アマゾンの危険生物、アマゾン川に生息する生き物、アマゾン川ガイドの為になる話
2022/02/23
アマゾン川観光ツアーで通訳として働いていた時の、ガイドさんの面白為になる話をまとめました。アマゾン川流域にには、珍しい生植物が沢山。ボートでのアマゾン川下りだけでなく、是非ウォーキングツアーにも参加してみて下さい。
アマゾンでジャングルウォーキング
アマゾン観光のメインは、ボートで探検するアマゾン川下りですが、熱帯雨林ウォーキングも是非とも参加してもらいたいアクティビティです。鬱蒼と茂るジャングルの中を歩き周りながら、ガイドさんが見つけてくれる珍しい植物や昆虫、小動物を観察します。
アマゾン川周辺に生息する動植物は、見るもの全てが本当に珍しいです。変わった形や奇抜な色、サイズの大きさにも驚かせられました。とても危険なイメージのあるアマゾンですが、実はそれほど危険な動物は生息していません。
アマゾン川周辺には、大型の危険動物が殆どいないのです。ただ注意して欲しいのは、大きければ危険という訳ではなく、小さな生物にこそ注意を払わなければ危険なんです。特にウォーキングツアーでは注意して下さい。
世界最強の昆虫:グンタイアリ
アマゾンには世界で一番強い昆虫が生息します。グンタイアリの仲間で、アマゾン川周辺でしか見る事が出来ません。働きアリと兵隊アリとに分けられ、兵隊アリは小指の第一関節ほどあって、世界で一番大きなアリとされています。
アリなのに巣を作って定住せず、獲物を求めてジャングル中を徘徊する何ともワイルドなアリです。大軍で行動し、進路上に現れる全てのものを捕獲して食べます。昆虫、ヘビ、トカゲなどは勿論、大きな動物だって構わず襲います。
南米のアマゾンで最強生物とされるジャガーですら、グンタイアリを目にすると一目散に逃げてしまうのだそう。個体でも好戦的、集団になると一気に凶暴さが増します。世界最強の昆虫ですが、集団でなら世界で一番強い生物なのかもしれません。
人をも殺せる毒ガエル
アマゾン川周辺には、カラフルな毒ガエルが沢山生息しています。ヤドクガエルに属し、先住民達はカエルの毒を矢に塗って動物の捕獲に使います。どの種のカエルもサイズ的には小さいのですが、赤、青、オレンジ、とても色鮮やかなので目立ちます。
これは警告色と呼ばれ、わざわざ自分は危険ですよと自己申告してくれているのです。毒カエルの中には人間すらも殺せる強い神経毒を持つカエルもいるので、カラフルなものを見つけたら。迂闊に近寄らないようにしましょう。
ガイドさんは慣れているので、手で捕獲して見せてくれます。ツアー客全員に写真を撮らせてくれるのですが、ほんの少しの間でも、手がピリピリしびれてくるのだそう。「僕が死なないうちに早く写真撮って!」とか言われます。
勿論プロのガイドさんなので、強い毒性のあるカエルは選びませんが、体を張ったサービス精神に感心させられました。ちなみにコロンビア付近のアマゾン川に生息する黄色いカエルは、地球上で最も強い毒を持つのだそう。
過大に恐れられているピラニア
アマゾンと言えばピラニアです。映画の影響で危険な殺人魚のように恐れられていますが、実際はとても臆病な魚。自身より小さい獲物しか狙いません。ただ血の匂いや水面を打つ音に興奮する性質を持ち、更には集団心理が強く働くと、ワニなどの大きい獲物にも襲いかかります。
過去にはピラニアが人間を襲った例もあるとは言え、滅多にある事ではなく、アマゾン川周辺に住む人達からピラニアは全く恐れられていません。アマゾン川のピラニアとピラニア釣りに関しては、別記事で詳しくまとめてあります。
アマゾンの人食い蛇アナコンダ
ボア科アナコンダ属に分類される巨大ヘビ、アナコンダもアマゾン川流域に生息する危険生物として大変有名です。最大で長さ9m、体重は150キロ近くにも達する世界最大の蛇ですが、通常は人を丸呑みするほどのサイズはなく、自然環境でそうそう見かける事のない蛇です。
アマゾン川の大ベテランのガイドさんが、11年前に初めて見たとめちゃくちゃ興奮して話していたので、その程度の出現率なのだと思います。ただ丸飲みはされませんが、牛や豚などの家畜が絞殺される被害は多々あって、害獣とみなされています。
アマゾン川流域は未だ人類未踏の地が多いので、未知の事が多いです。もしかしたら映画のような巨大なアナコンダも何処かにひっそりと生息しているかもしれません。
一般的にはアマゾン川流域でアナコンダを見つけるのは大変難しいので、もし見たかったらアマゾン川流域に多数存在する動物保護センターへ行きましょう。お決まりで首にまいてくれたりして楽しいです。
アマゾン川流域に生息するサル
アマゾン川流域には色々な種類の可愛らしいサルが生息しています。猿は本来気性の荒い動物なのですが、アマゾン川流域に生息しているサルは結構癒し系。人を襲う事もありません。
リスザル、クモザル、ナキザル。見ているだけで癒される、カワイイお猿さん達を観察するツアーも多く出ています。アマゾンでは近年、乱獲でサルの個体数が減少しています。猿に限らず森林破壊で野生動物の数がどんどん減っています。
未開の地アマゾンとは言え、野生の動物を見る事が難しくなっています。そんな野生の動物達を助けようと、アマゾン川流域の色々な場所に野生動物保護施設が建てられています。見学ツアーに参加すると、アマゾン川流域に生息する色々な種類の動物達と触れ合う事が出来るので、大変おすすめです。
アマゾンで下ネタを一手に担う生き物
アマゾンにはガイドさんから絶大な人気を誇る動物がいます。アマゾン川にしか生息しないアマゾンカワイルカです。3500万年前から生きていた原始的なクジラと同じ特徴を備えているので「生きた化石」と呼ばれています。
通常は3mぐらいに成長し体重は160キロにも達する、カワイルカの中では一番大きい種類のイルカです。アマゾンカワイルカは、アマゾン川の支流と本流の境目を好み、単独、または2頭ぐらいで行動します。
このイルカ、女性の心を惑わすと信じられています。夜中になると乙女を惑わし妊娠させるというのです。皮の色が肌色に近く、少しぶよぶよしていて、長く立派な形の口を持つので、男性のシンボルに例えられているからです。
アマゾン川ツアーのガイドさん達が大好きなネタで、誰もが事あるごとに嬉しそうにアマゾンカワイルカの話をします。アマゾン周辺に住む先住民達は、辺りに生息する動物の全てを食べて生きてきたのですが、アマゾンカワイルカだけは食べません。
下ネタ要員ではなく、超自然的で魔術的なパワーを持つ生き物として昔から崇められていたので、現在まで乱獲される事はありませんでした。今でもその敬意は薄れる事なく、下ネタパワーも加わって、アマゾン川流域に住む人達から愛され守られている生き物です。
アマゾンンに生息する多くの動物が絶滅の危機に瀕している中で、アマゾンカワイルカだけは、昔と変わらない個体数を維持しているんです。昔から人間ととても良好な関係を築いているので、アマゾンカワイルカはガイドさんの口笛に反応して、姿を見せてくれる事が多いです。
海のイルカより口が尖って長いのが特徴で、生まれたての頃はグレーで成長するにつれてピンク色になります。日光のあたり具合や食べているものの影響で、成長してもピンクにならないイルカもいます。
アマゾンで一番危険な生物とTバック
アマゾンと聞けば、危険な大型肉食動物がウジョウジョ生息してそうなイメージがあります。でも実際には大型の野生動物は殆どいません。地元の人達が一番恐れている生物は、カンディルと呼ばれる体長10cmにも満たない魚。
ナマズ科の銀色をした小魚で、アンモニアに反応して進んでいく習性を持ちます。泳いでいる人の尿道や肛門を狙って体内に侵入すると、内部の肉を食いちぎって食べてしまいます。カンディルのヒレにはトゲのようなものがあり、無理に引き抜こうとすると更に深くめり込みます。
少しでも体内に侵入されたら、開腹手術でしか取り除く手段がありません。しかも手術となる前に、内部の肉を引きちぎられる痛みでショック死してしまう人が多いのだそう。ブラジルが発祥のTバック。
実はアマゾン川流域で暮らしていた原住民アマゾネスが、カンディルから身を守る手段として使用していたフンドシのようなものが元になっているのだそう。セクシーの為ではなく、ガンディルから身を守る為のTバックだったのです。
アマゾン川をとことん楽しむ
アマゾン川で何をするべきか、何処に泊まるべきか、アマゾン観光に関する情報を別記事で詳しくまとめました。アマゾン川探検は、色々な意味で個人では不可能だと思います。絶対にツアーで訪れて下さい。