世界食べ尽くしの旅 

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スペイン料理170選、食材別スペイン料理の辞典

      2022/02/04

スペイン料理の最大の魅力はバラエティの豊かさ。スペイン在住20年なのに未だ食べ尽くせない奥深さ。この記事はスペイン料理の辞書を目指し、品数で勝負。スペインを訪れたら絶対に食べるべき、基本的なスペイン料理50品は、別記事で詳しくまとめてあります。

米を使ったスペイン料理

スペインの米料理はオカズの扱い。パンと一緒に食べます。スペイン全土、何処ででも米料理が食されていますが、米の産地であるバレンシア地方が一番種類が豊富です。

パエリア

スペインで一番有名な料理がパエリア (Paella) 。スペイン人はパエージャと発音します。米はパスタと同じ扱いなのでアルデンテ。鍋の底にこびりついたオコゲが一番美味しいとされます。

本場スペインでも、本当に美味しいパエリアに巡り合うのは至難の業。特に観光地のパエリアが酷いです。地元の人に質問して、美味しいパエリアを見つけ出して下さい。

日替わりメニューの前菜として、パエリアを提供するレストランも多いです。ただ専門店で食べるパエリアとは全く異なる家庭的な味。でもそれはそれで美味しいです。

アロス・ネグロ

イカ墨で作るパエリアがアロス・ネグロ (Arroz negro) 。基本的に具はイカだけですが、その他の魚貝類が入るレストランもあります。マヨネーズのようなニンニクソース、アリオリと一緒に食べます。

パエリアは当たり外れの激しい料理なのですが、アロス・ネグロは何処で食べても安定の美味しさです。迷ったらアロス・ネグロを選ぶのが賢いかも知れません。食べた後は口の中が真っ黒になるので、歯磨きが必須です。

アロス・カルドッソ

パエリアのオジヤ版がアロス・カルドッソ (Arroz caldoso) 。美味しいのですが周辺各国に似たような料理が存在するので、スペインではパエリアを食べた方が良いかと思います。ただパエリアと違って当り外れが少なく安心感があります。

アロス・ア・バンダ

パエリアの具ナシ版がアロス・ア・バンダ (Arroz a banda) 。パエリアのような見栄えはありませんが、海の出汁がギュギュッと詰まった美味しい料理です。米の生産で有名なバレンシア地方に行くとよく見かけます。

地味なせいで観光客受けは悪いのですが、地元の人達は大好き。チャラく装飾されたパエリアより、断然美味しい実力派の食べ物です。もし見つけたら是非食べてみて下さい。

アロス・コン・コネホ・イ・カラコレス

ウサギ肉とカタツムリの入ったパエリアが、アロス・コン・コネホ・イ・カラコレス (Arroz con conejo y caracoles) 、ムルシア地方の郷土料理です。ウサギ肉とカタツムリ、どちらも日本人には馴染みの無い食材ですが美味しいです。

カタツムリの出汁が効いたパエリアは、個人的に魚介類のパエリアより美味しいと思います。ただ何処ででも食べられる料理ではなく、カタツムリの季節が春だけに限られるので、お目にかかるのが難しいかも。

アロス・コン・コストラ

バレンシア州エルチェの街の郷土料理が、アロス・コン・コストラ (Arroz con costra) 。肉やソーセージが入ったパエリアで、最大の特徴は最後の仕上げで米の上に溶き卵をのせ、オーブンでカリっと焼いてパエリアに卵の蓋をすること。

かなりレアな郷土料理なので、見つけるのが難しいかもしれませんが、発見したら絶対に食べてみて欲しい。バレンシア近郊、またはエルチェの街出身の人が経営するレストランなら見つかるかも。ただスペイン人ですら知らない人が多いです。

アロス・コン・ボガバンテ

オマールエビを主体としたパエリアが、アロス・コン・ボガバンテ (Arroz con Bogavante) 。丸ごとのオマールエビが入る豪快なパエリアです。お値段が通常のパエリアより高くなりますが、払う価値のある美味しさです。カルドッソ(おじや風)になる事が多いのですが、パエリア版の方が断然美味しい。見つけ出しましょう。

フィデオワ

パエリアを米ではなく、ショートパスタで作った料理がフィデオワ (Fideua) です。麺はレストランによって色々な太さになりますが、極細タイプが一番美味しい。太い麺だと汁を吸い過ぎたパスタみたいで美味しくないです。

卵を使ったスペイン料理

トルティージャ・デ・パタタス

スペインを代表する卵料理がスペイン風オムレツ、トルティージャ・デ・パタタス (Tortilla de patatas) です。スペイン料理の定番中の定番で、オリーブオイルで揚げ煮したジャガイモと玉ねぎをオムレツの具にします。

厚ければ厚いほど良いとの風潮があり、内部が半熟卵になっているのが一番美味しい。全国何処でも食べる事ができますが、マドリッドにあるトルティージャ・デ・パタータス専門店のものが一番有名です。

ウエボス・ロトス

ウエボス・ロトス (Huevos rotos) は、油で揚げたジャガイモの上に卵焼き、ではなく揚げ卵、カリカリに焼いたピリ辛ソーセージをのせた料理。食べる直前にグチャグチャにかき混ぜて、半熟の卵の黄身をポテトに絡めながら食べます。

シンプルな食べ物ですが、スペイン人から絶大な人気を誇り、特にマドリッドの人達が大好き過ぎる料理です。でもバルセロナの人達はそれほど深い愛着を持ちません。ビールのお供に最強の一品です。

ウエボス・ア・ラ・フラメンカ

トマトソースに卵、ソーセージ、グリンピースを入れてオーブンで焼いた料理がウエボス・ア・ラ・フラメンカ (Huevos a la flamenca) 。フラメンコの名が付くだけに、アンダルシア地方で良く見かけます。普通に美味しいけれど驚きは無いので、わざわざスペインまで来て食べなくてもいいかと思います。

ウエボス・カルリスタス

バレンシア州のアルコイの街の郷土料理が、ウエボス・かルリスタス (Huevos carlistas) 。目玉焼きの上にベシャメルソースをのせてフライにした料理で、地元の人ですら誰も作り方を知らないので、家庭料理と言うよりレストランでしか食べれない食べ物。出会うのが困難ですが、見つけたら必ず食べましょう。

サランゴージョ

野菜の栽培で有名なムルシア地方の郷土料理がサランゴージョ (Zarangollo) 。新鮮な地元の野菜、主にズッキーニ、玉ねぎ、ジャガイモを油で揚げ煮してスクランブルエッグにした料理。美味しいのですが別にわざわざスペインまで来て食べるほどの料理ではないかも。

魚を使ったスペイン料理

一般的にスペインでは北部で白身魚、中央部で塩漬けのタラの干物または川魚、南部で青魚を良く食べます。

バカラオ

ヨーロッパや南米では、バカラオ(Bacalao)と呼ばれる塩漬けのタラの干物を使用した料理が多いです。海に囲まれたスペインでは、新鮮な生のタラも好んで食します。お隣のポルトガルは、何故か頑なにまで干し鱈しか食べません。

バカラオ・ア・ラ・ビスカイーナ

グルメで有名なスペイン北部のバスク地方を代表する郷土料理がバカラオ・ア・ラ・ビスカイーナ (Bacalao a la vizcaina) 。タラをトマトソースで煮込んだ料理です。干し鱈より生のタラを使用した方が美味しく、料理の名の元になっているヴィスカヤ地方で食べるのが一番美味しいです。

バカラオ・アル・ピリピリ

バスク地方にはタラを使った料理が沢山あります。バカラオ・アル・ピリピリ (Bacalao al pil pil) は、バカラオ(タラ)をニンニク、鷹の爪、パセリを入れたオリーブオイルで揚げ煮した料理。タラの出汁がにじみ出たピリ辛ソースが美味しいです。

ココチヤス デ・バカラオ・エン・サルサ・ベルデ

バスク地方の郷土料理であるココチヤス・デ・バカラオ・エン・サルサ・ベルデ (Kokotxas de bacalao en salsa verde) は、何回説明されてもタラのどの部分を使っているのかイマイチ分かりません。ほほ肉と説明されますが、何か違う気がする。バスク地方にある高級レストランに行くと見つけやすいです。

クロケッタス・デ・バカラオ

タラのコロッケがクロケッタス・デ・バカラオ (Croquetas de bacalao) 。スペインのコロッケは本当に種類が豊富で美味しい。土地によって色々なコロッケがあるので、全部食べてみて欲しい。バスク地方を訪れたら必ず食べましょう。

アタスカブーラス

スペイン内陸部の冬の定番が、アタスカブーラス (Atascaburras) 。ジャガイモのピュレーにバカラオ(タラ)を混ぜてオリーブオイル、ニンニクで味付けた料理です。見つけるのが若干難しいけれど、メニューにあったら絶対食べてみて下さい。

ポルサルダ・コン・バカラオ

バスク地方に行かないと見つけるのが難しい郷土料理がポルサルダ・コン・バカラオ (Porrusalda con bacalao) 。タラを長ネギ、ジャガイモで煮込んで作る、ほっこり優しい味の料理です。

ブニュエロ・デ・バカラオ

干し鱈の身がたっぷり入った揚げドーナツみたいな食べ物がブニュエロ・デ・バカラオ (Buñuelo de bacalao) 。ビールのお供に最高です。スペイン全土何処ででも食べる事が出来る、安くて美味しい酒のつまみ。

エスカリヴァダ・デ・バカラオ 

干し鱈を水でもどしてからオリーブオイルとすったトマトで味付けした料理がエスカリヴァダ・デ・バカラオ (Escalivada de Bacalao) 。鱈がプルプルしていてめちゃくちゃ美味しい。ただ結構当り外れの激しい料理ではあります。

メルルーサ

タラ同様スペイン人に人気の高い魚がメルルーサ (Merluza) 。タラ科の白身魚でタラとは若干風味が異なります。英語名はHAKE。スペインではちょっとした高級魚の扱いですが世界的には安価な魚。かつてはマクドナルドのフィレオフィッシュの原材料だったことも。

メルルーサ・エン・サルサ・ベルデ

スペイン北部のバスク地方は、グルメな土地として有名です。美食の地、バスク地方を代表する郷土料理が、タラを緑色のソースで煮込んだ、メルルーサ・エン・サルサ・ベルデ (Meruluza en salsa verde) です。

バスク地方特有の緑のソースは、オリーブオイル、ニンニク、大量のパセリで作ります。タラだけでなく、肉や野菜、何にでも良く合う魔法のソースです。

カソン・エン・アドボ

カソンはスペイン全土でよく食べられているサメの一種。乱獲し過ぎて年々少なくなっている、とても柔らかい白身が特徴の魚です。アドボと呼ばれるスペイン特有のミックススパイスに漬けこんでから揚げる、カソン・エン・アドボ(Cazon en adobo) にして食べるのが一番有名。ビールのお供に最高の料理です。

パステル・デ・カブラチョ

魚のすり身で作るムースのような食べ物が、パステル・デ・カブラチョ (Pastel de cabracho) 。魚のケーキを意味しますが、全く甘くないです。魚の風味豊かなフワフワのパテで、バゲットに塗って食べます。

カスエラ・デ・ラぺ

スペイン風アンコウの煮込みがカスエラ・デ・ラぺ(Cazuela de rape) 。スペイン人はアンコウを良く食べ、特に北部の人達が大好きな食材です。アンコウは色々な料理に使われますが、あん肝は捨てていました。現在は日本の業者が輸入しているのだそう。

モハマ

スペインの珍味とされるのがモハマ (Mojama) と呼ばれるマグロの塩漬け。クロマグロを使って作る、海の生ハムです。かなり塩辛いので、甘みのあるシェリー酒と合わせるのが一番美味しいかも。

マルミタコ・デ・アトゥン

スペイン北部バスク地方の漁師たちが作り始めたマグロ料理がマルミタコ・デ・アトゥン (Marmitako de atun) です。マグロのぶつ切りをトマト、玉ねぎ、ジャガイモ、赤ピーマンなど他の野菜と一緒に煮込んだ料理。結構パサつきが気になって余り美味しくない料理。

アトゥン・エン・エスカベチェ

日本人のサガで「マグロは刺身でなくては人生」を送るのだと思っていました。でも遂に見つけました。刺身以外の美味しいマグロ料理。アトゥン・エン・エスカベチェ (Atun en escabeche) と呼ばれる魚のマリネです。最高に美味しい。

タルタル・デ・アトゥン・ロッホ

生のマグロはやっぱり美味しい。マグロのタルタル (Tartar de atun rojo) は、細かくカットした生のマグロをスパイスで味付けした料理。スペイン人は基本的に生の魚を食べないのですが、近年の日本食ブームで生食も普通になりました。

スペインのマグロの捕獲量は世界で第二位。紀元前からマグロ漁業を営んでいます。アンダルシア南部のカディス県では、世界でも珍しいマグロの養殖も行っています。港付近のレストランのメニューはマグロ三昧。マグロ好きなら絶対に訪れたい土地です。

ボニート・コン・トマテ

カツオをトマトソースで煮込んだ料理がボニート・コン・トマテ (Bonito con tomate) 。スペイン全土で食べられているポピュラーな料理ではありますが、スペインのマグロやカツオの煮込み系料理はどれもパサパサした感じがあるので、余りお勧めはしません。

ボケローネス・フリットス

カリッと揚げたカタクチイワシのフライがボケローネス・フリットス(Boquerones fritos) 。スペイン全土何処ででも食べる事が出来ますが、南部アンダルシア地方のマラガのカタクチイワシが一番有名です。

丸ごとフライも美味しいのですが、頭と骨を取りレモンで締めてから揚げたカタクチイワシ、ボケロネス・アル・リモン (Boquerones al limon) も捨て難し。何時もどちらにしようか迷ってしまいます。

ボケローネス・ア・ラ・ヴィナグレッタ

カタクチイワシはフライが美味しいのですが、マリネにしたボケローネス・ア・ラ・ヴィナグレッタ (Boquerones a la vinagreta) も最高です。美味しすぎてやばいやつ。カタクチイワシをワインビネガーでしめてからオリーブオイル、ニンニク、パセリで味付けします。

チャンケーテス

スペイン南部を訪れたら、試してみたい禁断の味がカタクチイワシの稚魚のフライ、チャンケーテス (Chanquetes) です。スペイン版のシラスなのですが、スペインでは環境保護のため稚魚の捕獲が禁止されています。詳しくは別記事でまとめました。

サルディーナス・アサーダス

イワシのバーベキューがサルディーナス・アサーダス (Sardinas asadas) 。ビーチ沿いのレストランで炭火で焼いているのを良く見かけます。味付けはシンプルに粗塩とレモン。シンプルだけどシンプルだから美味しい。

ラジャ・ア・ラ・ガジェガ

スペイン北部ガリシア地方を訪れたら、絶対食べて欲しいのがエイ。郷土料理であるラジャ・ア・ラ・ガジェガ (Raya a la Gallega) がとても美味しいです 。エイは腐りやすい魚なので門外不出、ガリシア地方でしか食べる事ができません。詳しい事情、レシピは別記事でまとめました。

アングラス

ウナギの稚魚がアングラス (Angulas) 。本物は滅多にお目にかかる事がなく、良くスーパーで売られているのは、カニカマみたいなウナギの稚魚をかたどった練り物です。アヒージョにして食べます。

トゥルーチヤ・ア・ラ・ナバーラ

ナバーラ地方を代表する郷土料理がナバーラ風マス、トゥルーチャ・ア・ラ・ナバーラ(Trucha a la Navarra)です。マスのお腹に薄く切った生ハムを詰めオーブンで焼いた料理。生ハムはそのまま食べるだけでなく、料理の味付けにも良く使います。マスとの相性が抜群です。

エビやカニを使ったスペイン料理

トルティタス・デ・カマロネス

スペイン南部アンダルシア地方のカディス県を代表する郷土料理がトルティタス・デ・カマロネス (Tortitas de camarones) 。小エビの入った揚げせんべいのような食べ物で、ビールのつまみとして最高の一品です。安くて美味しい。

ガンバス・アル・アヒージョ

スペイン人達が愛して止まないエビ料理がガンバス・アル・アヒージョ (Gambas al ajillo) 。オリーブオイルにニンニクとパセリ、鷹の爪を入れて熱し、エビを加えて揚げ煮した料理。エビ自体も美味しいのですが、ソースにパンを浸して食べるのが最高です。エビはアヒージョか鉄板焼きで食べるのがベストだと思います。

シガラ

スペインをはじめヨーロッパでとても人気のあるエビがシガラ (Cigala) 、地中海に生息するアカザエビです。最大25cmになる大きなエビで、ハサミを持つのが特徴。そのまま焼いて食べたり、煮込みにします。

セント―ジョ

スペイン人は余りカニを食べません。でもスペイン北部を訪れたら是非食べて欲しいのがセント―ジョ(Centollo) と呼ばれる、毛ではなく角みたいなのが沢山生えている渡りガニの仲間。季節もので12月の解禁日から3月頃まで食べる事が出来ます。

お値段が時価となる高級な食材なので、スペイン北部ではクリスマスなどの特別な日のご馳走メニューの定番です。濃厚なカニみそたっぷりで美味しいのですが、なにぶん肉が少ない。美味しいけれどカニはやっぱり日本の方がいいなと思いました。

タコを使ったスペイン料理

悪魔の生き物と呼ばれ忌み嫌われるタコ。世界的に見てタコを食べる国は少ないのですが、スペインは日本に次いでタコの消費量が多い国です。

プルポ・ア・ラ・ガジェーガ

スペインを訪れたら、絶対に食べないと全力で後悔する事になる絶品のタコ料理が、ガリシア風タコ、プルポ・ア・ラ・ガジェーガ (Pulpo a la gallega) 。グルメ大国スペインで、一番美味しいスペイン料理だと思います。

プルポ・フリト

スペインのタコは本当に美味しい。でもタコ料理にそれほどバラエティはありません。前述のプルポ・ア・ラ・ガジェーガが大人気過ぎるからです。ただスペイン南部のアンダルシア地方を訪れると、若干のバラエティが見受けられます。

プルポ・フリト (Pulpo frito) と呼ばれる、小さなタコの丸ごとフライを食べましょう。単にタコのフライと呼ばれるので、大きさに注意。大きいタコだど美味しさが激減します。

プルポ・ア・ラ・プランチャ

大きいタコならフライよりグリルで食べた方が美味しいです。スペイン風タコの鉄板焼き、プルポ・ア・ラ・プランチャ (Pulpo a la plancha) は、オリーブオイルにニンニクやパプリカパウダーを加えたソースをかけて食べます。

イカを使ったスペイン料理

スペインには大、中、小、稚魚、様々なタイプのイカがあり、イカ料理に関しては種類が豊富。そして何を食べても美味しい。

チョピートス

イカの稚魚のフライがチョピートス (Chopitos) 。ビールのお供に欠かせない、スペイン人が愛して止まない食べ物です。地域によって呼び方が異なりプンティージャス (puntillas) と呼ばれる事も多いです。大きいイカのフライは普通なので、注文の時に小さいイカを所望する事を強調しましょう。

ボカディージョ・デ・カラマーレス

スペインの首都マドリッドの名物、バゲットの中にイカフライが大量に入ったサンドウィッチがボカディージョ・デ・カラマーレス (Bocadillo de calamares) です。安くて美味しいので小腹が空いた時に是非どうぞ。

チピローネス・エン・ス・ティンタ

小ぶりのイカをイカ墨で煮た料理が、チピローネス・エン・ス・ティンタ (Chipirones en su tinta) 。少しパサパサした白米にソース絡めて食べます。スペインのイカは小さければ小さいほど美味しい、を忘れないようにしましょう。

イカの墨煮は缶詰でも売ってるのでお土産にも最適です。味は所詮缶詰ですが、それも又美味しい。ただレストランで食べるイカの墨煮とは趣が全く異なるので、是非レストランで手作りのイカの墨煮を食べて下さい。

カラマーレス・ア・ラ・ロマーナ

イカのローマ風を意味するカラマーレス・ア・ラ・ロマーナ (Calamares a la Romana) 。何がローマ風なのか分かりませんが、てんぷらに近いただのイカフライです。わざわざスペインまで来て食べるほどの料理ではありません。

カラマーレス・ア・ラ・プランチヤ

イカの鉄板焼きをカラマーレス・ア・ラ・プランチヤ (Calamarea a la plancha) と呼びます。新鮮なイカは鉄板焼きが一番美味しい。とは言え大きなイカは驚きのない美味しさなので、小さなイカを狙って下さい。事前に見せてもらうのが良いかも。

カラマーレス・レジェ―ノス

イカの中にひき肉などの詰め物をして煮込んだ料理がカラマーレス・レジェ―ノス (calamares rellenos) 。レストランで食べるよりママお得意の家庭料理的存在です。トマト、サフラン、イカ墨、煮込みスープは作る人によって異なります。

サルピコン・デ・マリスコス

魚貝類に細かく刻んだトマト、ピーマン、玉ねぎなどを加えて作るサラダがサルピコン・デ・マリスコス (Salpicon de mariscos) です。作る人によって入る具が異なります。値段が安いと魚介類がカニカマだけだったりするので注意。

貝を使ったスペイン料理

メヒジョーネス

スペインで一番ポピュラーな貝はムール貝、メヒジョーネス (Mejillones) です。スーパーでキロ当たり300円前後で購入出来ます。高い貝は素材の味を楽しむ為に、出来るだけシンプルな食べ方をしますが、ムール貝は色々な形で調理されます。

メヒジョーネス・アル・バポル

ムール貝の白ワイン蒸しがメヒジョーネス・アル・バポル (Mejillones al vapor) 。一番シンプルな食べ方ですが、素材の味を一番楽しめます。とても簡単に作れるので、レストランで食べるより家で食べる事の方が多いです。

メヒジョーネス・ア・ラ・マリネ―ラ

漁師風のムール貝、メヒジョーネス・ア・ラ・マリネ―ラ (Mejillones a la marinera) は、トマトベースのソースでムール貝を煮た料理。とても美味しいのですが、かなり濃い目の味付けなので、ムール貝の磯の香が無くなってしまうのが結構嫌。

メヒジョーネス・ア・ラ・ビナグレタ

ムール貝のマリネがメヒジョーネス・ア・ラ・ビナグレタ (Mejillones a la vinagreta) です。細かく刻んだトマト、玉ねぎ、ピーマンなどがムール貝の上にのっているので、サラダ感覚で食べます。

ティグレス

ムール貝入りのベシャメルソースを殻の中に詰め、パン粉をまぶして揚げた料理がティグレス (Tigres) です。美味しいけれどジャンキーな味。安い店だと殆ど小麦粉で全くムール貝の味がしません。

メヒジョーネス・エン・エスカベチェ

スペインのお土産としておすすめしたいのが、ムール貝のエスカベチェの缶詰、メヒジョーネス・エン・エスカベーチェ (Mejillones en escabeche) です。エスカベーチェとはオイルと酢で食材を漬ける調理法で、南蛮漬けのような味がします。そのまま食べても、ポテトチップスの上にのせても美味しい。

オストラ

生のカキ、オストラ (Ostra) はフランス人が大好きな食材。スペインでも北部限定で生ガキを食べます。日本のカキより小ぶりですが美味しいです。

ビエイラ

スペイン北部はホタテ貝、ビエイラ (Vieira) でも有名な土地。生で食べる事はなく、鉄板焼き、またはオーブンで焼いて食べます。ベシャメルソースで合えてから再び殻に詰めオーブンで焼いた帆立貝料理がおすすめ。

ナバッハス

スペイン人が崇拝する貝が、ナバッハス (Navajas) 、マテ貝です 。以前は時価になる高級な貝だったのですが、最近すごく安いです。日本で食べるより断然安いので食べておきましょう。鉄板焼きにしてオリーブオイル、パセリ、ニンニクで味付け、レモンを絞って食べます。

ぺルセべス

スペインの最高級食材の一つがペルセべス (Percebes) 。ガリシア地方名物の貝で、波が激しく打ち付ける岩にしか生息しないので、捕獲が大変困難です。そんな希少価値からくる価格の高さなので、美味しいは美味しいけれど、至福の味って程ではないような気がします。まつたけみたいなものでしょうか。時価となるので、注文する前に値段をきちんと確認しましょう。

スペイン料理の珍味

カラコーレス

スペインのカタツムリ、カラコーレス (Caracoles) は絶対に食べなくてはならない料理です。地方によって大きさが異り、スペイン北部はフランスのエスカルゴに近い大きさ、南部は小さなカタツムリが主流です。

どちらも美味しいのですが、個人的には南部の小ぶりなカタツムリがおすすめ。春になると道端でバケツに入ったカタツムリが売られています。

オルティギジャス・フリタス

スペイン東部から南部にかけての海岸線の港町で食べる事ができるイソギンチャクのフライがオルティギジャス・フリタス (Ortiguillas fritas) 。口にすると海の香りがブワっと広がって本当に美味しいです。日本人は絶対に好きな味で、海を食べている感じになります。

ウエボ・デ・ムホル

酒飲みが泣いて喜ぶスペイン版カラスミがウエボ・デ・ムホル (Huevo de mujol)。色々な魚の卵を使っているので種類が結構あります。ねっとり塩辛い味はお酒のお供に最高です。

ウエバス・デ・ぺスカード・ア・ラ・ビナグレッタ

魚の卵のマリネがウエバス・デ・ぺスカード・ア・ラ・ビナグレッタ (Huevas de pescado a la vinagreta) 。魚卵はスペイン南部のアンダルシア地方でしか食べられなかったのに、最近その美味しさにスペイン人が目覚めたようで、他の地域でも見かけるようになりました。

美味しいスペイン料理:肉系

カルネ・デ・カサ

スペインはシカやイノシシを中心とした、狩猟で捕れる野生動物の肉が豊富です。スペインの田舎へ行くと狩猟の肉、カルネ・デ・カサ (Carne de caza) を名物とするレストランが沢山あります。

チュレトン

チュレトン (Chuleton) は骨付きの大きなステーキです。スペインの牛の赤身の肉は本当に美味しいので、絶対に食べてみて下さい。特にマドリッド近郊の街、アビラの肉が最上級とされていますが、ガリシア地方とバスク地方のチュレトンも有名。

ラボ・デ・トロ

牛の尾を煮込んでシチューにしたのがラボ・デ・トロ (Rabo de toro)。アンダルシアを中心に闘牛の盛んな地方でよく見かける料理です。プルプルしたゼラチン質の肉がとても美味しい。コラーゲンたっぷりのシチューをジャガイモや米に絡めて食べるのも美味。

カチョポ  

スペイン北部アストゥリアス地方の郷土料理がカチョポ (Cachopo) 。薄く切った牛肉でチーズと生ハムをはさんで揚げた料理です。地元の人からとても愛されている料理で、専門店が沢山あります。特徴は常識外れな大きさ。

コチニージョ・アサ―ド

ディズニーランドのシンデレラ城のモデルとなった事で有名なセゴビアの街は、子豚の丸焼き、コチニ―ジョ・アサ―ド(Cochinillo asado)が名物です。生後間もない乳飲み子の子豚を使います。丸ごとの子豚が出てくるので覚悟して下さい。

ビジュアル的に残酷な料理ではありますが、めちゃくちゃ美味しい。本当にごめんなさいだけど、至福の味。乳飲み子だけに柔らかさがもの凄いです。本格的な窯のあるレストランを狙いましょう。スペイン全土で食べる事が出来ますが、本場セゴビア県で食べるのが一番美味しいです。

フラメンキン・コルドベス

アンダルシア地方コルドバ県の郷土料理がフラメンキン・コルドベス (Flamenquin cordobes) 。薄くカットした豚肉の上に生ハムをのせ、グルググル巻いて衣を付けて揚げた料理。

ラコン・ア・ラ・ガジェーガ

スペインは生ハムで有名ですが、北部ガリシア地方ではローストハムの方が好んで食べられています。ガリシア風ハム、ラコン・ア・ラ・ガジェーガ (Lacon a la Gallega) と呼ばれ、肉の味が濃いハムです。スーパーで購入する安いハムとは全く別物の味がします。

ラコン・コン・グレロス

スペイン北部ガリシア地方の名物料理がラコン・コン・グレロス (Lacon con grelos) 。豚のもも肉の塊をグレロスと呼ばれるガリシア地方にしか生息しない野菜と一緒に煮込んだもの。優しいお袋の味がします。

セルド・イベリコ

スペインを訪れたら、絶対食べるべき食材がイベリコ豚、セルド・イベリコ (Cerdo iberico) です。普通の豚肉とは全く別の食べ物で、貴方の豚肉の観念を変えてしまうかと思います。スペインの日本食レストランでイベリコ豚のトンカツを食べた時は、余りに美味し過ぎて呼吸が止まるかと思いました。

セクレト 

イベリコ豚はどの部位も美味しいのですが、特にお勧めなのがセクレト (Secreto) と呼ばれる脂身たっぷりの部位です。霜降りのようなサシが沢山入った、豚一匹のうち600グラム位しか取れない希少な部位。

余りの美味しさに職人たちがこっそり家に持ち帰って食べていた事から、セクレト(秘密)の名が付けられたのだそう。炭火で焼いて岩塩を少しだけ付けて食べます。悶絶する美味しさです。

ピンチョ・モル―ノ

アンダルシア地方の名物、豚肉の串焼きがピンチョ・モル―ノ(Pincho moruno) です。アンダルシア地方はかつてイスラム教徒に征服されていたので、影響を受けた食べ物が多いです。豚肉ではありますが、スパイシーな味付けがかなりイスラム風。

ロモ・アル・トシーノ

豚の背肉をラードで煮揚げして、そのままラードに漬け込んだ料理がロモ・アル・トシーノ (Lomo al tocino) 、アンダルシア地方の名産です。朝ごはんとして、バゲットにのせて食べます。白いタイプと赤いタイプがあって、赤いのはトウガラシが入るのでピリ辛です。

セラニート

アンダルシア地方名物の、豚の背肉、生ハム、揚げたピーマンをバゲットに挟んだサンドウィッチ、セラニート (Serranito) 。トマトや卵焼きが入るバージョンもあるけれど、シンプルな方が美味しいと思います。

オレハ・デ・セルド

スペインでは豚は捨てるところなく全て食べます。豚の耳、オレハ・デ・セルド (Oreja de cerdo) は、日本でもお馴染みなので食べやすいのではないでしょうか。基本的にはアヒージョにして食べます。

トレソネス

豚の皮がついた脂身をカラッと揚げた料理がトレソネス (Torrezones) です。肉の部分は全くなく皮と脂身だけ、味付けも粗塩のみ。ビールのお供に最高の料理です。

コルデロ・レチヤル・アル・オルノ

乳飲み子の子羊をオーブンでじっくり焼き上げるのがコルデロ・レチヤル・アル・オルノ (Cordero lechal al horno) 。残酷ではありますがが、まだ草を食べ始めない乳飲み子ってのは本当に美味しいです。

肉がとても柔らかく、羊とは思えないクセのなさ。スペイン全土何処ででも食べる事が出来ますが、スペイン中央部のカスティーリャ・イ・レオン地方の名物料理です。コルデロ・アサ―ド (Cordero asado) は少し大きくなった子羊のオーブン焼き。

チュレタス・デ・コルデロ

スペイン中央部以外の羊が有名でない場所で子羊が食べたくなったら、チュレタス・デ・コルデロ (Chuletas de cordero) をお勧めします。骨付きの子羊の肉を焼いた料理で、上記のコルデロ・レチャル・アル・オルノより断然安くなります。ただ乳飲み子よりも大きな子羊となるので、若干固くクセが出ます。

サラホス

クエンカ地方の郷土料理が、サラホス (Zarajos) と呼ばれる羊の小腸。ぶどうなどのつるに子羊の小腸をぐるぐる巻きにして揚げ、粗塩とレモンをかけて食べます。独特の弾力と食感がとても美味しく、お酒のつまみに最高です。

カブリート

乳飲み子の子ヤギをカブリート(Cabrito) と呼びます 。本当に申し訳ないんですけど、乳飲み子なので大変美味しいです。子羊のようにオーブン焼きも美味しいのですが、ヤギは羊よりクセが強いです。

臭みのある肉に慣れていない方は、値段も安く、ソースなどで色々と緩和される煮込み料理から試してみるのも良いのではないでしょうか。シビエ料理ほどではありませんが、かなり獣臭い味がします。

ポジョ・アサ―ド

店頭でグルグル回りながら焼かれてる鳥の丸焼きがポジョ・アサ―ド (Pollo asado) です。テイクアウトの定番料理で、一羽丸ごと購入しても10ユーロ位。休日のお昼ご飯に食べる人が多いです。お店によって味付けが異なるので、色々と試して下さい。半羽でも買えます。

ポジョ・アル・チリンドロン

赤ピーマン、トマト、玉ねぎなどで鶏肉を煮込んだ料理がポジョ・アル・チリンドロン (Pollo al chilindron) 。他の肉を使う場合もあります。普通に美味しい。

ぺドリス・トレダーナ

首都マドリッド近郊にある世界遺産の街トレドの有名な郷土料理がぺドリス・トレダーナ (Pedriz toledana)、トレド風ヤマウズラです。スペインは狩猟がとても盛んな国。田舎だと狩で捕獲された野生の動物料理を売りにしているレストランが多いです。

ガスパチョ・マンチェゴ

ガスパチョと言えば普通はトマトの冷製スープを意味しますが、マンチェゴの言葉が付くと全く異なる料理となります。ガスパチョ・マンチェゴ (Gazpacho manchego) は、ウサギやとり肉などを野菜と一緒に煮込んだ料理。スペイン中央部、ラ・マンチャ地方の郷土料理です。

コネホ・アル・アヒージョ

スペインはかつてウサギの国と呼ばれるほど、そこかしこにウサギが生息していました。ウサギは色々な形で調理されますが、一番美味しいのはニンニクと一緒にオリーブオイルで揚げ煮した、コネホ・アル・アヒージョ (Conejo al ajillo) です。

アルボンディガス

スペイン風ミートボールがアルボンディガス (Albondigas) 。肉団子を油で揚げて、ソースと一緒に煮込んで仕上げます。トマトソースが一般的ですが、普通の味なのでサフランを使った黄色いソースやアーモンドの白いソースがかかった肉団子を狙って下さい。最高に美味です。

リニョン・アル・ヘレス

子牛の腎臓を世界的に有名なスペインの酒、ヘレス酒で煮込んだ料理がリニョネス・アル・ヘレス (Riñones al Jerez) です。アンダルシア地方の郷土料理だったのですが、とても美味しいのでスペイン全土に広まりました。

美味しいスペインのソーセージ

スペインの腸詰はとても種類が多いので、調理の必要がないソーセージ類は別記事にまとめました。生ハムは勿論ですが、スペインのソーセージ類も絶対に食べて欲しい驚きの美味しさです。

チョリソ・ア・ラ・シードラ

ピリ辛のソーセージを、シードラと呼ばれるスペイン北部特産のリンゴ酒で蒸し焼きした料理がチョリソ・ア・ラ・シードラ (Chorizo a la sidra) 。ソーセージの旨味とリンゴ酒がミックスされたソースをパンでぬぐって食べるのがまた美味しい。

チストーラ

ナバーラ地方特産の豚の腸詰がチストーラ (Txistorra) です。細めでスパイシーな味付けが特徴。結構脂っこいのですが、それがいい、と言う人が多いです。

ブティファラ

カタルーニャ地方名物の太いソーセージがブティファラ (Butifara) です。白と黒、2つのタイプがあって黒いのには豚の血が入っています。オーブンでカリカリに焼いて食べるのが美味しい。付け合わせは何故か必ず白インゲン。注文すると結構なボリュームでやってくるので、一人で食べるよりシェアした方がいいです。

ソブラサーダ

バレアレス地方名産の、豚の肉で作るパテタイプの腸詰がソブラサーダ (Sobrasada) 。 ピリ辛で柔らかいのが特徴で、トーストしたバゲットに塗って食べます。

モルシージャ・デ・ブルゴス

マドリッド近郊のブルゴス地方名物が、豚の血と米で作るソーセージ、モルシージャ・デ・ブルゴス (Morcilla de Burgos) です。豚の血で作るソーセージは、とても癖のある味なので、慣れない日本人なら結構苦手な味です。でもブルゴス地方名物の米入りのソーセージだと、生臭さが緩和されすんなり食べる事が出来ます。

モルシージャ・デ・レオン

豚の血のソーセージが大丈夫な人は、レオン県が特産のモルシージャ・デ・レオン (Morcilla de Leon) をおすすめします。まします。血のソーセージ独特の濃厚な味を楽しめます。

パタータス・ア・ラ・リオハーナ

ピリ辛のソーセージをジャガイモと一緒に煮込んだ料理がパタータス・ア・ラ・リオハーナ (Patatas a la riojana) 。ワインで有名なリオハ地方の郷土料理。

ハモン

生ハム、ハモン (Jamon) には階級があります。最上級はパタ・ネグラ (Pata negra) と呼ばれ、その中でもベジョータは最高峰の生ハム。山で放し飼いにされ、ドングリなど自然界のものだけを食べて育つ、黒い爪を持った豚の生ハムです。

メロン・コン・ハモン

高価な生ハムは敬意を持ってそのまま食べますが、安い生ハムならメロンと一緒に食べるのが美味しいです。メロン・コン・ハモン (Melon con Jamon) と呼び、安いハム特有の塩っ辛さがメロンの甘さで中和され大変美味しくなります。

チャンピニオーネス・ア・ラ・プランチャ

大きなマッシュルームの中に生ハムとニンニクを詰めて鉄板焼きにした料理がチャンピニオーネス・ア・ラ・プランチャ (Champiniones a la plancha) 。もちろん安い生ハムを使います。とても美味しくて、スペイン人も大好き。専門店も多いです。

ケソ・デ・マンチェゴ

スペイン人はチーズを良く食べますが、フランスのような多種多様なタイプのチーズを食べている訳ではありません。ケソ・デ・マンチェゴ (Quezo de Manchego) と呼ばれるハードタイプのチーズを中心に食べています。

ハードタイプのチーズですが、熟成期間によって柔らかさが異なり、牛、羊、ヤギと異なったミルクで作るので、同じマンチェゴタイプのチーズでも沢山の種類があります。基本的に牛→羊→ヤギの順にクセが強くなります。スペインのチーズに関しては、別記事で詳しくまとめました。

穀物を使ったスペイン料理

クロケッタ

クロケッタ (Croqueta) は、小麦粉をバターと牛乳で煮詰めて作るクリームタイプのスペイン風コロッケです。色々な具がありますが、生ハムのコロッケが一番定番。イカ墨や、ヤギのチーズとリンゴのコロッケなんかも美味しいです。

ミガス

固くなったパンを細かく削って油で炒めた料理がミガス (Migas) です。スペイン版チャーハンと呼ぶ人もいます。素朴な味で美味しく、定番の家庭料理だったのですが、作るのがメンドクサイので最近は余り家庭では作らなくなりました。レシピや詳しい歴史を別記事でまとめてあります。

エンパナーダ

ガリシア地方の名物がエンパナーダ (Empanada)と呼ばれる大きなパイです。全くのパイ生地のエンパナーダもありますが、本場ガリシアのエンパナーダはパイとパンとクッキーが合わさったような生地で作ります。

中身の具は色々あって、ツナやひき肉をトマトソースで調理したものが主流です。タコで有名なガリシア地方を訪れたのなら、是非タコ入りのエンパナーダを食べて下さい。

オルナッソ・デ・サラマンカ

サラマンカ地方の郷土料理がオルナッソ・デ・サラマンカ (Hornazo de Salamanca) と呼ばれるパイ。肉やソーセージの他に色々な具が入る、具沢山のパイです。

パステル・デ・カルネ・ムルシアノ  

ムルシア地方名産のパイがパステル・デ・カルネ・ムルシアナ (Pastel de carne murciana) 。サクサクのパイ生地の中に牛肉のミンチ、生ハム、ソーセージ、茹で卵、オリーブの実などが入ってます。個人的に世界で一番美味しい総菜パンだと、世界100ヵ国以上を食べ尽くした私が秘かに思っています。

ガチャス

ドン・キホーテの舞台となったカスティージャ・ラ・マンチャ地方を代表する郷土料理がガチャス (Gachas) 。ベーコンやソーセージを炒め、グラスピー豆の粉を加え更に炒め、水を入れてゆっくり混ぜながら調理した料理。見た目は悪いけれど、結構美味しいです。

ジャガイモを使ったスペイン料理

スペインでは米とパンを良く食べるので、ヨーロッパの他の国と比べればジャガイモを余り食べません。

パタタス・ブラバス

スペインのジャガイモ料理の傑作がパタタス・ブラバス (Patatas Bravas) です。ポテトフライにピリ辛のソースがかかった料理で、本当に美味しい。ただ当り外れの大きい料理ナンバー1で、酷いのになるとケチャップにタバスコをかけただけの酷い料理となります。

パパス・アルガダス・コン・モホ・カナリオ

カナリア諸島の郷土料理がパパス・アルガダス・コン・モホ・カナリオ (Papas arrugadas con mojo canario) です。小さなジャガイモを皮ごと茹でで、唐辛子、ニンニク、コリアンダーなどで作るモホ・ピコンと呼ばれるピリ辛のソースと一緒に食べます。赤と緑、2つのソースがあってどちらも最高に美味。

パタタス・レボルコナス

ジャガイモのピュレーにピリ辛ソーセージやベーコンなどの肉類を混ぜて作るのがパタタス・レボルコナス (Patatas revolconas) です。

エンサラディージャ・ルサ

スペイン版ポテトサラダがエンサラディージャ・ルサ (Ensaladilla rusa) 。茹でたジャガイモにツナ、グリーンピース、人参、オリーブの実などを加え、マヨネーズで和えます。

パタタス・ア・ラ・カブラーレス

ポテトフライにチーズのソースを絡めた料理がパタタス・ア・ラ・ブララーレス (Patatas a la cabrales) 。スペイン北部アストゥリアス地方の名物である、ヤギの乳で作るピリ辛のカブラーレスチーズを使って作る美味しいソースです。

パタタス・アリオリ

ジャガイモをニンニクとオリーブオイルで作るソースで和えた料理がパタタス・アリオリ (Patatas alioli) 。アリオリソースはスペインではマヨネーズより人気があり、魚フライや肉料理、色々なものに使います。ジャガイモとの相性も抜群。

野菜中心のスペイン料理

ピミエントス・デ・ピキージョ・レジェ―ノス

小型で肉厚な赤ピーマンの中に、色々な詰め物をしたのがピミエントス・デ・ピキージョ・レジェ―ノス (Pimientos de piquillo rellenos) 。中の具はレストランによって異なりますが、基本的にはタラなどの白身魚や肉をベシャメルソースで和えたものが詰まっています。中の具、そしてソース、とても応用力のある美味しい料理なので、色々なバージョンを楽しんで下さい。

エスカリヴァダ

エスカリヴァダ (Escalivada) は、カタルーニャ地方の郷土料理で、トマト、赤ピーマン、ナスなどをオーブンで焼き、オリーブオイルでマリネにした料理。ベジタリアンの人達から絶大な人気を誇ります。

ピスト

スペインの家庭料理の定番がピスト (Pisto) です。油で揚げたナス、ズッキーニなどの野菜をトマトソースで和えたもの。卵焼きと一緒食べます。レストランで食べる料理ではなく、おうちご飯の代表格。

ガスパチョ

スペインの夏の定番料理が、トマトの冷製スープ、ガスパチョ (Gazpacho) です。初めて口にするとドレッシングのようでキツイかもしれません。でも慣れると確実にはまります。暑い暑いスペインの夏に欠かせない食べ物です。

サルモレッホ

ガスパチョよりドロドロしたトマトの冷製ソースがサルモレッホ (Salmorejo) です。ビネガーをそれ程入れないので優しい感じ。アンダルシア地方のコルドバの郷土料理だったのですが、今では全国で食べられています。

カルソターダ

バルセロナを中心としたカタルーニャ地方の名物料理がカルソターダ (calcotada) 、ネギのバーベキューです。地元の人でないと食べる事が難しい料理なので、運よく食べる事が出来たら、幸運を噛みしめながら食べて下さい。超絶に美味。カルソッツと呼ばれる事も多いです。詳細を別記事にまとめました。

ピミエントス・デ・パドロン 

辛くないシシトウガラシをオリーブオイルで揚げて粗塩をふっただけのシンプル料理がピミエントス・デ・パドロン (Pimientos de Padron)。美味し過ぎてビールがどんどん進みます。スペイン人と飲みに行くと、とりあえずこの料理をオーダーする事が多いです。

豆を使ったスペイン料理

コシード・マドリレーニョ

マドリッド風豆の煮込みをコシード・マドリレーニョ(Cocido madrileño) と呼びます。マドリッドの名前はついていますが、全国何処ででも食べられている家庭料理。ヒヨコ豆を肉や野菜と一緒にコトコト煮込んで作ります。寒い冬に欠かせない、栄養価満点の煮込み料理です。

ファバーダ・アストゥリアーナ

アストゥリアス地方名物の大きなインゲン豆を、ソーセージや肉と一緒にコトコト煮込んで作る伝統的な家庭料理がファバーダ・アストゥリアーナ (Fabada asturiana) です。前述のコシードと人気を分ける冬の定番料理。

コシード・モンタニェス

スペイン北部、カンタブリア地方の豆を使った郷土料理がコシード・モンタニェス (Cocido montañes) です。マドリッド風はヒヨコ豆を使いますが、カンタブリア地方では白いんげん豆を使います。肉や野菜が沢山入った豆の煮込みは寒さの厳しい北の人達には必需品。

レンテーハス

スペイン全土で食べられているレンズ豆のポタージュをレンテーハス (Lentejas) と呼びます。肉やソーセージと一緒にレンズ豆を煮込んで作ります。他の豆料理よりライトなので、メイン料理としてではなく、前菜のスープとして登場します。

ファベス・コン・アルメッハス

スペインのアストゥリアス地方もグルメな土地として有名で、海と山に囲まれた土地なので、海の幸も山の幸も両方使って作る料理が多いです。アストゥリアス地方を代表する豆料理が、ハマグリを大きなインゲン豆と一緒に煮たファベス・コン・アルメッハス (Fabes con almejas) です。

カジョス

スペイン人が大好きな臓物の煮込みがカジョス (Callos) 。スペイン南部ではヒヨコ豆が入る事が多いのですが、マドリッド近郊では臓物のみで作ります。臓物なだけに好き嫌いが分かれますが、好きな人にはたまらない料理。

スペイン料理:スープ編

カルド・ガジェーゴ

日本人なら嫌いな人はいない、ガリシア地方の郷土料理がカルド・ガジェゴ (Caldo gallego)。味噌なんて使っていないのに何だか味噌汁の味がして、これ食べるとほっこり懐かしい気持ちになります。

ベルサと呼ばれるガリシア地方にしか生息しない、固いほうれん草みたいな野菜を使って作るので、ガリシア地方じゃないと食べる事が出来ません。この野菜がまたとても美味。

ソパ・デ・アホ

カスティージャ・イ・レオン地方の郷土料理であるニンニクのスープがソパ・デ・アホ(Sopa de ajo)。固くなったパンをリサイクルするレシピで、パンと一緒に大量のニンニクと卵が入ります。

アホ・ブランコ

アンダルシア地方の郷土料理がニンニクの冷製スープ、アホ・ブランコ (Ajo blanco) 。ニンニクとアーモンドを主材料とする白い色をしたスープ。暑い夏にはガスパチョとアホ・ブランコを繰り返す日々となります。

マサモーラ

アンダルシア地方のコルドバの郷土料理、アーモンドで作る冷製スープがマサモラ (Mazamorra) です。美容と健康に良いアーモンドをたっぷり使ったスープで暑い夏にもってこい。地元の人に作ってもらった本場のレシピをこちらに掲載しています。

スペインを代表するソース

サルサ・デ・モホ

カナリア諸島の名物がサルサ・デ・モホ (Salsa de mojo) と呼ばれるモホ・ソース。赤と緑の二種類あって、赤はパプリカ主体のピリ辛ソース、緑はコリアンダーまたはイタリアンパセリを主体で作ります。

どちらも本当に美味しいソースで、肉、魚、野菜、何にでもかけて食べます。カナリア諸島では醤油のような存在で、レストランへ行くと何も言わなくても最初に出てきます。

ロメスコ

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トマトとアーモンドをベースにして作るカタルーニャ地方名物のソースがロメスコ(Romesco) です。野菜、肉、魚、何にかけても美味しい。なんならパンにこれだけ塗ってもいけます。作る人によってレシピが異なりますが、どのレシピも大変美味。

アリオリ

カタルーニャ地方を中心に食されているアリオリ(Alioli)は、ニンニクの入ったマヨネーズのようなソース。世界で一番古い歴史を持つソースとされています。マヨネーズをかけたいなと思うような食べ物全般に合うソース。スペインでは基本的にマヨネーズよりアリオリソースの方が好まれます。

スペインのデザート

ブニュエロス・デ・クレーマ

クリームの入った揚げドーナツがブニュエロス・デ・クレーマ (Bunuelos de crema) 。イースターの季節に良く見かける季節物のお菓子です。最近のブニュエロは色々な味のクリームが登場していて楽しいです。

クレーマ・カタラナ

カタルーニャ地方名物のデザートが、クレーマ・カタラナ (Crema catalana) 。ゆるいプリンの上に砂糖をふりバーナーで溶かしてキャラメルにして固めたスイーツです。普通に美味しいだけなので、無理して食べる事はないかなと思います。

チューロス・コン・チョコラーテ

スペイン人が休日に、ゆっくり起きて食べる朝食がチューロス・コン・チョコラーテ (Churros con chocolate) 。日本でもお馴染みのチューロと呼ばれる揚げドーナツにチョコレートをひたして食べます。チューロスより太目のものはポーラス(Porras) と呼ばれ、人気が分かれます。

トゥロン・デ・ヒホーナ

スペインのクリスマスに絶対的に欠かせないお菓子がトゥロン・デ・ヒホーナ (Turron de Jijona) 。スペイン各地で生産されていますが、名前にもなっているアリカンテ地方のヒホーナの街のトゥロンが一番有名です。アーモンドとハチミツだけで作る伝統菓子。トゥロンに関しては別記事で詳しくまとめました。

ロスコン・デ・レジェス

スペインではサンタクロースではなく、東方の3賢者と呼ばれる人達が1月5日の夜中にプレゼントを配りにやって来るので、1月6日は家族全員が集まって、貰ったプレゼントを自慢し合います。1月6日の食卓に欠かせない食べ物がロスコン・デ・レイジェス (Roscon de Reyes) 。この季節にしか出回る事のない生クリームの詰まった大きな菓子パンのようなケーキです。

マンテカード

クリスマスの定番のお菓子で、マンテカード (Mantecado) の無いクリスマスなんてあり得ないとされています。クリスマス以外では見かける事のない、豚のラードで作るクッキー。

ポルボロン

マンテカード同様クリスマスに欠かせないお菓子がポルボロン (Polvoron)。マンテカードに似ているけれど、もっと柔らかく手で触っただけで崩れるような焼き菓子です。本当に壊れやすいので、食べる前に手でグチャッと潰して固めてから口に入れる人もいます。

アロス・コン・レーチェ

スペインを代表するデザートがアロス・コン・レーチェ (Arroz con leche) 、米のミルク煮です。初めて見た時は衝撃的でしたが、慣れると最高に美味しいデザート。シナモンとレモンが入ります。

トルタ・デ・アセイテ

日本へ帰国する時必ずお土産に買って帰るのが、オリーブオイルで作る薄焼きクッキーのトルタ・デ・アセイテ (Torta de aceite) 。病みつきになる美味しさです。ただアニス酒の独特な香りがあるので、苦手な人もいるかも。

トシーノ・デ・シエロ

卵の黄身と砂糖で作る濃厚なプリンみたいな極甘のお菓子がトシーノ・デ・シエロ (Tocino de cielo) 。エスプレッソコーヒーと合わせて食べると美味しいけど、激アマなので量は食べれません。

マサパン

アーモンドの粉と砂糖をねってから焼き上げる、とても甘いお菓子がマサパン (Mazapan) 。スペインではトレドのマサパンが一番有名ですが、スペインに限らずヨーロッパに古くから伝わる伝統菓子です。

パナジェッツ

カタルーニャ地方を代表する郷土菓子がパナジェッツ (Panellets) 。マサパンを松の実でコーティングしてオーブンで焼いたもの。マサパン嫌いな私にはどうでもいいお菓子ですが、好きな人は好き。カタルーニャ地方ではお盆の季節に必ず食べるお菓子となっています。

タルタ・デ・サンティアゴ

ガリシア地方の郷土菓子で、アーモンドの粉、卵、砂糖で作るケーキがタルタ・デ・サンティアゴ (Tarta de santiago) 。小麦粉ではなくアーモンド粉を使うので独特の風味を持ちます。

トリッハス

イースターの季節になると出回るのがトリッハス (Torrijas) 。季節もののお菓子だったのですが、最近は年間を通して見かけるようになりました。フレンチトーストを油で揚げたようなお菓子で、食パンではなくバゲットを使います。揚げた後は砂糖や蜂蜜につけます。

エンサイマーダ

巻貝のような形をした菓子パンがエンサイマーダ (Ensaimada)。マジョルカ島の郷土菓子です。注目したいのは大きさ。ファミリーサイズのピザ位あります。17世紀頃から存在する、由緒正しきお菓子というか菓子パン。ラードを使って作ります。

スペイン特有の飲み物

オルチャータ

キハマスゲの地下茎の搾り汁に水、砂糖やハチミツを加えて作る、バレンシア地方名物の伝統的な飲み物がオルチャータ (Horchata) 。とても甘いのですが、癖になる美味しさ。栄養価も抜群のスーパーフードで、NASAの宇宙食にもなりました。

シェリー酒

アンダルシア地方のヘレス・デ・ラ・フロンテーラで生産される、世界的に有名な酒精強化ワインがビノ・デ・ヘレス (Vino de Jerez) 。イギリス人が世界に広めたので、英語名のシェリーで定着しています。蒸留酒ではなく、白ワインの一種。

サングリア

スペインと言ったらサングリア。赤ワインに果物をたっぷり入れて作る、インスタ映え抜群の飲み物です。ワインだけでなく、ロンなどの強いお酒も入れてミックスさせて作るので、見かけによらず結構危険な飲み物。レシピを含めてサングリアに関する全てを別記事でまとめました。

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