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スウェーデン風シナモンロールのレシピ、スウェーデン人直伝の本場の味

      2021/06/25

シナモンロールはスウェーデンで生まれました。日本の皆様はシナモンロールと聞けば、アメリカ版の甘いクリームがたっぷりかかったものを思い浮かべるのかもしれません。本場スウェーデンのシナモンロールは、甘さ控えめでスパイスがきいた大人の味。何だか慎ましく、素朴な感じもします。戦後の苦しい時代に生まれた食べ物だからなのかもしれません。

スウェーデン風シナモンロールのレシピ

シナモンロールの材料

ドライイースト 小匙2
強力粉と薄力粉を混ぜたもの 500g
*薄力粉が多めの方が生地がしっとりします。強力粉より薄力粉を多め、を意識して混ぜて下さい。
砂糖 大匙4
牛乳 300ml
卵 1個
バター 100g
塩 小匙1
カルダモン 大匙1 

(フィリング)
バター 適量
砂糖 50g
シナモン 沢山

(仕上げ用)
溶き卵 1個分
水 大匙2杯
パールシュガー
粗挽きアーモンド

シナモンロールの作り方

①大き目のボールに薄力粉とカルダモンを入れます。
※生地が発酵すると倍以上に膨らむので、かなり大き目のボールがいいと思います。

②別容器でバターを常温、または電子レンジで柔らかくしておきます。でも溶かしてはいけません。

③鍋で牛乳を軽く沸騰させます。小さな泡が表面にフツフツ出てくるぐらいで火を止めましょう。砂糖を加え溶かしたら少し冷まし、ドライイーストを入れて10分程置いておきます。

④粉の入ったボールに溶き卵、③で作ったイースト入り牛乳を入れて木べらで混ぜます。丸く一つの塊になるぐらいになったら塩を加えます。この塩を入れるタイミングはとても重要です。

イーストは水分に触れると発酵を始めるのですが、その水分に塩が入っていると死んでしまいます。塩には殺菌作用があり、イーストは菌だからです。粉と水分が全部きちんと混ぜった時点で塩を加えるよう注意しましょう。

⑤生地をボールから薄く粉をふった木の台に移します。バターを加えてこね始めます。バターを入れた後はベトベトし、生地が上手くまとまらず、こねるのが大変かと思います。様子を見ながら粉を追加し、根気よくこねて下さい。

叩きつけるのも、手前から奥に向かって手のひらで生地を台にこすりつけるようにしてこねるのもいいでしょう。この段階が美味しいシナモンロールを作る一番大切な箇所なので頑張って捏ねましょう。

一番大切なポイントは、この段階で生地にしっかり粘り気を出す事です。小麦粉に水分を加えてこねると、グルテンという成分が結束し、粘り気と伸びのある生地になります。

このグルテンの膜で発酵の時に出てくるガスを受け止め、風船のようにふくらませる事が大切です。パン作りの一番の基本なので、ここできちんと伸びのあるゴム風船を作らないとガスが漏れ、膨らまずに固いパンとなってしまいます。

バゲットなどの粗い気泡のあるパンを作る時にはこね過ぎては絶対にダメ。パン作りは自分が作りたいパンの種類によって、こね方が変えなくてはならないので注意が必要です。

捏ねる作業は大変めんどくさいので、ホームベーカリーを使う人も多いです。生地は耳たぶの固さが目安。生地が柔らかければ、柔らかい程フワフワのパンになりますが、柔らかすぎる生地は成型するのが大変です。見極めて下さい。

⑥充分捏ねたらひと塊にしてボールの中に戻し、乾燥しないように濡れた布巾をかけて放置し発酵させます。25度位の場所で30分程でしょうか。だいたい2倍の大きさになるかと思います。

⑦発酵の終わった生地を小麦粉をふった木の台に移します。半分ぐらいの大きさに切り、棍棒で25cm程の長さの長方形に伸ばします。

⑧伸ばした生地の表面にバターを薄く塗ります。固いバターだと上手く伸びないので事前に冷蔵庫から出して柔らかくしておきましょう。

⑨バターを塗った生地にシナモンとグラニュー糖を全体にいきわたるようたっぷり目にふりかけます。

⑩長方形の下側の長い辺から生地をぐるぐる巻いていきます。結構きつめに巻いた方が形が崩れなくて良いです。巻き終わりをしっかりととめ、全体の形を整えます。

レーズンやナッツ、粒チョコなどを一緒に巻く人も多いです。勿論美味しいのですが、私的にはシナモンとカルダモンだけのシンプルバージョンの方が好みです。

⑪一人前の大きさに輪切りにします。スケッパー、なければ包丁を使ってスパッと切っていきます。このスパッが上手くいかないと、しっかり膨らみません。

⑫切り口を上にしてカップケーキの型に入れます。オーブン皿にパラフィン紙を敷いて生地を並べるのもいいでしょう。この後、最終発酵させるのでキツキツに生地を並べないよう注意しましょう。

⑬生地が1、5~2倍になるまで発酵させます。40度のオーブンで15分、25度の部屋なら40分程度が目安です。オーブンに入れるなら、事前に霧吹きで水をかけます。常温で発酵させるなら濡れた布巾を上に被せて乾燥を防ぎましょう。

⑭発酵が終ったら卵に水を加えた溶き卵を表面に塗ります。お好みで粗挽きアーモンド、そして最後にニブシュガーをふりかけます。ニブシュガーとはパールシュガー、ヘイルシュガーとも呼ばれている、精製された白砂糖の事です。

粗塩のように固くて、粒が大きい不透明な砂糖でオーブンで焼いても溶ける事がありません。北欧でニブシュガーはとてもポピュラーで焼き菓子や菓子パンのデコレーションとして使われています。

⑮オーブンを220度に予熱します。

⑯焼き時間はオーブンやシナモンロールの大きさによって異なりますが、だいたい12分程度と考えて下さい。

シナモンロールの歴史

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シナモンロールはスウェーデンで生まれました。第一次世界大戦後、経済が激しく落ち込んだスウェーデンでは、食材を切り詰めて生きる家庭が多かったです。そんな時代に生まれたのがシナモンロール。

戦後の苦しい時代でも手に入りやすかった材料だけを使っているので、大人気となり全国へと広まりました。スウェーデンとシナモンロールに関する詳細は別記事で詳しくまとめてあります。

フィンランドのカレリアパイ

今回はスウェーデンを代表するスイーツ、シナモンロールのレシピを紹介しました。同じ北欧のフィンランドにも、国を代表するスイーツ、いや主食と言うべきの、とにかくフィンランド人の毎日の生活に欠かせない食べ物があります。フィンランド人直伝のカレリアパイのレシピがこちらのです。

スウェーデンのシナモンロールの特徴

スウェーデンのシナモンロールの生地にはカルダモンが入ります。シナモンロールと言うからにはシナモンが主役なのですが、スウェーデンの人達はカルダモンの入っていないシナモンロールなんて、泡のないビールのようなものだと言います。

カルダモンはインドを原産とする、最も古いスパイスでショウガ科の植物です。清涼感とピリッとした辛み、気品のあるエキゾチックな香りとほろ苦さが特徴です。その独特な風味から、スパイスの女王とも呼ばるカルダモン。

スウェーデン人はこのカルダモンが大好きで、一人当たりの消費量がアメリカの50倍はあると言います。カルダモンはカレー料理に欠かせないスパイスで、肉料理の匂い消しなどにも使われます。

通常はメイン料理に使用されるスパイスなのですが、スウェーデンに限らず北欧では多くの焼き菓子にカルダモンが使用されています。特にクリスマスのお菓子に必要不可欠で、クリスマス期間中の北欧はカルダモンの香りで溢れています。

シナモンロールの日

スウェーデンの10月4日はシナモンロールの日。スウェーデンでは街の至る所でシナモンロールが売られていて、10月4日に限らず、何時でも何処でも食べられているのですが、この日は通常の3倍以上の売上となるのだそう。

10月4日のシナモンロールの日には人口1000万人の国で、一日800万個のシナモンロールの売り上げがあるのだそう。驚異的な数字です。「シナモンロールが嫌いなスウェーデン人は存在しない」誰もがそう言い切るほど、愛されている食べ物です。

シナモンロールとスウェーデン人

スウェーデンの人達は家に人を招くのも、招かれるのも大好きです。誰かを招いたら、まず初めにとりかかるのがシナモンロール作り。シナモンロール抜きでお客様をお迎えするなんて、スウェーデンではあり得ない事なのです。

捏ねるのが面倒くさいけど、意外と簡単に出来るシナモンロール。本当に美味しいので是非日本の皆様にも作って試して頂きたい。スパイスの効いた大人の味は、今まで私達が抱いていたシナモンロールのイメージを覆す、驚きを持った美味しさです。

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