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スペイン料理のタパスとは?スペインのグルメで有名なタパスの文化の全て

   

スペイン料理を語るのに、欠かせないのがタパスの存在。レストランやバーで何か飲み物を注文すると無料で付いてくる食べ物、もしくは有料の小皿料理の事です。スペイン在住20年のフードライターが世界中を食べ尽くすの記録。今回はスペインの食文化を象徴するタパス、そしてスペインそのものを学べる場所、バル(BAR)について徹底解説します。

スペインでタパスが有名な地方

スペインと言えばタパス。でもスペインを訪れたら必ずタパスを食べられる訳ではありません。タパスの文化が無い地方、無料では無く別会計な地方、色々あるので注意が必要です。

スペインで一番グルメな土地とされるバスク地方のタパスは、手が込んでいる事で有名です。美味しさだけでなく、見た目も重視。ただ別料金で価格が高く、でも価格が高いからこそ大満足のタパスを食べる事が出来ます。

無料のタパスで有名なのは、アンダルシア地方のグラナダやアルメリア、カスティージャ・イ・レオン地方のサラマンカです。学生の街として有名な場所は、腹持ちの良く大きいサイズのタパスが付けられる事が多い。気前の良さで言うなら北部ガリシア地方も凄いのですが、絶対にタパスが付く訳ではありません。

タパスの文化が全く無いのは、バルセロナを中心としたカタルーニャ地方。タパスを食べたいと思ったら、それ専用のレストランへ行かなければなりません。

無料のタパスと有料のタパスの違い

タパスが有名なのは、スペイン南部のアンダルシア地方。この地方では飲み物を注文して何も付かない事の方が珍しい。ただオリーブの実やポテトチップスなどが多く、満足感のあるタパスが付くのは山間の村々、アルメリアやグラナダ近辺位です。

アンダルシアは有料のタパス、小皿料理が有名な地方。物によって値段が異なりますが、一皿1ユーロ位からあります。無料のタパスは勝手に付いてきますが、有料なら自分で好きなタパスを選ぶ事が出来ます。

無料のタパスだと豆やジャガイモ等の安い食材を使った食べ物が多くなるので、お金を出して色々な食べ物を楽しんだ方が得策かもしれません。ただアルメリアやサラマンカなどのように、無料であっても凄いタパスが付く地域もあります。

スペイン人のタパスの食べ方

スペイン人はタパスに食べると言う動詞を使いません。鳥がクチバシでつつく、を意味するPICARを使います。スペイン人にしてみれば、タパスはあくまでもアペリティフ。本格的な食事を前に、食欲を増進させる為につつく食べ物です。

スペイン人はレストランに行くと、まずはカウンターへ向かいます。食事前にタパスをつまみながら1~2杯ひっかけ、その後にテーブルに着席して本格的な食事をします。

タパス文化が盛んな地方では、メイン料理を食べずタパスだけで済ませてしまう人も多いです。その場合は一つの場所に留まらず、何軒かをハシゴします。アンダルシア地方では小皿料理が主体なので、初めから席に座って自分の好きなタパスを注文して食べます。

スペインのバルは生活の、人生の中心

スペインの有名な歌手、ホアキン・サビーナは「アントン・マルティン(マドリッドの地下鉄駅)界隈だけでノルウェー全土よりも多くの バー(BAR)がある」と歌いました。全くもってその通りでスペインにはやたらめったらBARがあります。ちなみにBARはスペン語だとバーではなくバルと読みます。

バーと言っても日本のような、綺麗なお姉さん達がいる薄暗い場所を想像してはいけません。カウンターとテーブル席が数個置かれた、子供からお年寄りまでが共存する空間、それがスペインの バー、バルです。

テレビのサッカー中継に一喜一憂する人、一人黙々と新聞を読む老紳士、ドミノで遊ぶおじいさん達、まったりした若者達の輪、買い物帰りの奥様群の笑い声、ざわめきの間に聞こえるスロットマシーンの音、椅子の下で眠る犬、その犬にちょっかい出す子供達、人が通る度に移動されるベビーカー。

スペイン人にとってBAR は生活の一部。一日に何度でも立ち寄る場所。定年退職した人なら、一日の大半をバルで過ごしています。スペインとは何か、そしてスペイン人とは何かを知りたかったら絶対バルへ立ち寄るべきです。バルにはスペインの全てが凝縮されているのですから。

スペインの立ち食い文化

バルはスペイン人観察にもってこいの場所。スペイン料理を知る為にも絶対訪れたい場所。スペイン料理はレストランなんかで食べるよりバルで食べた方がより深くスペインを感じる事が出来ます。バルにはイス席もありますが、よりスペインらしい雰囲気を盛り上げたいならカウンターがおすすめ。それにタパスで有名なバルにはイス席が無い場合が多いです。

スペインでタパスを食べるのには、 老いも若きも立ち食いが基本。皆でワイワイでもいいけど、一人だってスペインのバルは怖くない。人間観察をしながら、サッカー中継を見ながら、グラス片手にタパスを楽しんで下さい。

スペインで美味しいタパスの見つけ方

星の数ほどあるスペインのバルで、美味しいタパスを食べられるのは何処か。スペインでは爪楊枝、オリーブの種、ナプキン、何でもかんでも床に投げ捨てる習慣がありました。かつてはタバコも店内で吸えたので、吸い殻なんかも床に捨てていたのです。

何てお行儀の悪い国なのだろう、と思っていたのですが、床が汚ければ汚い程美味しいバルなんだとスペイン人が教えてくれ、そういうものなのかと納得しました。現在は分煙も進み、ゴミを床にポイ捨てする習慣も無くなりました。でも頑なにこのスタイルを守っているバルもあり、そういう所は確実に美味しいです。

スペインのタパスの歴史・由来・語源

タパスの歴史には諸説が幾つもあります。筆頭とされるのは19世紀のアルフォンソ13世の説。彼がスペイン南部の街カディスを訪れた時、休憩したメゾンのテラス(VENTORRILLO ・DEL ・CHATO という名で現存します)で一杯のシェリー酒を頼みました。

カディスの街は風が強い事で有名です。気を利かした給仕がワインのグラスに砂が入らないよう、生ハムで蓋をしてサーブしました。それをメチャクチャ気に入ったアルフォンソ13世が、2杯目も同じようにしてくれと命令したのが始まりとの説。

軍事面ではショボかったけれど、文化・行政面で大きな功績を残し、後に「賢王」と呼ばれるようになったアルフォンソ10世(13世紀)が、貧乏な酒飲み達が空きっ腹でワインを飲む事を防止する為にタパスの制度を設けた、との説。

ワインを必ず何らかの食べ物と共にサーブする事で、悪酔いを防ぐだけでなく、防犯の効果もあったとされています。時代を更に遡り、レコンキスタの拠点となったアストゥリアス王国( 718-914年)でタパスが生まれたとの説もあります。

ワインには必ず豚肉を使用した生ハムやソーセージ類を付けてサーブするよう命じ、共に食卓を囲む者達が敵であるイスラム教徒でない事を確かめたと言います。イスラム教徒達は豚を不浄な生き物とし、決して口にする事がないからです。

シンプルにタパス(TAPAS) の語源が動詞TAPAR (覆う)の活用から成り、グラスを覆ったリ、空腹を TAPAR (覆う)ために存在する食べ物だから、との説もあります。どの説が本当なのか決着はついていませんが、いずれにせよスペインのタパス(TAPAS)の歴史は古く、昔からスペイン人に慣れ親しんだ習慣である事が分かります。

スペインの食に関するあれこれ

スペインにはタパスの他にも色々な食習慣があります。スペインは食事時間も他の国と違って特殊なんです。スペインの不可思議な食事時間と食習慣に関してはこちらの記事にまとめてあります。

スペインにはタパス以外にもお得な食習慣があります。お昼の日替わり定食。前菜、メイン料理、デザートに飲み物まで付いて12ユーロ位。とてもお得で美味しいので、お昼時ならタパスではなくランチメニューを食べるのも得策です。こちらの記事にまとめてあります。

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