の名物がフエ(Fuet)と呼ばれるソーセージ。指二本分の太さで長さは40cm位のドライソーセージです。一番の特徴は白カビで覆われている事。

フエは丸ごと一本購入します。サルチチョンに良く似た味ですが、サルチチョンより細くて短いので熟成期間が短いです。その為お値段が大変安い。日本でもEl POZO社のフエが販売されていますが、かなり高い価格設定。

スペインのフエの位置付けは、安くて美味しい庶民のオヤツ。1本300円以内で購入出来るので、食べ盛りの子供がいる家庭なら、常備されている食べ物です。5000年前から存在し、生肉に付着したバクテリアによって、偶発的に発酵して生まれたのだそう。

ロモ

スペインの腸詰め類の中で、横綱的存在がロモ (Lomo) です。ロモとは豚の背肉(ロース)を意味し、通常のソーセージ類は刻んだ肉を使いますが、ロモは余分な脂身を省いた豚の背肉を丸ごと使います。

切り口を見ると脂肪分が霜降り状態で入っています。背肉をブロックのまま塩、胡椒、ニンニク、オレガノ、レモン、オリーブオイルなどに48時間漬け、腸に詰めて3ヶ月間乾燥して熟成させます。

スペインでは生ハムが一番の高級品。でも生ハムは値段の振り幅が凄いです。ロモは生ハムに次ぐ高級食品ですが、一定した価格が高い。中でも更に高いのが、放し飼いにされドングリだけを食べて育つベジョータと呼ばれる豚で作ったロモ。

最上級品でキロ当たり70ユーロ位から。ロモは安いものでもキロ当たり40ユーロ位するので、味も価格も横綱級です。肉そのものなのでソーセージ感がなく、癖の無い優しい味で誰にでも好まれるかと思います。

モルシージャ

モルシージャ (Morcilla)は豚の血を凝結させて作る腸詰めです。“固まった血”そのままの黒い色が特徴で、かなり癖のある味。病みつきになる人と苦手な人で半分半分の確率でしょうか。

モルシージャには色々なタイプがあります。写真のように薄くスライスしてそのまま食べるタイプと、茹でたり焼いたり調理して食べるタイプ。より一般的なのは調理するタイプでしょうか。

一番有名なモルシージャはブルゴス産のもの。血の他にラード、米、塩胡椒、玉ねぎなどが入るので、モルシージャが苦手な人でも大丈夫だったりします。こんがり焼いてパンにのせて食べると美味しいです。

モルシージャは血をメインにして作るので、肉の品種の差が味に反映しません。高貴な豚の血も安い豚の血も同じ味。価格帯もキロ当たり10ユーロ前後で、どれもほぼ同じ値段です。

好き嫌いが分かれる味なので、まずは少量を買って様子を見ましょう。スペインのスーパーでは何事もキロ単位で表示されていますが、100グラムから購入が可能です。

モルコン

スペインのモルコン (Morcón) は ”もったいないおばけ” 精神が生み出したソーセージ。他のソーセージを作った後に余った色々な部位の肉を集めて、大きめにカットして腸詰めにし、寄せ集めの肉達がきっちり連結するように、タコ糸でグルグル縛ってから熟成させます。

だからこそモルコンはどのソーセージより大きく、形が不揃いなのが特徴です。残り物には福がある、寄せ集めの豊かな味がして、肉の味も強いので、個人的にかなりおすすめのソーセージです。本日のお値段だと、キロ当たり21.89ユーロでした。

カベセロ・デ・ロモ

最近マイブームとなっているのがカベセロ・デ・ロモ(Cabecero de lomo)と呼ばれるソーセージ。豚の頭付近の背肉を使います。見るからに脂っこそうなのですが、ほんのり甘い脂身の旨味が病みつきになります。

キロ当たり21ユーロ。カベセラ・デ・ロモは値段の差がとても大きく、安いものだと脂っこいだけで余り美味しくないです。奮発して高いものを購入しましょう。スペインで脂身の美味しさに目覚めたら東欧へ行くべきです。東欧やロシアには脂身の白い部分だけのソーセージが存在し至福の味です。

サラミ

他の腸詰類と比べると価格が断然安いので、冷蔵庫に常備される事が多いのがサラミ (Salami)。豚の挽肉とラードに、塩、香辛料、ラム酒などを混ぜて熟成させた腸詰です。キロ当たり7.75ユーロ位。

安いからこそパンにごっそり挟んで食べたり、冷凍ピザの追加トッピングにしたりします。大変安いソーセージなので、豪快に使っても懐が痛みません。ただ安っぽい油っこさがあるので、単品では食べずパンと一緒に食べます。

ブティファラ

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方名産のソーセージがブティファラ (Butifarra)。他のソーセージのように豚肉を挽いて作りますが、熟成させません。腸詰にしたら直ぐ80℃程度のお湯で30分間茹でてから冷蔵庫で冷やし、翌日から食べる事が出来ます。

茹でる際にお湯を決して煮立たせないのが秘訣なのだそう。味付けは白コショウ、ナツメグ。白いブティファラと黒いブティファラ、2つの種類があります。黒い方には豚肉の他に脂身や血が混ざります。値段はキロ当たり10ユーロ前後。

ソブラサダ

バレアレス諸島のマヨルカ島の名産がソブラサダ(Sobrasada)。チョリソ―をペースト状にしたような食べ物です。豚肉と脂身に塩、胡椒、パプリカパウダーを混ぜて作ります。

バゲットに塗ってトースターで少し焦げ目をつけて食べると美味しいです。スペイン人はソブラサダの上にとろけるチーズをのせて食べたりもします。パック詰めのやつだと脂の味しかしないので、写真のような腸詰として売られているタイプを購入しましょう。

スペインと言えばやっぱり生ハム

今回はスペインのソーセージにスポットを当てましたが、スペインを訪れたからには、生ハムは絶対に食べなくてはなりません。腸詰類と同じで、イベリコ豚を使ったものが高級品。その中でも放し飼いにされて、ドングリなどの自然の恵みだけを食べて育つ、足の爪が黒い豚の生ハムが最上級品です。

パタ・ネグロ (Pata Negro) と呼ばれ、キロ当たり200ユーロ近くします。生ハムは安いものだとキロ当たり20ユーロぐらい。価格の差が本当に大きく、値段の差は味にきちんと反映します。

もしスペインの生ハムは塩辛い、そんなに美味しくない、なんてぼやいてる人がいたら「安い生ハムしか食べた事がないからだよ」と言ってやって下さい。スペインの生ハムは、確実に値段の差が味の差になります。

レストランで食べると懐が痛むのでスーパーなどで購入し、ホテルで食べるのが一番だと思います。普通のスーパーだと安い生ハムや腸詰しか売っていない事が多いので、大都市には必ずあるデパート、エル・コルテ・イングレス(El corte ingles)のグルメコーナーで購入して下さい。

スペインの不思議

スペインは不思議な国。中でも一番外国人観光客を戸惑わせるのが、スペイン人の食事時間の遅さです。スペイン人の不可思議な食事時間や食習慣を知りたい方は、別記事の方も是非読んでみて下さい。スペイン人は本当に特殊です。

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