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スペインのソーセージ15選、スペインの腸詰全種類を解説、スペインのグルメまとめ

      2021/09/22

スペイン在住20年のフードライターが、スペイン料理をとことん解説。今回はスペインの美味しい腸詰類に関して。スペインと聞けば、生ハムを思い浮かべる人が多いかと思います。でもスペインは生ハムだけじゃないんです。

スペインはエンブティードス(EMBUTIDOS)と呼ばれる腸詰類がやたら美味しい。なのに主役は常に生ハムに奪われ、スペインのソーセージは何時だって影の薄い存在。だから今回はスペインの腸詰類にスポットを当て、徹底解説します。

スペインは美味しいだけじゃありません。見所が盛沢山過ぎる、ヨーロッパを代表する観光大国。スペイン旅行のルート作りに役立つ、スペインの地域別の観光名所は別記事で詳しくまとめてあります。

チョリソ―

スペインの腸詰類を代表するのがチョリソー(CHORIZO)。スペイン発祥のソーセージで、16世紀にスペインが中南米を征服した時、チョリソもまた中南米の人々の胃袋を征服しました。今ではスペインのみならず、中南米の食文化に欠かせない食べ物となっています。

スペインのチョリソ―の一番の特徴は肉を挽かないこと。不揃いに刻んだ豚肉に塩、ニンニク、パプリカパウダーなどのスパイスを混ぜ24時間寝かせます。その後腸詰にして、2~3ヶ月涼しく乾いた場所に吊るし熟成させます。

保存料、着色料は一切使用しません。赤い色はパプリカパウダーの色。日本ではメキシコのチョリソ―が出回っているので、唐辛子を効かせた辛いチョリソ―の方が馴染みが深いかもしれませんが、スペインのチョリソ―は辛くありません。

価格は本当にピンキリで、最高級とされるのがイベリコ豚を使ったチョリソ―。近所のスーパーの本日の値段で、キロ当たり23,60ユーロでした。安い物ならキロ当たり11ユーロ位。基本的に高ければ高いほど美味しいです。

チョリソ―にはそのまま食べるタイプと調理用の2種類あります。そのままタイプの腸詰類は乾燥させる事によって保存性を高めているので、調理する必要がなく、薄くスライスしてそのまま食べます。

チョリソ・ピカンテ

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スペインのチョリソ―は基本的に辛くないのですが、唐辛子を効かせたタイプも存在します。チョリソ・ピカンテ(Chorizo picante) と呼ばれ、確かにピリ辛ではありますが、メキシコ産のものと比べると、それ程ではありません。実はスペイン人、唐辛子の辛さが苦手なんです。

腸詰類はイベリコ豚を使うと値段が倍になるのですが、辛いチョリソ―を食べたい時は、安いやつでいいかなと思います。辛さが肉の旨味を消してしまうので、お金をかけるなら通常のチョリソ―に(私なら)します。

チョリソ・クラール

通常のチョリソより太くて短く、イベリコ豚を使ったものをチョリソ・クラールと呼びます。特にサラマンカとアビラ産のものが有名。通常のチョリソーはグラム単位で購入出来ますが、チョリソ・クラールは一個単位で購入します。

イベリコ豚の肉が80%、その他20%は脂身、塩、パプリカ、ニンニク、オレガノなどが入ります。田舎の村などを訪れた時に、手作りのものを購入して下さい。あり得ないほど美味しいです。

サルチチョン

チョリソ―の対抗馬がサルチチョン(SALCHICHON)と呼ばれるソーセージ。チョリソと全く同じ製作過程を踏みますが、カレーとシチューのように出来上がりが異なります。チョリソのように赤くないのはパプリカを使わないから。

塩、粒コショウを基本にオレガノ、ナツメグ、クローブ、コリアンダーなどで味付けします。生ハム、チョリソー、サルチチョン、チーズ、オリーブの実。この5つがスペインの定番おつまみセット。

レストランなどでも5つが一皿に盛られる事が多いです。同じイベリコでもサルチチョンはサラマンカ地方に定評があります。キロ当たり22.30ユーロ。安いものだと12.40ユーロ。

フエ

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方名産の細長いドライソーセージをフエ(Fuet) と呼びます。前述したサルチチョンと良く似ていて、誰が見ても分かる大きな違いはサイズ。フエは指二本分位の太さで、40cm程の長さで、白カビで覆われています。

サルチチョンはグラム単位でスライスしてもらって購入しますが、フエは丸ごと一本購入します。サルチチョンより細くて短い分、熟成期間も断然短いです。絶対に調理しないタイプのソーセージで、そのまま切って食べます。

5000年前から存在し、生肉に付着したバクテリアによって、偶発的に発酵して生まれたのだそう。日本でもEl POZO社のフエが販売されていますが、めちゃくちゃ高い値段を付けられています。スペインのフエの位置付けは、お腹が空いた時につまむオヤツ。とても安価なソーセージです。

ロモ

腸詰め類の中で、横綱的存在がロモ(LOMO)です。ロモとは豚の背肉(ロース)を意味し、通常ソーセージ類は細かく切った肉を使うのですが、ロモに関しては余分な脂身を省いた豚の背肉を丸ごと使います。

切り口を見ると脂肪分が霜降り状態で入っています。ブロック肉のまま塩、胡椒、ニンニク、オレガノ、レモン、オリーブオイルなどに48時間漬け、腸詰にして3ヶ月乾燥し熟成させます。

安い生ハムよりも高価な値段が付けられるロモ。ドングリだけを食べて育つイベリコ豚のものが最上級品です。キロ当たり67.50ユーロ。癖の無い優しい味は誰にでも好まれます。安いものでもキロ当たり40ユーロはするので、味も価格もまさに横綱級。

モルシージャ

モルシージャ(MORCILLA)は豚の血を凝結させて作る腸詰めです。“固まった血”そのままの黒い色が特徴で、かなり癖のある味。病みつきになる人と苦手な人で半分半分の確率でしょうか。

モルシージャには色々なタイプがあります。写真のように薄くスライスしてそのまま食べるタイプもありますが、一般的なのは茹でたり焼いたり調理して食べるタイプのモルシージャ。

一番有名なのはブルゴス産のモルシージャで、血の他にラード、米、塩胡椒、玉ねぎなどが入っているので、モルシージャが苦手な人でも大丈夫だったりします。こんがり焼いてパンにのせて食べるのが美味しい。

血なだけに値段の差はそれほど味に出ません。価格帯もキロ当たり10ユーロ前後でほぼ同じ。好き嫌いのある味なので、まずは少量を買って様子を見て下さい。スーパーではキロ単位で表示されていますが、100グラムから購入が可能です。

モルコン

モルコン(Morcón)は ”もったいないおばけ” 精神が生み出したソーセージ。他のソーセージを作った後に余った色々な部位の肉を集め、大き目に刻んで腸詰めにしたものです。

そんな寄せ集めの肉達がきっちり連結するように、タコ糸でグルグル縛ってから熟成させます。だからどのソーセージより大きく、形が不揃いなのが特徴。キロ当たり21.89ユーロ。

カベセロ・デ・ロモ

最近マイブームとなったいるのがカベセロ・デ・ロモ(Cabecero de lomo)と呼ばれるソーセージ。豚の頭付近の背肉を使います。見るからに脂っこそうなのですが、ほんのり甘い脂身の旨味に病みつきになります。

キロ当たり21ユーロ。カベセラ・デ・ロモも値段の差が大きいのですが、安いのは脂っこいだけで余り美味しくないです。奮発して質の良いものを買いましょう。スペインで脂身の美味しさに目覚めたら東欧へ行きましょう。あちらには白い脂身部分だけのソーセージが存在し、メチャクチャ旨いです。

サラミ

他の腸詰類と比べて安いので、冷蔵庫に常備される事が多いサラミ(SALAMI)。豚の挽肉とラードに、塩、香辛料、ラム酒などを混ぜて熟成させます。パンにごっそり挟んで食べたり、冷凍ピザの追加トッピングにしたり。キロ当たり7.75ユーロの安さなので豪快に使います。かなり油っぽいので、そのまま食べる事はしません。

ブティファラ

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ブティファラ(BUTIFARRA)は、バルセロナを中心としたカタルーニャ地方名産のソーセージ。他のソーセージのように豚肉を挽いて作りますが、熟成させません。腸詰にしたら直ぐ80℃程度のお湯で30分間茹でてから冷蔵庫で冷やし、翌日から食べる事が出来ます。

茹でる際にお湯を決して煮立たせないのが秘訣なのだそう。味付けは白コショウ、ナツメグ。白いブティファラと黒いブティファラ、2つの種類があります。黒い方には豚肉の他に脂身や血が混ざります。値段はキロ当たり10ユーロ前後。

ソブラサダ

バレアレス諸島のマヨルカ島の名産がソブラサダ(Sobrasada)。チョリソ―をペースト状にしたような食べ物です。豚肉と脂身に塩、胡椒、パプリカパウダーを混ぜて作ります。

バゲットに塗ってトースターで少し焦げ目をつけて食べるのががメチャ美味しいです。スペイン人は上にとろけるチーズをのせたりして食べます。勿論そのまま食べても美味しいです。

スペインと言えばやっぱり生ハム

今回は腸詰にスポットを当ててみましたが、スペインを訪れたからには、生ハムは絶対に食べなくてはなりません。腸詰類と同じで、イベリコ豚を使ったものが高級品です。その中でも放し飼いにされて、ドングリなどの自然の恵みだけを食べて育つ、足の爪が黒い豚の生ハムが最上級品。

パタ・ネグロ (Pata Negro) と呼ばれ、キロ当たり200ユーロ近くします。生ハムは安いものだとキロ当たり17ユーロぐらい。価格の差が本当にエグイ。そしてこの価格の差は、味にきちんと反映します。

もしスペインの生ハムは塩辛い、そんなに美味しくない、なんてぼやいてる人がいたら「安い生ハムしか食べた事がないからだよ」と言ってやって下さい。生ハムは確実に値段の差が味の差になります。

レストランで食べると懐が痛いので、スーパーなどで購入し、ホテルで食べるのがいいかと思います。ただスーパーだと安い生ハムや腸詰しか売っていない事が多いので、大都市には必ずあるデパート、エル・コルテ・イングレス(El corte ingles)のグルメコーナーで購入して下さい。

スペインをとことん楽しむ

スペインを訪れたら生ハムをはじめ腸詰類などのイベリコ豚を食べるのは必須です。でもスペインにはイベリコ豚以外にも美味しい食べ物が沢山あります。別記事で美味しいスペイン料理を詳しくまとめました。

スペインは本当に面白い国です。スペイン人の不可思議な食事時間、食習慣を知りたい方はこちらの記事も読んで下さい。スペイン人、本当に特殊です。

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