アマゾン川はどんな川?南米のアマゾン川の特徴と生息する生き物、危険生物
2024/07/19
アマゾン川探検ツアーで通訳として働いていた際に、博識のガイドさんから教えてもらったアマゾン川に関する色々な情報をまとめました。アマゾン川とは一体どのような川で、どんな生き物が生息しているのでしょうか。
南米のアマゾン川の大きさ
アマゾン川は世界一の流域面積を持ち、アマゾン川流域の熱帯雨林は世界で一番の大きさを誇ります。この世にはもう未開の地など存在しないかと思いきや、アマゾン川流域には、未だ文明未踏の地が残ります。
だからこそアマゾンと聞くだけで、旅人の冒険心が刺激されてしまうのでしょう。世界3大の川は、南アメリカ大陸のアマゾン川、アフリカ大陸のナイル川、中国の長江または北アメリカ大陸のミシシッピ川とされています。
基準がかなり曖昧で、何をもって「世界三大」としているのか分かりません。流域面積なら大きい順でアマゾン川、ミシシッピ川、ナイル川。でも世界最長と言うなら順位が代わり、ナイル川、アマゾン川、長江となります。
河川の長さを決めるのは、実はかなり難しい。特にアマゾン川は水源地帯の地形に不明な部分が多いので猶更です。いずれにせよアマゾン川は世界で1位2位を競う長い川で、流域面積や水量で言えば断トツで世界一の川。そして未開で文明とのコンタクトが無い部族が存在する、ロマン溢れる場所です。
アマゾン川の流域面積
アマゾン川はペルーのアンデス山脈からブラジルの大西洋に注ぐ、世界最大の流域面積を持つ川です。その総面積は何と日本の面積の19倍、オーストラリア大陸に相当する705万キロメートルにも及びます。
数多くの支流を持ち、アマゾン川という名称はそられの川の総称として用いられます。ちなみにアメリカの通販会社「アマゾン」は、この世界最大規模の流域面積にあやかって、社名をアマゾンに改名したのだそう。
アマゾン川の深さ
アマゾン川は水深が深いのが特徴です。場所によっては120mにも達するので、ブラジル側の河口から4000km上流までは遠洋航海用の大型船舶で行き来する事が出来ます。平均水深は40m。ただしこれは雨季に限り、乾季になると水量がとても少なくなります。
毎年11月頃から水位が上昇し、5月から6月にかけて最高位に達します。場所によっては雨季と乾季で水位が20m以上も異なるんです。この季節による水量の差がアマゾン川最大の特徴で、雨季になると数十万平方キロメートルにも及ぶ熱帯雨林が水没してしまいます。
ただアマゾン川流域に住む人々や野生動物達は、雨季に水没してしまう土地が何処なのかを熟知しているので、雨季と乾季で上手に土地を使い分けながら暮らしています。
アマゾン川の名前の由来
アマゾン川全区域を初めて航海した人物は、スペイン人のフランシスコ・デ・オレリャーナ。インカ帝国を征服中だったフランシスコは、アマゾンの奥地に黄金郷があるという噂を耳にしました。
欲にかられたフランシスコは、アマゾン川周辺で暮らしていた先住民達と激しく戦闘しながら黄金郷を目指します。そしてある時、女性戦士達に攻撃されたのです。それがギリシア神話の女人族アマゾネスを連想させた事から、この川をアマゾン川と呼ぶようになりました。
アマゾン川の特徴的な水の色
アマゾン川の本流と支流では水の色が異なります。本流はコーヒー牛乳のような色をしていて、支流は黒っぽい色。本流と支流が合流する場所では、2つの川の色がぶつかり合う、不思議な光景を見る事が出来ます。
本流と支流の色が混ざらない理由は、水温と川の流れの速度、それぞれの川の水の成分の比重が違うからなのだそう。カフェオレ党とブラックコーヒー党は永遠に分かち合えないものなんだ。とガイドさんにドヤ顔で言われました。
時間ないし、そんなドヤ顔で言う程のモノでもないし、と思ってお客様には訳さなかったけれど、あんなにもドヤ顔して言ってたのだから訳してあげればよかったと今、少しだけ後悔しています。
アマゾン川で一番危険な生物
アマゾンと聞けば、危険な動物がウジョウジョ生息してそうなイメージがありますが、大型の動物は殆どいません。アマゾン最強の捕食者と呼ばれるジャガーの生息地ではありますが、準絶滅危惧種なので滅多にお目にかかる事はありません。
アマゾンで一番危険な生物を決めるなら、カンディルが一番有力でしょうか。体長10cmにも満たないナマズ科の銀色をした小魚なのですが、大変厄介です。アンモニアに反応して進んでいく習性を持つので、泳いでいる人の尿道や肛門を狙って体内に侵入します。
カンディルが体内に入るととても危険です。内部の肉を食いちぎって食べてしまうのです。更にはカンディルのヒレにはトゲのようなものがあり、無理に引き抜こうとするとより深くめり込みます。
少しでも体内に侵入されたら、開腹手術で取り除くしか手段がありません。そもそも手術となる前に、内部の肉を引きちぎられる痛みでショック死してしまう人が多いのだそう。
ブラジルが発祥のTバック。実はアマゾン川流域で暮らしていた原住民アマゾネスが、カンディルから身を守る手段として使用していたフンドシのようなものが元になっているのだそう。Tバックはセクシーの為ではなく、ガンディルから身を守る為のTバックだったのです。
アマゾンで恐れられている生物
アマゾンに生息する危険な生き物と言えばアナコンダも有名です。体長9m、胴回りの直径30cm、体重は250キロにも達する世界で一番大きなヘビで、気性が荒く、ワニでも羊でも時には人間だって何重にも巻き付いて締め殺してしまいます。
相手の呼吸を敏感に感じ取りながら、その呼吸に合わせて締めあげる、とされるので本物の極道です。その力は全身の骨を複雑骨折させる程で、獲物を窒息死させてから、ゆっくり頭から丸飲みにします。
ただアナコンダはアマゾンとは言え、そう簡単にお目にかかる生き物ではありません。アマゾンで生まれ育ったベテランのアマゾン川専属ガイドさんですら「最後に見たのは11年前だ」とか言ってました。
アマゾンで本当に危険な生物
アマゾンで一番注意しなければならないのはカです。大変危険な生き物で、年間何十万人もの死者をだしているマラリアの原因です。アマゾン川流域には、マラリア原虫を持った蚊がウヨウヨしています。
アマゾン川を訪れる際は、滅多にお目にかかる事のないアナコンダを心配するより、身近にある大きな危険、蚊の対策をした方が賢明でしょう。マラリアとマラリア薬に関しては別記事で詳しくまとめたので参考にして下さい。
アマゾン川の有名な下ネタ
本流と支流、2つの色の川がぶつかる場所には、アマゾンカワイルカのような大型の魚が住んでいます。このイルカ、見かけが卑猥な事で有名です。ピンク色で少しシワシワしているので、男性のシンボルに例えられる事が多いんです。
アマゾン川のガイドさん達は下ネタ大好き人間が多いので、更なる下ネタを披露したいが為に、メチャクチャ一生懸命にアマゾンカワイルカを探してくれます。結構人馴れしていて、口笛を吹くと寄ってきてくれるアマゾンガワイルカが多いです。
ガイド通訳としては、もっと違う方向でも頑張ってくれよとは思いますが、出来た人間なので口には出しません。多分貴方がアマゾンに滞在する間、一番一生懸命頑張るガイドさんの姿を見れるのが、アマゾンカワイルカを探している時だと思います。
ピラニアはアマゾン川のアイドル
下ネタ好きなガイドさんはアマゾンカワイルカを強力におしますが、一般的な観光客が目にしたいのはピラニアです。コツさえつかめば結構簡単に釣る事が出来る魚なので、ピラニア釣りはアマゾン川で人気のアクティヴィティーとなっています。
釣ったピラニアは宿に持ち帰って調理してもらいます。意外と美味しいのでびっくりするかと思います。ただ骨が多いので地元の人達は食べません。有難がって食べるのは観光客だけなのだそう。ピラニアとピラニア釣りに関しては、別記事で詳しくまとめてあります。
アマゾン川流域に生息する生き物
アマゾン川流域には250種類の哺乳類、1800種類の鳥類、100万種以上の昆虫類、川には3000種類の魚が存在します。魚の殆どはナマズ系で、川が増水している期間は浸水した森の中で生息し、乾季になると川に集まって産卵活動をします。
アマゾン川流域に生息する動物は、年々個体数を減らしています。殆ど見る事が出来ないかと思うので、アマゾン川沿いに設立された野生動物保護センターを訪れて下さい。アマゾン川周辺に生息する生き物に関する詳細は、別記事で詳しくまとめてあります。