世界食べ尽くしの旅 

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キューバでホームスティ② キューバ人とはどんな人達なのか

      2021/05/28

キューバは世界で一番面白い国です。世界80カ国以上を旅していても、キューバほど衝撃を受けた国はありませんでした。スペイン在住のフードライターが世界中で素敵な人達に出会いながら、世界中を食べ尽くすの記録。キューバとはキューバ人とは何なのか。地元の人達とどっぷり交流しながら学んでいく世界ホームスティ紀行編です。

 

宝の地図を手に摩訶不思議な国キューバへと旅立つ

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「はい、これ私の家への行き方。」
キューバの友人マルタから手渡された紙には丘や川、橋などが裏表にびっしり描かれていた。
「えっと、これ地図だよね。ってか絵だよね。すっごい上手だけど宝探しに行くんじゃないんだから、普通に住所書いてよ。」 「何言ってんの。私の実家は電気も水も通ってないド田舎よ。住所なんてあるはずないじゃない。」

住所がないなら仕方がない。でも不安は不安だ。
「でもマルタ、もう7年もキューバに帰ってないんだよね。青い小さな家を右って、この家もうないかもしれないよ。青じゃなくて黄色になってるかもしれないよ。」
「大丈夫、安心して。キューバはね、日本とは違うの。変化するのは生きてる人間だけで、他は何も変わりようがないの。」

「全然想像がつかないけどマルタがそう言うならそうなんだろうね。でもこの川のほとりの牛はさすがにもう食べられちゃってると思うよ。」
「大丈夫、あの牛は絶対まだ生き残ってるはず。キューバでは牛肉を食べる事が禁止されているの。だからコイツ、まだここら辺りを縄張りにしてると思う。」

住所も知らない場所へ地図だけを頼りに出かける。こうして私の大冒険が始まった。どうしたって不安感はぬぐえない。それでも何だか湧き上がってくる使命感。抑えようのないワクワク感。

私が手にしたのは宝探しの地図だ。試練(はない方がいいけど、あるならライトな感じ希望)や全てを乗り越えて、マルタの家族に救援物質を運ぶ。このシチュエーションはまさにアレ。私が子供の頃から愛読している指輪物語。大冒険の始まりの予感。

胸を高鳴らせながら、飛行機乗る前にバーガーキング行っておこう、なんて冷静に思う結構牛肉好きな自分も発見した。  

 

キューバ、はじまりは家畜運搬用トラック。次に乗ったのは馬車。でもお姫様っぽくないやつ。

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ちょっとした、いや、かなりの試練を乗り越えて(過去記事読んでください!)辿りついたのは首都ハバナから普通にバスで行けば4時間ほどの距離にある村。その村の外れにある、青い小さな家を右に行くと馬車乗り場があるはずだ。

あった、本当にあった。しかも家はまだ青色だ。馬車の運転手に半信半疑で聞く。
「えっとバス停、じゃなくて馬車停の名前は知らないんだけど、2、2キロの石で降ろしてもらえって言われたんだけど」
「丸い石だろ?誰んとこ行くんだ?」
予想に反して何だかめちゃくちゃスムーズに事が進んでいく。

「マルタか。元気でいるんか?小さい頃からよぉ知っとる」
お喋りな運転手が隣に座れって言うから、運転席に座って2、2キロを目指す。東洋人が珍しいらしく道行く人が笑顔で手を振ってくるから、私もとびきりの笑顔で手を振り替えす。

無意識に皇族風な手振りをしてしまっているのは馬車にのっているからなんだろう。

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キューバの治安。危険なのは人じゃなくて穴ぼこ。予想以上に正確だった宝の地図。

大きな石からまっすぐ歩いて20分位で小さな川、近くに白い家があるからそこで休憩せよ、との指令もあった。マルタの幼馴染みが住む家だ。そこで緑の袋に入ったプレゼント、第一救援物資を受け渡す。

話はつきなかったけれど、まだ先が長いし、暗くなると危ないから今出発した方がいいと言う。危ない人がでるの?と聞いたら笑い飛ばされた。この辺りで危険なのは野性動物と穴ぼこだけらしい。

宝の地図にあった川沿いの牛の生存も確認したから先を急ぐ事にする。ハゲタカみたいな大きな鳥が沢山とまっている木にカルチャーショックを受けながら、なだらかな緑の大地を歩いていく。

遠くの方にヤシの木が見えた。あそこがゴールだ。電気も水もガスも通っていないド田舎の農園。 でもそこで私を待っていたのは、人生の中で一番の、最高に素敵なこの世の楽園だった。

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