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マラリア対策の全て、マラリア予防薬とマラリア対策の全て

      2021/10/23

アマゾンやアフリカのジャングルを旅する際に、一番気を付けなくてはならないのは、危険な野生動物ではありません。遭遇率が高く、防ぐのが難しい、蚊です。毎年多くの人を死に至らせるマラリアの原因です。今回はマラリア対策の全て。

マラリアは何処で感染するのか

マラリアは日本国内で暮らしている限り心配はありませんが、アフリカやアマゾンのジャングルを旅行する人達には注意が必要な病気です。熱帯や亜熱帯地域で年間約3億人が感染し、50万人以上を死に至らせる病気だからです。

マラリアは高温多湿、雨が多い地域に良く見られます。特にサハラ砂漠より南のアフリカでは、都市を含む全ての地域に感染リスクがあり、パプアニューギニアや南米のアマゾン川流域も感染の確立が非常に高い場所とされています。これらの地域を旅する予定のある人は、必ずマラリア対策をしましょう。

更には東南アジア、中東、ラテンアメリカ地域など世界91の国や地域でもマラリアの感染が確認されています。先進国を旅する以外は、何処でも蚊には十分気を付けた方が良いです。

マラリアはどのように感染するのか

マラリアは、寄生虫の一種であるマラリア原虫を保持する蚊、ハマダラカに刺されることにより感染します。全てのハマダラカがマラリア原虫を保持している訳ではありませんが、どの蚊がマラリア原虫を保持しているのかも分かりません。

マラリア感染の可能性がある地域で蚊に刺されたら、マラリア感染の可能性がある事を念頭に置いて下さい。無症状から発熱、症状は様々ですが死に至る事も多い病気です。十分に注意して下さい。

マラリアの症状

マラリアの症状は原虫の種類や合併症の有無により異なります。いずれにせよ7日から30日の無症状期間があります。発熱などの症状が、マラリアが原因だと気づかず治療が遅れてしまうと大変な事になってしまうので注意して下さい。

熱帯熱マラリア

感染から10日前後の潜伏期間を経て、38度以上の発熱や倦怠感といったインフルエンザの様な症状がでます。発熱に規則性はなく、常に熱がある状態である事が多いです。多様な合併症があるので、重症化しやすいです。マラリア原虫は赤血球を次々に破壊します。症状が進行すると貧血、皮膚や白眼が黄色く染まるなどの症状が出現したり、肝臓や脾臓といった腹部の臓器が腫れて大きくなったり、血液中の血小板が減少します。重症化すると意識障害もおこります。

三日熱マラリア

48時間ごとに発熱を繰り返し、悪寒、頭痛、嘔吐、体の痛み、倦怠感などの症状がみられます。

卵型マラリア

48~50時間ごとに発熱を繰り返し、三日熱マラリアと同じような症状が出ます。

4日熱マラリア

72時間ごとに発熱を繰り返します。

三日熱マラリア原虫や卵型マラリア原虫に感染した場合は、潜伏期間が長くなる傾向があるので注意しましょう。初期症状が始まってから数か月~数年後に再発する事もあります。

いずれにせよマラリアは迅速に適切な処置をすれば治癒出来る病気です。マラリア感染の可能性がある国を訪れた後で、発熱などの症状が出たら、程度に関わらず即座に病院に駆けつける事を強くお勧めします。

マラリアの予防法

蚊にさされないようにする

マラリアの原因となるハマダラカは、夜間に血を吸う習性があります。なので日没以降は外出せず、網戸や蚊帳の中で過ごせば感染のリスクを大幅に減らす事が出来ます。外出の際は虫よけスプレーを常に用い、肌を露出しないよう長袖長ズボンを着用しましょう。

マラリアが流行している地域に滞在したとしても、蚊に刺されなければマラリアには感染しません。ただどんなに注意したとしても、蚊に全く刺されないようにするのは難しい。マラリア感染の危険がある地域では長袖長ズボンを基本に、出来るだけ蚊にさされないようにしましょう。

マラリア予防の薬を飲む

開発中ですが現時点でマラリアにはワクチンが存在しません。唯一の予防法は薬を飲む事。マラリアは日本では余り聞かない病名ですが、日本でも予防薬を入手する事が出来ます。日本で許可されている予防薬はメフロキン(メファキン)。

海外で良く飲まれているドキシサイクリン(ビブラマイシン)は、日本では予防薬として許可されていません。ただ日本で入手出来るメフロキン(メファキン)は、かなり強い副作用が出る事で有名です。

マラリア予防薬の種類

メフロキン(メファキン)

50%の人が消化器系の不調を感じ、20%の人が悪夢を見るようになり、15%の人が鬱になると噂される、世界的に悪名高きメフロキン。とにかく評判の悪い薬ですが、90%の確率でマラリアの発症を抑える事が出来ます。

マラリアが懸念される場所に辿り着く1週間前から4週間後まで、週に1回服用するだけでOKな手軽さもあります。ただ副作用が本当に怖い。鬱、めまい、悪夢、不眠、下痢、発疹、吐き気、不整脈などの可能性があり、自殺に至った人もいると言います。

最終的には確かな関連性が見出されなかったとされますが、余りにも自殺者が出た理由をメフロキンだと考えたアメリカ陸軍は、一時期メフロキンの服用を禁止していました。メリットは大きいのですが、デメリットも大きい薬です。

ドキシサイクリン(ビブラマイシン)

ビブラマイシンは海外では抗生物質として許可されている薬剤で、マラリアの予防薬としても使用されています。一日一錠を感染する危険がある場所に着く2日前から4週間後まで毎日服用します。抗生物質の一種なので食後に飲みます。

メフロキンのような強い副作用の症状が出る事は稀ですが、胸やけ、ゲリ、日光過敏症、カンジタ膣炎などの症状が出る場合もあるそうです。最初にお医者さんにはメフロキンを勧められたのですが、私は自己判断自己責任でビブラマイシンに変えてもらいました。

マラリアが心配される場所に長期間では滞在しない、やっぱり副作用が怖い、そしてアメリカの友達にメフロキンを飲んで2年間鬱になったから止めた方がいいと助言された事も大きな理由の一つです。

マラリア対策で大切なこと

熱帯熱マラリアに感染すると腎臓や脳の障害を併発し、重症化することがあります。発症してから治療開始までの期間が6日を越えると、死に至ってしまう事が多いので注意が必要です。

一番大切な事はマラリアの感染がある地域から帰国した後に、発熱や風邪の症状などが出たら、できるだけ早くマラリアを疑って病院へ行き、マラリアの可能性がある事をお医者さんに伝え、適切な検査や治療を受けることが大切です。

死に至ってしまった多くのマラリア患者達は、ただの風邪だと思って病院に行くのが遅れた、または医師にマラリア感染の可能性を伝えず治療が遅れてしまったケースがほとんどです。

マラリアは予防も大切ですが感染後の自己判断がとても重要です。きちんと対処出来れば、それ程危険な病気ではありません。手遅れにならないよう、症状があったら直ぐに病院へ駆けつけて下さい。その時お医者さんにマラリアの恐れがある事を伝えるのを絶対に忘れないように。

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